2012年02月09日

最後から二番目の恋 第4話

『女が年取るってせつないよね』

買い物帰りの電車の中。
吉野千明(小泉今日子)は、長倉真平(坂口憲二)が若い女性と
一緒にいるところを目撃し、ショックを受ける。
「・・・ファンキーだねぇ。」

同じ電車に、真平の双子の姉・万理子(内田有紀)が乗っていた。
「あれは、みどりちゃんですね。」
「びっくりした・・・。」

一緒にいた女性は小学校時代の同級生だった畑中みどり(吉田羊)だと
告げると、千明の反応を楽しむようにその表情をうかがった。
「・・・何?」
「はい。その先が聞きたいかどうか、様子を伺っていました。」
「あー。うーん。うーん。」
「ほう、ほうほうほう。
 即座に否定しないということは、聞きたいような、聞きたくないような
 という感じですかね。
 自分だけではないことは、真ちゃんの様子からわかってはいたが、
 いざ、相手といるところを見てしまうと、それはそれでつらいわ、
 という。しかし、私はそんなことは平気なのだ、というふうで、
 いたい感じもあるのだが、でもなぁという。
 あのう、いかがいたしましょうか?
 まあ確かに、知りたくない要素を含んではおりますので、
 お任せします。」
「いい加減私を弄ぶのやめてくれるー?
 私、あなたのおもちゃじゃないんだからね。」
「あ!あ、それ、いいですね。」
「は?」
「はい。なっていただきたいです。私の、おもちゃに。」
「なるわけないでしょう。いい加減にして。」
「・・・」
「・・・あのさ。」
「はい。」
「やっぱ、聞いとこうかなと思って。
 うじうじするの嫌いだから。後で色々想像したりして。」
「ほう。そっちですか。なるほど!」
「ま、いいや。どっか行こっか。お茶飲めるとことか。」
「はい!」

同じころ、和平(中井貴一)は、見合いをする予定だった
大橋秀子(美保純)と街中で偶然出会い、一緒にカフェに行くことに。
秀子は、和平に思いを寄せている知美(佐津川愛美)の母親でもあった。
そのため、秀子、知美と同時に見合いをすることになりそうだった
和平は余計なトラブルを避けるためにその話を断っていた。
 
和平は、秀子とともに、最近人気を集めているという地元のカフェを訪れた。
そのカフェは、秀子が以前から行ってみたいと思っていた店だという。
お互いに照れながらも、それなりにいい雰囲気で会話を楽しむふたり。
「男の人はいいですよね。
 若い女の人から好かれることもあるじゃないですか。」
「・・ええまあ・・まあ、そういう人も。」
「知美もそうなのかな。
 いやすいません。何か困らせてしまいましたね。」
「いや、彼女の場合はそういうんじゃないと思います。」
「若いうちから父親亡くしてるから、ファザコンなのかな?あの子。」
「ああ、なるほど。」
「いや、すいません。娘の考えてることが分かりません。」
「ハハハ。」
「でもね、最近枯れ専なんていってね。」
「カレセン?」
「あ、枯れてる男性を専門で、好きになるっていう意味。」
「か・・枯れるの、枯れ、ですか・・枯れる・・。
 俺枯れてんのかな・・嫌だな・・。
 でも、男でも、いるんじゃないですかね。あのう、あのう何ですか?
 自分より目上の人っていうか、あのう、年上の人をこう、」
「あ、ばば専。」
「ばば専!・・・って、ごめんなさい。そういうつもりじゃ。
 全然そういうつもりじゃないです。
 今、ホントに指さしたのは、ホントにすいません。」

そこにやってきたのが、千明と万理子だった。
動揺しながら秀子を紹介する和平。
千明は、一緒にいた秀子がW見合いの母親の方だと察し、
和平たちから離れた席についた。
 
