2012年02月02日

最後から二番目の恋 第3話

『大人の青春を笑うな!』

吉野千明(小泉今日子)は、長倉和平(中井貴一)の弟・真平(坂口憲二)と
一夜をともにした。

素敵な夜を過ごした千明は、あくる朝、真平と朝食をとるために
一緒に長倉家に行く。
するとそこには、和平と彼の娘・えりな(白本彩奈)の姿があった。
和平だけでなく、えりなにまで真平との関係を悟られてしまった千明は、
恥ずかしさを隠せない。

「確かにびっくりはしましたけど。」と和平。
「私だってびっくりしてますよ。」と千明。
「びっくりなさってるんですか!?」
「してますよ。」
「ご当人なのに!?」
「いけませんか?びっくりしたら。」
「その割にはすっと入っていらっしゃいましたね。朝に。エヘヘ。」
「何でそうやっていつも勝ち誇ったような顔で言うんです!?」
えりなが新聞を叩く。
「・・・すいません。」と千明。
コーヒーを運ぶ真平。
「あ、そういえば万理子ちゃんはまだ?」
「ええ。何も変わってませんよ。夕べから。」
「そうですか。」
「あなたは、すっきりしたかもしれませんけど。」
「やめてください。そういういやらしい言い方!」
「いやらしいこと言いましたか?」
「ああそうですよ。おかげさまで。すっきりしましたよ!
 とってもとっても素敵な夜でした!どうもありがとうございまsちあ!」
「とんでもございません。僕じゃないですけど。」

「良かった。素敵な夜だったんだ。良かった。」と真平。
「・・・」

そこに、水谷典子(飯島直子)が夫の広行(浅野和之)を連れてやってくる。
典子は、前の晩、突然自室に引きこもってしまった万理子(内田有紀)を
部屋から強引に引っ張り出すと、本当のことを話すよう万理子に命じる。
「万理子、あんたが引きこもったのに、この人、関係あるね?」と典子。
「私?」と千明。
「・・・はい。」と万理子。
「え?」
「それから、これも関係あるね?」と典子。
「え?」と広行。
「は、はい。」
「話しなさい。」
「あのう・・多少ですね、お怒りになる要素、プラス、かなりのしこりが
 残る場合が想定されますが、どういたしましょうか?」
「いいから!」
「は、はい。そうおっしゃるならば。」
万理子は自分の携帯を見せる。そこには千明の写真。
「え?私!?」
「出会い系?」とえりな。
「出会い系!?」と和平。
「いえ、するわけないじゃないですか!
 あ!バナナ!」
「バナナ?」
「それを、登録したのは私です。」
「はぁ・・・。で?」と典子。
「どういうことなんだよ?」と和平。
「そうよ。どういうこと?」と千明。
「ごく、簡単に言いますと、私の外見の価値に、ふと興味が湧きまして。
 たまたま見つけたサイトを利用して実験をしておりました。
 あのう、どれくらいの人が、会いに来るのか、確認するというか。
 ま、自分に対する社会の評価というか。
 位置づけを確かめる作業とでもいいますか。
 まあ、そんなところです。」
「お前何考えてんだ!
 出会い系とかそういうのはな、いろんな事件に巻き込まれて危ないんだぞ!」
「ちょっとそれ後にしてもらっていいですか!?
 後にしてもらっていいですか!!」
「はい。」
「で?何で私なの?」
「そうだよ。」
「ええ、まあ、私の場合、大体平均して、8人から10人ほど
 やってくるわけです。
 ただそれが、他の人と比べて、多いのか、少ないのか、
 自分だけでは判断がつきませんので、
 それで、あの・・千明さんを。」
「何人来たの?」とえりな。
「3人でした。」
「3人、か・・。」と千明。
「申し訳ありません。」
「・・・いや、いやいや。うん。面白いよ、万理子ちゃん。
 面白い面白い。その実験。
 まあ、3人っていうのはちょっと微妙だけど。
 まあね、ゼロじゃないから。ま、いっか。ね!」と千明。
申し訳なさそうな表情を浮かべる和平。

