2012年02月27日

理想の息子 第7話

『迎えに来た父! パンダ学園を襲う』

大地(山田涼介)の目の前に突然現れたのは、海(鈴木京香)に死んだと
言い聞かされていたはずの父・雄吾(金子ノブアキ)・・・。

鈴木家
「カンガルーケア?」と大地。
「そう。生まれたばかりの赤ちゃんをね、まず一番に母親が抱きしめるのよ。
 母子の情愛を深めるっていうか、
 まあ母乳の出を良くするっていう意味もあるんだけど。
 ほら、ウチ貧乏だったから。」海が笑う。
「最初に俺を、母ちゃんが?」
「そうよ。まぁ覚えてるわけないか。」
「感動した?」
「そりゃ感動したわよ。鼻からスイカ出すほど痛かったけど、
 でもこれから、この子と二人で生きて行くんだって、こみ上げる母性本能が。」
「そう。」

「私は、折に触れてこんなふうに自分の苦労を、
 押し付けにならないよう、話して聞かせました。
 それは、息子が私に反抗しないようにとか、
 感謝の気持ちを持ち続けるための、
 いわば洗脳のようなものです。」


「赤ちゃん袋に入れて抱いたカンガルーか・・・。」
「そうよ。」
「父ちゃん。」
「・・・え!?」
「父ちゃんがいなかったから一人で不安だったんだろうなって。」
「・・そりゃそうよ。
 みんな旦那さんが付き添ったり、ビデオ回したりしてたもの。
 ああ、あの人が生きてたらって、何度も泣きそうになった。
 でももしかして、この子があの人の生まれ変わりかもしれないって
 自分を励まして。」
「そう。」
「込み上げる母性本能と、静かに流れる川のせせらぎのような
 無償の愛が、私に勇気を与えてくれたの。」
「そう。」
「・・・そうそうって、他に何か言うことないの?」
「ああ、ごめん。」

「ちょっと大袈裟過ぎたか?」

「もういいかな?見られてると集中できないから。」
「・・・勉強の邪魔しちゃった?
 ごめんなさ〜い。フフ。」

「・・・何なんだ?一体。

父と名乗る男のことを考え動揺する大地。

「何か様子が変だぞ?
 ストレスか!?
 こいつ、勉強しすぎのストレスで、おかしくなったのか!?
 確かこういう時は、とにかく相手に合わせるって
 何かの本に・・・。」


意味もなく笑う大地に合わせて笑い出す海。

「何なんだ?一体。どうしたんだ?こいつ。
 やめろ。私の想像の範囲を超えるんじゃない!」


笑い続ける大地の頬を叩く海。
「痛って。母ちゃん。」
「大地〜。」
「父ちゃん、生きてたんだね。」
「・・・」

職員室に海宛に電話が入る。
「海か?」
「・・・あなた。」
「大地から聞いてね。学食のパートをしていると。」
「・・・どうして勝手にあの子に会ったのよ!!」
「頼んでも、会わせてもらえないかもしれないからね。」
「もちろんよ。今さら・・・。」
「海、もう私を許して欲しい。
 私はあの時の私ではない。
 必死で働いて、小さいが自分の会社も立ち上げた。
 そしてようやく、迎えにいけるようになったんだよ。」
「・・・」
「迎えに来たんだ。」
「・・・」

食堂
「事故で亡くなったにゃなかったんか!?」と豹塚。
「それが・・・」と大地。
「いや、生きてたんだよ。
 SYGデザインカンパニーといえば、革新的なデザインで
 業界でも評判の会社だよ。」と小林。
「そこの社長さんか。すげぇな。」と羽生。
「おい、今度何かうまいもん食わせてくれよ。」と鰐川。
「パオ〜ン。」
「これやから男どもは。
 ええか?鈴木はずっと、父ちゃんは死んだいうて育てられてきたんやで。
 それが今頃現れて、なぁ。」
「嬉しかねえのか?」と鰐川。
「今さら何だってムカつくのか?」と羽生。
「あんたらデリカシーないな。黒か白しかないんか!
 もっと青少年の複雑な気持ち理解したりぃや。なあ?」
「でも、死んだ、だなんてどうしてそんなウソついたんだろう。
 鈴木君はお母さんのこと考えてるんじゃない?」と小林。
「別にさ、離婚したならそれはそれで言ってくれればいいじゃない。
 今時、3組に1組は別れる時代だっていうし。」
「そうだよね・・・。」
「3組に1組も別れるんか・・・。」
「どうして死んだなんてウソつく必要があんだよ・・・。
 母ちゃんどうして?
 はぁ・・・。」

