2011年06月13日

JIN -仁- 完結編 第9話

『坂本龍馬、暗殺』

「この国を生まれ変わらせよう」とした坂本龍馬(内野聖陽)の悲願であった
『大政奉還』が成立。江戸幕府は、その260年余りの歴史を終了させる。

そして南方仁(大沢たかお)は、恋人である友永未来(中谷美紀)が過去に
“坂本龍馬は誕生日に死んだ”という史実を話していたのを思い出し、
その暗殺日まであと1ヶ月だと気付く。

着々と近付く龍馬暗殺。
仁は咲(綾瀬はるか)に龍馬が暗殺されてしまうことを伝えようとするが
激しい頭痛に襲われ倒れてしまう。

仁を看病する咲。
「その頭痛は、まことにただの持病でございますか?
 本当は、岩などでは・・・」
「前にも説明したじゃないですか。
 未来にいたときに調べてもらったけど、何ともなかったって。」
「あの・・あんは、暗殺のあん、でございますか?」
「・・・」

「では、坂本様は・・・28日後に・・・。」

「必ず自らの手で龍馬を助けるのだ」と決心した仁は、咲、
佐分利(桐谷健太)とともに龍馬のいる京へ向け出発。

一方、橘恭太郎(小出恵介)は、上役(中原丈雄)から、坂本龍馬を
討てと命じられる。逆らえば母と妹の命がどうなるか、と脅され・・・。

橘家
恭太郎の旅の支度を手伝う栄。
「橘は三河以来の旗本です。
 世がどうなろうと、しっかりとお勤めください。」
「・・・はい。」
「道中の無事をお願いしてまいりました。
 体には気を付けるのですよ。」
栄は恭太郎の手にお守り袋を握らせる。

恭太郎のこの笑み・・・。もう会えなくなってしまうのか!?

仁は勝に会いに行く。
「京までの、通行手形だよ。」
「すいません。急に変なお願いをして。」と仁。
「先生が、助けに行かなきゃいけない患者ってのは・・・
 あいつのことかい?」
「え・・・あ・・いえ。」
「まあ、いいよ。 
 おいらあいつに会ったら言ってやりてえことが山ほどあるんだよ。
 だから、頼んだぜ。」
「・・・はい。」

一方、野風は訪ねてきた咲に手紙を託す。
「京に行かれると聞きんしたので、もし、坂本様にお会いになることが
 ござんしたら、」
「坂本様が、京にいらっしゃるかどうかは・・・」
「もしお会いになられればでござんす。」
「・・・はい。」

部屋で考え込む仁。
「すでに先生は、歴史を変えておられるのではないでしょうか。」
咲に言われたことを思いながら、
「歴史は変わらないわけじゃない。」と呟く。
その時また頭痛に襲われ・・・。

「だけど、龍馬さんを助ける前に、
 俺はこの頭痛に殺されてしまうことはないんだろうか。」


「・・・考えるな。」

仁のシーンのあと、あの丘の映像。
暗闇の中、強風に揺らされる草や木々。
何かが起こっている!?


慶応3年 10月25日
仁たちは京に向けて出発する。

そんな様子を陰から見つめる三隅・・・。

山道を並んで歩く咲と仁。
その少し後ろから、佐分利。

「佐分利先生に同行を願ったのは、あれ、を防げなかった場合を
 考えてでございますか?」
「はい。そうなったら手は多い方がいいですし、
 前に咲さん言ったじゃないですか。
 この時代の人がすることは、修正されるべき歴史ではなく、
 ただの歴史だと。」
「そういえば、野風さんの出血点を見つけたのも、
 佐分利先生でございましたね。」
「はい。」

「何の根拠もないけれど、
 俺は信じようとしていた。
 自分は、龍馬さんを救うためにここに来たのだと。
 龍馬さんが、坂本龍馬が死なない歴史を作るために、
 ここにやってきたのだと、
 ただひたすらに、信じようとしていた。」


駿河国 丸子宿
「京都まであとどれぐらいで着きますかね。」と仁。
「10日ぐらいちゃいますか?」
「10日か・・・。
 私だけ先に行ってもいいですか?」
「何言うてはるんですか!」