「ちょっと待った。・・・で?万理子。」と典子。
「まだあんのか?」と和平。
「はい。それで、その3人目にやって、来ましたのが・・・」
万理子が広行の方を見る。
「・・・え。」
「違う違う!いや、これはあのう。これは・・・。」
「なるほど。そういうことか。」と典子。
「・・・」
「・・・どこがいいわけ?」と典子。
「え?」
「浮気とかさ、ま、わかるよ。
 そういうスケベな気持ちがあるのは分かるよ。分かります。
 でもさ、何で?何でこの人なの?」
「いや、何でって・・・。」
「何で若いお姉ちゃんとかじゃないわけ!?ふざけないで!!」
「ねえちょっと、失礼じゃないですか?」と千明。
「何で女房と同じ年の女と浮気すんのよ!冗談じゃないわよ!」
「失礼じゃないですか?」と千明。
「そんなのね、テレビ局とか派手な所で働いてるから、
 服とか髪とか化粧にお金掛かってるけど、
 大したことないわよ。私とおんなじよ!」
「やめなよ!姉ちゃん。千明のせいじゃないだろ?」と真平。
「何よ。何かばってんのよ。あ、何?
 もうできちゃったわけ?二人。」
「だったら何?」と真平。
「・・・へ〜。別にいいけど。
 こういうね、結婚もしないでチャラチャラチャラチャラ若作りしてる
 女はね、嫌いなのよ、私。何でこんな女なのよ!
 まだキャバクラのお姉ちゃんに貢いでる方が許せるわよ!」
「ちょっと待ってよ。私が何したっていうんですか?
 ええ、確かに私は結婚してませんよ。
 子供だっていませんよ。
 お金だって、自分の自由になりますよ。
 奇麗にいようと、一生懸命努力してますよ。
 それの何が悪いっていうのよ!!
 だったら自分だって奇麗にすればいいでしょ!
 自分が怠けてんの、人のせいにしないでよね!!」と千明。
「分かったわよ。するわよ奇麗に!
 してやろうじゃないの。
 ちゃんとしたらね、こ、こんなのに負けてないんだから!」
「いきなりやると、痛いことになるんで、気をつけてくださいね。
 それから私、この人、趣味じゃありませんから。」
「え?」と広行。
「ちょっと待ちなさいよ。何それ!
 私だって趣味じゃないわよ!!」

「やめろ典子。いい加減にしろ!
 お前ら夫婦の問題だろ。二人でやれ、二人で。
 もう帰れ!」と和平。
「何でよ!」
「何でよじゃないだろう、お前。
 朝っぱらから人んち来て。」

「あのう、遅刻しませんか?」とえりな。

「・・・あ!!」
千明、和平、広行が飛び出していく。

電車の中
「・・・」
「・・・」
「・・・」

長倉家
「なんだか、妙なことになってしまいましたね。」と万理子。
「あのねー、きっかけはあんたなんだからね。分かってんの?」と典子。
「はい。
 あ、でも、もし今回のことがなければ、広行さんは、他の誰かを
 求めてしまった可能性もあり、むしろ、良かったのではないかという。」
「なるほど。」と真平。
「え?」
「お腹が空いてきました。」
「はいはい。」
「私もー。」
「わかった。」
「いや、そうじゃなくてさ。
 私も、登録してみようかな。何人来るかな!」
「ご飯にしよっか。」
「手伝う。」
「ね、ね、ちょっと。話逸らさないでよ。
 ねえ、ちょっとちょっと!」

「ごめん。千明さん傷つけた。」
「うーん。うぎゃ!」
万理子の頭をくしゃっとする真平。

電車の中
「あのう・・先ほどはあのう、」と和平。
「申し訳ありませんでした。」と広行。
「ううん。いえいえ、全然全然。」
「・・・あのう、やっぱり私じゃダメですかね?」と広行。
「は!?」
「あ・・ですよね。すいません。」
電車が揺れてぶつかる3人。
「あ。」
「どうしました?」
「いえいえいえ。何でもないです。ちょっと仕事のことで。」
千明が何かをひらめいたようだ。

