2011年09月05日

それでも、生きてゆく 第9話

『心はどこにある?』

深見洋貴(瑛太)が、三崎文哉=雨宮健二(風間俊介)が新たに事件を
起こした千葉から遠山(三崎)双葉(満島ひかり)を車で家に送ろうと
している頃、釣り船屋『ふかみ』では激しい攻防が繰り広げられていた。
双葉を求めて訪ねて来た文哉と、息子の日垣(深見)耕平(田中圭)の妻、
日垣由佳(村川絵梨)と孫を守ろうとする野本(深見)響子(大竹しのぶ)が
争っていたのだ。
家具で文哉を殴り倒した響子。

「どうしたんですか!?お母さん!」由佳が慌てて声をかける。
「文哉なの・・三崎文哉なの!!」
「え!?」
「ねえ、電話して。
 耕平・・。洋貴洋貴洋貴洋貴に電話して!」
「はい。あ、警察は?」
「先に洋貴に電話して!」
「はい!」

気を失っていた文哉が唸りながら起き上がる。
「ねえねえ・・教えて。教えて。ね!
 ねえ、どうして亜季だったの?
 ねえ!どうして?どうして亜季だったの?」
「・・・たまたま、道で会ったから。」
「・・・」
「別に誰でも。」
文哉は頭を抑えながら釣屋を出ていく。
「逃げないで・・逃げないで!!逃げないでー!!」

車の中
「どこかずっと遠くの、
 僕らのこと誰も知らないところに・・行きたい。
 二人だけで。」と洋貴。
「・・・はい。」と双葉。
「はい?」
「死にたいなんて言ってごめんなさい。」
「ああ、はい。」
「ごめんなさい。」
「いえ。」
「どこですかね。」
「はい?」
「・・・」
「あ、文哉の行き先っすか?」
「兄が会った時に、本当のお母さんが生まれた場所のことを話してて。」
「お母さんの?」
「私も一緒に行かないかって。」
「・・・」
洋貴の電話が鳴る。
「もしもし?うん。
 え!?どこに!?
 何で文哉が!?」

険しい表情で車を走らせる洋貴。
双葉はダッシュボードに刃物があることに気づき
手を伸ばそうとする。
それに気づいた洋貴は、無言でダッシュボードをバタンと閉める。

響子からの連絡で洋貴は双葉も伴って『ふかみ』に急いで戻って来た。
「それで、警察は?」と洋貴。
「さっきちょっと来て。
 千葉の警察と、連絡取るって。」と響子。
「あのう、お怪我は?」と双葉。
響子は首を横に振る。
「お腹空いてない?なにか作るわ。」
響子はそう言い調理場へ。

洋貴は来客名簿に書かれた『雨宮健二』の名前を見つめ・・・。

警察署
警察署で聴取を受けていた三崎駿輔(時任三郎)に女性刑事が言う。
「息子さんまもなく指名手配されることになると思います。
 接触ありましたら、ご連絡ください。」
「あのう・・・。
 息子を、逮捕してください。
 お願いします。
 お願いします!」

遠山(三崎)家
荷物をまとめる隆美(風吹ジュン)と灯里(福田麻由子)。
「お父さんもうすぐ帰ってくるから。」と隆美。
「この制服何回着たっけ。
 買うのもったいなかったね。」
「・・・」

ドアの開く音。
「おかえりなさい。」
「・・・ただいま。」
帰ってきたのは、文哉だった。
思わずその場に座り込む隆美。
「・・・文哉?
 ・・・どうしてここが分かったの?
 あ、双葉。」
「迷惑ですか。」
「ううん。ううん、上がって。」
灯里の姿に気づき、逃げようとする文哉。
「あ、灯里。あなたの妹。」と隆美。
「・・・」
「お父さんすぐ帰ってくるから。
 あのう、文哉に会いたがってるから。
 上がって待ってて。」
スリッパを用意する隆美。
文哉はそのスリッパを踏みつけ、家に上がる。
「スリッパ。」と隆美。
「お客さん用のでしょ。」
「・・・」
「カギ閉めてもらえますか?」
「・・・え?」
「警察は偉そうだし、捕まりたくないんです。」
「・・・」