秀子は和平に行ってみたい店が沢山あるからまた一緒に行こうと誘う。

その頃、万理子は、みどりが離婚して地元に戻ってきたことを
千明に明かした。
そんな彼女に、自分ができることなら何でもする、
と真平が申し出たのではないか、というのだ。
しかも真平には、みどり以外にもそういう相手がいるのだという。
「いつから、そんな感じなの?彼は。」
「子供の頃からずっと。」
「へ〜。」
「あ、子供の頃からエッチなことをしていたわけではないと
 思いますが。」
「そんなこと聞いてません。」
「あ、そうですか。興味があるかと思いまして。」
「・・・どうしてそんな感じなのかな?彼は。」
「・・・」
「それは、教えてくれないわけ、ね。」
「今までの延べ人数なら。」
「そんなの知りたいわけないでしょ!」
「あ、そうですか。」
「・・・何人ぐらい?」
「はい。」
万理子が千明に耳打ちする。
「マジで!?」
「天使ですから。真ちゃんは。」
「・・・」

腕を組んで歩く真平とみどり。
真平はベンチに座る主婦たちに「どうも〜!」と笑顔で挨拶。

「気分いいな〜。
 かわいそうな人って思われてるからさ。」とみどり。
「そうなの?」
「うん。それに、羨ましいと思ってるよ、あの人達。
 ざまあ見ろだよ。」
「な〜ら良かった。」
「他にもいるの?」
「うん?」
「他にも、私みたいに寂しい女に、優しくしてあげてるの?」
笑みを浮かべる真平。

真平とみどりが仲良さそうに手をつないで千明たちのいる店に入ってくる。
呆然となる千明。事態に気づいた和平も千明のことを心配していた。

二人の姿に和平もびっくり。
「お知り合いですか?」と秀子。
「いや・・弟なんです。」
「そんなに近所ですか!?ここ。」
「・・・いや、そうでもない。」
 
『私は千明派です』
と書いた携帯のメモ帳を万理子は千明に見せた。

ナガクラ
真平、和平、万理子がおらず、客の注文に追われる典子(飯島直子)。
包丁を持ったまま外に出ると、夫・広行(浅野和之)が千明の家を
覗こうとしていた。
「ちょっと!何やってんのよ?」
「いや・・。」
典子の手の包丁に気づいた広行、
「や、やめろ・・・ヤベエ!」と言い逃げ出す。
「ちょっと!ちょっと待ちなさいよ!」
自分の手の包丁に気づいた典子、
「・・・そんな簡単に殺さないわよ。」

夜、一人料理をする千明。
「うじうじすんな。
 45だろ、もう。」

千明は買い忘れた食材を買って戻る。
すると、真平が店の看板をしまうところだった。
「あ・・」
「・・あの、クリームシチュー好き?」
「うん。大好き。」
「あっ。」
「うん。ちょっと待ってて。」
「うん。」

長倉家
真平に夕食の準備を頼まれ不機嫌な典子。
「何で私がやんなきゃなんないのよ〜!」
「居候だからね〜。」と和平。
「あ、私でよければ作ることはやぶさかではありませんが。」と万理子。
「典子、頼む。」
「だそうです。」
「何なのよもう!チッ。もーう。面白くない、もう!」
「はぁっ。私がやります。ええ、はい。やります。」とえりな。
「え?えりなが作ってくれんのか?」嬉しそうな和平。
「・・・」父を無視するえりな。

千明の家
「手伝おうか?」
「うん、いいのいいの。今日は私がやるんだからね。」
「そうなの?」
「そうだよ。だから、向こうで座って待ってて。
 ほらほらほら。」
「でもさ。」
「ね、好き嫌いある?」
「ない。」
「なさそうだよね〜!
 言っとくけど、、美味しくないかもしれないよ。
 むしろまずいかもしれないよ。
 でも何も言わなくていいからね。
 美味しいとかも言わなくていいからね。
 作ったもののことなんて何も言わないでさ、
 ただテレビ見ながらご飯食べてさ、ほんで、いつの間にか
 平らげちゃった、みたいなのがいいから。」
「分かった。」
「うん、だから、テレビを見ながら、ビールを飲んで、待っててください。」
「すげえ。何かお父さんになったみたい。
 いただきまーす。」
「はい。」

