2011年07月30日

陽はまた昇る 第2話

『くたばれ鬼教官!』

入校式を無事終え、遠野一行(佐藤浩市)はいよいよ警察学校教官として
本格的なスタートを切った。
一方、宮田英二(三浦春馬)ら遠野教場(=クラス)の訓練生たちもまた、
正式に巡査として採用。
警察学校での半年間にわたる過酷な試練が、遂に幕を開ける!

教場
「それぞれ、隣にいるものの顔を見てみろ。」と遠野。
「今、目の前にいる男が、警察官に見えるか?」
「いや、見えないでしょ。」訓練生たちが笑う。
「何がおかしい!
 君たちは入校式を終え、晴れて巡査として採用された。
 半年後には現場だ。
 もう少し緊張感を持て。」
「はい!」
「本日より、調査実務の授業を始める。
 まずは職質だ。
 中山道、職質とは?」
「はい!
 えっと・・・職務質問です。」
「瀬尾、具体的に、どのような行為を指す?」
「はい!
 不審者に、氏名、住所を尋ね、所持品検査を行い、
 犯罪に関わっていないかどうか、確かめることです。
 通称、バンかけとも言います。」
「では、この中で、今までに職務質問を受けたものはいるか?」
「・・・」
「正直に手を挙げてみろ」

関根が手を挙げる。
「高校の時、若干いきがってたんで・・・。」
「どんな気がした?」
「そりゃあむかつきましたよ。
 人を犯罪者扱いしやがって。」
「誰でもそう思う。
 まともに答えてもらえないのが普通だ。
 時には猛烈な抗議を受ける。
 職務質問をした相手に、襲われた警察官は
 100人や200人じゃ済まない。
 つまり、職務質問とは、基礎中の基礎にして、
 最も難しく、かつ危険な行為だ。

 ここは新宿。
 強盗事件が多発する地域。
 私は、そのガード下に住む不審者だ。
 国籍不明、年齢不詳。人相悪く暴力団風。
 しかも、懐に何か隠し持ってる様子。
 これから、二人一組になって、私に職務質問をしてほしい。
 誰か、自信がある者は?」
湯原周太(池松壮亮)が挙手する。
「湯原、やってみろ。」
「はい。」
「相棒は・・・宮田。」
「うっそ・・。」と英二。
「自信がないならやめといたら?」と湯原。
「・・ないわけないじゃん。何言ってんだよ。」

校長室
「私、昨晩は眠れませんでした。」と初任教養部長・簑島佐和子(真矢みき)。
「心配ですね。体調が悪いんですか?」と内堀清二郎校長(橋爪功)。
「違います!遠野です!
 あの男は危険です。
 仮入校の学生を、捜査現場に連れて行くなど、正気の沙汰ではありません!
 彼は例の問題で、やけっぱちになっているのではないでしょうか。」
「・・・」
「担任を外すべきです。」
「まあ確かに、彼にはあとがありません。 
 でもね、だからこそ、警察官がどういう仕事か、
 教えられるんじゃないでしょうか。」
「そんな・・・何かあってからでは遅いです!」
「少なくとも鉄の女、箕島佐和子が、これほど感情をあらわに
 私を糾弾したのは初めてです。」
「・・・」
「それだけでも、いい刺激になったんじゃないでしょうか。
 わが校にとっても。そして、あなたにとっても。」
「・・・私はそうは思えません。
 校長が何もなさらないのなら、私の方から厳重注意致します!」

教場
「ここで何をしているんです?」と湯原。
「・・・」
「名前は?」
「人に名前聞くときは、まずてめえから名乗んのが普通だろ。」
「・・・警視庁の湯原です。」
「同じく宮田です。」
「湯原と、宮田だな。
 パシャ。」携帯で写真を撮る真似をする遠野。
「おい!何してんだ。」と英二。
「後々のためだよ。最近の警察官、悪質だからな。」
「だったらそっちも身分を明らかにするものを提示しなさい。」
「やだね。」
「ちょっと待ちなさい!」
「どけ!」
「法的根拠に基づいて質問しています。
 警察官職務執行法二条一項です。」
「俺が何したっていうんだよ!」
「・・・いや、ここは、強盗事件が起こった場所でして・・」と湯原。
「だから何だよ!」
「・・・」
「それだけで俺がてめえらの命令聞かなきゃなんねえのか!?
 ふざけんな!」
「ちょっと待ちなさい!」
英二が遠野の腕をつかむ。
「お!暴力ふるったな!訴えるぞ!」
「・・・」
「・・・湯原宮田、不合格だ。席に戻りなさい。」
「・・・」

