2011年07月25日

それでも、生きてゆく 第3話

『お母さんだから…』

祭りの夜、深見洋貴(瑛太)と遠山(三崎)双葉(満島ひかり)は、
野本(深見)響子(大竹しのぶ)、日垣由佳(村川絵梨)と出くわしてしまう。
ずぶぬれの双葉を心配して響子は自分のストールを貸す。
洋貴は双葉に響子を母だと紹介。
しかし、響子の動揺を恐れた洋貴は、双葉が何者かは言わずにに
母たちと分かれる。

「私が誰だか言わないんですね。」
「・・・そんなこと言ったら、あの人は動揺するし・・・。」
「優しそうなお母さん。」
「・・・あの人、僕の事許してないんで。」
「・・・」
「僕が・・・妹を置いて出かけたこと。」
「・・・」

車の中
「昔、母に謝ったことがあって。
 今みたいに、たまたま駅前で会って。
 なんか、今かなーと思って、
 ごめんなさいって、亜季のこと謝ったんですけど。
 そしたら母、大丈夫って。」
「大丈夫?」
「いいのよとか、分かったわとかじゃなくて。」
「ああ。でも大丈夫って言ってるなら。」
「大丈夫なときに、大丈夫・・・って言わないでしょ?
 大丈夫じゃないから、大丈夫、って言うんでしょ?」
「あ・・・。」

「ありがとうございました。」
「すぐ近くですか?」
「はい。あのう、向こうの伯父さんちに今住んでて。」
「色々あって引越したって、あれですか?
 マスコミが、押し掛けたとか?」
「とか・・・。」
「とか?」
「そういう電話とか。」
「・・・嫌がらせみたいな?」
「すいません。私それきっと、深見さんがしてるんだと思って。
 だからあの時、会いに行っちゃって。」
「僕はそんなこと。」
「あ、はい。私の思い違いでした。
 別の人だと思います。」
「・・・別の人って?」
「・・・」
洋貴には、嫌な予感が走る。

遠山家は引っ越したのだが、嫌がらせが終わる気配はない。

遠山家に嫌がらせの電話。
次のシーンでは響子の掃除するシーン。
響子が直接嫌がらせしているわけではなかった。


喫茶店
男に10万払う響子。
「確かに。
 では、こちらに、電話をかけた回数などが記録されておりますので
 ご確認ください。
 新しい先方の住所がこちらに。」と平田。
「結構です。」
「あ、そうですか。
 でしたら、後は料金を受け取り次第、このビラを配布しますので
 ご確認を。」

『警告!!
 あなたの家の隣に
 児童殺人犯の
 家族が住んでいます。
 少年Aは
 15年前に隣の市で7歳の
 少女を殺した犯人です。』

嫌がらせ電話は興信所に依頼して行っていました。
明細を見ると、朝7時31分からほぼ30分ごと・・・。


その帰り、響子はバイトの面接帰りの双葉に気づく。
「あのう。」
「・・・」
「あのう、あのゴリラの。ゴリラのTシャツの。」
「!!」
「あ、やっぱり。
 ごめんなさい。ゴリラのなんて言っちゃった。」
「あ、いえいえ。」
「あ、この間は・・。」
「あ、どうも・・。」
「お名前聞いてもいいかしら?」
「名前。上の名前ですか?」
「あ、出来れば両方。」
「・・・坂東さくです。」
「さくちゃん。可愛い名前ね。」

双葉の咄嗟のウソ。
政治家のポスター『坂東作蔵』から考えた名前でした。
サクちゃんって聞くと『セカチュー』を思い出す。
セカチューもアキとサク。
響子の娘の名前も亜季・・・。


洋貴の元に日垣耕平(田中圭)が訪ねてきた。
「嫁さんと子供、友達の家に送ってきた帰りです。
 はい。」
持ってきたとうもろこしの皮をむき、食べ始める耕平。
「何してんの!?」と洋貴。
「生で食べられるやつだよ。食ってみ。」
とうもろこしを手に取る洋貴。
「彼女できたって?
 由佳がカワイイ子だったって。
 母さんも気に入ってるっぽかったし。」
「・・・母さん、最近どう?」
「どうって?」
「何か、おかしいとことか。」
「おかしいって?」
「いや。」
「興信所のこと?」
「興・・・」