そんな騒動の後、市役所に出勤した和平は、クレーマーの一条(織本順吉)から
呼び出される。
一条は、和平と大橋秀子(美保純)という女性を見合いさせようとしていた。
が、和平が、秀子の娘で、観光推進課の部下でもある知美(佐津川愛美)とも
同時に見合いすることになったと知ると、「俺なら両方と付き合う」などと
言い出す始末。
「いや、一条さんね、あの、私も別に、聖人君子ではありませんし、
 普通の五十男です。
 このままずっと、一人なのかなとか、もう恋はしないのかなって思うと、
 寂しいなって思います。
 いや、思いますよ。憧れますしね。
 それこそ、一条さんとこみたいに、ずっとご一緒のご夫婦を見ますとね。」
「うん。いつでも代わってやるよ。」
「いやいや、代わらなくていいんです。
 でも、このお話はあのう、お断りしても、いいでしょうか?
 いやいつも言うように、今はそういう気持ちにならないんです。
 ずっとこのままかどうかはわかりませんけど。今は・・まだ。」
「・・・つまらん男だね。」
「申し訳ありません。」
「いやいや、男ってのはね、大体つまらんもんなんだよ。」
「そうですよね。」
「面白いのは、女だね。」
「そうかもしれませんね。」
酒を勧められた和平は仕事中だからと断る。
「・・・つまらんねぇ。」
「・・・じゃ、分かりましたよ。一口だけですよ。
 ホントに。内緒にしてくださいね。」
「分かったよ。」
ドアの開く音。
「奥様ですよ!奥様ですよ!
 早く早く早く!
 これここに入れて!!」
慌てて日本酒を急須に移す和平だった。

同じころ、千明は、JMT テレビのスタッフルームで、自分が書いた
プロットをスタッフたちに見せていた。
それは、万理子が千明の写真を使った出会い系の一件をネタにしたものだった。
脚本家の栗山ハルカ(益若つばさ)も千明のネタを気に入ったようだった。

仕事中、千明はスタッフに真平の写真をわざとらしく見せる。
恋する千明はハルカの仕事がはかどっていないことに対しても
いつもよりおおらか。
それよりも、真平の写真を突っ込んでもらうことを待っている。
見て見ぬふりをしていたスタッフ、もう無視出来ず。
「やだ〜見ちゃったの〜?」
「千明さんの彼氏ですか?」
「アハハ。そうなんだよね〜。」
「カッコイイですよね!」
「そんなことないそんなことない。」
「誰かに似てますもんね。」「誰だろう?」
「ブラピにちょっとね。」
「あ!似てます!笑顔が!」