「見知らぬ人間に、いきなり名前を聞き、免許証を出せ、
 カバンの中身を見せろ、というのは傲慢な行為だ。
 それを自覚するように。」
「では、どうすれば、スムーズに答えさせる事が出来るのでしょうか?
 コツを教えて下さい。」と内山。
「そんなことは自分で考えなさい。」
「・・・」
「私は君たちに、何かを教えるつもりはない。」
遠野の言葉に驚く白石助教 (波岡一喜) 。
「警察学校に入れば、教官が手取り足取り、
 何でも教えてくれると思った者は、まずその意識を変えなさい。
 ここでは、すべて、君たちが自分で答えを出すんだ。
 私は教えるつもりはない。」
「何それ・・・。」と英二。
「以上。
 職務質問の合格者が出るまで、腹筋、背筋、腕立て、スクワット、
 各100回ずつ、3セット。
 毎日班ごとに報告するように。」
「4x3=12・・・1200回!?」と白石。
「・・・」
「!!気をつけ!!」
「敬礼!」

遠野が教室を出てって、ここでオープニング。
やっぱりこのオープニング好きだ〜!みんなの笑顔が素晴らしい!


廊下ですれ違う遠野と箕島。
「・・・遠野!」
「なんでしょう、部長。」
「・・・どうだ?新人教官としての手応えは。」
「まだまだですが・・・。」
「まあそのうち慣れる。
 逮捕術や拳銃の訓練を重ねれば、学生の自覚も
 ついてくるだろう。
 ・・・あ、そうだ・・うん!
 教官も鍛えておいた方がいいな。
 私が付き合ってやろう。今日はどうだ?」
「予定はありませんが。」
「私の方も。
 いやたまたま・・奇跡的に時間がある。」
「・・・」
「空けておきなさい。」
「・・・喜んで。」

箕島部長、遠野が気に入らないっていうよりは、
遠野を意識しているツンデレに見えてしまう!


腹筋しながら話す英二たち。
「職質って難しいんだね。」
「相手によるだろ。あんな偏屈なおっさんばっかじゃないよ。」
「59。もっとひどい場合もあるよ。」と湯原。
「60!自分だけわかったような顔して。」
「61。お前らがぬるすぎるだけだろ。」

射撃訓練場
的に近い位置に当り満足そうな笑みを浮かべる箕島。
「警察官が実際に拳銃を撃つ機会は少ないが、
 だからこそ、普段の訓練が重要だ。」
遠野の番。遠野はより的に近い場所をヒット。
悔しそうな箕島、今度は片膝をつき、発泡。
同じ姿勢で遠野も。また遠野の勝ち。
箕島、うつぶせになり発泡。
的を大きくはずし、7の輪に当たる。
遠野の番。遠野はもっと外し、4の輪に。
勝った!と笑みを漏らす箕島。
自分が笑っていることに気づき、慌てて表情を隠す。
「まあ、気を抜かずにやりなさい。
 今度こそ警視庁を追われるぞ。」
「肝に命じます。」

飛田給駅
妻・奈津美に似た女性を目で追ってしまう遠野。

別人と気づいた時の悲しそうな笑み・・・。

その頃、奈津美(斉藤由貴) は安西(ARATA)と共に、富津公園行きの
バスに乗っていた。
ひき逃げ事件を調査する警官にバスを停められ、不安な表情を見せる奈津美・・・。

警察学校
遠野の課題を終えた英二らは、空腹のあまり寮を抜け出してラーメン店へ。
警察学校では無断外出は禁止。規則を破れば、退学もありうる…。
しかし英二らは、引きとめようとする周太らを振り切り、
軽い気持ちで抜け出したのだ。

