2011年08月13日

それでも、生きてゆく 第6話

『招かれざる客』

双葉(満島ひかり)は祖母のいる介護アパートで文哉(風間俊介)に再会。
「お兄ちゃん・・・!?」
「双葉。」
「お兄ちゃん!」
折り紙で作った金魚を置く文哉。
「あー。双葉いるなら買ってくれば良かったよ。」
「・・何を?」
「来る時お祭りやっててさ。
 りんご飴売ってたか。双葉好きだったなーって思ってたから。」
「好きだったっけ?」
「お祭り行ったら一番に食べてたよ。
 口の周りに赤いのいーっぱい付けてさ。
 買ってくれば良かったよ。」
「・・・」泣き出す双葉。
「どうした?食べたかったか?双葉。」
「・・・お兄ちゃん、おかえり!」
「・・・」

深見洋貴(瑛太)の母、野本(深見)響子(大竹しのぶ)は
深見亜季(信太真妃)の死亡時の足跡をたどり、娘への思いを再確認。
日垣(深見)耕平(田中圭)と一緒に住んでいた日垣家を出て三崎文哉=
雨宮健二を探すため洋貴が暮らす釣り船屋『ふかみ』に身を移した。

そんな時、遠山(三崎)隆美(風吹ジュン)が来る。
家出した遠山(三崎)双葉を探しに来た隆美なのだが、
期せずして響子と顔を遇わせてしまった。
「・・・こんにちは。」と響子。
「こんにんちは。」と隆美。
「お茶持ってくるね。」
「あ、いえ結構です。」
響子は台所へ。

「・・・すいません。娘が伺ってないでしょうか?」
「いや。・・・いないんですか?」と洋貴。

調理場
お湯を沸かそうとする響子。
「・・・違う。」

「これ、この間、ご主人が持ってきてくれました。」
お菓子を開ける洋貴。
「あ・・ごめんなさい。
 得意先に何を持っていったらいいのかって聞かれて。
 まさかこちらだとは。
 あ・・あの、人気のお店で。」と隆美。

「外、暑かったでしょう。」麦茶を出す響子。
「そうですね。多少・・。」
「ねえ、もっといいのないの?」響子が洋貴に言う。
「ないよ。」
「・・何でいらしたんですか?」と響子。
「あっ。えっと・・・」
「あ、何でってあの、何でっていうのは・・・あのう、
 交通手段のことです。」
「ああ、電車とバスです。」
「ああ、身延線。」
「はい。あのう・・・」
「・・はい。」
「・・・ご無沙汰しています。」
「・・・大崎先生のところで、お会いしたのが・・」
「はい。最後です。」
「駅ビルの。」
「はい。3階の。」
「かび臭いとこだった。」
「なんの話?」と洋貴。
「あ、よく一緒だったのよ。パッチワークで。」
「カルチャースクールです。駅前の。
 ・・・あ、ごめんなさい。」
隆美の携帯が鳴る。
「どうぞ。」と響子。
「いえあのう、主人だと思いますので。」
「どうぞどうぞ。」
「ああ・・失礼します。」
表に出て電話に出る隆美。

「これどうしたの?」お菓子のことを尋ねる響子。
「ご主人に頂いて。」
「・・・何で頂いたもの出すのよ!」
「だって・・」

「あのう。」と隆美。
「はい。」
「主人もこちらに伺いたいと言っているのですが・・・」
「・・・どうぞどうぞ。」

「他にないの?」
「え・・柿ピー。」
「・・・」
「じゃあ、ないよ。」

「すみません。あの、今すぐ参りますので。」と隆美。
「はい。」

海岸
「よくここわかったね。」と双葉。
「うん。いろいろと電話して。」と文哉。
「おばあちゃんに会いたかったの?」
「・・・」
「お兄ちゃん今はどこに住んでいるの?」
「・・・」
「携帯は?」
「・・・」
「あんまし聞いちゃダメ?」
「・・・なあ双葉。」
「うん?」
「もうりんご飴好きじゃないのか?」
「・・・あんまし。」
「・・・そっか。」
折り紙で折った金魚を渡す文哉。
「お父さんたちに会いたくないの?」
「・・・」
「この間さ、わかったんだよ。
 私とお兄ちゃんは違うお母さんだって。
 知ってたんだよね?
 一人でそういうの抱えてたんだよね?」
「・・・」
「やっぱあれだね。
 私とお兄ちゃんが仲良かったのって、私、」
「・・・双葉。」
双葉の頭に手を置く文哉。
「お兄ちゃん行くわ。」
「・・・双葉も一緒に行く!」
「・・・」
「連れてって。」
「・・・」