「南方先生、佐分利先生、よろしいですか?」咲の声。
「どうぞ。」
「診てほしいと、村の方がいらっしゃってますが。」
「え?」
「ここは、医者のおらぬ村のようで、礼もあまりできないけれど、
 なんとかお願いできぬかと。」
「よっしゃ。ほな行きまひょ、先生。」
「・・・咲さん、佐分利先生、私はこのまま先に行こうかと、」
「夜の街道を歩くつもりでっか?アホ言わんといて下さい。」
「・・・はい。」

別の宿
筆を走らせる恭太郎。
『訳は申せませぬが、
 私が最後まで徳川の家臣として生き、
 死んでいったこと、それだけは確かで』

「少し良いか?」と榊原。
「はい。」手紙を隠す恭太郎。

「どうやら、隣の宿に南方の一行が泊っておるようだ。」と竹越。
「え・・・」
「南方の文は坂本に暗殺を前触れするようなものであったし、
 あやつら坂本に会いにいくに違いない。
 探ってまいれ。」
「・・・はっ。」

恭太郎が様子を見に行くと、仁たちは村人の往診に言うところだった。
「咲ではないか。」と恭太郎。
「兄上。」
「恭太郎さん。どうしてここに?」
「お役目で、京に書状を届けることに。
 先生方は?」
「・・・」
「松本良順先生からのお頼みで、病人を治すために京へ向かう
 とこなんです。ね?」と佐分利。
「京に?」
「恭太郎さん、すいません。村で患者さんが待ってるんで。」
「お急ぎの所申し訳ございませぬが、少し、咲と話がしたいのですが。」
「・・・」

村人の家に向かう仁と佐分利。
「先生、私、言うたらいかんこと言いました?」
「いえ、大丈夫です。」
「さあさあ、先生方、どうぞどうぞこちらへ。」
神社の奥の部屋には、大勢の村人たちが待っていた。
「無医村か・・・。」

兄と歩く咲。
「あの、兄上はおひとりなのですか?」
「そのようなことより咲、橘の家に、戻ることを考えてはくれぬか?」
「え?」
「先生さえよいとおっしゃるなら、共に戻っていただいてはどうだ?」
「ちゃかさないでくださいまし。何故に、急にそのようなことを。」
「あのころは、楽しかったと思うてな。
 お前がいて、南方先生がいて、勝先生や、緒方先生、
 坂本殿も。
 さまざまな方が、橘の家を訪ねてこられて。
 この頃は、時を巻き戻せぬものかと、よく思う。」
「兄上・・・。」
先に微笑む恭太郎。
「口には出されぬが、母上も、お前と暮らすことを望んでおられると思うぞ。」
「・・・考えてみます。」

恭太郎はもう自分があの家に戻れないことを覚悟している・・。

村人の怪我の治療をしていく仁と佐分利。

早朝、3人が宿を出ると、恭太郎が声をかけてくる。
「おはようございます。」
「恭太郎さん!見送りに来てくれたんですか?」
「先生に、一つお願いがございまして。」
「私に、ですか?」
「咲を・・・よろしくお願いします。」
「はい。ちゃんと危なくないように注意を。」
「末永く、よろしく、お願いします。」
「・・・は?」
「すみません先生!お忘れくださいませ。」
「はい!」無邪気に答える仁。
「忘れるんでっか!?」
「あ・・・」
「まいりましょう、先生。」
恭太郎は穏やかな笑みで咲と仁を見つめ・・・。