ところが、ラーメン店に入った途端、偶然食事をしていた遠野と鉢合わせに!
「どうした?頼まないのか?」と遠野。
「・・・」

教場
「外出禁止なのは知ってるな?」と遠野。
「・・・はい。」と4人。
「規則を破れば、退学もあり得ると知った上でやったんだな?」
「すいません!」「申し訳ありません!」
「本当に、すいません!
 腕立て、腹筋背筋スクワット、3セットやったら、
 腹が減ってしまって。」と英二。
「おい、言い訳すんな。」と白石。
「すいませんでした!」

「申し訳ありません。
 私が至りませんでした。
 教場長として、止めることができませんでした!」と松岡(高橋努)教場長。
「謝ることないって。
 場長と私は止めました。
 宮田たちはそれを振り切って出て行ったんです。」と湯原。
「そうか。」
「僕も、部屋で警察法について勉強してたから、
 全然知りませんでした。」と内山。
「そうか。」

「あの、教官。僕ら、どうすればいいでしょうか?」と英二。
「自分たち何でもやります!どうかお赦しください!」
「昨日も言ったはずだ。私は何も教えない。」
「・・・」
「どうすればいいかは、自分たちで考えるんだ。
 それまで、授業は行わない。」
遠野が教場を出ていく。

箕島部長に事情を説明する遠野。
「お騒がせしました。」と頭を下げる。
「原則、脱走は退学だが・・・。」
「天下の捜一刑事も、なめられたものですね。」と上条。
「まあ、でも、初めてのことですし。
 脱走といっても空腹をしのぐためですから、
 多めに見てやってもいいんじゃないでしょうか。」と刈谷。
「ええ!彼らは決して、訓練から逃げようとしたわけでは
 ありません。」と白石。
「私は結構ですよ。教官も新任ですしね。」と上条。

「今回の処分は、外出許可取り消しでよしとする。
 くれぐれも、同じ過ちを繰り返さないように。」と箕島。
「処分を決定するのは、もう少し待って頂けませんか?」と遠野。
「どういう意味だ?」
「許すと決めるのは、まだ早いと思います。」
「・・・」

風呂掃除をする英二たち。
「こんなんで許してもらえんの?」
「だって学校で罰っていったら掃除だろ?」と英二。
「腕立て腹筋背筋5セットの方がいいんじゃね?」
「僕は、反省文を書いた方がいいと思う。」
「なんだよ!だったら先に言えよ。」と英二。
「いやいや、お前が掃除しかないっていうから、」
「人のせいにすんなよ。」
「だってラーメン食いに行こうって言ったの宮田だし。」
「あ、それ言う?お前が一番喜んでたじゃん。
 大盛り!とか言っちゃって。」

「もめてる場合じゃないだろ。」と松岡。
「・・・」
「手伝いに来た。一緒に学校中ピカピカにしようぜ。
 みんなでやった方が教官にも伝わるし。」
「えへへ!さすが場長さま!ありがとうございます!」
「副場長殿も、部屋長も、かたじけない!」
「お前らのためにやるんじゃない。
 早く授業やってもらわないと困るから、やるだけ。」
「連帯責任で処分!とか言われたら、やってらんねえしな〜。」
「・・・」
「よっしゃ、やるか!」

「ごめん。本当に・・・ありがとうございます。」
英二が小声で松岡に言う。
「なんだよ、急にマジになって。」
「俺、今がよけりゃいいやって、思っちゃうんだよね・・・。
 だから、就活も上手く行かなかったし。
 親にも、説教されてばっかだし、すぐ女の子も怒らせちゃうし。
 ・・・このままじゃダメだと思って、そんで警察学校へ入ったから、
 まともな警察官に、なろうと思ったんだけど、
 そう簡単に、性格変えられないよねー・・・。」
「俺も、お前くらいの時そうだったよ。」
「え?場長いくつよ。」
「29。年齢制限ギリギリセーフ。
 ついでに、女房と、子供二人持ち。」
「・・・そうなんですか!へ〜。どうりで落ち着いてると思いましたよ。」
「前の会社が潰れてな。
 一生家族を養える仕事、探したんだよ。
 ま、男の責任って感じ?」
「へえ〜。すげー。カッコイイっすよ。パパ!」