草間ファーム
仕事から戻った父・五郎(小野武彦)に真岐(佐藤江梨子)が聞く。
「健ちゃんまた配達?」
「今日は、休ませてほしいって言ってた。」
「へー。里帰りとかかな。」
「いやいや。あいつには、そういう実家はないんだ。」
「・・・そうなんだ。家族いないんだ。」
「・・・」

その頃、紗歩(安藤サクラ)は携帯で誰かと話しながら文哉の部屋に
盗みに入る。
「わかってるってばー。
 別にあっくんのこと疑ってるわけじゃないって。
 何とかするってば。ホントだよ。ホントだってば。
 えへへへ。マジで?うん。紗歩も。
 紗歩もあっくん愛してるよ。
 ホントだよ。
 え?全部。」
紗歩は押入れの木の箱から健二(=文哉)の通帳とカードを見つけ・・・。


『ふかみ』
「今何時?テレビつく?」と響子。
「うん。」洋貴がテレビをつける。
「あ、もう始まっちゃってるかな。」と響子。
「あ、再放送?」と隆美。
「あ、はい。見てます?」
「はい。」
「妊娠しちゃったのよね。」
「どうするんでしょうね。」
「いやぁ。」

そこへ三崎駿輔(時任三郎)がやってくる。
並んでテレビを見る響子と隆美に戸惑いながらも駿輔は響子に挨拶する。
「ご無沙汰、しております。」と駿輔。
「・・・今終わりますから。」テレビから視線を外さずに答える響子。
「あ、お茶。」と響子。
「あ、いや・・。」
「このネクタイ、変よね。」
「ふふっ。」つい笑いを漏らす隆美。

調理場
「コーヒーのほうがいいかしら。」
「インスタントしかないよ。」と洋貴。
「何でお客さん用の買ってないのよ!」
「あの人達はお客さんじゃないだろ?」
「あ・・おなか空いてるかもしれない。
 ああ、つゆあるじゃない。
 ねえ、お素麺とかある?」
「はぁ・・。」溜息をつく洋貴。

響子はネギを切ろうと包丁を手に取り、それを呆然と見つめる。
その様子に気づいた洋貴は、慌てて包丁を取り上げる。
「俺切るよ。」
「・・・ちょっと、何?
 お母さん、そんなこと・・・。」
「・・・」

「今、母がそうめん茹でているんで。」
「あ、いや、もう・・。」と駿輔。

そうめんを食べる4人。
「まだ、たくさんありますから。」と響子。
「いえ、もう。」と駿輔。
「ごちそうさまでした。」と隆美。
「・・じゃあ洋貴食べて。」
「うん。」
「・・・」
「ずっと主人と、息子と住んでたもんですから、
 もう冷蔵庫にも何もなくて、こんなのしか。」
「いえ。」と駿輔、隆美。
「・・・29にもなってもう、ちゃんと髭も剃ってなくて。
 もうお父さんと一緒で、ホントいい加減なんだから。」
「・・あのう、」と駿輔。
「三崎さんは・・」と響子。
「はい。」
「お体は大丈夫なんですか?」
「ああ、はい。」
「主人は、お酒が好きだったし。」
「何度か、お会いしたことがあります。」
「市役所通り?」
「はい、」
「スナックでしょ?女の人がいる。
 たまに隠れて行ってたのよ。」
「あ・・」
「うん。ママの名前、聞いたことがあった。
 何て名前でした?」
「いや・・」
「もう今は、行ってないんですか?」
「もちろんです。」
「主人はもうそういうところには。」と隆美。
「・・ああそうなんですか。」
「・・深見さん、私たちは、」と駿輔。
「あ、あの、私もう深見じゃないんですよ。」
「・・・」
「主人とは離婚したんです。
 スナックが原因じゃないんですけど。アハハ。」
「・・・あれあら、15年たちますが・・・」
「・・・あれから?」
「・・・息子が、事件を起こしてから。」
「・・・事件。」
「・・・娘さんの・・命を・・奪いました。」
「・・・」
「私たちは、息子がしたことを忘れてはいません。 
 もちろん許していただけるとは思ってません。」
「最初はね・・・最初は、亀が風邪ひいたんです。
 ね?」
「うん。」と洋貴。
「知ってました?
 亀って、風邪ひくんです。
 くしゃみしたり、肺炎になるんです。」
「・・・」
「亜季が死んでね、私も、誰も世話しなくなったから、
 亀が・・風邪ひいちゃったんです。
 ・・・ね?」
「川に放しにいった。」
「亀そっと放したら、川の水が、冷たくて・・・
 思い出しました。
 娘の手が冷たかったこと。
 手、握ぎろうとしたら・・・冷たかったんです。
 冷たくて・・・冷たくて。」
「申し訳ありません!!」と駿輔。
「申し訳ありません・・。」と隆美。
「私が父親として責任を果たさなかったばかりに。」
「だから!!そうじゃなくて!!」
拳を振り上げる響子だが、思いとどまり、腕を下ろす。
「・・・スイカ切りましょうか。」
「あ、いえ・・結構です。」と隆美。
「ねえ、お皿下げてよ。」
響子は洋貴にそう言い、調理場へ行ってしまう。