その頃、城国商業で多くの手下たちに出迎えられる班田(RED RICE)という男。
班田とは決して「目を合わせてはいけない」という・・・。

班田は中学時代相棒であった憲吾(藤ヶ谷太輔)を再び悪の道へ
引きずり込もうと全校生徒を従え、海王工業へ乗り込むことに。

憲吾を守りたい内山は、大地、小林と共に城国商業高校へ。
「お前らに一つ言い忘れてたことがある。
 いいか。班田の前に行っても絶対に目合わせるんじゃねえぞ。」
「メデューサの首みたいに石にされちゃうんだ。ハハハ・・・。」
「楽しそうだな、小林。」
「あ!金狼君。」
「班田さんがお会いになる。」
松葉杖姿の金狼(林遣都)が出迎える。
「そのケガ、もしかして班田って人に?」と大地。
「・・・」

「何だろう・・僕の小動物的危険本能が・
 夏でもないのに、セミの命はたった7日だとむせび泣いて・・・。」
「悲しそうだな、小林。」
「よし!日を改めるか。今日は仏滅だったかもしれない。」と内山。
「先輩もここまで来て何なんすか!」と大地。

班田のいる教室、生徒全員がうつむくなか、内山は班田を見つめ
近づいていく。
「吾郎、久しぶりだな。」と班田。
「よう。年少はどうだった?」
「3食昼寝付きだ。すっかり鈍っちまったぜ。」
「運動した方がいい。三船みたいに何かスポーツでも。」
「いい度胸だ。ただで帰れると思ってねえだろうにな。」

「何か貰えるのかね?小林君。」
「うん、きっとそうだね、鈴木君。」
内山の後ろでうつむきながら会話する二人。

「お供は笑えねえ漫才コンビか?」
「班田、この通りだ!
 もう三船には関わらないでくれ。
 あいつは真面目になって、オリンピックを目指してるんだ。」
土下座して頼む内山。
「そうなんです。」と大地、小林。
「それでいつか、自分を捨てた母親との再会を夢見てる!」
「そうなんです。」
「そうか。」
「はい!!」
「班田!」と内山。
「オラ!
 くだらねーんだよ。そんなの知るかボケ!」
内山を蹴る班田。
「テメェ!いきなり何すんだ!」
「あ!鈴木君、顔あげたらダメだって!」
「・・・」
大地、班田と目が合ってしまう!
「見た?見た?」と小林。
「プ・・・班田がパンダ。」吹き出す大地。
「え?何何?鈴木君。何が面白いの?」
「いやだから、班田がパンダ・・・。」

「バカ野郎早く謝れ。死にてえのか!」と金狼。

「いやだって班田がパンダってさ・・」
「何何?鈴木君ズルいよ。教えて!」
「だったらお前も顔上げてみろよ。」
「それは僕の小動物的危険本能がどうしてもやめとけって・・・。」

大地を投げ飛ばす班田。
「テメエ・・いきなりはよせって・・。」
「根性だけはありそうだな。」
「マザコ〜ン、コアラパンチ、ショートカット!」
大地のパンチに班田はビクともしなかった。
「ウソだろ・・・コアラパンチが効かねえ。」
班田の攻撃に、大地、ノックアウト!

一人残され怯える小林。
すると金狼が助け舟を出す。
「班田さん、こんな弱い奴シメるより、こいつは鳩に残しましょう。
 海王を震え上がらせる恐怖の伝書鳩に。」
「ハトか。まあ、それもいいだろう。」
「ポッポロ〜。」