「何くだらない事やってんの?」と湯原。
「・・・」
「無意味だって。
 宿題の答えはこんな事じゃない。」
「じゃ、何望んでんだよ。」
「職務質問のテストに合格する事。それしかないと思う。」
「・・・」
「ここは小学校じゃない。警察学校なんだ。」
「・・・ああ、そうかもな。」
「・・・分かってるよ。」と英二。

そんな中、校内にアナウンスが流れる。
「遠野教場の宮田英二君、電話です。
 寮監室に来てください。」
「はあ?俺?」

寮監室
「もしもし。宮田ですが。」
「英二?」電話は恋人のアキナからだった。
「あ、アキナ!?・・・どうしたんだよ急に。」
「全然電話もメールもくれないから・・・。」
「ごめん。言ったろ?携帯取り上げられてんだ。」
「会いたい。今日近くまで行くから会おう?」
「いや、無理無理。1ヶ月、外出禁止だから。」
「・・・大事な話があるの。」
「大事な話?」
「・・・女の子が大事な話があるっていったら、
 わかんない?」
「・・・まさか・・。」
「できちゃったの。」
「・・・え!?」
「どうしていいかわかんなくて・・・。
 私もう死にたい。
 ねえ、だから来て。9時に黒目橋で待ってるから。」
「・・・」

「嘘だろ。こんなときに・・・。」
「おーい。
 ちゃんと食べてる?血色悪いよ。」
立花琴美が声をかける。
「・・はい、大丈夫です。」
「またあの時代遅れの鬼教官にやられたんでしょ。
 許せないよね、こんないたいけな坊やたちを。
 親父が若さに嫉妬してんのよ。気にすんな。」
「・・・どうも。」

喫茶&スナック SUN
「本当にありがとうございました。」と里美。
「おじちゃん、ありがとう!」とみずほ。
「すみません。どうしてもご挨拶がしたいと言うものですから。」
「いえいえ、ご無事で良かったですね。」と遠野。
「またね。バイバイ!」敬礼するみずほ。
「どうぞ、ごゆっくり。」と里美。

「さあやりましょう。乾杯。」と校長。
「いただきます。」
「あー、仕事の後にこれだけはやめられません。」
「もう少し、お時間を頂けないでしょうか。」
「ん?」
「たかがラーメン、されどラーメン。
 学生たちに、自分たちがやったことをじっくり
 考えさせたいんです。」
「ああ、その事でしたら思うようにやってください。
 教場は教官に任せる主義ですから。」
「脱走の件で、はなしがあったんじゃないんですか?」
「今日本庁で、ちょっと小耳に挟んだんですが、
 千葉の木更津で、安西に似た男が目撃されたそうです。」
「・・・」
「40前後の女性が、一緒だったそうです。」
「・・・」
「ただまあ、本人かどうか、確認はできていません。
 他人の空似ということもあります。」
「・・・いつでも、覚悟はできています。」
「覚悟ねえ・・・。」

大志寮
8時47分、恋人の写真を見つめる英二。
約束の時間まであと少し。
英二は迷った挙句、着替え始める。

そこへ、湯原がやってきた。
「入っていい?」
「いや、ちょっともう入ってんじゃん。
 ・・・何?」
「いや、職務質問の練習しようと思って。
 まあ望まなくてもお前とペアだから。」
「あっそう。後でにしてもらってもいいかな。 
 えっと・・・11時でどう?そっちの部屋に行くよ。」
「どこ行くつもりだよ。」
「いや別に。」
「じゃ何だよその格好。」
「・・・」
「またラーメンかよ!
 なあお前、どうかしてるよ!」
「ラーメンじゃねえよ。」
「じゃあ何だよ。」
「・・・彼女が、黒目橋まで来てて・・・」
「余計悪いだろ!何考えてんだよ!」
「会いたいとかそういうんじゃないんだよ。
 大事な話があって・・・。
 絶対にばれずに、夜の点呼までに戻るから、見逃してくれよ。」
「今度脱走したらどうなるかわかってんのか?
 関係ない俺達まで割食うんだぞ!」
「・・・男の責任っつーか・・・
 絶対に逃げちゃいけない話なんだよ。
 ・・・頼む。」頭を下げる英二。
「どうしても行くんなら、辞めてから行けよ。」
「・・・」
「俺は絶対に警察官にならなきゃいけない理由があるんだ。
 お前なんかのためにクビになってたまるか。」
湯原が部屋を出ていく。