「・・・スイカ、食べてってください。」と洋貴。
「あ・・でも・・。」と隆美。
「食べたら帰ってください。
 今日は・・たぶんこれが・・精一杯なんで。」

駿輔と隆美が帰ったあと、洋貴は響子に尋ねる。
「何で叩かなかったの?」
「・・・叩いたほうが良かったかなぁ。」
「・・・さあ。」
「・・・丼のこと思い出しちゃったの。」
「丼?」
「お父さん、あの人達の家の前、車で通ったことがあったんだって。
 雨の日で、玄関の前に、出前で取った、ラーメンの丼や、
 餃子のお皿が積んであって。
 雨水がたまってたって。
 お父さん、それ見て、あっちはあっちで、色々あるんだなぁって。
 はっ?何言うんだろうこの人って思ったけど・・
 あっちはあっちで、色々あるんだなぁって。」
「・・・別に同情することないっしょ。」
「・・・洋貴だって、加害者の妹と、仲良くしてるじゃない。」
「・・・してないよ。」
「・・・してないの?」
「・・・」

その頃、文哉と双葉は動物園にいた。
「双葉。」
文哉が買ってきたソフトクリームを渡す。
「あ、ありがとう。お兄ちゃんのは?」
「いいよ。」
「ふふふ。」
「双葉仕事は?」
「居酒屋でバイト始めたとこ。」
「・・・そっか。」
「おいしい!」
「就職できなかったか。
 学校でも色々嫌な思いさせられたか?」
「・・全然。全然!ないないない。・・ない。」
「あいつら。」
「いや全然ないって!」
双葉はソフトクリームを落としてしまう。
「いいよ、双葉。」
「ちょっと・・」
「新しいの買ってやるよ。」
「ごめんなさい。」
「お兄ちゃん、働いてるし。
 貯金もしてるからさ。」
「貯金って?」
「ほんのちょっとだけどな。ほんのちょっと。」
財布を開く文哉。
「お兄ちゃん、それってもしかして・・・
 何これ?」
文哉が財布から取り出したピンクの紙を広げる双葉。
『乗務員募集
 瀬戸内海フェリーサービス(株)』
「フェリー?」
「うん。因島。」
「因島って?」
「瀬戸内海だよ。乗務員募集してる。
 まあ、それ見つけたの2年前だからもう募集終わってるかもしれないけど。
 そこに住んで仕事があったらなーって。」
「何でここなの?」
「・・・俺とお前のお母さんが生まれた場所だから。
 俺お母さんのお墓がある場所も知ってるし。
 お墓移してって思って。」
「・・・」
「双葉も・・双葉も一緒に来るか?」
「・・・・・何で行くの?」
「電車か、飛行機か。」
「・・・・・乗ったことないから飛行機がいいな。」
「・・・」
「飛行機がいいな。」
双葉の言葉に嬉しそうに微笑む文哉。

双葉の携帯が鳴る。
「・・・」出ようかためらう双葉。

「待つことないか。」と文哉。
「え?」
「・・・明日出発しよう。」
「・・・」

洋貴の部屋
双葉に電話をしていたのは洋貴だった。

電話はつながらず、携帯を切る。
その直後、洋貴の携帯が鳴る。
「もしもし?」
「東雪絵さんが生きてました。」とは藤村五月(倉科カナ)。
「・・・分かりました。
 明日東京行きますので・・一緒に。」
「それから、この間の薩川さんから、東雪絵さんの当時の写真を
 見せてもらいました。
 写真撮ったんで送りますね。」