その夜、海は倉橋の家のインターホンを鳴らす。
「私の味方になってもらえますか?」
「え?それはもちろん!」
「絶対ですよ!!」
「・・はい。」

鈴木家、いつものように3人で食事をする海たち。
「え!?ご主人が生きてた!?」
「ええ、そうなのよ。」
「ええ、そうなのよって軽くない?」と大地。
「うん。じゃあどうして死んだなんて?」
「だろ!俺もそれを聞きたいのよ。」
「だよね。生きてるなら生きてるってね。
 イテッ!」海が倉橋の足を蹴る。
「もういいじゃない。今さら。」
「そうですね。物事には時効ってものがありますもんね。」
「俺、ちょいちょい墓参りしてたのよ?
 何よあれ。誰んちの墓?」
「それはウチのご先祖様のお墓よ。お参りして何が悪いの?」
「そうだよ。ご先祖様を敬わないと。」
「話すり替えないでよ。普通そこに親父も眠ってると思うでしょ。」
「そりゃそうだ。あ、イタ!」
「そんな話、誰が一言も言ってないでしょ。」
「言ってないでしょ!一言も。ちゃんと聞いて!」
「お墓の鈴木って名前は?」
「それは、結婚前も後も一緒。私も向こうも苗字が鈴木だったの。」
「あ、それだ。それが誤解の元だ。」
「マルコバの小林に人殺し〜!とまで言ったのは?」
「それは、何て言うか、自分で作った話がいつの間にかホントのことの
 ように思えた・・・」
「ある!そういうことあります!」
「だから何でそもそも死んだなんてウソついたのよ!
 離婚したなら離婚したって普通にそう言えばいいでしょ?」
「そうだよな。そりゃそうだ。イテ!」
「いろいろあるのよ〜子供には分からないの!」
「そういう言い方されたくない。俺をずっと騙してたのに!」
「騙すだなんて!そういう言い方されたくないわね!!」
「そうだよ大地。言い方気をつけて!」
「黙ってろよあんたは!!」
「ホントに使えないわね!!」
「・・・すいません。
 俺のせいです。俺が悪いんです。
 もう、何もかも、俺のせいで・・・ね。」

「ああもう!何とかうまくごまかせないかな。」

「まあ私の話はいいわ。」
「よくないでしょう!」
「それより、あなたはどうなの?父親が現れて。」
「どうって・・・そりゃ戸惑うでしょ。
 何度も言うけど俺、死んだって聞かされてたんだよ。」
「その後の気持よ。生きてるって知ってから。」
「そりゃ・・・」
「そりゃ?」「そりゃ?」

「よし!うまくすり抜けられそうだ。」

「あ、おかわり?はい、おかわりね〜。」
「え、いやあの・・」
「嬉しかった?それとも、今さら何だってムカついた?」
「いやおかあさんこれはね、黒か白っていうことじゃあ・・
 あの、もっとね、複雑でデリケートな青少年の感情をねぇ、大地ね。」
「はい。」
「あ、痛っ!」
「いいんだよ、そんなことは。
 何つうか頭こんがらがって父ちゃんのことまで考えられないんだよ。
 とにかく、まず教えてくれ。
 どうして死んだなんてウソついたんだよ?」

「結局そこに戻るか。」

「会いたがるとか思うじゃない?生きてたら。」
「そうだ、それですよね。だってそんなこと言われたら悲しいもの。」
「言わないよ、生きてたって会いたいなんて。
 母ちゃんの気持ち考えるから、逆に言わないって!」

「ったく〜!ああ言えばこう言う。」

「いいじゃない!結果論よ。物事はすべて。
 あの人あの後、必死で頑張って、今じゃSYGデザイン?の社長様よ。」
「SYGデザインってあの、二部上場するって噂の?」
「そう!そこまで頑張った人が、あの時とは違う、成功して私達を
 迎えに来たって言うんだから!」
「え?じゃあまた籍を?」
「それは・・・」
「それは?」
「大地次第だけど!」
「・・・」
「大地君?」
「・・・つうか何で死んだなんてウソついたんだよ?」