その夜、千明は、荒木啓子(森口博子)、水野祥子(渡辺真起子)と
飲みに行き、出会い系の件を話し、盛り上がる。
「そのネタまたドラマで使うわけ?」と祥子。
「もちろん!
 自分の恥ずかしいことは全部使うわけですよ。この仕事は。
 それにさ、そんな無茶な話さ、思いつかないもんね、実際ね。」
「なるほどね!」
「でさ、ボランティアの天使君と、しちゃったわけ?」と啓子。
「え?まあ・・はい。」
「よくやった!」
「ありがとうございます。あざーす。」
「で?どうだった?」
「どうだったって・・・やめてよそんな。
 すいません、ワインもう1本。」
「素敵だったんだよ。うん。」と祥子。
「何かあれだね。良かったって話、あんまり盛り上がらない。
 つまんないね。」
「つまんないー。」
「すいませーん。一人で盛り上がっちゃって。」
「大丈夫?千明エッチした後さ、すごいいびきかくって言ってたじゃん。」
「私そんな話あんたにしたっけ?」
「・・・」
「あらららら。」と啓子。
「誰?」
「うーん、うわさ話かな?」
「そうじゃないでしょう。
 私の付き合った男の誰としたわけ?祥子は。
 そうじゃないとそんな話しないでしょ?」
「そうだね。しないね。」と啓子。
「もうやめようよ。そこ掘るの。昔話だしさ。
 さ、飲みマsん法!」
「まあじゃあ、やめといてあげるか。
 まあさ、そんな昔の男よりさ、今のこういう関係の方が大事だしね。」
「そうですね。」
「大事大事!」
「友達、カンパイ!」
「でもさ、そのボランティア真平君?
 そうやって、ボランティアしてくれてるってことはさ、
 誰にでもそうなわけ?」と啓子。
「・・・うん?」
「私や啓子がお願いしても、してくれるわけ?」
「うーん?」
「いやいや、実際にはしないよ。例えばよ。」
「うーん?」
「ボランティアだもんねー。」
「そういうことになるよね。」と啓子。
「うーん、まあ・・そう、かも、ね。」
「そっか〜。」
「そうなんだ〜。」
「まあいいじゃん。私がそれでいいって思ってんだから。ね。」
「そっか。」
「そうよ。」
「千明さー、1回すると重たくなるじゃん。」
「そうなんだよねって、ねえ。」
「うん?」
「だから誰に聞いたんだって言ってんの!」
「ワインもう一本頼もうか!」
「今来たばっかりです、ワインは。」
「すいません。シャンパン。じゃあシャンパン!」
「じゃあお前のおごりね!すいません。ドンペリのピンク色の方ください。」
「え〜ピンク!?」

ほろ酔い加減で千明が極楽寺駅に着くと、そこに真平の姿があった。
「お帰り!」
「え!?待っててくれたの?真平君。」
「必要かなーなんて思って。」
「あー、そうなんだ。」
「大丈夫?」
「いや、もったいないから極力使わないようにしてんだけどな。」
「うん?」
「うん?なんでもない。
 うん、嬉しい。嬉しい。ありがと。」
「いやいやいやいや。」

「せっかくだからさー。」
「どうしてほしい?」
「うん?・・なんかちょっと、寒いよね。
 手が冷たいな、なんて。」
真平は千明の手を生きで温め、その手を自分のポケットに。
「あったかい?」
「・・・あったかい。
 何か、高校生みたいだね。ヘヘ。」
「うん。あ、でも今時高校生でもしないんじゃない?」
「え?しないの?高校生。」
「しないしない。」
「へー。」
「千明してた?」
「え?してたよ。エヘヘ。」
「そうなんだ。」

長倉家前
「・・・まだ帰ってないか。」と呟く和平。

そこへ、千明と真平が帰ってくる。
「どうも。」と和平。
「ども。じゃあ・・おやすみ。」
「おやすみ。」
「お邪魔、でしたね。」と和平。
「そうですね。」
「バイバイ!」

長倉家
「良かったのか?千明さん。邪魔しちゃったな。」
「全然。色々話せたし。」
「ああ。」
「ゆず茶飲む?」
「飲みたいね〜。」
「じゃ、入れる。」
「・・・なあ。」
「うん?」
「お前ひょっとして、本気で惚れたんじゃないの?あの人に。」
「何言ってんの。俺は誰か一人のことをそういうふうに思ったりは
 しないの。知ってんじゃん。」
「そう自分で決めただけの話だろ?お前が。」
「・・・」
「いいんじゃないかなー。そんなルール破っても。
 一人の人、ちゃんと好きになって、結婚したり子供を作ったり。
 そうしたくなったら、すればいいんじゃないかなー。
 俺は、そんな風に、なってもらいたいな、お前に。
 そういうお前が見てみたい。無理してるお前じゃなくてさ。」
「無理なんかしてないよ。大丈夫。」
「真平さ、」
「兄ちゃんこそさ、」
「うん?」
「もういいんじゃない?
 姉さんだってきっとそう思ってるよ。
 いい加減自分のこと責めるのやめてさ。
 恋愛とかすりゃいいじゃん。」
「・・・関係ないし。全然違う話だろ。それ。」
「そっか。」
「・・・」
 