メールの着信音。
洋貴はうつむき加減にカメラを向く東雪絵(酒井若菜)の写真を見つめ・・・。

草間ファーム
悠里(原涼子)が遊ぶのを見つめながら話す五郎と真岐。
「お前もちっちゃい頃は、あれぐらい可愛かったんだけどな。」
「昔はここのの畑も半分ぐらいしかなかったよね。」
「そうだな。」
「お父さん頑張ったんだね。
 私の面倒も見て。」
「・・・お母さんから預かった、大切な宝物だったからな。」
「何?真面目はやめてよ。」
「へへ。」
「・・・お父さんさ、私がどうなったら、お父さん幸せ?」
「え?」
「どうなったら、お母さん喜んでくれる?
 阪神の選手と結婚するとか。」
「アハハ。」
「ふふふ。」
「親を幸せにすることなんて、簡単だよ。」
「何?」
「親より、長生きすることだよ。
 結婚なんて、したいやつとすればいい。」
「・・・」

その頃、紗歩は草間家の棚から健二(=文哉)の免許証の
コピーを手に入れ・・・。

健二は偽名というわけではないんですよね。
法に基づき、改名している。
生年月日の部分がUPで映っていました。
昭和57年9月18日生まれ。
紗歩は暗証番号を探していたのか。


日垣家
「パパ。おもちゃ動かないの。」と由佳(村川絵梨)。
「・・・うん。」と耕平。
「耕平?」
「・・あ、ごめん。」
「ひどいよね。15年も前のこと、まだこだわって。」
「お前が言うな。」
「え?」
「あっ・・ああ、ごめん。違う違う。」
「・・・」

耕平と由佳の間にも溝ができてしまったようです。
今まで耕平は母の為に、この家では言いたいことも言わずに
全部我慢してきたんだろうな。


東京
洋貴と五月は、雪絵の母親が住むマンションを訪れる。
「ここです。」と五月。
「ああ、あの・・もう大丈夫なんで。自分一人で。」
「・・・はい。」

その時、ドアが開く。
「あ、東さん。あの、昨日お話した、深見さんです。」と五月。
「・・・」
「あの、娘さんは今どちらに?」
「明日、息子の結婚式なの。」と春美。
「ああ、おめでとうございます。
 じゃあ、娘さんも式にご出席されるんですか?」
「よんでるわけないでしょう。
 うちとは無関係なんです。」
「あのう、あの!
 ・・・娘さんの居場所教えてもらえないなら、
 明日結婚式場伺います。」と洋貴。
「・・・」

マンションから出る二人。
「驚いた。深見さんがあんな強気なこと言うなんて。」と五月。
「あ、どうも、ありがとうございました。」
洋貴が五月に頭を下げ、一人で車に乗り込もうとする。
「あ・・。あ、あのう・・まだ雪絵さん勤務中なんじゃ。」
「ああ。」
「結構時間ありますね。
 ゆっくり食事したとしても、まだ。」
「・・・」
「・・・私迷惑ですか?」
「そういうわけじゃ・・・。」
「・・・私、同じ境遇だから・・・
 深見さんの悲しみが分かります。 
 半分に分けあえます。
 遠山さんは・・・あの人は、深見さんの悲しみを
 2倍にする人です。」
「・・・」
「ごめんなさい。
 じゃあ・・現地に9時集合で。」
五月が立ち去る。
洋貴はもう一度頭を下げ・・・。

公園
おにぎりを食べながら電話をかける洋貴。相手先は双葉。
だが電話はつながらず・・・。
洋貴は五月が送ってくれた東雪絵の写真を出してみる。
手に持つクリアファイルには、折り紙で作った金魚が入っていた。
その金魚を見つめていると、双葉から電話が入る。
「もしもし?」

コンビニ前の車の中
「えーっ。私が行くの?」と紗歩。
「だって紗歩のお金でしょ?」と谷口。
「使うのはあっくんじゃない。」
「・・・」
「何でも私にさせるんだから・・。」
「サンキュ。」
紗歩は渋々、コンビニのATMに向かい・・・。