食事の支度をしている千明の後姿を見つめていた真平は、
後ろから千明を抱きしめる、
「どうしたの?」
「ありがとう。何も言わないんだね。」
「悲しいくらい、大人だからね。こちとら。」
「ぎゅっぎゅっ。」
「フフ。ね、この状況ってさ、なんか新婚さんみたいじゃない?」
「え?」
「もうやめてよダーリン!ご飯が作れなくなっちゃうよ。もうやめてよ〜。」
「エヘヘ。」
「面白かった?」
「うん。
 千明。」
「うん?」
「ありがとう。」
真平は千明を抱きしめる。
「・・・本当に、作れなくなっちゃうから。」

翌朝、千明は駅で和平と一緒になる。
「おはようございます。」と和平。
「あ、おはようございます。」
「・・・」
「・・・」
「大丈夫、ですか?」
「え?」
「いえ、あのう・・・」
「ありがとうございます。真平君の、ことですよ、ね?」
「はい。」
「ハハ。分かってたことなんで、大丈夫です。」
「すいません。あのう、僕が謝ることじゃないんですけど。
 すいません、本当に。」
「いえいえいえ。
 ああ。」
「え?」
「素敵な方でしたね〜。お見合いの、お母さんの方ですよね?」
「ええ。まあ、そうなんですけど。あれはちょっと、違うっていうか。」
「いやいやいや。頑張ってください。」
「いや違う・・」
「私もがんばります。」
「いやちょっと・・はい。」
「ウフフフフ。」
「どうしました?」
「いやいやいやいやいや。
 なっかなかファンキーな状況だったな〜と思って。
 あのお店。あるんですね、あんなことね。」
「あるんですね。」
「一度ね、行ってみたかったんですよ、あそこ。」
「ああ、そうなんですか。」
「はい。
 いや他にも、沢山行ってみたいとこあるんですけど。
 今一番行きたいのは、七里ヶ浜のシーラスっていうお店。」
「ああ、あそこですか。あそこいいですよ。」
「やっぱり!美味しいですか?」
「いえ、行ったことありませんけど。」
「・・・何ですかそれ。適当だな〜。」
「いや、いいですよとは言ってしまいましたけど、
 行ったことがあるとは言いませんでした。」
「行ったことないのにどうしていいですよね、とか言えるんですか!?」
「・・・そんなに噛み付くことですかね?
 これ普通の大人の会話じゃないですか。
 あそこ行きたいんです。
 ああ、あそこいいですよ。
 わー、じゃあ行ってみたいって。
 何でそういうふうになれないんですか?」
「なれませんね。行ったこともないのにいいですよね〜なんて言う
 大人にはなりたくありません!」
「そんな大げさなことですか?これ。」
「だって行ったこともないのに何で褒めるんですか?
 そんなの観光推進課の人がすることじゃないでしょ。
 無責任ですよ。おかしい!」
「分かりましたよ!じゃあ行きましょうよ。」
「ごちそうさまです。」
「分かりましたよ。」
「フフフ。楽しみだなー。」

千明の職場
「リアリティーの問題ですかね。
 3組のカップルが、同時に、同じ店ではち合わせるっていうのが
 ちょっと・・・。」と武田。
「えーーっ。」と脚本家の栗山ハルカ(益若つばさ)。
「ですよね?千明さん。」
「あるんじゃない・」
「え!?」驚く武田と三井。
「ですよね!」とハルカ。
「うん。あるでしょ、そういうことって普通に。その辺でね。」
「ですよね!さすが千明さん!」
「いやいやいやいやいや。あれだよね。
 監督も小さいことにこだわり過ぎなんだよね。
 それが、作品自体を小さくしてるっていう。ね!」
「え・・・あ、はい。そうですね。」と三井。