あくる日、和平は、JMTテレビを訪れ、千明に会いに行く。
典子たちが迷惑をかけた件を、キチンと謝るためだった。
「先日は、大変、失礼致しました。
 妹たちが、いやあの、妹の亭主までもが、ホントに大変申し訳ありません。」
「いえいえ。私はもう全然大丈夫ですから。」
「あの、これ、鎌倉旭屋の、源氏最中です。
 あのう、えっと何ていうんですか。あの、
 スタッフの皆さんで、召し上がってください。」
「いえいえ。」
「ぜひ。召し上がってください」
「え?あのう、あれ?東京へは、お仕事で?」
「ええ、ああ・・ちゃんと、お詫びしたかったものですから。」
「あ・・すいません。」
「いえ、こちらこそ、すいません。」
「じゃあこれ、遠慮なく頂きますね。みんなすごく喜ぶと思います
 あっという間になくなっちゃうんですよ。
 もうちょっと味わって食べろっていう感じなんですけどね。」
「じゃあ良かったです。
 あのう、ホントにお仕事中に失礼致しました。」
「あ、いえいえ。」
「あのう、すいませんでした。失礼します。」
「ああ、あのあのあの、」
「はい?」
「ちょっとお茶でも飲みません?」
「いや、お茶・・」
「もう、そこなんで。どうぞ!」

喫茶店
「そういえばその後万理子ちゃんいかがですか?」
「すいません。・・・ケロっとしてます。」
「ハハハ。え?じゃあ典子さんは?」
「あれ以来家に居座って、ホントに困ったもんです。
 ホントにあのう、バカで失礼な妹たちが、
 ホントに申し訳ありませんでした。」
「いえいえ。大丈夫ですから、私は。」
「すいません。」
「もう、この年になると、傷つくのなんか慣れてますからね。
 いつまでも凹んでたら、一生凹んで過ごさなくちゃならなく
 なっちゃいますから。
 ふふ。それにもう、元取りましたからね。」
「はい?」
「実は、一連のネタを、今度のドラマで全部使わせていただいてます。」
「はあ。」
「ヒロインがね、傷つくネタとして、ボロボロに傷つくネタとして、
 全部まんま、使わせていただきました。」
「あ・・そうですか。」
「はい。ですからもう私は全然大丈夫です。
 気にしてません。
 そういうふうに、万理子ちゃんにお伝えください。」
「ありがとうございます。」
「いえいえいえ。
 フフフ。今日は何か、性格が真っ直ぐなんですね。」
「・・・いつも、真っ直ぐですけど?私は。」
「そんなことないです。」
「いや、あれはあなたが何かっつったら突っ掛かってくるから。」
「すいませんすいません。
 ちょと、ジャブ打ってみました。」
「アハハ、そうですか。」
「はい。」
「・・・でもあれですね。」
「何ですか?」
「いえいえいえいえ、そういうことではなくて、あの・・
 月並みな言葉で申し訳ないんですが・・強いなあって。」
「え?そんなことないですよ。」
「いや、切り替えが早いっていうか。
 いえいえいえいえ、そういう悪い、悪い意味じゃなくて。
 悪い意味じゃないですよ。羨ましいなって。」
「へ〜。」
「男はダメですね。色んなことで、うじうじうじうじうじして。」
「・・どうか、したんですか?」
「・・・いや。フフフ。いやいやいいんですいいんです。
 何でもない何でもない。」
「ホントだ。何かウジウジしてますね。」
「・・・いや、そんな。」
「ぱーっと言っちゃいましょうよ、ぱーっと。ね!」
「・・・」