しばらくすると、紗歩が店員に捕まっていた。
「やっべ!」一緒にいた男は紗歩を置いて車で逃げてしまう。

文哉の部屋
荷物をまとめていた文哉は、通帳とカードを盗まれたことに気づき・・・。

通帳を入れていた木の箱は、絵の具や筆が入れられていました。
あの湖の絵もこれで描いたのか・・・。


「お父さん!警察!警察から電話!」真岐の声が聞こえてくる。

双葉がいるカラオケに洋貴がやってくる。
「あ、どうぞ。
 あ・・何か飲みますか?
 持ってきてくれるんですよ。すっごい日焼けした人が。
 うん、じゃあ。」メニューを広げる双葉。
「あっ、あのう、付いてます。」
「・・あ!!」
双葉の白いTシャツにはケチャップが。
「あ〜!あ〜!どうしよう!
 白いの着てきちゃった。」
「え?一人で歌ってたんすか?」
「歌ってないですよ。2曲ぐらいしか。」
「家出中なのに。」
「家出中だと歌っちゃいけない決まりとかあるんですか?
 深見さんこの間言ってたじゃないですか。
 カラオケ、行ってみたいな的なこと。」
「え?何歌ってたんですか?」
「石川さゆりとかです。」
「天城越え?」
「いや。『ウイスキーが、お好きでしょ』です。」
「え?そんなの、一人で歌ってたんですか?」
「え?悪いんですか?」
「いや、だいぶ面白い人だと思います。
 え?他には?」
「何でもいいじゃないですか。」
「何で隠すんすか?」
「・・・坂本冬美の『また君に恋してる』です。」
「お酒の歌ばっかりじゃないっすか。」
「ああ・・そうっすね。」
「・・・家出してずっと、何やってたんですか?」
「・・・飲み物何にしようか。」
「昨日とか何してたんすか?」
「あ、おばあちゃんのところに行ってました。」
「・・・僕烏龍茶で。」
「え?」
「烏龍茶ないっすか?」
「ありますよ。
 でもちょっと待ってください。私まだ決めてないんで。」
「・・・お父さんとお母さんうちに来ましたよ。」
「・・・」
「うちの母と会いました。」
「・・そうですか。」
「遠山さんのこと心配してましたよ。」
「でも、深見さんには関係ないことなんで。」
「僕も心配しましたよ。何かあったんじゃないかって。」
「・・・深見さんジンジャーエールでいいんですよね?」
「どうしたんすか?」
「あ、すいません。えっと、
 ジンジャーエール2つと、
 あと、あとフレンチポテトと、あとミックスピザと、
 かりかりベーコンのサラダ。
 あ、はい。
 あ、やっぱミックスピザやめて、あの、シーフードピザに
 してください。
 え?あ、ないんですか?じゃあ・・・。」

洋貴は双葉の携帯の下に折り紙の金魚を見つけ、手に取る。
東雪絵の写真に映っていたのと同じものだ。
双葉は洋貴が金魚を見ていることに気づく。

「ジンジャーエールだけでいいです。」
電話を切る双葉。

「・・・」
「・・・昨日兄に会いました。
 おばあちゃんの老人ホームで、偶然。
 でも・・・。」
「文哉は今どこにいるんすか?」
「深見さん・・ちょっと目が怖いです。」
「教えてください。」
「・・・」
「どこにいるんすか!?」
「いや・・落ち着いて。座りましょう。」
「何で隠すんすか!?」
「・・・」
「文哉反省してましたか?」
「・・・」

「ドリンクお持ちしました。」
店員がジュースを置く。
「ごゆっくりどうぞ。」

「何でジンジャーエールなんか。」と洋貴。
動物園の入場券を置く双葉。
「何すか?」
「私ゴリラ好きなんですよ。」
「はい?」
「お兄ちゃんそれ覚えててくれたから、連れてってくれたんです。」
「それで?」
「それでって・・・。
 まあ、そういう感じです。」
「・・そういう感じって?」
「じゃあって。」
「・・・そうっすか。」
「そうです。」
「・・・」
「・・・」
ジンジャーエールをがぶ飲みする洋貴。
「・・・分かりました。
 自分で捜します。」
「・・・」
「すいませんでした。」
「何がですか?」
「もともと、・・立場違うし。僕とあなた。」
「・・・」
「そういう関係いじゃないし。僕とあなた。」
「・・・」
「・・・はい。」
「・・・あ・・はい。」
洋貴はお金をテーブルに置き、出ていこうとする。
「あのう!」シャツを掴む双葉。
「・・・」
「ちょっと・・いや、あのう・・」
「・・・僕は・・・
 ・・・
 お疲れっす。」
洋貴が出ていく。
「・・・」