3人の後姿を心配そうに見守る恭太郎。
「見失わぬよう、我らもたつぞ。」
「・・はい。」

薩摩藩邸
「新しい政府の、人選をしてみたがじゃ。
 そこにあるおかららには一応話はしてあるがじゃき。」と龍馬。
「薩摩、長州、土佐、越前、公家、
 一通り、うまかこつを並べておりもんどな。」と大久保。
「こん、○○○ち記されたお方は、どなたでごわすか?
 今まで、公に名を書いちゃならんお方が、
 おひとりだけ、おられもしたどな。」と西郷。
「・・・」
「こん○○○は、慶喜公を入れよっちゅうことかち
 聞いちょっとじゃ!」と大久保。
「何ゆえじゃ?」
「徳川は最大の大名であり、政権を返上したにも関わらず、
 臨時の政権を担っちょっでな。」と大久保。
「おぉ。そりゃえい!さすが大久保さんじゃ!」
「・・・」
「徳川は、見ようによっては、新政府の最大の立役者であるし、
 外せば必ず、ややこしいことになるろうしねや。
 ああ!それがえい!」
「・・・」
「ほいたら、あとは、任せたぜよ。」
「待っちゃんせ!
 坂本さあの、名がなかようごわんどん。」と西郷。
「わしゃそろそろ、こういうことから身を引こうと思うちょるがじゃ。」
「やめて、何をされるおつもりで?」
「・・・世界の、海援隊でも、やろうかのう。」
「世界の?」
「西郷さん。海の向こうにゃ、見たこともないような女子が
 山のようにおるそうじゃ。
 金の髪、赤い髪、黒い髪、
 青い目、とび色の目、灰色の目。
 雪のように白い女子もおれば、
 艶やかな褐色の女子もおるそうじゃ!
 その声を聞いてみたいとは思わぬかえ?
 抱き合いたいとは思わんかえ?
 ・・・これからは、海の向こうの女子と縁を結ぶと書いて、
 海縁隊じゃ!」
「・・・」
「嘘やないぜよ。」
「・・・」
「わっはっはっはっは!!」
東(佐藤隆太)はそんな龍馬に微笑むのだった。

龍馬が帰った後。
「またしてやられたとじゃ!
 もう、あん男に、踊らさるっとは懲り懲りじゃ!」
大久保はそう言い立ち上がる。
「ならん!!
 一蔵どん。そいは、ならん!」
「かわやに行くだけごわす。吉之助さあ。」

橋の下で用を足す龍馬。
「早くしてくださいよ。こういう時が一番危ないんですから。」と東。
「小便くらいゆっくりさしちくれ。」
「本当にいいんですか?新政府に入らなくて。」
「わしゃ、もともとええ加減での。
 尊王やら攘夷やら、はやりもんに飛びついたような
 ところもあったがじゃ。
 けんど、そん中で、山のような死に出会うた。」
「死・・・。」
「土佐の仲間や、久坂や、蛤御門の長州兵、
 長州に討たれた幕府兵、
 身を守るためとはいえ、この手で殺めてしもうた役人や、
 長州藩士もおった。」
「・・・」
「そいつらが、もっぺん生まれてきたいと思う国にするがが、
 生き残ったもんの役割じゃち、今日まで走ってきたがやけんど、
 小便もゆっくりできんような暮らしは、もう懲り懲りぜよ。」
「・・・」
「ええ加減、すぎるかえ?」
「いえ。坂本さんらしいかと。」
「おまんは、このあとどうするがぜ?」
「・・・ずっと坂本さんの護衛をします。」
「え?けんど・・・やり残したことが一つあるち言うちょったろ?
 それはかまんがかえ?」
「・・・私の兄は志士で、やはり志半ばに倒れました。」
「ほうやったかえ。」
「兄の代わりに果たしたいことが一つあったのですが、
 ・・・坂本さんの大政奉還の建白を読んだ時、
 もうよいのではないかと思ったのです。」
「・・・」
「この国にもう一度生まれてきたい。
 兄は今、きっとそう思ってます。」
「・・・おし!東!
 ほいたら、おまんも、世界中の女子と、アバンチュールぜよ!」
「はい!」顔をくしゃくしゃにして微笑む東。
「・・・ほんな顔をしちょったがかえ、おまんは。」
坂本は東と肩を組み・・・。

東の笑顔が素敵でした。その後の龍馬の言葉にもしびれた。
龍馬は本当によく人のことを見ているんですよね。
兄のため、坂本の命を狙っていた東。
そんな思いは今はもうすっかり消え、二人の間にも友情が。


京都 伏見
仁たちを尾行する恭太郎たち。
「やはり、寺田屋か。」

寺田屋
「あの、江戸で医者をしております、南方仁と申します。」
仁が忙しそうなお登勢に声をかける。
「南方、しぇんしぇーでいらっしゃいますか!?」
「しぇんしぇー?」
「ああ、そうどすか!あんさんがしぇんしぇーで?
 坂本はんからお噂は色々。
 さあさあさあさあ!どうぞお上がり安。
 足元ちょこっと高うなっとりますさかいに。」
「あの、」
「申し遅れました。寺田屋の女将、お登勢でございます。
 お荷物これだけどすか?へいへいへい、ただいまただいま。
 誰か?誰かいてへん?」
「息継ぎせえや・・・。」と佐分利。
「あの、すいません!」