「・・・わかったよ。」
英二は退学届を書き始め・・・。

帰り道、杉崎 (六角精児) の携帯に電話をする遠野。
「もしもし。」
「これは教官殿。なんだ?こんな時間に。」
「今夜はひときわ蒸す。
 あんたの声を聞いてゾっとしたくなったんだ。」
「お役に立てて光栄ですねぇ。」
「忙しいのか?」
「安西の目撃情報の件なら今調べてるよ。」
「・・・」
「木更津でバスに乗ってたらしい。
 地元の巡査が気づいて追ったが、バスが停留所に着いたときには
 もういなかった。
 同乗していた女と共に、走行中のバスから飛び降りたらしい。」
「・・・」
「なんかわかったらまた知らせてやるよ。」
「すまん。じゃあ。」
「フッ。愛想がないねー。
 そんなだから逃げられるんだよ。」
「あんたに言われたかないよ。」

家に帰った遠野は、妻が送ってきた離婚届を見つめながら
バスから飛び降りて逃げる二人を想像する。

そんな中、白石からまた脱走者が出たとの知らせが入る。

寮の廊下には、湯原がなぜか英二の退学届を隠し持っていて・・・。

英二がいないことに気づいたのは琴美だった。
「夕方、広場で見かけたとき、様子がおかしかったから、
 寄ってみたの。
 そしたら、このとおり。」
「どうおかしかったんです?」と遠野。
「どうって・・・なんとなく。」
「なんとなく?」
「思いつめているような、怯えているような。」
「それでも医者ですか?もっと具体的に言ってください。」
「お言葉ですけど、医者にとってなんとなくの勘は、
 一番大事なのよ。数値だけ見えたたら見誤る。
 私は、なんとなくを大事にしてるの。
 だからわざわざ来たんじゃない。」

「同じ班の者は何か気づかなかったか?」と遠野。
「今日は食事の後、それぞれ職務質問の勉強をしようといって、
 早めに解散しました。」と松岡。
「ラーメンのこと、挽回するためには、それしかないと思って。」と瀬尾。
「教官。何か、理由があったんだと思います。
 宮田のやつ、すごく反省してました。 
 我々にも心から謝ってくれました。
 まともな警察官になりたいって。
 軽い気持ちで抜けだしたとは思えません。」と松岡。
「・・・近くを捜してきます。待機していてください。」
遠野が出ていく。

「教官!」湯原が呼び止める。
「・・・」
「宮田は黒目橋にいると思います。」
「何?」
「どうしても逃げられない用があると言って出ていきました。」
湯原はそう言い、遠野に退学届を渡す。
「これは?」
「・・・僕が辞めてから行けと言いました。」
「なら、なぜ持ち去った?
 これは君が書かせたんじゃないのか?」
「・・・それが人の目に触れたら、退学は免れないと思いました。」
「宮田に辞めてもらいたくないのか?」
「・・・」
「湯原。君は学科の成績も、身体能力も、教場で一番だ。
 高校、大学時代は、射撃部で活躍をし、
 最も熱心に訓練に取り組んでいる。
 宮田みたいにいい加減なヤツは、いなくなった方が
 いいんじゃないのか?」
「・・・まだ勝負していません。」
「勝負?」
「僕は宮田みたいなチャラチャラした男が一番嫌いです。
 でもこのままいなくなったら、やっつける事も出来ません。」
「・・・それは、勝負に値する相手だと認めたという事か?」
「・・・」
「私なら、軽蔑する相手と戦いたくないあkらね。」
「・・・」