カラオケを出た双葉は、文哉と落ち合う。
「ごめんな、双葉。飛行機で行けなくなった。
 車駅に置いて、電車乗り継いで行こう。
 お金少ししか無くなっちゃったけど、お兄ちゃん何してでも稼ぐから。」
「・・・」
「どうした?飛行機乗りたかったか?」
「・・・」
「どうした?」
「・・・お兄ちゃん。」
「うん?」
「行く前に寄ってほしいとこがあるの。」
「・・・」
「深見さんに会いに行こう。」
「・・・」
「深見さんお兄ちゃんに会いたがってるの。
 妹さんのことで会いたがってるの。会ってあげて。」
「・・・」
「私も一緒に行くから。
 もしかしたら。もしかしたらってことがあっても、
 私がお兄ちゃん守るから。お願い。会おう。」
「何で?・・・何で双葉が洋貴のこと?」
「一緒なの。私と深見さん一緒なんだよ。
 この15年間、立場は全然違うけど、
 似たような、思い出生きてきたの。
 なのにさ、私だけお兄ちゃんに会ってずるいじゃん。
 深見さんもお兄ちゃんに会いたいのにずるいじゃん。
 だから、深見さんにお兄ちゃんが反省したとこ見せてあげて。」
「反省って?」
「・・・深見、亜季ちゃんのこと。」
「何でお兄ちゃんが反省するんだ?」
「・・・」
「何でそんなこと言うんだよ?
 ・・・たった二人のきょうだいなのに。」
一人歩き出す文哉。
「お兄ちゃんが亜季ちゃんを殺したでしょ?」
「亜季ちゃんは天国に行ったんだ。」
「・・・」
「生まれてこない方がよかったから。」
「・・・お兄ちゃん!お兄ちゃん!
 亜季ちゃんは生きたかったんだよ!
 生まれてこない方が良かったわけないじゃない!
 お兄ちゃん!もう!」
泣きながら兄を追いかける双葉。
「悲しんでる人たちがいるんだよ!ねえ!!
 15年間毎日毎日悲しみ続けてる人たちがいるんだよ!
 悲しくて悲しくて、泣きすぎて涙もでなくなった人たちが
 いるんだよ!!」
文哉は双葉を突き飛ばすと車に乗り込み、行ってしまう。
「何で!!何で!!
 お兄ちゃん!何で!ねえ!!
 何で!!お兄ちゃん!!
 ・・・もう!!」
双葉はその場に泣き崩れ・・・。

あかむすび、という店の前で雪絵を待つ洋貴と五月。
「僕といて恥ずかしくないんすか?」
「何でですか?」
「いや・・ホントに・・もういいんで。」
「深見さん、妹さんのために家族のためにって、
 一生懸命頑張ってらっしゃるから。
 私、そういう人の力になりたいんです。
 一生懸命頑張っている人の、力になりたいんです。」
「・・・藤村さん僕の事、勘違いしています。」
「え?」
「僕は別にあのう、頑張ったこともないですし、
 誰かのために、何かしたことも、ありません。
 この年まで、就職もしないで父親に食わしてもらって。
 はぁ・・。外歩くのが、まぶしくて。
 死にたいって思いながら、マンが読んで。
 死にたいって思いながら、コンビニに着ていく服選んで。
 死にたいって思いながら、しょんべんしてクソして。
 ・・・あの山の中の家で、ずっとへばりついてた。
 ナメクジみたいな人間なんです。」
「フフッ。」
「面白いこと言ってません。」
「・・・」
「妹の復讐するとか言いながら何もできなくて。
 復讐復讐って言いながら、相変わらずグラビアとかちょっと見たり、
 復讐って言いながら、目やに付けたまんま夜になって、
 また、しょんべんして、クソして。
 ナメクジみたいに、ベタベタベタベタ、
 地べた這いずり回ってるんです。」
「じゃあ、何でですか?」
「何が?」
「私、別に深見さんのことヒーローみたいに思ってませんし。
 しょんべんだってクソだってしてると思ってます。」
「・・・」
「でも、加害者のこと捜してるんでしょ?
 何で捜してるんですか?」
「・・・」
「自分の人生取り戻そうと思ってるからでしょ?」
「・・・」
「別に、恥ずかしいことじゃないと思いますけど。」
「・・・どう答えたらいいんすか?」
「はい、って。」
「・・・はい。」
「深見さん。」
「まだ何か?」
「そろそろ仕事が終わるみたいですよ。」

文哉が果樹園に戻ると、紗歩が五郎に叱責されていた。
「あ!健ちゃん!通帳無事だったよ。」と真岐。
「・・・」

「謝れ。健二に謝れ。」と五郎。
「・・・」
「何だその態度は!
 もう一度警察に行くか!?」
「社長、もういいです。」と健二。
「しかしお前。このまま置いとくわけには。」
「ホントにもう。」
「・・・まあお前がそう言うなら。」