「先生からの文でお預かりしてるのは、これだけどすえ。」
「最近も、こちら付けで出したんですが、それは?」
「届いてしまへんなあ。」
「龍馬さん今どこにいるか分かりませんか?」

「先生!治さなあかん患者って、もしかして、
 龍馬さんなんでっか?」
「・・・」
「坂本はんが病に・・・ほんまどすか?」
「いや、その・・・」

「実は、先生は、坂本様が、この月の十五日に大けがをする夢を
 見られたのです。」と咲。
「夢?」
「さようでございますね?」
「あ、はい。」
「何かのお告げとしか思えぬ、坂本様にお知らせせねばと、
 こちらに参ったのでございます。」
「それでわざわざ京くんだりまで来たんでっか?」
「・・はあ。」
「そう言われるから、口に出来なかったのでございます。」
「けど、的外れとも言えしまへんなぁ。
 今、坂本はんほど、狙われてはる人もいはらしまへんさかいに。」
「龍馬さんのいそうなところって、どこですか?」

ペニシリン製造の免許を見つめる三隅。
「本物と見分けがつかぬ。
 評判通り、大した腕であるのう。
 ふふふ。飲み過ぎたか?」
三隅のそばには男が殺されていて・・・。

今度は偽のペニシリンで仁を追い込もうと?

慶応3年 11月10日
坂本龍馬を捜す仁たち。
そこへ、見廻り組がやってくる。
「幕府の治安部隊ですよ。何やキリキリしてまんな。」
「何で今更、キリキリするんですか?」
「大政奉還は、上様の本意ではのうて、そそのかされたんや、とか。
 そう思うてはる人も多いんですよ。」

「覚悟はしていたけれど、
 龍馬さんの居場所をつかむのは容易ではなかった。」


一刻も早く龍馬と会おうとする仁たちだったが、京都市中を探すも
なかなか見つからない。土佐藩邸では門前払い。

「居場所の代わりにわかったのは、
 龍馬さんが狙われ、隠れているという事実。
 時ばかりがさらさらと流れていった。」


仁友堂
「そろそろ坂本様に会えましたかね?」と八木。
「お?おぬしもそう思うておったか。」と山田。
「松本先生からのお頼みなら、勝先生に手形を頼むことなど
 ないでしょ?」
「うんうん。」
その時、大きな物音が。

仁友堂の門に、大勢の村人が押し寄せていた。
「お待ち、お待ちくだされ。いったい何のお話か?」
「静まれい!
 南方仁はおるか?」武士が駆け寄る。
「今は、旅に出ておりますが。」
「では、ペニシリンなる薬の製造に携わっておる者は他におるか?」
「私が差配で。」と山田。
「この者を捕えよ!」
「ちょっと、訳をお聞かせください!」
「お待ちください。何ゆえですか!?」

その様子を三隅が見ていて・・・。

京都
「・・・もう明日だよ。
 もう明日ですよ、龍馬さん・・・。」

仁を見張る恭太郎。
「このまま坂本が見つからなければよいなどと
 思っておるのではないだろうな?」
「いえ。」

慶応3年 11月15日
龍馬を必死に探す3人。
「ええ加減出てこいや!」

その頃龍馬はかんざしを購入。

河原
「佐分利先生は?」と咲。
「・・・」
「はぐれたのでございますか?」
「今日終わっちゃいますね。」
「・・・」

「南方先生ではごあいませんか?」東の声。
「東さん!!
 東さん、龍馬さん今どこにいるか知りませんか?
 お願いです。知ってたら会わせてほしいんです。」
「先生といえど、今は、」
「お願いします!もう時間がないんです。
 どうしても伝えなきゃいけないことがあるんです。」
「・・・では離れてついてきてください。
 私と一緒だと思われぬように。」

東と距離を置きながらついていく仁と咲。

その様子を見守る恭太郎。

店を出る龍馬。
「中岡が戻ったら、才谷が来たと伝えちょいてくれるかえ?」
「へい。」

薩摩藩邸
「既に見廻り組には極秘に、暗殺の命が下っておるとも聞く。
 おい達は、燃えちょっ火に、油を一滴、落とすっだけじゃ。」
大久保の手には、丸められた紙。

見廻り組の宿
「そもそも坂本など、人殺しの謀反人ではないか。
 咎人が告示を動かすなど聞いたこともないわ!」
「そうじゃ!まったくだ!」
お椀の中に丸められた紙が入っていた。そこには
『坂本 近江屋』
と書かれていて・・・。