黒目橋で恋人と会う英二。
「絶対に死んだりしちゃ駄目だ。
 俺逃げないから。責任取るから。」
「フフ。はい、クッキー焼いてきたよ。」とアキナ。
「それどころじゃないだろ?」
「バカねぇ。嘘よ。できちゃったなんて。」
「・・・」
「そうでも言わなきゃ来てくれなかったでしょ?
 それだけ英二に会いたかったの!
 でも嬉しい。責任取るって言ってくれて見直しちゃった!」
「・・・冗談じゃないよ。」
「英二?」
「・・・俺がどんな気持ちでここに来たと思ってんだよ。
 警察学校辞めるつもりで来たんだぞ!」
「大げさねぇ。ちょっと彼女と会うだけで、」
「警察学校ってそういうとこなんだよ!!」
「そんなマジにならなくても・・・。」
「お前には一生わかんないかもしれないけどな!
 警察官になるには無茶苦茶マジにならなきゃいけないんだよ!」
「何よ偉そうに。
 英二だって、警官なんかチョロいって言ってたじゃない!」
「帰れよ!!
 ・・・もう、これまでの俺じゃ駄目なんだよ。
 帰れ!!」
「・・・あっそう!帰ります!
 ちょうど良かった。
 彼氏が警官なんてダサって友達に言われてたの。
 バイバイ!!」
「・・・」

遠野は河原で考えこむ英二を見つけ、声をかける。
「失礼します。」
「!!」
「ああ、そのままで結構です。」
「・・・」
「ちょっと、お尋ねしますが、こんなところで何を?」
「・・・教官?」
「ああ、これはあの、任意の質問ですので、
 お答えになりたくなければ、お答え頂かなくても結構です。」
「職務質問?」
「こんな時間、こんな場所に、お一人でおられるのは大変危険です。
 ですから、お声を掛けずにはいられませんでした。
 どうぞ。
 こんなところで、何をなさってたんですか?」
「・・・何も。」
「しかし、今にも、川に飛び込みそうな顔をなさってましたよ。」
「そんな事しませんよ!
 自分があまりにもバカなんで・・
 情け無くて落ち込んでただけです。」
「バカ・・とはどんな風に?」
「・・・答えたくありません。」
「なら結構です。
 お力になれればと思ったんですが・・・。」
「なれませんよ。
 適当なこと言わないでください。」
「それは、失礼しました。
 でもね、私には、あなたが、それほどバカには見えないんです。
 ですから、どのような事情があったのかと、
 つい立ち入ったことを伺ってしまいました。
 それに、ここで会ったのも、何かの縁ですからね。」
「・・・彼女に担がれたんです。
 子供ができたからって呼び出されたんです。
 男として、これだけは逃げちゃいけないと思って、
 そんで、学校を辞める覚悟で、抜けだしたんです。
 こんなバカいないでしょ!」
「・・・」
「・・しゃ、喋っちゃった。
 職務質問って、偉そうにすると駄目なんですね。」
「・・・」
「警察官って、權力持った気になっちゃうけど、
 それは一番まずいんですね。
 ・・・今頃わかっても遅いですけど。」
「なぜ遅いんだ?」
英二の退学届を見せる遠野。
「これ・・・。」
「湯原が持ってた。」
「・・・え?」
「君に辞めてもらいたくないそうだ。」
「・・・でも・・その、もう無理ですよね。
 二度も脱走しちゃったし。」
「君にとって、警察官になりたいという覚悟は、
 その程度か?」
「勝手に決めつけないでください!
 僕は、本当に、本気で警察官になりたいと思ってます!」
「ならこんなもん書くなよ。」
「・・・」
「仕事はな、そう簡単に辞めるもんじゃない。
 悩んで、迷って苦しんで、それでもな、それでもどうしようもなくて、
 本当に他に手段がなくて、それで決断するもんだ。 
 それを・・・。」
「・・・教官。」
「そもそもな、退学届じゃないだろ。
 君は、正式に採用されたんだ。」
「・・・」
「正確には、退職願だ。
 そんな事もわからない奴に辞める資格はない!」
遠野は英二の退学届を破り捨てようとし、それを英二に返すと
その場を立ち去る。
「・・・退職・・願?」

翌朝、校長室
「二度の不始末、心より、お詫びします。」と遠野。
「脱走した学生を、許せと?」と校長。
「いえ、許せとは言ってません。
 規則を破った者な罰せられるべきです。
 しかし、彼ら全員を、一人前にしてこそ、
 責任を果たせるものと考えております。」
「うむ・・・。」

「校長、私は、宮田英二は、退学処分にすべきと考えます。
 ラーメン屋の件は新入生として大目に見ても、
 昨夜の件はそうはいきません。
 無駄な厳しさは必要ないが、けじめはつけるべきだ。
 それが警視庁警察学校教官の責任というものだ!」と箕島。
「私は、宮田英二を辞めさせたくありません。」
「君の希望は聞いてない。」と箕島。
「宮田は私の生徒です!」
「・・・」