ボーリング場
「落ち込んだ時はね、これがスカっとするの!」と響子。
「はぁ・・。」

洋貴の家
「結構な金払って、あの家族のこと調べさせて、
 嫌がらせの電話したり。
 この4〜5年、そんな感じ。」
「は!?」
「何?」
「お前それ知ってて今までほっといたの?」
「うん。」
「なんで止めなかったんだよ!?」
「・・・それが母さんの生きがいだからだよ。
 亜季が殺されてから、母さん日本中に何言われたか知ってる?
 母親のくせに、何であんな小さな子供から目を離したんだって。」
「・・・」
「何で娘殺されて、まだ死んだことも理解出来ない様な母親を
 責めたりするんだろうね。
 生きてるのが・・生きてるのが不思議なくらいだよ。
 誰も知んないし、教えてくんないもんな。
 子供が殺されたあとの生き方なんて。
 だから今、あの家族に嫌がらせすることだけが、
 母さんの生きがいなんだよ。」
「・・・でも、そんなんで母さん、幸せになれんのかな。」
「ふっ。自分だって色々調べてんじゃん。」
「・・・」
洋貴は耕平が手にとったメモを取り上げる。
そこには
『東京医療少年院
 東京都南八王子奥谷町』
と書かれていた。

ボーリング場
球から指が抜けなくなり慌てる双葉。
響子が球を抑え、やっと指が抜ける。
「フフフ。」
「フフフ。痛い・・。」
「大丈夫?」
「はい。大丈夫です。」
「ああ、びっくりした。はい。」
ジュースを渡す響子。
「ありがとうございます。フフフ。」
「・・・知ってる?
 ゴリラの血液型は、全員B型なの。」
「あ、そうなんですか?
 何か大変そう。」
「今ごろ・・こんな感じのお姉さんになってたのかな。」
「・・・娘さんですか?」
「娘もね、耳かきするだけで大騒ぎしてたから。
 洋貴から聞いた?」
「はい。」
「・・・そう。
 ゴリラの、血液型は、全員B型。
 亜季がね、教えてくれたの。」
「・・・そういう話しないんですか?息子さんと。」
「・・・」
「洋貴、さん、そういう話したがっていると思います。
 お母さんと。」
「・・・」
「あ・・すいません、余計なこと。」
「ううん。」

耕平が帰った後、外で薪を燃やす洋貴。
家に戻ると、双葉と響子が仲良さそうにとうもろこしを焼いていた。
「おかえり。」と響子。
「あ、おかえりなさい。」と双葉。
「さくちゃん、焼けてきたよ。」
「あ、お醤油いきますか?」
「おしょうゆ?」
「お醤油ないですね?」
「たぶん。」
「こっち?」
「うん。うち冷蔵庫にお醤油入れるの。」
「え?あ、ホントだ。
 じゃあ、お醤油。
 わぁ!いい匂い。美味しそう!」
「どうしたのよ?」と響子。
「・・・それ生で食べるとおいしいやつ。」
「・・・そうなの!?アハハハハ!」響子と双葉、大笑い。

洋貴は双葉を店の外に連れ出す。
「サクちゃんって・・。」
「あ・・すいません。調子のって打ち解けちゃいました。」
「はぁ・・・。
 あなたの家に嫌がらせしてたの、母親だから。」
「・・・」
「もしあなたが、文哉の妹だって分かったら・・・。」
「・・はい。」
「母にはやめさせます。
 あなた達が、どうこうじゃなくて、
 母にとって、いいことじゃないと思うんで。」
「はい。」
「なんで・・・。」
「あ、はい。はい。じゃあ。」
双葉が帰っていく。