意外にも落ち着いている様子の響子に安堵した洋貴は、
双葉を遠山家へ送って行く事に。
「兄と会ったら何を話すんですか?」
「・・・話せんのかな。
 あ、あれ。あれあるじゃないですか。人体模型。
 理科の実験室によくあった。」
「・・はい。」
「昔、亜季が死んだ後、あの人体模型見ながらよく思ったんです。
 心は、どこにあるんだろうって。」
「心?」
「あの模型には、心臓も脳も肺も、腎臓とか肝臓とか全部あるけど、
 心は・・どこにもないじゃないすか。」
「ああ、はい。」
「俺ってこれと同じなのかなって思ってました。」
「・・・」
「・・・文哉もそうかもしんない。
 心がないのかもしんない。」
「・・・」
「そしたら話なんかできないっすよね。」
「・・・」

遠山(三崎)家前
「本当に、ありがとうございました。」
双葉が車を降りる。

そこへ隆美が出てきた。
「おかえり、うん。」
「お兄ちゃんから連絡来てない?」
「・・ううん。」
「うん。」

「じゃあ。ありがとうございました。」
「もし文哉から連絡来たら。」
「警察より先に連絡します。」

車に乗り込む洋貴のことを、二階の窓の隙間から文哉が見つめていて・・・。

「おう。フフッ。
 どうしたん?」
久しぶりに会う妹に照れくさそうに声をかける双葉。
「・・・帰ってきた。」
「え?帰ってきた。」
階段を降りる足音。現れたのは、文哉だった。
「帰ってきてくれたの。」と隆美。
「おうちにいてくれるんだって。」と灯里。
「・・・110番したの?」双葉が隆美に聞く。
「お父さん帰ってくるまで、待とう。」

あたりを見渡す文哉。
「どうしたの?」と隆美。
「僕はどこで寝ればいいの?」
「・・そう、ね。じゃああのう、母さんは、灯里と双葉と
 一緒に寝るから。お父さんと一緒に寝る?ね?」
「狭い家だよな。
 なあ、狭くないか?」
「・・・そうかな。」と双葉。
「前の家には、お兄ちゃんの部屋も双葉の部屋もあったろ?」
「しょうがないと思う。」
「父さんちゃんと働いてんのか?」
「・・・クリーニングの配達してる。
 汗かいてがんばってる!」
「晩ご飯何?」
「あ・・何にしようか。
 あ、灯里、なにか買ってきてくれる?」と隆美。
「あるもんでいいよ。」と健二。
「でも・・」
「だって外出たらその子裏切るかもしれないし。」
「あなたの妹よ。」
「僕が少年院に入れられてる間に生まれた子でしょ?」
灯里に近づこうとする文哉の前を、双葉が阻止する。
「何言ってんの!?」
「何って?」
「・・この15年間、みんながどういう思いで、」
「お兄ちゃんのことずっと恨んでたんだろ?」
「・・・恨んでなんかないよ!
 恨んでいないから、家族恨めないから苦しかったんじゃない!!」
兄の胸を拳で何度も叩く双葉。
「双葉!」隆美が止める。
「・・・何であんなことしたの?
 私の聖なの?
 だったら、私殺せばいいじゃない!」
「双葉!」
「もう取り返しがつかないんだよ!?
 わかってんの!?
 お兄ちゃんがやったことは、お金とか、物とかを奪ったことじゃ
 ないんだよ!?
 ・・・命だよ。
 命奪ったら、もう償えないんだよ!?
 ねえ!ねえ!ねえ・・・。」
「・・・」
ハサミを見つけた文哉は、それを握り締める。
双葉を文哉から遠ざける隆美。
「死んだ人はいいよ。
 死んだ人は死んだらそこで終わりだけど・・・
 殺した方はな、殺した方は生きてかなきゃいけないんだよ!
 お兄ちゃん、お兄ちゃんかわいそうなんだよ。」
「・・・」
文哉が頭を抱え苦悩する様子に、双葉はイスに怒りをぶつける。