「あ、そうそう。千明さん!
 こないだの千明さんのお友達の話!出会い系に登録されたっていう。」
「・・・ああ、友達ね。そう、友だちの話ね。」
「あの45の人、彼氏がイケメンの35歳って言ってたじゃないですか。」
「・・・うーん、そうだったっけ?そうだったね。そうだったそうだった。」
「無理ありますよね?」
「うん?」
「いや、その関係、ちょっと無理ありますよね?」
「フフフ。そうかなー。全然無理なんかないんじゃなーい?
 10歳差ぐらいねー。今時普通じゃない?」
「えーーー。よっぽどお金持ちとか、よっぽど奇麗とかならまあね。
 そこそこじゃ、ちょっとね。」
「そこそこじゃ、ちょっとね。
 そうだよねー。」
「なんか裏あったりしないんですかね?」
「・・・裏?」
「裏。あります?いいネタ。」
「・・・いや、これはもう、あくまでも友達の話なんですけどね。」
「はい!」
「まあその35歳イケメンっていうのがさ、ちょっと不思議っていうか。」
「不思議?」
「ちょっと、変わってんだよね〜。」
「変わってる?」
「うん。」
「あ!ばば専?」
「・・・」
「ねえ三井さん!ばば専!」
「・・・アハハ・・お茶ちょうだい、お茶。」

勤務中だった和平は、一条(織本順吉)から電話で呼び出される。
和平と秀子がデートしたことに怒った知美が、一条にクレームを
入れたからだった。
「困るなホントに。」と一条。
「え?」
「二人共、お見合いを断っておいて、方っ方で抜け駆けの逢引きは
 仁義に反するよ。このスケベ!」
「いやいやいや、一条さん、あのう、そういうことでは
 なくてですね。あれは、たまたま偶然お会いして、それで一緒に
 お茶を飲んだだけです。」
「それだけか?」
「いやそれだけです。」

「母はとーっても楽しかったみたいです。
 何だか夕べは、頬が赤くなっていました。
 ぽーっとして。」と知美。
「ああ・・・」
「やっぱり、お茶だけじゃあにんだろ?このスケベ!」
「ちょっと一条さん、黙っててもらえませんか?話がややこしくなるんで。」
「話すのが楽しみな年寄りに向かって、黙れって言うのか?
 へ〜。そういう人か、あんた。」
「いやいやいやいや、そ、そうじゃないです。」
「何で私じゃなくって、母なんですか?」
「いや・・だからさ。」
「そうだよ。こんな可愛い子が、お嫁さんにしてほしい。
 好きにしてくださいってそう言ってるんだぞ!」
「そこまでは言ってません。」と知美。
「え・・あ、そうか。」

「・・・知美ちゃん。いや・・・
 大橋さんさ。」
「はい。」
「俺は・・嬉しいよ。」
「え?」
「いやあの、嘘でも冗談でもね。
 一時的にでも、こう、若くて可愛い君みたいな子にさ、
 そんな風に思ってもらえてっていうか、言ってもらえてね。
 男として自信になるよ。」
「ああ、そのとおりだ。」と一条。
「ありがとう。」
「うん、ありがとよ。」と一条。
「でも、君みたいな素敵なこの相手は、俺じゃない。
 俺なんかじゃない。
 君はしっかりしているしさ、チャラチャラしたとこのない女性だから、
 同世代の男が、軽く見えるんじゃないかな。
 物足りないってうか。
 だから、俺みたいなおじさんのことを、そんな風に思うんだと
 思うんだ。
 それに君は、早くにお父さまを、亡くしてるっていうのも
 あるかもしれないね。」
「なるほどね。」と一条。
「だから、俺のことがちょっと、良く見えたりするのかもしれないけど、
 ああ・・俺は駄目なんだ。
 俺・・俺なんかもう、全然駄目なんだよ。
 俺、全然、大したことないんだ。」
「そうそうそう。こいつね、全然駄目なんだ。」と一条。
「一条さん。」と知美。
「え?何だい?」
「黙っててもらっていいですか?」
「え・・・ああ・・はいはい。」
「俺の、言ってること、分かってもらえるかな?」
知美が頷く。
「ありがとうございます。」
「良かった。だから、これからもさ、あのう、何ていうの?」
「そんな和平さんが、ますます好きになりました!」
「・・・え?」
「次のデートは、私でお願いします。」
「いやだからあの、あれは、お母さんとのはデートじゃなくてね、
 たまたま偶然お会いしてね。」
「大丈夫です!会うと思います。たまたま、偶然!」
「・・・ちょっと言ってる意味がわかんない・・」
「失礼します。
 一条さん、バイバイ!」
「バイバイ!」
「バイバイっておい・・大橋さん!」