店に戻った洋貴は、母のカバンに興信所の請求書を見つめる。
「さくちゃんは?ケンカし・・・
 何勝手に人のもの見てんのよ!」
「・・・もうバカなことやめなよ。
 耕平も知ってるよ。
 父親の仕事奪ったり、家住めなくしたり娘が学校通えなくしたり
 そういうの何か、・・ちょっと、違うでしょ?」
「何が?何が、なんかちょっと違うの?」
「そういうことしてると母さんのほうが、」
「やめるわけないわ。
 やめるわけないでしょ。」
「・・・」
「亜季殺したのよ。
 なのに平気な顔して生きてる。」
「・・・亜季を殺したのは文哉だよ。
 親とかきょうだいは、」
「家族も同じ。家族も同じなの。」
「そんなこと・・」
「洋貴。・・・あんたどっちの味方なの?」
「・・・それ・・それは、それは母さんの味方にきまってんだろ。
 俺は、母さんに幸せになってほしいから。」
「ごめんね。
 こどもの命、守れなかった親は、生きてる資格なんてないの。」
「・・・」
「亜季が死んだら・・・母さんも死んだの。
 母さん・・・死んだの。」
「・・・」
響子が帰っていく。

帰るに帰れずにいた双葉は、響子の姿を見つけ、慌てて隠れようとする。
だが転んでしまい、響子に見つかってしまった。
「さくちゃん?大丈夫?」
「・・・大丈夫です。」

バス停
「さくちゃん、あっちでしょ?」
「あ、はい。」
「気をつけて帰ってね。」
「はい。
 ・・・あのう、私、」
「あ、血!」
「あ・・・」
「拭いてあげる。座って。」
「じゃあ。」
「染みるかも。」
「はい。あ・・痛!アハハ。」
「ふふふ。」
「え?」
「スカート履いて座ると、丈がちょっと上がるでしょ?」
「ああ、はい。」
「亜季はね、何でだかそれが好きだったの。
 私が、座るたんびに面白がって。
 2歳くらいから、短いスカート履きたがってました。」
「・・・」
「でも私、買ってあげなかった。」
「どうしてですか?」
「うーん、亜季、右足少し引きずってたの。
 生まれてすぐに、すごい熱出して。
 たぶん心の底で、見えないように見えないようにって
 してたのかもしれません。
 どうして短いスカート、買ってくれないのって、
 亜季に聞かれるたんびに、いつも私ね、
 膝小僧さん守るためよって。
 転んでも、擦りむかないでしょうって。」
「フフフ。カワイイ言い訳。」
「フフフ。
 だから、亜季の膝、いっつも綺麗だったの。
 こう、触ると、クスクスって笑うんです。」
「クスクスって。」
楽しそうに笑う二人。
「だけど1年生になって、夏になって、
 どうしても短いの履きたいって言うから、
 とうとう根負けして、デパート連れてって。」
「買ってあげたんですか?」
「座ると、膝が出るスカート。
 亜季、帰りの電車でもうそれ履いて。
 何回も、座ったり絶ったり。」
「嬉しかったんですね。」
「最後の日も・・・あのスカート履いてました。」
「・・・」
「あの子置いて、仕事行く時、少し気になったの。
 スカート短すぎるかなって。
 でも時間なくて。
 菓子パン一つだけ置いて、出かけて。
 ・・・
 ごめんなさいね。こんな話。」
首を横に振る双葉。
「バスまだかしらね。」
「・・・」
「霊安室の、白いシーツ剥がすと、そこに亜季がいて、
 小さい亜季が、短いスカートを履いていました。
 膝小僧触っても、亜季はもう、くすぐったがったりしませんでした。」
その場に崩れ落ちるように座り込む響子。
「大丈夫ですか?」
「・・・怖かったの。
 怖くて、警察にも聞けなかったの。」
「何をですか?」
「・・・」
バスのクラクションの音。
「バス来た。
 どうして短いスカート履かせちゃったんだろう。
 うーん・・・。」
響子は小銭を落としたことにも気づかず、激しく動揺したまま
バスに乗り込む。