近江屋
龍馬の部屋に駆け込む仁と咲。だが龍馬はいなかった。
「いませんか?」と東。
「まさか・・龍馬さん、もう・・・」
仁の背中に銃が付きつけられる。
振り向くと・・・龍馬がいた!
「ひっさしぶりじゃのう!先生!」
「龍馬さん・・・。良かった!良かったです!!」

「一人で動かないでと、お願いしたではないですか。」と東。
「ちっくと、やぼ用での。
 ほうじゃ先生!前言うちょった保険のことやけんど、」
「そんなことより、今すぐ京都出ましょう!」
「先生にとっても大事な」
「その話はします!
 しますから、とにかく、今は出ましょう。
 ここは危険なんです!」
「ほいたら、場所を変えるかえ。」

「龍馬ーーー!!」
男の叫び声に龍馬を守ろうとする仁。
「中岡・・」
「龍馬っ!!龍馬!!」やってきたのは中岡だった。
「おう。」
「わしに一言もなく、薩摩におかしなもん出したがじゃろ!」
「すまんけんど、今日これから、京を出ることになったがじゃ。」
「今日、京を出る?」
「今日、京を出るがじゃ。」
笑い出す龍馬と中岡。

「お願いします。」と仁。
「いかん!!
 今日という今日は、こいつと、この後のことについて、
 きっちり話をせんといかんがじゃ!」と中岡。
と言いつつも腹が鳴る。
「ほいたら、みんなでシャモでも食うかえ?」
「ええ?」
「龍馬さん!」

その夜。
「十津川郷士の者ですが、坂本殿にご面会を願いたく。」
「坂本はんは、おいでになりまへんが。」
宿の者を突き飛ばし、二階に駆け上がるが、龍馬の部屋は空だった。

伏見 寺田屋
「もう先生とはぐれた時はどうなったかと。」と佐分利。
「ほいたら、わしは戻るとするか。」と中岡。
「まだ、出来ちょらんぜよ。」
「このようなところで、出来る話でもないがじゃき。」
「ほいたらここまでついてこんでも・・・」
「おまんらに!道中何かあってはと思うてついてきたがじゃ!」
「・・・」
「いらん世話じゃったのう。」
「食うていけばどうぜよ。じきじき、じきに出来るがじゃき。
 ねや、中岡。」
「あの。ありがとうございました。」と仁。
「明日、また来るぜよ。」
「ほうか。また明日の。」
「おう!」
中岡は龍馬に微笑み、帰っていく。

その明日は・・・。

寺田屋を出る中岡を見つめる恭太郎・・・。

呑気に食事をする龍馬を心配そうに見つめる仁。
「あと、どれくらいで明日に、」咲に聞いていると、
「いや〜甘露甘露。
 東さん、どうでっか?東さんも。」東に酒を勧める佐分利。
「結構です。」
「・・あ、甘露甘露!」

「あの龍馬さん。」
「うん?」
「それ食べたら、京都出ましょうね。」
「ここは京のはずれ。出たも同然やき。
 大丈夫じゃ。
 こいつ(銃)もついちゅうし。
 ほうじゃ先生。保険の話なんじゃが、」
「・・・」

夜道を歩く中岡に、男たちのひそひそ声が聞こえてくる。
「坂本は?」と薩摩藩士。
「取り逃がしたごつわっど。」
「何が何でも坂本には・・・」

急いで龍馬に知らせようとする中岡の前に、男たちが立ちふさがる。
「・・・おまん!」
男は刀を振り上げ・・・。

地べたに倒れる中岡。額には深い切り傷。
「おまんの言うとおり・・食って出れば良かったぜよ・・・。
 龍馬・・・。」

寺田屋
「その保険を、船を持つもんらに売ることは出来ん話では
 ないがよねや?」
「はい、そうです。じゃあ龍馬さん、そろそろ。」
「あっ!!野風さんややこ産みはったんですよ。」
「なにぃ!?野風が子を!?
 男かや?女子かや?どっちや!」
仁と咲の不安そうな様子に、気づいた東、
「表を見張ってきます。」
「すいません、東さん。」
「いえ、役目なので。」