帰り道、和平の携帯に秀子からの電話。
「すいません、突然。
 昨日はどうもありがとうございました。
 あ、また、ご一緒出来たらなぁと思いまして。
 おばさん、ずうずうしくて、すいません!
 あ、あのう・・また、一緒に行きたいお店とかがあるんですけど・・。
 七里ガ浜のシーラスってお店です。」
それは千明が行きたがっていたお店。
「・・・あのう、今度は・・・私が行きたいお店に、
 付き合っていただいてもいいですか?」
「え!?ホントですか!?嬉しい!楽しみです!」

「・・・何やってんだよ俺。」

電話を切った後、和平は医師・門脇に声をかけられる。
「いつも真平がお世話になって、すいません。
 あのう、真平、最近どうですか?
 うちじゃ全然話してくれないんで。」
「え?」
「いや、あのう、具合っていうか。」
「あ・・お兄さん、知らないのか。」
「え・・どういうことですか?」

家出中の典子が家に戻ると、夫と息子はゲームで盛り上がっていた。
典子がテレビを消すと、息子は「うるせえ、ババア!」と言い
部屋に篭ってしまう。

「何なの?一体・・・。ねえ、じじい!」
「私は君のじじいではない。」
「は?何よ。あだ名じゃないの。ずっとそうやって呼んでたじゃない。」
「ずっと嫌だったんだ。」
「そんなの・・・。」
「・・・」
「・・・ひとつ、聞いていい?」
「ああ。」
「・・・愛してないわけ?もう・・・私のこと。」
「・・・」
「どうなのよ?」
「・・・かも。」
「・・・へー。
 ・・・丁度良かった。私も。」
「え?」
「はぁ・・。どうぞ、ずっとお二人でエンジョイなさってください!」
典子が出ていく。

千明は、荒木啓子(森口博子)、水野祥子(渡辺真起子)との
飲み会に、脚本家の栗山ハルカを連れていく。
ドラマの参考にしたいのだという。

「もう何でそんな痛いネタいっぱい持ってるんですか?
 すごいなぁ。すごいすごい!」とハルカ。
「痛くない痛くない。」と啓子。
「痛いですよ〜。」
「そりゃどうも。」と祥子。
「褒めてないよね、でもそれってね。」と啓子。
「褒めてますよ〜。」
「ハルカちゃんさー。」と千明。
「はい。」
「今笑ってるけど、私達もそうだったんだよ。
 あんたぐらいの時にはね。」
「私達ぐらいの先輩のこと、笑ってた。」と啓子。
「笑ってたね〜。」と祥子。
「あんたなんか絶対その予備軍だからね。」
「絶対違いますよ。」とハルカ。
「そうよ〜。いつか思い出すわよ。そうやって笑ってた日のこと。
 今日の日のことをね。ね〜!」と啓子。
「大丈夫ですよ。私は。」とハルカ。
「何が大丈夫なんですか?」と千明。
「自分は大丈夫と思ってんのよ。根拠なく。
 私達だってそうだったもん。」と祥子。
「根拠ないんだよね〜。」と啓子。
「そうじゃなくて〜。」とハルカ。
「だから何よ〜、もう。」と祥子。
「だって結婚してますもん、私。」
「・・・うそ〜。」
「子供もいますし。4歳です。」
「・・・そうなの?」
「え?知らなかったですか?」
「知らない知らない知らない・・・」
「だから、こういう方たちの気持ちが全然わからないので、
 こうやってここに来てるんじゃないですか〜。
 もうやだな〜千明さん。」
「・・・そうなんだっけ?」
家族の写真を自慢するハルカ・・・。