釣り舟屋
「すいません。深見さん。深見さん!」と双葉。
「はい。」
「深見さん。
 お母さんを助けてあげてください。」
「え?」
「深見さんのお母さん、この15年間、悲しんでただけじゃありません。
 お母さん、怖かったんです。」
「はい?」
「怖くて怖くて、ずっと震えてたんだと思います。
 誰にも言えなくて誰にも聞けなくて、ずっと。」
「・・・何が?」
「・・・亜季ちゃんが・・・亜季ちゃんが、何をれたのか、です。」
「亜季は・・・。」
「殺される前にです。」
「え?」
「兄は、男で・・・亜季ちゃんは女で。
 もしも・・もしかしたら殺される前にそういう、
 そういう、ひどい事されてたんだとしたらって。
 お母さん、それ思ったら、怖くて怖くて。」
「・・・いや、そんな。」
「お母さんだから!
 お父さんじゃなくてお兄ちゃんじゃなくてお母さんだから!
 どうしても娘のことだから。
 最後に娘が、そんなふうにって・・・。」
「・・・妹、7歳だったんで。」
「そういう人いて、そういう事件があるから・・・。」
「・・・だってあなた、あいつの妹でしょ?
 自分の兄貴がそんなんだかどうかって・・」
「分かりません。
 ・・・もう分かんないです。」
「・・・」
「本当のこと教えてあげた方がいいと思います。」
「そんなのどうやって?」
「何かそういう、証拠とか。
 たぶん、お医者さんか警察が確認したと思います。」
「それでもし、それがそうだったら、」
「それでも知ったほうがいいと思います。
 本当のこと知らないほうがずっと苦しいはずだから。」
「・・・」

ファーム
「おはよう。」と真岐。
「おはうようございます。」と健二(=文哉)。(風間俊介)
「あ・・あのさ、ちょっと傷ついてるんだけど。」
「すいません。」
「ああ、すいませんとかじゃなくって。」

「おお、健二。昨日話した新人な。
 こっちこっと。」と五郎。
「あ、女の子だったんだ。」と真岐。
ファームで働くことになった臼井紗歩(安藤サクラ)は、健二のことを見つめ・・・。

双葉に促された洋貴は、東京の弁護士事務所に行く。
双葉もついてきていた。
弁護士を待つ二人。
「1時間1万円とか言ってたじゃないですか。
 30分5000円とかになんあいすかね?」
「カラオケじゃないから。」

「おまたせいたしました。どうぞ。
 あいにく、その者はもう引退しておりまして。」と高森。
「あ・・あのう、きょうじゅ、きょうじ、」
「供述調書。」と双葉。
「・・は、どこに行けば?」
「残念ですが、供述調書の保存期間は、5年と定められております。」
「・・・」
「どうしても必要なんです。何か方法はありませんか?
 お願いします。」と双葉。
「お願いします。」
「15年も前の少年犯罪です。
 加害者の人権にも配慮しなければなりませんし。
 難しいでしょうね。」
「・・・」

何の成果も得られず帰ろうとする洋貴たちは、藤村五月(倉科カナ)に
呼び止められる。
「あのう!すみません。
 藤村五月っていいます。
 あ、今、中でお見かけして。」
「・・・」

「私も5年前に母を殺されました。
 犯人の通り魔は、19歳の少年で、今も民事裁判の最中なんです。
 そうでもしなければ、調書だって見れませんからね。
 おかしいですよ。加害者の人権なんて。」
「・・・」
「あのう、知り合いに、少年犯罪をずっと追っ掛けてる
 記者の方がいます。
 もしかしたら調書をお持ちかもしれません。」
「ホントですか?」と洋貴。
「ええ。明日も東京にいらっしゃいます?」
「あ・・・」と洋貴。
「はい。」と双葉。
「では、聞いておきます。」
「お願いします。」
「・・・一つ聞いていいですか?」
「はい。」
「15年経っても・・・悲しみって消えないですか?」
「・・・」
「すいません。変なこと聞いて。」
「・・・自分、逃げてたんで。
 ・・・でも分かんないですけど、
 藤村さんみたいにちゃんと向き合うっていうか、
 そういうふうにしてれば、消えはしないかもしれないけど、
 なんか・・・箱の中に閉じ込めちゃったりは出来るんじゃないかなって・・
 思います。」
「そうですね。ありがとう。」
「いや・・・。」