「こいつ、またそこに戻るか。
 何言ったって納得しねえな。」


「だからそれは・・・
 愛してたからよ!」
「え!?」「え!?」

「いきなり何言い出すんだ?私。」

「・・・そう!そうなんだ。」と大地。

「納得するんかい!」

高級レストランで父と食事をする大地。
「来てくれてありがとう。」
「うん。
 ・・・何か、目合わせるの、照れくさいね。」
大地の言葉に微笑む父。
「あ、ねえ、一つだけ聞いてもいいかな?」
「いいさ。一つじゃなくていくつでも。長い間離れてたんだ。」
「何で、母ちゃんと離婚したの?」
「単刀直入だな。」
「母ちゃんは、はぐらかすんだよ。」
「私の浮気が原因だ。」
「・・・浮気したの?」
「たった一度さ。男なら誰でもする。
 お前も男なら分かるだろ?」
「いや・・俺はまだそういうの、あれだから。」
「お前がまだお腹にいるときだったからな。
 海は、それが許せなかったみたいだ。
 私は、何度も何度も謝った。
 お前というお腹の子もいるんだしと。」
「・・・」
「海がはぐらかすのは、今思えば、
 そのくらいのことで大人気なかったと、後悔してるからだろう。
 結局その後生活にも苦しんだし、息子のお前にも苦労をかけただろう。」
「父ちゃんが成功して、私達を迎えに来たって、どっか嬉しそうだったからな。」
「私達?」
「うん。ある意味、大人のシンデレラストーリーなのかな。
 一度は別れたけど、お金持ちになった王子様が再びって。」
「・・・何か誤解があるようだな。」
「ん?」
「私が迎えに来たのは大地、お前だけだ。」
「・・・え?」
「息子のお前だけだ。」
「・・・母ちゃんは?」
「・・・」父親が首を横に振る。
「愛してないの?」
「愛?16年も経ってるんだよ、大地。
 私は別の女性と再婚してる。」
「・・・」

学校の調理室
「父親?そりゃあ子供にとったら、両親揃ってた方がね!」と本田。
「やっぱりそうなのかなぁ。」と海。
「子供は、母親には甘えたい、父親には好かれたいと思うって。」と西田。
「父親には好かれたい?」
「そう!だから、認められて好かれるように頑張るっていうか。
 父親には弱音を吐かないって忍耐力がつくのよね。」
「忍耐力ですか!」

「確かに、ウチの息子は忍耐力が足りないかもしれないなぁ。
 明風学園もあっさり辞めやがったし。」


「やっぱり、どうしたって母親と父親じゃ役割が違うもんね〜。」と吉田。
「ですよね!」
「分かった。あなた誰かと再婚するつもりね!」と本田。
「いやいや、まだそんな。」
「まだ!?まだってことは!」
「いや、いやいや、そんないえ!もう・・・。」

体育館
「いいか!情報によれば明日、城国が大挙してうちに押し寄せてくるらしい。
 そうだな?小林。」と内山。
「ポッポロポ〜。」
「奴らの狙いは三船だ。三船を巻き込んで、あいつの未来を潰そうとしてる。
 だからこれは、全面戦争だが、海王対城国の学校対決とは
 言い切れねえところがある。
 気が乗らねえヤツはいい。明日休め。」
「何言うとるんや!そんなおもろいイベント誰が休むかいな!」と豹塚。
「三船さんは海王のトップだろ?
 トップが狙われたら俺達が守んのが当然だ!」と鰐川。
「そうだ!三船先輩の未来は俺等の未来だ!
 城国なんぞ返り討ちにしてやる!」と羽生。
「パオーーン!!」
「海王!海王!海王!海王!海王!」
「お前ら〜!俺は嬉しいぞ!これぞ海王魂だ!!
 いいか、班田ってのはなぁ、目の下にクマがあって、
 パンダに似てるからな!」
「アハハハハ!」

生徒達が盛り上がるなか、大地は父親のことで頭がいっぱいで・・・。

鈴木家
「大地〜。」
「ん〜?」
「じゃあ行ってくるわね。」
「行くってどこに?」
「お父さんに会いによ。今日また電話を貰ったの。
 いろいろ、今後の具体的なこと決めないとね。」
「急にお父さんとか言われてもな・・・。」
「何言ってるの!子供には父親が必要よ。
 池田先生のこのドレス、また着る機会があるとはねぇ。
 ま、こっちは貧乏だけど、ナメられちゃいかん!と思ってね。」
「・・・母ちゃん、あのさあ・・。」
「ん?
 どんなに大きな家に住んでんのか、ちゃんと聞いて来なくっちゃね!」
「母ちゃん、向こうは・・・」
「じゃ、行ってくるね。」
「・・・」
「あら〜。雨降ってきちゃった。」
「母ちゃん。」
「ん?」
「・・・」
「ん?」
「・・・キレいだよ。」
「ありがとう。フフフ。何も出ないけどね。
 行ってきま〜す!」
「・・・とっても。」