そこへ駿輔が戻ってきた。
家族の様子に状況を悟った駿輔は、自分を落ち着かせ、
穏やかに文哉に語りかける。
「文哉。」
「・・・」
「おかえり。」
「・・ただいま・・」
「背は、あまり変わんないか。」
「父さんが・・でか過ぎる。」
「そうか。
 足の、サイズは?」
語りかけながら、文哉の手からハサミをそっと抜き取る駿輔。
「26。」
「そうか。
 ちょっと、焼けたか?」
「果樹園で働いてたから。」
「そうか。」

「ご飯、作るね。」と隆美。

車を運転する洋貴の携帯が鳴る。
『あにがうちにいます』
双葉からのメールだった。
すぐさま車を反転させ、再び遠山家に向かう洋貴。

遠山家
「本当は、山へでも行こうと思ってた。
 お父さんな、就職する前はよく、山へ行ってたんだ。
 お前が見つかったら、二人でテントとシュラフを持って、山へ。
 乗鞍岳とか、ゆくゆくは谷川岳とか。
 星を見ながら、お前と話ができたらって。
 何年掛かってもいい。
 お前との関係を取り戻そうと思ってた。
 でもな、お父さんまだ諦めたわけじゃない。
 何十年でも待つよ。
 お前が戻ってくるまで、お父さん待ってるから。
 だから、食べ終わったら、お父さんと一緒に警察行こう。
 自首しよう。お父さんついてくから。」と駿輔。
「・・・また僕を見捨てるんですか?」
「・・・」
「東京で会ったよね。
 俺は配達してて、父さんタクシーの運転手で。
 父さん、僕に気づきながら、見て見ぬふりして。」
「・・・」
「捨てたんだよね。邪魔だから。
 邪魔だったから。」
「・・・すまなかった。」
「そうやって母さんのことも見殺しにしたんだ。」
「・・・」
「ごちそうさま。
 おいしかった。時々思い出してました。
 あなた料理上手だったから。」
「・・・」
「悪かったね、怖がらせて。
 君と僕は全然関係ないから。
 勉強頑張って。」
「・・・」
「ごちそうさま。」
「文哉。どういうことだ?
 お父さんが見殺しにしたって。
 お前のお母さんは、ベランダで洗濯物取ろうとして、」
「俺と双葉の目の前で・・・母さんは飛び降りたんだ。」
「・・・」
「双葉も一緒に見たんだよ。
 双葉は、赤ちゃんだったから覚えてないかもしれないけど、
 母さんがこっちを見ながら・・夜の闇の中に落ちていくのを。」
「何言ってるんだ。警察が現場検証した。
 外から目撃した人もいた!」
「あなたに絶望して・・・僕達に疲れて、母さんは死んでいったんだ。」
「・・・」
「双葉。お兄ちゃんと一緒に行こう。」
「・・・」
「双葉。」
かすかに首を横に振る双葉。
「双葉。」優しく妹に問いかける文哉。
双葉は今度ははっきりと首を横に振る。
「・・・」