ネットカフェ
「カップルシートしか空きがございませんがよろしいですか?」と店員。
「私は別に構いませんけど。」と双葉。
「じゃあカップルで。」と洋貴。
「かしこまりました。」
「カップルじゃないですけど。」と洋貴。
「・・・」

カップルシート
「・・・向きあうってどんな感じですかね。」と双葉。
「はい?」
「さっき何か、箱に入れるとか、いいことげなこと
 言ってたじゃないですか。」
「・・・バカにしてますか?」
「いや、してませんよ。なるほどって。
 私いつも、深見さんのとこ行くとき、バスで。
 あのう、昔住んでたうちの近く通るんですけど、
 何か・・・目つむっちゃうんですよね。怖くて。」
「・・・分かりますけど。」
「・・・今度行ってみようかな。」
「・・・この間、言ってましたよね。」
「はい?」
「文哉に、殺されそうになったことがあるって。」
「・・・」
「あれホントなんですか?」
「ホントです。」
「・・・何でですか?」
「全然分かんないです。」
「どんな・・・感じだったんですか?」
「聞くんですか?」
「・・・」
「・・・マフラーで、です。
 夢かなって思いました。
 でも夢じゃなかった。
 あの時私が目、覚まさなかったら、
 亜季ちゃんは殺されないで済んだかも。」
「・・・」
「ごめん、」
「生きてて良かったですね。」
「・・・」
「・・・帰ったら付き合いますよ。
 前の家見に行くの。」
「・・・」
「おやすみなさい。」

双葉に背を向け、毛布を頭からかぶる洋貴。
双葉は、そんな洋貴に深々と頭を下げるのだった。

朝、洋貴の携帯が鳴る。検視調書がい使った連絡だった。

日垣家
興信所に払うお金の準備をする響子。
そこへ、洋貴が訪ねてくる。
「お母さん、友達と約束してるから。」
「・・・もうそんなことやめなって!」
「何よ!」
「やめなって!!」
「・・・」
「検視調書。」
「・・・」
「検視官の人が、亜季の遺体確認してて。」
「・・・」
「亜季が死んだ時に、どんなことがあって、
 文哉に・・文哉に何されたのかも全部ここに、」
「・・・」
「知らなくていいの?」
食器を片付け始める響子。
「ずっと一人で抱えてたんだろ?」
「お母さん今忙しいから。」
「・・・検視調書。
 死者、静岡県駿府市松見台、」
「お母さん忙しいの!」
「・・・深見亜季。7歳、女。
 検視初見。
 前頭部に1箇所、後頭部に5箇所のかん・・・
 陥没を伴う、挫創あり。
 ハンマーなどの鈍体による打撃を、」
「ねえどいて!」
「打撃を被ったものと推測される。
 左右 膝全面に表皮・・表皮剥脱あり。
 擦過による傷と目される。
 創傷の状態や程度から、まず、前頭部に打撃を被り、
 膝を突いて転倒。腹臥位になったところで、
 後頭部に複数回の打撃を被ったものとみて、矛盾しない。
 溺水の所見を認めないことから、死後・・・遺体を湖に
 遺棄されたものと思量される。
 また、検察官からの要請による・・・かんいんの有無に関して、
 着衣の乱れや、損傷は認められず、
 創傷は頭部及び膝にのみ認められる
 下半身においての、創傷が認められないことから、
 ・・・かんいんは否定される。」
「・・・」
「母さんが心配してたようなことはされてない。」
「・・・」
「亜季は即死だった。」
「・・・」
「母さんのせいじゃない。」
響子の瞳から涙がこぼれる。
「母さんのせいじゃないんだよ。」
「・・・」
「母さん?」
「・・・お母さんのために調べてくれたの?」
「・・・うん。」
「・・・ありがとう。ありがとう、洋貴。」
「・・・ごめん。俺が・・・俺が、亜季を置いてったから。
 亜季は死んで・・亜季は死んで・・・・
 ごめんなさい。ごめん・・・。」
流しで顔を洗いながら、洋貴はごめんなさいと繰り返す。
「違うよ洋貴!」
「ごめんなさい。」
「洋貴、洋貴のせいじゃないよ。
 お母さん洋貴のせいだなんて思ってないよ。」
「謝っても・・謝っても謝れない。」
「そうじゃないよ。
 亜季はちゃんと分かってる。
 亜季にはちゃんと届いてる。
 ・・・お兄ちゃんでしょ。お兄ちゃんが泣いてたら、
 亜季が笑うよ。」
「・・・」
涙を拭う洋貴。響子は洋貴の顔にタオルを押し付ける。
「・・・励ますつもりで来たんだけど。」
洋貴はタオルで涙を吹くと、今度はそれを響子の顔に押し付けた。