「もうすぐ、九つかと。」と咲。
「0時か・・・早く終われ。」

鐘の音。
「咲さん、これで!」
「はい。日が変わりました。」
「良かった・・・。」

「咲さん。ちっくと、先生と二人にしてくれるかえ?」

宿の外
「そこで何をしておられる?」東が恭太郎に声をかける。
「・・・いや。ここの宿に、親しい者が泊っておってな。」
「ではなぜお入りになられぬ?
 もう一刻もそうしておられるようだが。」
「・・・」
同時に刀を振りかざす二人。
「やはり。」

「先生。わしゃ昨日、殺されるはずやったがかえ?」
「・・・」
「ほんで、先生はわざわざ京くんだりまで、
 わしを守りに来てくれたがかえ?」
「・・・だって、約束したじゃないですか。」
「約束?」
「あ・・・覚えてないなら、別に。」
「・・・まっこと先生は、ねやぁ。」
「はい?」
仁を見つめる龍馬。照れくさそうに笑う仁、。
「ところで先生。わしゃそろそろ、おらんなってもええかえ?」
「え?」
「もう、この辺で、国に関わるがは、やめてもええかえ?」
「そういうことですか。
 何で、私にそんなことを?」
「先生は、わしの、道しるべやったきねや。」
「道しるべ?」
「初めて、先生と会うたころ、わしゃよう分からんまんまに、
 攘夷派の志士を気取っちょったがじゃ。
 これは正しいがじゃろうかと疑うちょったけんど、
 ほかに、何をしてえいか分からんまま流されちょった。
 けんど、先生がたった一人で、コロリの治療をやりゆうがを見て、
 わしも恐れずに、自分が正しいと思うことをやろうと思うたがじゃ。
 長州の戦のときもほうじゃ。
 この戦は、必要な戦じゃ。これしかないち、
 無理に己に、言い聞かせちょったところもあったがじゃ。
 先生に怒られ・・・わしゃもっぺん考えてみようと思うたがじゃ。」
「・・・」
「先生はわしにとって、夜の海に光る道しるべじゃ。
 わしゃ、ただそこを目指して進んじょっただけのような気がするぜよ。」

「それは、何よりうれしい言葉だった。
 だけど、なぜか・・・」


「けんど、もう、こんなもん(銃)を持ち歩く暮らしは、
 懲り懲りじゃし。ほかにやりたいこともあるし。
 ここらで、手を引こうと思うちょるがじゃ。」

「なぜか、別れの言葉のように聞こえた。」

「どういた?先生。」
「・・・」

「龍馬さんが国に係わることをやめたら、
 俺とのつながりも、終わりじゃないかと思えて。」


「龍馬さん。私は・・・
 私は、龍馬さんの声に導かれ、」
仁はまた、あの頭痛に襲われる。
「先生!先生!」

刀を向け合う東と恭太郎。
「坂本さんを斬ろうとも、時の流れは戻らぬ。
 徳川の時代は終わったのだ。
 なぜかように無駄なことをする!」
「私には、もう、これしかないのだ。」

騒ぎを聞きつけ、別の男たちが駆けつける。

宿
「咲さんを、連れてくるき。」
龍馬が部屋を飛び出していく。
「龍馬さん・・・。こんな時に・・・。
 まさか!!」
「先生!!」と咲。
「龍馬さんは?」
「水をくみに下へ。」

水を汲んでいた龍馬は、刀の音に気づく。
窓を開けると、東が男たちと戦っていた。
「東!!」
「来ないでください!!」
次の瞬間、東は腕を怪我してしまう。
「逃げて下さい!!」
たもとの銃を捜す龍馬。だが銃はそこになかった。
恭太郎が龍馬に刀を向ける。
「恭殿・・・。」

「兄上!」

「咲さんと栄さんを、人質にとられたかえ?」
「黙れ!」

「早うせい、橘!」東を刀で押さえながら男が叫ぶ。

龍馬になんとか近づこうとする仁。

「わしを斬ったら、死ぬつもりかえ?」
「・・・」
「まっこと、それより他に、道はないがかえ!」

「恭太郎さん・・やめろーーっ!」

「早うせんか!!」
男が叫んだ次の瞬間、東は男を突き飛ばす。

「・・・御免ー!!」
恭太郎は刀を振りかざし・・・

「やめろーーーっ!!」

「坂本さん!!」

仁が、東が龍馬に駆け寄り・・・。

恭太郎の刀を東の刀がはじく。
もう一人の男が龍馬めがけて突進。
すると東は目を閉じ、刀を振り回す。
それは龍馬の額に当たり・・・。

「龍馬・・・さん?
 龍馬さん!!」


なぜ東が!?