洋貴が遠山家に着くと、ちょうど文哉が出てきたところだった。
洋貴の姿に驚きながらも、文哉は右手を挙げて挨拶する。
洋貴も同じく右手を挙げる。

しばらく見つめ合う二人。

「文哉。」駿輔の声に、突然文哉はその場から逃げ出す。
文哉を追う洋貴。
駿輔は双葉に警察に連絡するよう言い、二人を追いかける。

洋貴が見失った時、物陰から文哉が殴り掛かってきた。
乱闘になると洋貴は、頭を打って気を失ってしまう。

そこに駿輔が駆けつけるのだが、すでに文哉は逃げた後だった。

遠山家に戻った洋貴は双葉に治療してもらう。
「頭冷やしますね。」
「いっ。」
「痛いですか?」
「冷たいです。」
「ごめんなさい。」
「いえいえ。」
「どうしよう。」
「あ、自分で。すみません。」
「他に痛い所ないですか?」
「眉毛の。」
「眉毛?」
「横んところかゆいっす。」
「あっ。」
「あ、いえ。こっち。」
「こっち。」
「ちょっとすいません。
 この変ですか?」
「もうちょい上です。」
「ここ?」
「ああ、そこですそこです。」
「強弱的には?」
「強で。」
「強。」
「ああ、はいどうも。」
「・・・なにか、欲しいものありますか?
 なんか、食べるものとか。」
「いや、特に。」
「私、作ります。」
「いや。」
「いや、何でも作れるんで。たいてい。
 何が食べたいですか?」
「・・・冷凍みかん。・・・作れないっすか?」
「いや、作れます。
 実力の100億分の1ぐらいで作れると思います。
 冷蔵庫に入れるだけなんで。」
「冷蔵庫じゃダメですよ。冷凍庫ですよ。」
「・・・冷凍みかんは料理じゃないです。ほぼ素材です。
 何か、おかゆとか、作りますね。」
「・・・逃げられました。
 すぐそこにいたのに。
 もう少しだったのに。
 ナイフ持ってかなかったんです。
 何でか、置いていってしまったんです。」
「・・・よかったです。
 ・・・あ、違います。兄のことじゃなくて。
 ・・・深見さんに人を殺して欲しくないからです。」
「・・・」
「深見さんにはそういうの似合わないと思います。
 深見さんにはナイフより冷凍みかんの方が似合ってると思います。」
「ほっとけって言うんですか?」
「・・・警察が、」
「また同じ15年間、いや、これから一生、
 またあんな思いしながら生きてけっていうんですか?」
「・・・あの時は未成年だったけど、今度は、」
「責任能力がない!
 そう言って、また裁判されないまま、出てくんだよ。
 亜季のことも、あの家の人達の事起忘れて、
 平気な顔して、・・・またどっかで暮らしてるんだ。
 そして・・またおんなじこと、誰かに・・・。」
「・・・」
「はぁ・・・。
 もういいです。
 次は忘れないようにします。」
「・・・」

日垣家
草間ファームで起きた事件を伝えるニュースを見つめる家族。
「うちにも取材とか来るのかな・・。」
不安そうな妻を励ます耕平。

草間家
駿輔と隆美は謝罪に出向くが、草間五郎(小野武彦)は二人を
無視し農場へ向かう。

ふかみ
「犯人が三日月湖の少年Aだって公になったら、
 あの家族は日本中から石を投げられると思います。」と五月。
「・・・家族が事件を起こしたわけじゃないのに。」と洋貴。
「・・・遠山さん、どうしてるんでしょうね?」
「・・・」
「怒るのが下手な被害者家族と、
 謝るのが下手な加害者家族。
 不思議な二人。」
「・・・」
「支え合ってますよね。」
「・・・」
「もし本当にあの人のことを大事に思っているなら、
 復讐なんて考え捨てたほうがいいと思います。
 あの人のことを、追い詰めるだけだと思います。」
「・・・」

遠山(三崎)家
「お兄さん、ホントごめんなさい。」と隆美。
「いいから。」
「本当に、ありがとうございました。」と駿輔。

「双葉は?」
「寝てる。」と灯里。
「お味噌汁だけでもつくろうね。」と隆美。
「なくてもいいよ。」と灯里。
「・・・お父さんとね、二人で話しあって決めたの。」
「・・・」