ホテルのラウンジ
「久しぶり。」と鈴木。
「ええ。」と海。
「紹介するよ。」
「はじめまして。鈴木、由美です。」
「・・・あ。」

大地はその様子を見ていて・・・。

海王と城国、決戦の日。

ボクシング部室でサンドバッグを叩く海。
部室にいた三船が顔を出す。
「あ・・ボクササイズって今流行ってんのよね。ダイエット効果で。」
「グローブ貸しますよ。手首ひねっちまうから。」
「ありがとう。」

「何かあったんすか?」
「別に。何もないわよ。私なんかにはな〜んにも。
 ・・・」

城国の生徒がバリケードを乗り越えて突入していく。
そして班田は次々と海王の生徒を倒していき・・・。

ボクシング部
「そうですか。でも俺でも思いますよ。
 何で死んだなんてウソついたのかって。」
「どうせ母子家庭になるんだったら死んだって言ったほうが、
 息子が同情してくれるかなって。」
「離婚だって、母親への思いは変わらないでしょ。
 つうか、そんな理由じゃないですよね?多分。」
「・・・浮気されてね、裏切られたショックで、
 私の中で死んだっていう意味だったのが、
 いつの間にか息子には、事故、なんて。」
「浮気っすか?」
「たった一度だけ。
 私が妊娠中にね。
 彼は何度も謝ったわ。
 お腹に子供もいるんだしって。」
「でもあなたは許せなかった。」
「許せなかった。
 でも・・・そうよね、今考えてみると・・・」
「すごく好きだったんですね、旦那さんのこと。」
「・・・どうかなぁ。好きなら許すんじゃない?」
「いや、すごく好きなら許さないと思う。」
「それって考え方青いのよ。黒か、白かって。」
「ピュアっていうんじゃないですか?」
「ピュア?それで子連れの貧乏暮しだったら、笑えないわね。」
「もしかして、今でも好き?
 だから迎えに来た時嬉しかった。
 今なら過去は水に流せる。」
「向こうは再婚してたのよ。」
「えっ?」
「そりゃそうよね。16年も経ってるんだもの。
 迎えに来たのは息子。大地だけなの。」
「・・・」

様子を見に来た内山は、そっとボクシングの部室に外側から
鍵をかける。

三船が内山の電話を掛ける。
「お前どういうつもりだ!?」
「熟女好きだからな。しっぽりさせてやろうってな。」
「ふざけろ!何考えてんだお前!」
「城国が攻めてきた。
 いいか。お前はそっから動くな。」
「おい吾郎!」

「どうしたの?」
「いや、別に・・・。」

海王の第1班、第2班、第3班全滅。
頼みの大地は・・・

その大地は倉橋と共に父親のオフィスにいた。
「妻は子供が埋めないんだ。
 当初私はそれでもいいと思っていた。
 だが自分の会社を立ち上げてみるとね、
 残せる財産は、息子に残したいと思うようになったんだ。」
「じゃあそれから、二人の居場所を探してたんですか?」
「ずっと探してたわけじゃないんだ。」と大地。
「誤解しないでくれ。
 お前のことは、片時も忘れたことなどない。
 夕暮れのグラウンド、一度でいい、キャッチボールをしたい。
 そんな思いがこみ上げて、胸が潰れそうになった。」
「この人うちの母ちゃんと付き合ってんだ。」
「え?」
驚く倉橋の足を踏む大地。
「ええ。いずれ、籍を入れようかなってね。」と倉橋。
「そうですか。」
「はい。」
「それは良かった。
 独り身のままでは、お前を手放すのに変な意地も張るだろうからね。」
「意地!?あのねえ、今まで一人で、大変な苦労を厭わずに
 育ててきたんですよ!!意地なんかじゃない!!
 愛情があるんです!!」と倉橋。
「意地ですよ。
 意地やプライドで離婚して、お前から父親を取り上げたんだ、大地。
 愛情ある母親のすることかね。」
「それは父ちゃんが浮気を!」
「・・・その程度のことで、父親を奪い、貧しく不自由な暮らしを
 強いてきたじゃないか。」
「その程度のことですか?浮気って!
 それも、妊娠中のストレスが高い時によりによって!」と倉橋。
「綺麗事を言うのはやめたまえ!
 君だってそういうことあるだろう?」
「ありませんよ僕は!
 愛してるなら、相手が苦しむどんなことだってしません!
 これからも、絶対に。」
「フッ。彼女も真面目ないい人と出会ったものだ。
 生活力があればもっと良かったのに。」
「そう、それがね・・ちょっと。」
「父ちゃん。
 悪いけどもうあなたとは会いません。」
「大地・・・」
「俺にとって貧しく不自由な生活はたった一つだけ。
 母ちゃんのいない暮らしなんだ。」
「・・・」
「行こう、お父さん。」
「あ・・ああ。」
「待ってくれ大地!」
「冗談じゃねえ!!
 俺は母ちゃんを愛してない人間を父ちゃんだなんて認めない。
 たとえ血がつながっていようが。」
「・・・」
「俺は・・・母ちゃんだけいれば幸せなんだ。」