「健ちゃ〜ん。」と悠里。
「こら悠里。まだ入っちゃダメ。」と真岐。
「もういいよ。終わった。」と五郎。
文哉の膝の上に座る悠里。
「終わったって?」と真岐。
「健二が許すって。」
「嘘!何で?お金とったんだよ?」と真岐。
「健ちゃん。あれ取って。」文哉に抱きつく悠里。
「信じらんない。人がいいんだから。」と真岐。
悠里を抱き立ち上がる文哉。
「人がいい?
 この人の金とって、何が悪いのかな?」と紗歩。
「ほら。もう全然反省してないじゃない。」と真岐。
「人殺しの金とって何が悪いのかな!!」
「・・・」
「え?」と真岐。
「あんただけだよ、知らないの。
 この人さ、本当の名前、三崎文哉っていうの。
 中学ん時7歳の女の子殺してんの!
 女児殺害事件犯人の少年Aなんです。」
「・・・悠里。こっちおいで。」
「嫌だ!」
「こっちおいで!!」
「嫌だ!健ちゃんがいいの!」
真岐は文哉から悠里を奪い、部屋を出ていく。
「ハハッ。ハハハハハ!!」笑い出す紗歩・・。

店の前
「あのう。東さんですか?」洋貴が雪絵に声をかける。
「・・・」
「深見と申します。
 ・・・三崎文哉のことをお伺いしたくて来ました。」
「ああ、はい。」
「少々お時間よろしいですか?」と五月。
「じゃあ・・そこの、喫茶店で。」
雪絵が指さす方に振り返る洋貴と五月。
その瞬間、雪絵が逃走。
洋貴が追いかけ捕まえると、雪絵はバッグで洋貴を叩いて
逃げようとする。
洋貴は雪絵を抑えつけ・・・。



事件後お互いの存在をいつも意識しながらも、一度も歩み寄ることの
なかったふた家族。
洋貴と双葉が出会ったことで、その距離が次第に縮まっていきます。

響子と隆美の再会。
会話が噛み合わず、しまいには並んでテレビを見る二人。
しかも見ているのは韓流ドラマだし。
この不思議なシチュエーションに妙に納得。


双葉と文哉の再会。
文哉は祖母の病院を電話で調べたようです。

文哉が知っている頃の双葉は、りんご飴が大好きだった。
今はもう好きではない。
もう双葉はあの頃の、幼い妹ではないのだ。
そのことを文哉は寂しく思ったのでしょうか?

文哉は双葉がゴリラを好きなことも覚えていて、動物園へ。
双葉のゴリラTシャツ、ゴリラ好きだったからなんですね。

動物園で話している時の、
「就職できなかったか。
 学校でも色々嫌な思いさせられたか?」
「・・全然。全然!ないないない。・・ない。」
「あいつら。」
自分のせいなのに、「嫌な思いさせられたか?」「あいつら」って。
文哉は自分の周りの人達に憎しみの感情を抱いているようです。

文哉と双葉の母親は因島出身で、すでに亡くなっていた。

文哉と関わりのある看護師・東雪絵の写真。
カメラの方を向いてはいるけど、カメラ目線ではない、
少し不自然な写真。
隣にいる看護師が一緒に写真を撮ろうと誘ったのでしょうか?

カメラに写りたくないってことは、複雑な過去があるんだろうな。
実の母親も、縁を切ったような口ぶり。
何かの事件の加害者で、だから文哉をサポートしてきたとか?

折り紙の金魚は文哉が作ったものでした。
雪絵の写真に映っているいのと同じものを、双葉が持っていた。
そこで洋貴は双葉が文哉に会っていたと気づく。
この流れ、『Mother』の紙飛行機を思い出しました。


復讐を誓いながら何もしてこなかった自分を嘆く洋貴。
その話を聞いた五月は、やっと本音で喋ったように思いました。
目的は、加害者を罰すること。
未成年者に母の命を奪われた五月。
犯人に復讐できないいらだちを、文哉に向けているのか?