二階
「ご飯だよ。」駿輔が双葉に声をかける。
「・・・」
「みんなで食べる、最後のご飯。」
「・・・」

隆美が作った味噌汁を食べる家族。
「うまい。」と駿輔。
「うん。
 もやししかなかったから。」と隆美。
「うまいよ。」
「社員寮って?」と灯里。
「清掃会社。母さん頑張るから。」
「やだ。お父さんも一緒に行こう?」
「お父さんこれから一生かけて、償っていくことになるんだ。
 一緒には行けない。」
「いつも言ってたじゃない!
 どんなことがあっても家族一緒にいるんだって!」
「・・・責任を負うのはお父さんだけでいい。
 お父さんが全部持って行くから。
 だから・・お前たちはお前たちの、人生を・・・生きてくれ。」
「・・・」
「うまい。」
「うん。」と隆美。
「うまいよ。」
「・・・」

隆美たちは深夜に引っ越す。
その時、双葉は洋貴に別れの挨拶をしたいと別行動をとる。

夜が明けると、双葉は五郎のいる病院へと向かう。
報道番組に写った草間悠里(原涼子)のほつれたぬいぐるみを
直そうと思ったのだ。

五郎の許しを得て、双葉は悠里のぬいぐるみを修理する。
「この子なんて名前?」
「リボンちゃん!」
「リボンちゃん。ふふっ。チクってするね。チク。
 うん?大丈夫だ。」
「お姉ちゃん、ママみたい!」
「・・・お母さんお裁縫上手なの?」
「うん!お料理も上手だよ。」
「そう。」
「お掃除は下手だけど。」
「そうなの?ふふ。」
「気合入れるの。」
「気合?」
「掃除機持って言うの。
 よっしゃ〜!いくぞ〜!って。」
「よっしゃ〜!いくぞ〜!」
「・・・あのね、悠里ね、心配事があるの。」
「うん?」
「ママ、ご飯食べてないの。
 今日、木曜日でしょう?」
「うん。」
「前の水曜日から、ご飯食べてないの。」
「・・・お薬飲んでるから大丈夫よ。」
「何の味のお薬?」
「味?」
「ママね、みたらし団子のたれのところが好きなの。
 みたらし団子のタレの味のお薬、あるかな。」
「・・・できた。」
「ありがとう!」
「どういたしまして・・。」
「ジイジ!直った〜!」

「ハハ。悠里のやつ、喜んでるな。」
頭を深く下げる双葉。
「頭、下げんでいい。
 あんたのご両親にも言ってくれ。
 今は、誤ってもらう気にもならん。
 ・・・正直言って、娘のことを思うと・・
 あいつをこの手で捕まえて殺してやりたい!
 しかし・・俺まで刑務所に入ったら、悠里が・・・。」
「・・・」

「お姉ちゃんあげる!」
悠里がリンゴを一つ渡す。
「・・ありがとう・・ありがとう。」
「バイバイ!」

帰り道、洋貴から電話が入るが、双葉はそれに出ず・・・。
ふと、立てかけられた看板に気づく。
『ユリとママの記念植樹
 悠里5歳 2010年9月18日』
二人の写真を見つめる双葉の瞳からは涙が溢れ・・・。