子供のお弁当作りがあるからとハルカは先に帰る。
残された女たち3人。
「・・・何だろうね。この圧倒的な敗北感は。」と祥子。
「これ痛いね・・・。」と啓子。
「うん・・・すいませんでした。
 すいませんでした。」
「ま、いいんだけどさ。」と祥子。
「うん。はぁ・・お弁当かー。
 私も誰かに作りたいな。
 嫌いじゃないんだよね、私そういうの。
 タコさんウインナーとか、うさぎリンゴ。リンゴうさぎ?
 皮で、お耳ピョンピョウン、みたいな。
 ケチャップで、ラブ・・・注入まではしなくてもさ。」と啓子。
「・・・」
「・・・失礼しました。」
「ドンマイ。」
「・・・あ、でもあれじゃん。千明はいいじゃん。」と祥子。
「えー?」
「そうよ。エンジェル真平君がいるんだからさ。」
「今そこ掘る?
 見ちゃったばっかで落ち込んでんのにさー。」
「うん?何見たの?
 エンジェル?ね、エンジェルの何見たの?」と祥子。
「何か急にテンション上がってない?」
「だって〜!」
「ね〜!見ちゃった話大好き!何何何?」
「江ノ電乗っててさ、外見てたらさ・・・」
「えーーーーっ!!」

千明が帰宅すると、部屋の明かりが付いている。
「え・・・まさかの!?エンジェル!?嘘!
 嘘嘘嘘嘘・・・」

「どうしたの急に・・・え!?」
「おかえり。」
家にいたのは真平でなく、ソファーに正座する典子。
「え?ちょ、ちょっと待って。あれ?鍵は?」
「開いた。」
「開いたって・・ちょ、ちょっと待って。」
「お願い。」
「うん?うん?」
「しばらく、ここにいさせて。お願い・・・。」
「いやいやいやいや、ちょっと待って。え?え?」
「少しは、あんたにも責任あるんだからね。」
「いやいや。ちょっと待って。分かんないんですけど。何それ?」
「お願い。あっち、居心地悪いしさ、帰れ帰れって。
 お願い!
 お願いします。」
「いやいやいや・・・」
「お願い・・・」典子が泣き出す。
「・・・こっちだって泣きたい気分なんだけどな。はぁ・・。
 分かったよ。ね。いていいから、もう泣かないでよ。」
「はい。」
「・・・」

酒を飲みながら話す二人。
「そんなにさ、絵に描いたみたいな幸せな家族だなんて 
 思ってなかったわよ。」
「うんうんうん。」
「夫婦の会話だってそんなになかったし。
 息子は私のこと、うるせえばばあ、とか言うしさ。」
「あー。」
「でもね、でも、そんなもんだろうと思ってた。
 家族なんてさ、そんなもんだろうと思ってた。
 そうでしょ?」
「うーん。」
「そりゃあさ、文句ばっかり言ってたかもしれないよ。」
「うん。」
「でもさ、家族なんてさ、そんなもんじゃない?」
「どうなんだろうね。私にはよく分からないんだけどさ、
 そうなんじゃない?よく分かんないんだけどさ、私にはさ。」
「そんなさ、お母さんがいつも奇麗にしてて、ニコニコしててさ、
 息子も爽やかでさ、お母さんの作る料理は美味しいね、なんて言ってさ。
 ね?」
「うんうん。」
「旦那もさ、誕生日には花買ってくるみたいにさ。
 そんなのないじゃん、実際は。」
「いやいや例えがちょっと極端だけど、ないだろね。そりゃ。
 あったら気持ち悪いよ。」
「ないわよ!そんなの。
 だから、そういうことも全部含めて、暮らしなわけじゃない?」
「うんうんうん。」
「だから、」
「うん。」
「そこそこ幸せなんだろうと思ってたわけ、私は。」
「うーん。」
「想像でね、よそと比べるのはやめようと思ったし、
 いらいらするぐらいが幸せなんだろうと思ってたわけ。
 そりゃさ、少しさ、自分のことを奇麗にしたりとか、
 怠けてたかもしれないよ。
 でもね、それだって、不安がないから怠けられるんじゃん。
 一生一緒に過ごす人がいるんだからって。
 もう駄目なとこ全部見せても大丈夫って、思ってるからさ。
 だからじゃんって。」
「なるほどね〜。は〜。」
「じじいって呼んでたのだってさ、」
「うん。」
「すごい年上っていうのはあるけどさ。
 ほら、親しみっていうか、愛情表現じゃん。
 ホントにすごい年取ってのが嫌だったらさ、
 じじいなんて言わないでしょ?普通。
 そうでしょう!?」
「そっちはそっちで、大変なんだね。」
「分かってくれんの?」
「ううん。よく分からない自分が悲しい。」
「は?」
「ハハ。
 あんた主婦でしょ?
 私外で一人で働いてるでしょ?」
「うん。」
「私達もう、全然違うわけでしょ?」
「うん。」
「でもさ〜。どっちにしてもさ、女が年取るのってさ、
 大変だよね。
 切なくなるよね、時々ね。」
「うん。」
「やめてよ。やめてよ〜。」泣き出す千明。
「うわーーん。千明さん〜!!」
抱き合って泣く千明と典子・・・。
 