恭太郎の覚悟。
母と妹を守るため、龍馬に刀を向けて自分が死ぬ。
そのことに気づいた龍馬。

あの時もし東が斬らなければ、恭太郎と一緒にいた男が
確実に龍馬を殺してしまったかもしれない。
あの場は誰かが龍馬を斬らなければおさまらない。
だから東が?あくまでも、龍馬を救うために。
でもなぜ額を・・・。

次週、仁は龍馬の手術をするようです。
歴史は変わる!そう信じています。



6月19日放送の日曜劇場『JIN -仁-』第10話は、21時〜22時4分
(10分枠大)です。



美味しくいただきました!

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TBSテレビ
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主題歌
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サウンドトラック
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第1話
・未来モノローグ
「私達は、当たり前だと思っている。
 思い立てば、地球の裏側にでも行けることを。
 いつでも、思いを伝える事が出来ることを。
 平凡だが、満ち足りた日々が続くであろうことを。
 闇を忘れてしまったような夜を。
 でも、もし、ある日突然、その全てを失ってしまったら。
 鳥の様な自由を。
 満たされた生活を。
 明るい夜空を、失ってしまったら。
 闇ばかりの夜に、たった一人、放り込まれてしまったら・・・。
 あなたはそこで、光を見つけることが出来るだろうか。
 その光を、掴もうとするだろうか。
 それとも、光なき世界に、光を、与えようとするだろうか。
 あなたの、その手で。」
・運び込まれた男
 年齢は、30代から40代、身長は180センチ程度。中肉。
 血液型はA型のRH+。
 患者の傷は、何か鋭利な刃物で頭部を切りつけられたもの。
 頭蓋骨骨折と、急性硬膜外血腫を起こし、緊急手術。
 顔面に無数の打撲傷。
 胎児の形をした腫瘍。
・未来の好きな言葉。
「神は、乗り越えられる試練しか与えない。」
・野口の言葉
「医者は患者の為にその恐怖と、戦うべきなんじゃないんですか?
 一緒にその恐怖と戦うから、尊敬されるんじゃないんですか?
 先生って呼ばれるんじゃないんですか?
 失敗して傷つかない人間なんていないですよ。
 先生は卑怯です。
 先生のやり方は、自分の代わりに他人に傷ついてもらっているような
 ものじゃないですか。」
・謎の声
「戻るぜよ、あん世界へ。」
・仁、文久2年(1862年)へタイムスリップ
・仁モノローグ
「あいつがいれば戻れるはずだ。
 あいつに連れてこられたようなもんなんだから。」
・斬られた恭太郎
「・・・それが私の、寿命なのです。」
・恭太郎の開頭手術、タエの額の縫合手術

第2話
・コロリ(コレラ)との戦い
・バタフライエフェクト、蝶の羽ばたきがさ、地球の裏側で台風を引き起こす。
・江戸の人々と触れ合うたびに、仁は本気でこの命を救いたいという思いを
 取り戻していく。

第3話
・文久2年(1862年)秋
・喜市や山田純庵をコレラから救う。
・仁がコレラに感染。咲の懸命な看病。
・タエは辻斬りに遭い亡くなってしまう。
・仁は拒んでいた髷を結い、江戸で生きていく覚悟。

第4話
・未来と仁の2ショット写真『2007.10.13』
・彦三郎の慢性硬膜外血腫の手術
・恭太郎、初音と出会う。
・野風の彦三郎への恩。
・揚げ出し豆腐

第5話
・野風、仁に夕霧の診察を頼む。
・痩毒(そうどく=梅毒)
・ペニシリンの製造過程を思い出したきっかけは咲の油落とし。
 製造方法を教えたのは大学時代の未来。