双葉は地図を買い、レンタカーを借りた。
目的地は文哉が行ったと思われる場所。

途中、『ふかみ』に寄った双葉は、洋貴とは会わずに
あることをして車を出す。

見知らぬ車が湖から走り去るのを見た洋貴が出て行くと、
自分の車に冷凍ミカンが置かれていた。
みかんに書かれた顔文字(`・ω・´)に微笑む洋貴。

ファミレス
タンドリーチキンとパンを注文する双葉だが、その品は既に終了。
「じゃあ、ナポリタン。」

洋貴とこの店に来た時のことを思い浮かべる双葉。
洋貴が水を一気飲みしていたことを思い出し、笑みを浮かべる。

ふかみ
車の中で冷凍みかんを食べる洋貴。

ファミレス
ペンを借りた双葉は、ナプキンに洋貴への手紙を書き始める。
『深見さんへ
 ごめんなさい』

ふかみ
双葉に電話をする洋貴。だが応対はない。
「あ、深見ですけど。
 遠山さん、連絡ください。」
「あのう、深見ですけど。
 あのう、この前言ってたことなんですけど。
 人体模型の話。心の。
 あれ・・・僕思ったんすけど。
 あれから思ったんですけど。
 心は・・・
 心って、大好きだった人からもらうものだと思うんです。
 僕は、亜季から心をもらいました。
 父から心をもらいました。
 母から、心をもらいました。
 人を好きになると、その人から心をもらえるんですよね。
 それが、心なんすよね。
 遠山さん。
 ・・・あなたからも、もらいました。
 ちゃんとあなたからもらったの、今、僕持ってます。
 だから・・・だから何ていうか・・・
 復讐より、大事なものがあるなじゃないかって今思って。
 だから・・・。
 今からそっち行きます。」

ファミレス
ナポリタンを食べ、手元のナプキンで口を拭く双葉。
「あ!!」

『深見さんへ
 ごいめんなさい
 好きでした
 遠山双葉』

ケチャップだらけになったメッセージに苦笑し、
それを丸めて灰皿に捨てる。

留守電を残し、双葉のもとへ行こうとした洋貴は、
車のダッシュボードの中にあったナイフがなくなっていることに気づき…。

そのナイフは双葉のカバンの中にあった。
車に乗り込んだ双葉は、瀬戸内海・因島の地図を見つめ・・・
「よっしゃ!いくぞ!」
気合を入れて車を出す。


「よっしゃ!いくぞ!」
悠里から教わった気合を入れ、双葉は兄の元へ。

五郎の思い、悠里の思い、駿輔の思い、深見家の思い。
他の誰でもなく、自分の手を汚そうと決心している。
駿輔には死ではなく、ちゃんと罪を償ってほしいです。

冒頭、死にたいと漏らした双葉に、二人でどこかに行きたいと洋貴。
その言葉を聞いた双葉から、絶望の表情がすっと消えました。
この時既に、覚悟を決めていたのかもしれません。

心はどこにあるんだろう。
亜季が亡くなった後、人体模型を見ながらよくそう思ったと洋貴。
「俺ってこれと同じなのかなって思ってました。」
妹を失ってからずっと、心を失っていた。
そして文哉もそうなのだろうと。
心がなければ話なんかできない。

でも洋貴は今、双葉と、家族といっぱい話をしている。
双葉と出会い、葛藤から一歩踏み出し、心を取り戻すことが出来た。

一方、心を失ったまま暴走する文哉。
文哉との再会に、駿輔は穏やかに声をかけました。
似た色のシャツ、背の高い駿輔との身長差。
ああ、二人は親と子なんだと実感できるシーン。
そして、文哉はまだまだ、子供のように見えました。

駿輔が東京で文哉を見つけた時、文哉も気づいていたんですね。
声をかけられなかった。
父親に見捨てられた。邪魔だから捨てられた。

文哉は、母親が自分の方を見ながら落ちていくのを見ていた。
第4話での、
「お兄ちゃんと双葉は、同じだよ。
 夜を見たんだ。
 同じ夜を見たんだ。」
というのは、そういうことだったんですね。
これ、相当なトラウマになっているはず。

仕事第一で傲慢なところもあった父。そして、厳しかった母。
母親がベランダから落ちたのは、事故なのか、自殺なのか。
文哉が母親を突き飛ばしたってことも想像してみたけれど、
警察の現場検証、目撃者から事故と断定されている。
文哉はショックのあまり、母親が死んだのは父親のせい、と
記憶を書き換えてしまった?