「ハハハハハ!えーっ。面白いじゃないですか。」
「面白いって・・・。」
「だって、母と娘と同時にお見合いなんて、なかなかないでしょう?
 そんなの!」
「そりゃ、ないかもしれませんけど。」
「何で断っちゃうかなー。」
「だって失礼じゃないですか。結婚する気もないのに。」
「堅いですね〜。」
「いけませんか?」
「つまらないんだよね〜。」
「つまるとかつまらないとかっていう、そういう問題じゃないでしょう。」
「とりあえず、してみれば良かったんですよ。」
「何言ってんですか。」
「楽しいかもしれないじゃないですか。
 まあ、酷いことになったとしても、何にもないより、いいですよ。
 何にもないより、苦しんだりとか、失敗したりとか、
 そういう方が面白いですよ。うん。
 私は、そう思うことにしました。真平君のことも。
 うん。正直言って、彼のことはよく分かりません。
 本気で私のこと好いてくれてるんじゃないような気もするし。
 これって、恋って言えるのかな〜と思ったりもします。
 でもまあ・・うん。面白いかなって。
 だから、いいかなってそう思います。
 もしかしたらこの先、悲しい事が待っているかもしれないけど、
 ま、ていうか、まあハッピーエンドはないと思うし。
 でも、まあそれはそれでいいかなって。
 何にもないより、こう、心が動く何かがあった方が、
 ずっといいかなって。うん、そう思ってます。」
「・・・そうですね。そうかもしれませんね。」
「フフ。いえ、やっぱり今日は、素直ですね。」
「・・・今日も、です。」
「フフフ。」
「でも私には、もうそういうことってないんでしょうけど。」
「うん?そういうことって?」
「いや、あのう、ドキドキしながら待ち合わせをしたりとか。
 こう、ワクワクしながら相手を待ったりとか、
 こう、何つうんですかね、あのう。ヤキモチを、」
「つまり、恋ってことですか?」
「・・・いえ。いや。いい年して何言ってんすかね。
 ホントに。笑ってください。」
「ハハハ。笑いませんよ。
 後で思い出して笑いますから。」
「そうしてください。・・・もう半ば笑ってるじゃないですか。」
「いえいえいえいえ。恋したらいいじゃないですか。
 残念ですよね〜。2対1のお見合いなんて相当ファンキーなのに。」
「ファンキーですか?」
「ええ。いいネタになります。」
「え?ネタ!?」
「冗談です。」
「ああ・・びっくりした。」
「フフフ。」

日曜の朝、和平は知美に声をかけられる。
「おはようございます。」
「おはようございます。あれ?どうしたの!?」
「今日、本当ならお見合いだったんですよね、今頃。」
「・・・ああ、すまん。」
「いえ、いいんです。ちょっと嬉しかったです。」
「え?どういうこと?」
「軽い気持ちで、そういうこと出来ない人なんだなって思って。
 和平さん。」
「いや、和平さん?何!?」
「好きになっちゃいました、私。」
「・・・え!?」
「それだけ言いに来ました。じゃ!」
「・・・ちょっと待って!大橋さん!大橋さん!?」

鎌倉の町を楽しそうに一人で歩いて回る千明。

買い物に出かけた和平は、ある女性に声をかけられる。
「あのう。」
「はい?」
「長倉さんですよね。」
「はい。」
「あの、一条さんから写真・・」
「あ!大橋さん!」
お見合い相手の秀子だった。
「娘がいつもお世話になっております。」
「いえいえ、こちらこそ。
 この度はあのう、大変失礼なことを。」
「いえ、謝らないでください。
 私の方こそ娘が変なことを言っちゃって、ホントに失礼しました。」
「いえいえ、そんなのもう、全然あれです。」
「すいません。」
「すいません。」
「あのう、実は私も長倉さんと一緒です。」
「一緒?」
「特にあの、再婚する気持ちは、ないんです。」
「ああ、そうだったんですか。」
「あ、でも、お見合いの話が来るのって、ちょっと嬉しくなっちゃって。
 あー、私も、そういう可能性があるのかなって、
 ちょっとはしゃいでしまいました。」
「あ、いえいえ。」
「別に、新しい夫、欲しいわけでもないし、
 誰かと、生活するっていう、そういうこともないんです。
 ただ・・・ちょっと、恋愛っぽいこと、してみたいかな、とか思って。」
「え?恋愛っぽいこと?」
「はい。
 あのう、待ち合わせしたり、男の人と会うために、おしゃれしたり。
 お茶したり、ご飯食べたり、まあ歩いたり。
 それくらいのことです。
 鎌倉って素敵なお店がたくさんできてるじゃないですか。
 だからそういうところには、女一人じゃ入りにくいし、
 男の人と入ってみたいなーなんて、思うんですよね。」
「・・・」
「あ、すいません。私なんか、初対面の人にペラペラ喋っちゃって。」
「いえ。」
「私今日なんか変なんです。
 こんな風にあの、おしゃれして町を歩くなんて、あんまりないので。
 この服も、お見合いの為に買ったんですよ。」
「あ・・すいません。」
「あ、いいんです。買う時すごくあの、楽しかったですから。」
「・・・」
「じゃああの・・失礼いたします。」
「あのう、大橋さん。」
「はい。」
「・・・どの辺りですか?」
「何がですか?」
「そのあのう、素敵なお店があるところって。
 もし良かったら・・いや、もし良かったら・・
 ご一緒していただけませんか?」
「え・・ええ?」
「いや・・ちょっと腹減っちゃって。行きませんか?ハハ。」
「いいですね。行きましょう!」
恥ずかしそうに、楽しそうに話す二人。
「でもなんかファンキーですね。」
「ファ?」
「いえいえいえ。もういや、こっちのことです。」
 