一方、和平は、真平が病院の検査に行っていないことを知り、
その理由を問い詰めようとした。
「真平。」
「うん?」
「座れ。」
「何?」
「いいから座れ。」
「うん。あー寒い。」
「・・・お前、行かなかったんだってな?検査。」
「・・・」
「門脇先生から聞いたよ。
 どうして行かなかったんだ?」
「大丈夫だよ。」
「大丈夫って何が大丈夫なんだよ。
 ちゃんと説明しろ。」
「だから大丈夫だって。兄貴は心配しなくていいから。」
「ちょっと待て真平!」
「ほっといてよ。」
「ちょっと待て!」
「・・・」
「心配しなくていいってどういうことだよ。」
「放してくれよ。」
「心配しないわけにいかないだろ?」
「放せ!」
和平の手を振りほどこうとした真平は、
さくら貝を入れた瓶を落としてしまう。
「・・・」


枯れ専、ばば専、天使に小悪魔、専業主婦。
みんなみんな愛くるしい。

七里ガ浜のシーラスというお店。
行ったことないのに「いいですよ」と言ってしまった和平に
つっかかる千明。
こんな会話も楽しいし、デートのフラグが立ったのも楽しみ。
それに和平が秀子にシーラスに行きたいと言われて
さり気なく他のお店を提案したのが嬉しかったな〜。

専業主婦も、働く女性も、
「女が年取るのってさ、大変だよね。」
うんうん。大変だし切ないよね・・・。

エンジェル真平君は何の病気なのでしょう。
第一話で和平が広い集めていたさくら貝。
今日は万理子がそのさくら貝を糸でつないでいました。
あれはお守りなのかな・・・。


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公式HP

【キャスト】

吉野千明
  小泉今日子
長倉和平
  中井貴一
長倉真平
  坂口憲二
長倉万理子
  内田有紀
AP三井さん
  久保田磨希
田所勉
  松尾諭
大橋知美
  佐津川愛美
武田誠
  坂本真
長倉えりな
  白本彩奈
一条さん
  織本順吉
水野祥子
  渡辺真起子
荒木啓子
  森口博子
水谷広行
  浅野和之
水谷典子
  飯島直子


【スタッフ】

脚本
  岡田惠和
音楽
  平沢敦士
主題歌
  浜崎あゆみ「how beautiful you are」(avex trax)
プロデュース
  若松央樹
  浅野澄美(FCC)
演出
  宮本理江子
  谷村政樹
  並木道子
制作
  フジテレビドラマ制作センター


小泉今日子さんの主な出演作品



中井貴一さんの主な出演作品





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