ボクシング部
カバンから3000万の小切手を取り出す海。
「どうして受け取ったんですか?そんなもの。」
「慰謝料と、これまでの養育費にって。
 3000万の小切手よ。
 こんなもの出されたら、貧乏人は目がくらむわ。
 ・・・念願の家が買える。
 小さいけど、郊外なら、中古で手に入るかも。」
「それで息子を手放してもいい?本気じゃないですよね?」
「・・・もともと、いい母親じゃないの。
 たかが、浮気一つで、息子から父親を奪うような女よ。
 貧乏暮しさせて。
 おもちゃもまともに買ってあげたことないの。
 自分の意地や、見栄や・・・プライドばっかりで。
 母性本能が薄いのね。冷たい女なのよ。
 出産前に、ちゃんと母親になれるのかってお医者さんに聞いた時・・・
 カンガルーケアっていうの、勧められたんだけど・・・
 生まれたてのあの子抱いても・・・
 考えるのは、これからの暮らしのことばっかり。
 可愛いとか思わなかった。自分の心配ばっかりで・・・。」
泣き出す海・・・。

「ごめんね、変なお芝居させちゃって。」と大地。
「いや、分かるよ。
 これ以上おかあさんを惨めにしたくなかったんだろ?」
「・・・」
「立派だったと思うよ。」
「いや、ホントは違うんだ。」
「うん?」
「こんなこと母ちゃんには言えないけど、一度でいいから俺も
 キャッチボールしてみたかったんだ。父ちゃんと。」
「そっか。」
「今日はありがとね。」

海王高校
倒された仲間たちに駆け寄る大地。

「俺こんなことしている場合じゃ・・・」
シスターの格好で柔道部道場に入る大地。
「祈りましょう。3人で。」とさやか。
「ああ、祈ろう。平和と、さやかが立つことを願って。」と巌。
「アーメン。」

城国の生徒が小林を取り囲む。
「そいつは許してやってくれ。それより早く三船を探せ。」
金狼が小林を助ける。
「金狼君!」
「噂ほどじゃねー。班田さんにかかりゃどいつもこいつもカスだ。
 なあ小林、お前城国に転校したらどうだ?
 そしたらもうそうやってビビって生きることねえぞ。」
「・・・冗談じゃない!
 君らこそ、班田が怖くて言いなりじゃないか!
 僕らは違う!僕等は自分たちの意思で三船先輩を、
 この学校を守ろうとしてるんだ!」
「・・・」

「小林!!」
「鈴木く〜ん!!」
「学食もメチャメチャじゃねえか。俺の母ちゃんどこだ!?」
「大丈夫。無事だよ。三船先輩と一緒にボクシング部に。」
大地が走る!

「全員ボクシング部だ。伝えろ。」金狼が携帯で連絡する。
「あ、卑怯だぞ!そのために僕を助けるふりを・・・」
「バカが。これが生きるってことなんだよ。」
「・・・金狼君。」

ボクシング部 部室前、三船を守ろうとする内山たち。
そこへ班田がやってくる。
班田の一撃で内田は倒されてしまい・・・。

部室内
「何なの!?一体何が!」
「心配いりません。あなたは俺が守ります。」
ドアの前に立つ三船。
「三船憲吾だ。テメェらそこから一歩でも入ってみろ。
 ぶち殺すぞ!!」

「俺がやる。」と班田。

「待て!!」と大地。
「ん?」
「そん中に一歩でも入ってみろ。上野動物園に売り飛ばすぞ!」
「うるっせぇハエだ。あっち行ってろ!」
「俺の母ちゃんに近づくんじゃねえ!!」

「大地!大地なの!?」
「母ちゃん、俺あの人んとこ行ってきたんだ。
 もう金輪際会うことはないってね。
 母ちゃんを愛していないヤツを、父ちゃんだなんて認めねえって
 言ってやった!」
「大地・・・。」
「母ちゃん。」