同じころ、買い物を終えて江ノ電に乗った千明は、
真平が女性と一緒に歩いている姿を見てしまい…。
「ファンキーだね・・・。」


お見合いと出会い系。
共通点は出会い、ではなく、自分のステータスを知ることが出来る!?
すごい共通点だな〜。
出会い系もお見合いもしたことないけれど、
万理子の気持ちも秀子の気持ちもわかってしまうような気がする。(笑)

失敗しても傷ついてもいいから、とにかく突き進む千明と、
慎重で足踏みしてばかりの和平。

自分の写真を出会い系に登録されたらもっと激怒しても良いと
思うのだけど、千明はちゃんと万理子を許してあげました。
そしてそれをドラマのネタにしちゃっているし!
千明、逞しい〜!!

和平は千明の前向きな姿勢に早速感化されたようです。
それと、秀子に自分と似た部分を見たこともあり、
二人はデート。秀子もカワイイ人でした。

知美は本当に和平に惹かれているのかなぁ。
母親の再婚を反対しているから、和平に近づき
自分に興味を持たせようとしているような。

典子と千明、前回は初対面であんなに気が合っていたのに
今回大げんか。
夫が自分よりも若い女ではなく、自分と同い年の女と浮気しようと
したら、妻のダメージは大きい。典子がキレるのもわかります。
でもこの二人、いい友だちになりそう。

千明、啓子、祥子の3人は飲んで食べて喋って楽しそうだけど、
祥子は千明の昔の男と付き合った過去があるらしい。
同時進行だったりではないよね。
啓子か祥子のどちらかが、真平にちょっかい出したりしなければいいなー。

真平は周りの女性を幸せにすることが自分の使命だと思っているんですよね。
万理子の頭をクシャっとした時の真平の笑顔。
この双子をずっと見ていたいな〜。

真平と千明。
和平と秀子。
ファンキーな恋の行方が気になります。



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公式HP

【キャスト】

吉野千明
  小泉今日子
長倉和平
  中井貴一
長倉真平
  坂口憲二
長倉万理子
  内田有紀
AP三井さん
  久保田磨希
田所勉
  松尾諭
大橋知美
  佐津川愛美
武田誠
  坂本真
長倉えりな
  白本彩奈
一条さん
  織本順吉
水野祥子
  渡辺真起子
荒木啓子
  森口博子
水谷広行
  浅野和之
水谷典子
  飯島直子


【スタッフ】

脚本
  岡田惠和
音楽
  平沢敦士
主題歌
  浜崎あゆみ「how beautiful you are」(avex trax)
プロデュース
  若松央樹
  浅野澄美(FCC)
演出
  宮本理江子
  谷村政樹
  並木道子
制作
  フジテレビドラマ制作センター


小泉今日子さんの主な出演作品



中井貴一さんの主な出演作品





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