「難しいねぇ・・・。
 我が校では規則を破ったものは、退学にすると決めてきました。
 例外は余程のことがない限り、認められません。
 まあ我々の仕事に、厳しさが求められるのは、
 捜査一課にいたあなたなら、よくご存知でしょう。」と校長。
「ごもっともです。」と箕島。
「ああ。
 ただゆうべは、あれですよね?
 遠野教官は、宮田英二に、職務質問の現場実習を
 行っていたんですよね?」
「・・・」
「これから現場実習する場合は、事前に、箕島部長の許可を
 求めてからにしてください。」
「・・・はっ!」
「うん。」

「校長!」と箕島。
「職務質問ねぇ。
 初めての時は緊張したなぁ。
 いや、意地悪な上司に、やくざに職務質問してくるようにって
 言われてね。」
「・・・」

「教官!」と松岡。
「処分は!?」と関根。
「宿題はどうなったんだ?
 答えはまだ聞いてないぞ。」

教場
「ここで、何をされてるのでしょうか?」と湯原。
「・・・」
「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」と湯原。
「よろしくないね。
 何で赤の他人に名前言わなきゃなんねえんだよ。」と遠野。
「わかりました。では、お名前は結構です。
 ただ、ここは物騒な場所です。
 先日から、強盗事件が相次いでいます。」と英二。
「俺が強盗犯だって言うのかてめえ!」
「・・・いいえ。ただ、強盗に襲われたら大変です。」
「・・・心にもねえ事言うんじゃねえよ。」
「お怒りはごもっともです。
 ですが、お名前をおっしゃらないと、あらぬ誤解を受ける
 恐れがあります。
 お時間を、無駄にしてしまいます。」
「・・・わかったよわかった。
 俺の名前はな、遠野だ。遠野一行だよ。」

「よし!」と一同。

「あの、身分を証明するものをお持ちでしょうか?」と湯原。
「あっても出すかよ。サツは汚えからよ。
 何に利用されるかわかんねえからな。」
「大変失礼なお願いをしているのは承知しております。
 しかし、一日でも早く、強盗犯を検挙するために、
 ご協力願えませんでしょうか。」
「お願いします。市民の方の協力がなければ、
 我々は捜査を行うことが出来ません。
 お願いします!」と英二。
「お願いします。」と湯原。
「・・・しょうがねえな。ほら。」

「よし、きたあ!」と一同。

「ありがとうございます。」と湯原。
「重ね重ねのお願いで恐縮ですが、そちらには何が入っていますか?」
「これか?大事なもんだ。」
「見せて、頂けませんか?」
「嫌だ。」
「そこをなんとか。これで最後に致しますので。」
「ふざけんじゃねえや!
 下手に出てりゃいい気になってんじゃねえよ。
 何でもしゃべると思うな!若造が。」
「・・・」

「よし、ここまでだ。みんな席に戻れ。」
「えーーー。」「あと一歩だったのに。」
「席に戻りなさい。」

「いいか?職務質問にコツなどない。
 相手を恐れず、しかし、協力に対する感謝の気持ちも忘れず、
 向かうしかないんだ。
 卒業するまでに、しっかり身につけとけ。」
「・・・」
「私は君たちを、一人も辞めさせないことに決めた。」
「よっし!!」
「喜んでる場合じゃないぞ。
 私が辞めさせないというのはどういう事か、覚悟しとけよ!」
「はい!!」

教場の外
「何様だ・・・。」とつぶやく箕島。

「盛り上がってるじゃないですか。」と琴美。
「それが何か?」
「ただ、むかつくだけの男でもないみたいね。」
「私はただ、見ていて腹立たしいだけです。」
「ふ〜〜ん。」
「・・なんですか?」
「ううん。あなたとは、お友達にはなれそうにないなぁと思って。」
「それは残念。」
箕島が立ち去る。
「・・・惚れたか?まさかね。」と琴美。