「どけこのガキ〜!」
班田が大地を蹴り飛ばす。
「貧乏は不自由なんかじゃない・・・
 俺が不自由なのは・・・母ちゃんがいない暮らしなんだ。」

「大地・・・」

「おい鈴木〜!」大地の仲間が駆けつける。
「おい!ドア前固めろ!」
「無茶だよこんなヤツ。勝てないよ。」と小林。

「母ちゃんも無茶するよな。
 金もないのに俺と一緒に飛び出すなんて。」
「何ゴチャゴチャ言ってんだテメエ。オリャ〜。」

「大地!?何してるの?ぶたれてるの!?
 ね、誰か!?大地を助けて!!」
「鈴木、ドアの鍵を開けろ!」

「ダメだ!」と内山。
「開けたらダメだ!!みんなの苦労が無駄になる!
 あなたのことを、みんな守りたい!
 先輩、もはやあなたの夢はあなただけの夢じゃないんですよ!!」と大地。

「・・・」

「テメェ死にてぇようだな。オラ〜!」

「もうやめてぇや!ホンマに死んでまうって!」

「母ちゃん痛いよ。」

「痛いの?どこが?」
「鈴木、よく聞け。そいつはな、痛みを感じない。
 実家が鍼灸院で、自分の痛みを麻痺させるツボに鍼を打ってるんだ。」

「そうか。実家が鍼灸院か〜。」
「ま、そういうことだ。」
「だからか!」と鰐川。
「化け物かと思ったぜ。」と羽生。

「だから顎を狙え!顎は痛みもクソもねえ。脳が揺れる!
 アッパーだ!鈴木!!」

「アッパー!?」

「そんな・・アッパーなんて習ったこともないのに。」と小林。
「大体生半可なアッパーじゃこいつには・・」と内山。

「オラ!」
「母ちゃん!母ちゃん!」

「大地〜!!」

「うりゃ!
 母ちゃ〜ん、母ちゃ〜んって、このマザコン野郎。
 いい加減くたばりやがれ!!」
「俺はマザコンじゃねえ。
 ただ母ちゃんが大好きなだけだ!!」

「大地、顎よ。顎を狙いなさい!!」

「チックショ〜。
 ホントは行きたかったぜ!!」

「ダメだよ。コアラパンチじゃ効かないって!」と小林。

「ハァーー!!死ね〜!!」パンダ召喚!

「アッパーよ大地!空高くぅぅぅ!!」

「名付けて・・・マザコ〜ン、カンガルーアッパー!!」
大地のアッパー炸裂!

「大地・・・」
「どうなったんだ!?おい、吾郎!!」

ボクシング部のドアが開く。
「大地!あ、大地〜!!」

班田がゆっくり倒れていく。

「バイ、オーストラリアつながり。」

「大地・・・。」

「やった〜!!」

大地が倒れる。
「あ、鈴木君!!」
「大地。大地!」
「鈴木!!」
「起きなさい!」
海のビンタ!
「うっ・・・。やったぜ母ちゃん。」
「あなた頭打ってない?
 あなたは将来私に、家を買うのよ。」
「大丈夫。分かってるよ。」
小切手を破り捨てる海。
「何それ?」
「いいのいいの。もうこんなもの。」
「母ちゃん。」
「うん?」
「俺にもあるよ。
 息子の・・・川のせせらぎのような、無償の愛。」
「・・・」
大地を胸に抱きしめる海。

「あの時の、お医者さんのおかげだろうか。
 こいつは今でも、ちゃんと私の袋の中にいるみたいだ。
 カンガルーは、一人じゃない。」



今日は感動の回でした。最後、カンガルー抱っこで終わったのも感動。

海の旧姓は鈴木だった!
なるほどね〜。多い苗字だっていうのは前にも話出てたし。

今日のテーマは黒か白か。
そこで、班田=パンダ。

班田と視線を合わせてはいけないことと、
父と視線と合わすのに戸惑うこと。

ウマイ!凝ってるなぁと感心。


さて、今回初めて、海の本心が描かれていました。
夫の浮気を許せなかったこと。
意地や見栄、プライド、母性本能の薄い自分。
生まれたばかりの大地を抱いても不安の方が大きく可愛いと思えなかったこと。

それは当然だと思うな。
そのための国のサポートも、海は拒否して生きてきたんだよね。
もっと甘えてもいいのに、それは彼女のプライドが許さなかった。

海は気づいていなかったけど、海の母性はちゃんと大地に届いていて、
だからあんないい子に育ったんだよな〜。


大地のカリスマ性を考えると、海の元夫が小林家の人間では?
だから海はマルコバを憎んでいる、と予想していたけれど
無関係のようでした。

と思ったら、次週、大地と小林くん取り違え事件!?
まぁ、勘違い、という展開かな?


ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking



公式HP


SUPER DELICATE(初回限定盤1)(DVD付)
SUPER DELICATE(初回限定盤1)(DVD付)Hey! Say! JUMP

ジェイ・ストーム 2012-02-22
売り上げランキング : 66


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



第1話
・母ちゃんの写真を踏む!
・「ハッピーバースデイ♪」
・「朱に交われば赤くなる」
・「長いものには巻かれろ」
・昔から男運のない海。
・大地の父親はマルコバで設計の仕事をしていたが、
 バブルがはじけてリストラされた。
・大地がお腹の中にいる3ヶ月の時に、事故死したと
 大地は海に聞かされている。
・でも回想シーンのあのお腹の大きさは?
・冒頭の役所の担当者の「慰謝料や養育費は?」というセリフ。
 海は大地の父親と引き離されてしまったのかな。
・回想シーン、男の手には結婚指輪。海のは映されず。
・墓地の名前も確認出来ず。
・小林からもらった学ランには『総長小林朔太郎』の文字。
 光子の兄=朔太郎=海の夫、という流れ?
・神部先生の101回目のプロポーズは!?

第2話
・大地の心は女の子?
・赤い手袋
・鰐川(ワニ)
「痛いの痛いの飛んでけ〜♪」
・「私は、16年前に夫と別れ、
 女手ひとつで息子を育ててきました。
 苦しい生活の中、私は息子を立派に育て上げ、
 家を買わせるために、必死に彼を騙し続けてきました。」
・「私、男性不信いたいなところがあって、妊娠してる時、
 女の子がいい、娘が欲しいってず〜っと・・・。」

第3話
・大地に「ウゼエ、ババア!」と言わせる作戦
・赤い風船
・羽生(ハブ)
・「むいすんでひらいて♪」

第4話
・ツイてる、ツイてない
・幸せの青い鳥
・水晶のネックレス
・象林(ゾウ)

第5話
・豹塚(ヒョウ)
・朱に交われば赤くなる

第6話
・金狼(林遣都)
・ナメられる
・潜在能力
・小林、覚醒!(ハムスター)
・浦島太郎

第7話
・カンガルーケア
・班田(パンダ)
・黒か白か

オープニングに登場する動物
コアラ、ワニ、ヘビ(ハブ)、ゾウ、ヒョウ、オオカミ、
カンガルー、タカ?、ライオン



【キャスト】

鈴木 大地(山田涼介)
鈴木 海(鈴木京香)

小林 光子(鈴木杏樹)マルコバ創立者の娘
小林 浩司(中島裕翔)マルコバの御曹司

三船 憲吾(藤ヶ谷太輔)海王のカリスマ。子供の頃母親に捨てられた。
内山 五郎(武田航平)

丹波 巌(脇 知弘)

鰐川悠馬(入江甚儀)2話メイン
羽生義和(柄本時生)3話メイン
(諸見里大介)
(梅沢昌代)
(宮地雅子)
(萩原利映)

本田(須藤理彩)

神部 敏郎(ケンドーコバヤシ)
池田 冬彦(金子ノブアキ)

倉橋 実(沢村一樹)



【スタッフ】

脚本 : 野島伸司
音楽 : 横山克
演出 : 佐久間紀佳
演出 : 中島 悟
演出 : 森 雅弘
シニアチーフクリエイター : 櫨山裕子
プロデューサー : 三上絵里子
プロデューサー : 福井雄太
プロデューサー : 松原 浩(AX-ON)
プロデューサー : 柳内久仁子(AX-ON)
制作協力 : AX-ON
製作著作 : 日本テレビ


山田涼介さんの主な出演作品



鈴木京香さんの主な出演作品




タグ:理想の息子
17:12 | CM(0) | TB(0) | 理想の息子 | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。