文哉と洋貴、突然の再会に、二人は手を挙げて挨拶。
まだ友達だった頃、こんな風に挨拶していたのでしょう。

逃げる文哉、追う洋貴と駿輔。
文哉の走る姿が陸上選手みたいに美しかった。
少年院で体を鍛えていたし、果樹園で力仕事していたし、
スクワットもしていたし。
洋貴役の瑛太さんは、洋貴らしい走りを、
駿輔役の時任さんも、駿輔らしく走っていました。

駿輔と洋貴の殴り合いのシーンも凄かったです。
駿輔が悪霊に乗り移られたみたいだった。

出演者みなさんの演技に釘付け。
人を好きになると、その人から心をもらえる、という
洋貴のモノローグが心に深く残りました。

ライブ店殺人事件の犯人が17歳の時ハンマーで男児殴打、
という新聞記事を読んで。
「少年院、更生見極め困難」、カウンセリングなどで矯正を図る、
と書いてある。 

洋貴は心は大好きだった人から貰うものだと言った。
文哉は心が治らないまま退院してしまった。
母親が飛び降りたのを見てしまったことが文哉の心が壊れる
きっかけとなったのか?
彼が一番求めているのも人との心のつながりなのかも。




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気になるセリフ:
第一話の回想シーン
「フランダースの犬って、何のためにあるの?
 ネロはさ、お父さんもお母さんもいなくて、いじめられたり、
 騙されたりして。最後には死んじゃうのよ。犬も一緒に。
 何のためにこんな悲しいお話があるの?」
「何のためって?」
「ネロは、生まれない方が良かったんじゃない?
 お兄ちゃん、どう思う?」

第4話(響子と洋貴)
「あのご主人、町で、誘致した時計工場の課長さんだったから、
 どこでも目立ってて。」
「エリートっぽい?」
「うん。感じだったから。
 お父さんの気安いのが、嫌だったみたい。
 大学は?とか、 年収は?とか。
 お父さんの、スナックの、開店1周年記念の、
 安物の腕時計見て、がんばってくださいよって、肩叩いて。
 お父さんヘラヘラ笑ってたけどね。」
「・・・」
「あの時、あの子もそういう顔してた。」
「・・・はっ。文哉?」
「・・・」
「何でだろう。自分の父親に。」

第4話(回想シーン)
「お兄ちゃんと双葉は、同じだよ。
 夜を見たんだ。」
「夜?」
「同じ夜を見たんだ。」
「・・・」

第5話(五月)
「私も手伝っていいですか?
 私の母を殺した犯人は、自殺したんですよ。
 私も父も、なんか、気持ちの持っていきようがなくて。」

第5話(文哉)
「そうです。忘れないでください。
 もし忘れたら、夜のところに置いていくから。」

第6話(文哉と双葉)
「就職できなかったか。
 学校でも色々嫌な思いさせられたか?」
「・・全然。全然!ないないない。・・ない。」
「あいつら。」

(因島)
「・・・俺とお前のお母さんが生まれた場所だから。
 俺お母さんのお墓がある場所も知ってるし。
 お墓移してって思って。」

「お兄ちゃんが亜季ちゃんを殺したでしょ?」
「亜季ちゃんは天国に行ったんだ。」
「・・・」
生まれてこない方がよかったから。」

第7話(川藤→雪絵)
「先生の診断では、父親が家庭に無関心だった上、
 もともと厳しかった母親が突然事故死したことが、
 大きなトラウマを残したんじゃないかって。
 結局あの子本人が一番わかってないのよ。」

第7話(文哉→雪絵)
「亜季ちゃんが教えてくれました。
 生まれてこなければよかったのにって言いました。」


第7話(雪絵)
「退院した日、彼の日記を見つけました。
 時折挿し絵のようなものが描いてあって。
 そこに出てくる人間は、みんな、赤い尾ひれのついた、金魚でした。
 彼にとって人間は、みんな水槽の中にいるかわいそうな金魚で、
 手のひらですくって、壊してしまいたい衝動に、
 いつも、駆られてたんです。」

『6月28日
 工場の仕事が始まる。
 溝切りを任された。
 訓練所で習ったのとは少し違ったけど、
 明日からはもう少し上手くできると思う。
 アパートに帰って雪絵が作った餃子を食べた。
 雪絵はよく笑う。墨はあまり考えないようにしている。