スナック
「先日は遠野さんをお連れくださいまして、
 ありがとうございました。」
「いや。」
「おかげさまで、お礼を申し上げることが出来ました。」
「もう・・・何年になる?」
「主人ですか?ちょうど10年です。
 みずほがお腹にいたときでしたから。」
「よく頑張ったね。偉いよ。」
「はい!」
「必ず捕まえてやるからね。」
「・・・」

ロケットに入れた敬礼する父の写真を見つめるみずほ。

フェリー
夕日を見つめる安西と奈津美。
「俺らどこまで行くんだろう。」
「・・・わかんない。」

妻の携帯にメッセージを残す遠野。
「奈津美・・・奈津美、聞こえるか?
 俺だ。
 若いヤツラに教えられたよ。
 お前が俺から逃げたとばかり思ってたけど、
 本当は、俺のほうが先にお前から逃げたのかもしれないってな。
 奈津美、戻ってこいよ。
 俺はもう逃げないから。」

電話を着ると、遠野は辞表を破り捨てた。



朝6時起床、その後、様々な訓練をしていく訓練生たち。
制服を着ていると凛々しく見える程になってきました。
でも遠野はそうは見ておらず、訓練生たちの気を引き締める。

職質の訓練。不審者を演じる佐藤さんが素敵♪
遠野教官は訓練生たちに教えるのではなく、自ら学ばせようとしている。
料理人も、先輩の料理を味見し、自分で覚えていくと
何かで見たことがあります。
自分で考え、自分で答えを見つけ出す。
こうして得た経験、知識は教科書で習ったものよりも
ずっと身につくはず。

遠野の課題は自分たちで答えを見つけ出すこと、
それに加えて腹筋、背筋、腕立て、スクワット。
遠野のクラスの訓練生たちは、現場に出てみてすぐに遠野の教えに
感謝するんだろうな。

箕島が遠野のことで校長に意見したのは、彼女が遠野を気に入らない
からだと思いました。
が、その後の遠野を誘う態度、そして射撃訓練所での様子を見ると、
実は遠野のことを本気で心配しているのかも。
もし遠野が失敗をしたら、警察に彼の居場所がなくなってしまう。
箕島はそれほど遠野のことを思っているのかも。
そう思うとなんだか可愛いです。

遠野の職質、最高でした。
あなたが心配だから声をかけた。なんて聞き出し上手な。
英二はそれをしっかり学び、実践。

英二は退学届を、遠野は退職願を捨て、ここに残る決意を
固めたようです。


安西が起こした10年前の事件。
里美の夫が巻き込まれた10年前の事件。
公式HPを読んでいたらこのつながりが書かれていました。
奈津美は安西が遠野のことを傷つけるのを恐れて
彼と一緒に逃げているのでは・・・。

里美は遠野が安西と関わっていることを知っているのか?
知っていて、わざと接触してきているようにも思えます。


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公式HP


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主題歌
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【キャスト】
遠野 一行 (佐藤浩市)

宮田 英二 (三浦春馬)
湯原 周太 (池松壮亮)

白石 大地 (波岡一喜) 警察学校助教
立花 琴美 (YOU) 警視庁警察学校嘱託医
簑島 佐和子 (真矢みき)警視庁警察 初任教養部長
内堀 清次郎 (橋爪功) 警視庁警察学校長
杉崎 孝夫 (六角精児)

田中 里美 (石野真子)
田中 みずほ(大野百花)

遠野 奈津美 (斉藤由貴)
安西 雄哉 (ARATA)

瀬尾泰正 (冨浦智嗣)
松岡博敏(高橋努)教場長
関根尚充 (南圭介)


【スタッフ】
脚本:井上由美子
音楽:江口貴勅
演出:秋山純(テレビ朝日)、今井和久(MMJ)
プロデューサー:黒田徹也
制作:テレビ朝日、MMJ


佐藤浩市さんの主な出演作品



三浦春馬さんの主な出演作品





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陽はまた昇る (佐藤浩市さん)
Excerpt: 佐藤浩市さんは、テレビ朝日系列で毎週木曜夜9時から放送されている連続ドラマ『陽はまた昇る』に遠野一行 役で出演しています。 昨日は第2話が放送されました。 ●あらすじと感想 本作は、今年の5月14日に..
Weblog: yanajun
Tracked: 2011-07-31 00:31
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