庭の花に水をやりながら、響子は亜季のことを考えていた。

(回想)
「あのね、お母さん。
 ゴリラの血液型って、み〜んな、B型なんだよ。」
「え〜?」
「カンガルーの袋の中は、赤ちゃんのうんちの臭いで、
 すごい臭いんだって。
 亜季、カンガルーのおうちの子供じゃなくて良かったよ〜。」
「へへへ。良かったね。」
「あとね、シンデレラの本名は、エラなの。」
「え〜?」
「後ね、アリジゴク、いるでしょ?」
「うん。」
「こうなって、穴が滑るやつ。
 あれね、アリが捕まるの、1ヶ月に1回くらいなんだって。
 大変だよね〜。」
「フフフ。大変だねぇ。」
「あのね、お母さん。」
「うん?」
(回想終わり)

「じゃあ何で、亜季は殺されたの?」
「・・・」
「お母さんのせいじゃないでしょ?
 お兄ちゃんのせいじゃないでしょ?
 お父さんのせいじゃないでしょ?
 じゃあ、何で亜季は殺されたの?」

その場に座り込み嗚咽する響子・・・。

洋貴は双葉に響子とのことを電話で報告。
「なんとか伝えられました。
 あなたの家にしてたことも、もうやめるって言いました。
 あなたのおかげだと思います。」

「いや、そんなことありません。あのストール、
 はい?はい。出れますけど。」

洋貴の車に乗り込む双葉。
「すいません。」
「いえ、僕も付き合ってもらったし。」
「あ、ありがとうございます。」

その頃、響子はタクシーの中にいた。
興信所には嫌がらせ電話とビラ撒きの中止を告げ、
その代わりに、加害者家族の住んでいる住所を手に入れていた。

車を降りて歩く双葉と洋貴。
「息してますか?」
「あ・・辛うじて。」
うつむいたまま歩く双葉。

「あ・・・。」
2人は、事件当時の遠山家に行くのだが、そこはすでに空き地になっていた。

タクシーを降りる響子。
ポストには遠山という表札。
家の中から灯里が出てきた。
響子はその少女が着ているゴリラのTシャツに気づき・・・。

三崎家跡
「もう何年もこんな感じみたいっすね。」
「はい。」
「・・・」

遠山家前
敷地に少し入り、様子を伺う響子。
そこへ、三崎駿輔(時任三郎)が運転するクリーニング屋の車が。
さり気なく敷地から出ていく響子。
駿輔が響子の後ろ姿を見つめる。
ふと立ち止まり振り返る響子。
二人は目が合い・・・。