 7月19日
 レストランでエビフライを食べた。
 雪絵がトイレに行った時、隣のテーブルに小学生の女の子が
 来て座った。
 僕はフォークを少し離して置くことにした。
 雪絵が戻ってくるのを待った。
 我慢出来た。』

『9月5日
 昨日のマンションに行った。
 もう一度カーテンの色を確認しようと思った。
 よく見えなかったのでドアを開けようと思ったけど、
 開かなかった。
 屋上へ行った。町がよく見えた。
 また頭の中の井戸を覗き込んでみた。
 水は入っていなかった。
 渇いている。水を入れたい。
 すごく困る。死にたい。

 10月1日
 夢を見た。
 ハンマーで雪絵の頭を何度も何度も叩いた。
 雪絵は叩かれながらギョーザを作った。
 目が覚めたら雪絵が朝ごはんを作っていたので食べた。
 味がしなかった。
 またいつかしてしまうと思う。
 またいつかしてしまうと思う。
 生まれてきてはいけなかった。

 11月9日
 すごく気分が良い。
 空が青い。緑が光ってる。
 雪絵が笑っている。
 井戸の中は水で一杯だ。

 11月9日
 人間は悲しい。
 どうして生まれたのかわからないまま生まれてきて、
 どうして生きてるのかわからないまま生きて、
 何もわからないまま、何もわからないまま死んでいく。

 11月9日
 殺す僕がいる。
 殺す僕は、僕の子供を殺すだろう。
 僕は見てるだけ。
 殺す僕が、僕の子供を殺すのを見ているだけ。
 それでも僕は生きている。』

第8話(文哉→響子)
「ムリです。病気なんです。
 そういう病気なんです。
 病気って、自分じゃどうしようもできないから・・・。」

第9話(洋貴→双葉)
「あの模型には、心臓も脳も肺も、腎臓とか肝臓とか全部あるけど、
 心は・・どこにもないじゃないすか。
 俺ってこれと同じなのかなって思ってました。
 ・・・文哉もそうかもしんない。
 心がないのかもしんない。
 そしたら話なんかできないっすよね。」



キャスト

深見 洋貴(瑛太)
遠山(三崎)双葉(満島ひかり)

雨宮 健二(風間俊介)※三崎文哉

遠山(三崎)隆美(風吹ジュン)
遠山(三崎)灯里(福田麻由子)
三崎 駿輔(時任三郎)

日垣(深見)耕平(田中圭)
日垣 由佳(村川絵梨)
日垣 誠次(段田安則)

草間 真岐(佐藤江梨子)
草間悠里(原涼子)
草間 五郎(小野武彦)

臼井 紗歩(安藤サクラ)

藤村 五月(倉科カナ)

深見 達彦(柄本明)
野本(深見)響子(大竹しのぶ)



スタッフ

脚本
坂元裕二
音楽
辻井伸行
主題歌
小田和正「東京の空」
プロデュース
石井浩二
演出
永山耕三
宮本理江子
並木道子
制作
フジテレビドラマ制作センター

公式HP



瑛太さんの主な出演作品




満島ひかりさんの主な出演作品




この記事へのコメント
いつも内容を振り返りながら楽しく読ませて頂いてます。

1つ気になったんですが
双葉が冷凍ミカンに書いた
顔文字は(´・ω・`)
では無くて(`・ω・´)だったと思います。
揚げ足をとるような指摘ですみませんm(_ _)m

コメント反映は しなくて良いです(>_<)またまた失礼発言すみませんが宜しくお願いします

Posted by カフェ at 2011年09月09日 14:29
カフェさん、おはようございます。
コメントありがとうございました。
絵文字のこと子供に聞いてみたところ、なるほど!
それぞれ違う意味があるんですね。
コメントに感謝です。^^
また遊びにいらしてください♪
Posted by ちーず at 2011年09月10日 08:32
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