健二が少年Aと知ってしまった真岐、娘を思い、今までのように
接するのは難しいかも。


父と母が離婚、母はその後亡くなった。(自殺か?)
当時父のことを尊敬出来ずにいた文哉。
後妻の隆美は優しい人だったが、一度も母と呼べずにいた。
子供の頃、川に捨てられたネコを必死に助けた文哉。
親に捨てられたという思い。生きることの意味。

「生まれてこないほうが良かった」
この言葉が文哉のスイッチのような気がします。
予告でそのセリフを真岐が言ってしまっているので不安。




ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking



主題歌
小田和正「東京の空」
どーも
どーも小田和正

潟Aリオラジャパン 2011-04-20
売り上げランキング : 93


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



それでも、生きてゆく オリジナル・サウンドトラック
それでも、生きてゆく オリジナル・サウンドトラック辻井伸行

avex CLASSICS 2011-08-10
売り上げランキング : 246


Amazonで詳しく見る
by G-Tools




それでも、生きてゆく (瑛太 出演) [DVD]
それでも、生きてゆく (瑛太 出演) [DVD]

売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



気になるセリフ:
第一話の回想シーン
「フランダースの犬って、何のためにあるの?
 ネロはさ、お父さんもお母さんもいなくて、いじめられたり、
 騙されたりして。最後には死んじゃうのよ。犬も一緒に。
 何のためにこんな悲しいお話があるの?」
「何のためって?」
「ネロは、生まれない方が良かったんじゃない?
 お兄ちゃん、どう思う?」

第4話(響子と洋貴)
「あのご主人、町で、誘致した時計工場の課長さんだったから、
 どこでも目立ってて。」
「エリートっぽい?」
「うん。感じだったから。
 お父さんの気安いのが、嫌だったみたい。
 大学は?とか、 年収は?とか。
 お父さんの、スナックの、開店1周年記念の、
 安物の腕時計見て、がんばってくださいよって、肩叩いて。
 お父さんヘラヘラ笑ってたけどね。」
「・・・」
「あの時、あの子もそういう顔してた。」
「・・・はっ。文哉?」
「・・・」
「何でだろう。自分の父親に。」

第4話(回想シーン)
「お兄ちゃんと双葉は、同じだよ。
 夜を見たんだ。」
「夜?」
「同じ夜を見たんだ。」
「・・・」

第5話(五月)
「私も手伝っていいですか?
 私の母を殺した犯人は、自殺したんですよ。
 私も父も、なんか、気持ちの持っていきようがなくて。」

第5話(文哉)
「そうです。忘れないでください。
 もし忘れたら、夜のところに置いていくから。」

第6話(文哉と双葉)
「就職できなかったか。
 学校でも色々嫌な思いさせられたか?」
「・・全然。全然!ないないない。・・ない。」
「あいつら。」

(因島)
「・・・俺とお前のお母さんが生まれた場所だから。
 俺お母さんのお墓がある場所も知ってるし。
 お墓移してって思って。」

「お兄ちゃんが亜季ちゃんを殺したでしょ?」
「亜季ちゃんは天国に行ったんだ。」
「・・・」
生まれてこない方がよかったから。」





キャスト

深見 洋貴(瑛太)
遠山(三崎)双葉(満島ひかり)

雨宮 健二(風間俊介)※三崎文哉

遠山(三崎)隆美(風吹ジュン)
遠山(三崎)灯里(福田麻由子)
三崎 駿輔(時任三郎)

日垣(深見)耕平(田中圭)
日垣 由佳(村川絵梨)
日垣 誠次(段田安則)

草間 真岐(佐藤江梨子)
草間悠里(原涼子)
草間 五郎(小野武彦)

臼井 紗歩(安藤サクラ)

藤村 五月(倉科カナ)

深見 達彦(柄本明)
野本(深見)響子(大竹しのぶ)



スタッフ

脚本
坂元裕二
音楽
辻井伸行
主題歌
小田和正「東京の空」
プロデュース
石井浩二
演出
永山耕三
宮本理江子
並木道子
制作
フジテレビドラマ制作センター

公式HP



瑛太さんの主な出演作品




満島ひかりさんの主な出演作品




この記事へのコメント
 ちーずさん、ご無沙汰しています。 僕は仕事が忙しかったこともあり、まだ初回ぐらいしかドラマを観れていません。 なんとか盆休みを使って、選んだドラマを観て行きたいと思っています。
 今回のちーずさんのベスト3が、かみさんと同じなのには驚きました。(*^-^)
 観れるかどうかわからないですけど、時間があればそちらの方も観てみたいと思います。
Posted by ひろくん at 2011年08月14日 09:47
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

2011年夏ドラマ、どれを観続けるか決めました♪(*^-^)
Excerpt:  遅くなりました。 先週までに一通りドラマの初回を観て、どれを観続けるか決めまし
Weblog: ひろくんのほのぼのコラム ( ^_^)_∀
Tracked: 2011-08-14 09:12
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。