草をかき分け売地に入っていく洋貴。
売り地の看板の下に、黄色い果物が置いてあった。
それは、葬儀の時に文哉が置いていったものと同じ、日向夏だった。

ファーム
日向夏を収穫する文哉(=健二)。
「俺倉庫寄るんで、先に上がってください。」
健二が臼井紗歩に言う。
「あのう、三崎さん。」
「・・・」
「この枝どうしましょう?」
「・・・」
「どうしましょう。三崎文哉さん。」
「・・・」


あの果物は、日向夏というんですね。宮城県原産の柑橘だそうです。

ゴリラのTシャツからゴリラの血液型の話。
丈の短いスカート。
ひざこぞう。
双葉の服装から亜季の思い出話へのつなげ方が流石です。

響子はこんな話を誰かとしたかったんろうな。
その相手が、まさか加害者の妹とは。

丈の短いスカートを履かせてしまったから、
あの日事件に巻き込まれたのでは。
いたずら目的で殺されてしまったのでは。

響子の娘への強い思い。
娘を亡くしたことで他人に責められ、自分でも自分を責め続けていた。
この15年間、響子は生きることをやめてしまっていた。
自分は亜季と一緒に死んだと・・・。

子を亡くした母親の気持ちは想像できない程の苦しみだと思う。
でも響子には、洋貴と耕平がいた。
「お母さんは亜季と一緒に死んだ」
と言われてしまった洋貴や耕平が可哀想に思いました。
響子が苦しんだ分、洋貴や耕平は寂しい思いをしたのではないかな。

大竹しのぶさんの演技に釘付けでした。
振り絞って出すか細い声。涙。

響子の「ありがとう」と、洋貴の「ごめん。」
母と息子はやっと、事件のことを話しあうことができた。
15年もかかってしまったけれど、
泣いたあとの二人の表情。少しは気持ちが軽くなったんだな。

双葉の、洋貴のおかげで、亜季はいたずらされていないという
ことがわかりました。
でも、今度は、なぜ亜季は殺されたのか、という壁にぶつかってしまった。


新しくファームで働くことになった紗歩も、医療少年院から来たのでしょうか。
文哉の過去を知っていそうです。



ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking



主題歌
小田和正「東京の空」
どーも
どーも小田和正

潟Aリオラジャパン 2011-04-20
売り上げランキング : 93


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



それでも、生きてゆく オリジナル・サウンドトラック
それでも、生きてゆく オリジナル・サウンドトラック辻井伸行

avex CLASSICS 2011-08-10
売り上げランキング : 246


Amazonで詳しく見る
by G-Tools




それでも、生きてゆく (瑛太 出演) [DVD]
それでも、生きてゆく (瑛太 出演) [DVD]

売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



気になるセリフ:
第一話の回想シーン
「フランダースの犬って、何のためにあるの?
 ネロはさ、お父さんもお母さんもいなくて、いじめられたり、
 騙されたりして。最後には死んじゃうのよ。犬も一緒に。
 何のためにこんな悲しいお話があるの?」
「何のためって?」
「ネロは、生まれない方が良かったんじゃない?
 お兄ちゃん、どう思う?」



キャスト

深見 洋貴(瑛太)
遠山(三崎)双葉(満島ひかり)
雨宮 健二(風間俊介)※三崎文哉
日垣(深見)耕平(田中圭)
草間 真岐(佐藤江梨子)
遠山(三崎)灯里(福田麻由子)
日垣 由佳(村川絵梨)
藤村 五月(倉科カナ)
臼井 紗歩(安藤サクラ)

深見 達彦(柄本明)

日垣 誠次(段田安則)
草間 五郎(小野武彦)

遠山(三崎)隆美(風吹ジュン)
三崎 駿輔(時任三郎)
野本(深見)響子(大竹しのぶ)



スタッフ

脚本
坂元裕二
音楽
辻井伸行
主題歌
小田和正「東京の空」
プロデュース
石井浩二
演出
永山耕三
宮本理江子
並木道子
制作
フジテレビドラマ制作センター

公式HP



瑛太さんの主な出演作品




満島ひかりさんの主な出演作品




この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。