第6話
・医学館(漢方医学)VS医学所(西洋医学)
医学所(蘭方医)には松本派と弟子、緒方派と弟子。
医学館(漢方医)には多紀派と福田ら弟子たち。
・伊東派の首に痣がある医師。
・この時点で仁、江戸で半年以上過ごしている。
・「南方大明神」の札
・腑分け=解剖
・仁モノローグ
「俺の招いた歴史の混乱」
・仁モノローグ
「俺には、この世界に対する執着がない。
 だから、指針などないような、仏のようなことが出来るけど、
 だからこそ、きっと、何一つリアルに感じられないんだ。
 俺はもう本当に・・・死んでいるのかもしれないな。」
・命を狙われる仁。野風が咲に知らせ、咲が救う。
・平成二十二年の10円玉

第7話
文久3年(1863年)5月〜文久3年(1863年)6月
・天命
「ご判断を急ぐ必要はないのではないでしょうか。
 いつか、天命も参りましょうし。」
「天命?」
「人には、いかに生きるべきか、天命を授かる時が来るといいますから。」
「もし、いつか、本当に天命なんてものが空から降ってきたとして・・・」
 天命=あの胎児?
・ヤマサ
・1863年7月25日洪庵死去

第8話
文久3年(1863年)8月
・小さな盃、人の器、形見の器
・初音の敗血症、新しいペニシリン


第9話
・火事
・火消しの心意気、医者の心意気 
・新しい医術道具
・消えてしまう未来の写真。野風と未来の関係



【キャスト】

南方仁 …… 大沢たかお
橘咲 …… 綾瀬はるか
野風・友永未来 …… 中谷美紀 (特別出演)
坂本龍馬 …… 内野聖陽

橘恭太郎 …… 小出恵介

佐分利祐輔 …… 桐谷健太
山田 純庵 … 田口 浩正

松本良順(奥田達士)
福田玄孝(佐藤二朗)
多紀元琰(相島一之)

西郷隆盛 …… 藤本隆宏

佐久間象山 …… 市村正親
新門辰五郎 …… 中村敦夫

東修介 …… 佐藤隆太
中岡慎太郎 …… 市川亀治郎

橘栄 …… 麻生祐未
勝海舟 …… 小日向文世


【キャスト(第1シーズン)】

南方 仁 … 大沢 たかお
野風・友永 未来 (2役) … 中谷 美紀
橘 咲 … 綾瀬 はるか

橘 恭太郎 … 小出 恵介
佐分利 祐輔 … 桐谷 健太
山田 純庵 … 田口 浩正
タエ … 戸田 菜穂
喜市 … 伊澤柾樹

千葉重太郎 … 平山浩行
鈴屋彦三郎 … 六平直政

初音 … 水沢エレナ

緒方 洪庵 … 武田 鉄矢(特別出演)
濱口(石丸謙二郎)

新門 辰五郎 … 藤田 まこと(特別出演)

野口元 … 山本耕史
杉田 … 戸次重幸

伊東玄朴

松本良順(奥田達士)
福田玄孝(佐藤二朗)
多紀元えい(相島一之)

夕霧 … 高岡 早紀
鈴屋 彦三郎 … 六平 直政
橘 栄 … 麻生 祐未
勝 海舟 … 小日向 文世
坂本 龍馬 … 内野 聖陽


【スタッフ】

原 作
村上もとか『JIN−仁−』(集英社「スーパージャンプ」)
脚 本
森下佳子
演 出
平川雄一朗/山室大輔/那須田淳
プロデュース
石丸彰彦/中井芳彦
音 楽
高見優/長岡成貢
主題歌
「いとしき日々よ」平井堅
音楽プロデュース
志田博英
医療指導・監修
酒井シヅ(順天堂大学 医学部医史学 名誉教授)
冨田泰彦(杏林大学 医学部医学教育学 講師)
ペニシリン監修
花木秀明(北里大学 抗感染症薬研究センター センター長)
歴史監修
大庭邦彦(聖徳大学 人文学部日本文化学科 教授)
土佐弁監修
橋尾直和(高知県立大学 文化学部 教授)
時代考証
山田順子
製作著作
TBS


大沢 たかおさんの主な出演作品



中谷 美紀さんの主な出演作品



内野 聖陽さんの主な出演作品


タグ:JIN -仁-
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Tracked: 2011-06-14 10:54