2012年03月08日

最後から二番目の恋 第8話

『大人のキスは切なくて笑える』

吉野千明(小泉今日子)は、長倉和平(中井貴一)の弟・真平(坂口憲二)との
交際をスタートさせる。

オープンカフェ
「へー。なんか素敵なお店だね。」
「千明。」
「うん?」
「ここ禁煙。」
「あ、そうだ。ごめんごめん。」
「何か嬉しいな〜。恋人同士なんだよね、俺達。」
「ふふ。そうだね。」
「うん。」
「嬉しいよ。人生初の恋人が千明で。」
「えーっ。ああ、でも、初なんだ、私が。」
「うん。
 千明、奇麗だし、一緒に歩いてても、自慢。」
「ま〜たまた〜。今ちょっと天使に戻ってない?
 ボランティア精神発揮したでしょ?」
「そんなことないよ!」
「真平。」
「うん?」
「それ以上私に近づいたら・・・離さないぞーっ。な〜んつって。」
「いいよ。それでも。」
千明にチュっとキスする真平。
「・・・」
「ボランティアじゃないよ。」
「アッハハハ・・・じゃああれじゃないの?
 何か前世、イタリア人とかじゃないの?
 アントニオとかそういう名前でさ。」
「何それ?
 でもさ、恋人同士でもするわけでしょ?」
「何を?」
「相手が喜んでくれるといいなと思って、何か言う、みたいな。」
「アハハ。ああ、まあね。最初のうちはね。
 まあお互いもう、ものすごい甘い言葉とかを言い合うよ、そりゃ。」
「へー。」
「でもさ、付き合っていくとさ、何ていうのかな。
 こう、生活とかさ、仕事とかいろいろあるわけじゃない?日々のこととかさ。」
「ふーん。」
「よくあるじゃん。ほら、あの時はあんなふうに言ってくれたのに、
 どうして今は言ってくれないの?
 あれは何だったの?嘘つき!バチン!みたいな。」
「見たことある!」
「あるでしょ?」
「あるある。」
「だからさ、長く付き合っていくとさ、何ていうのかな。
 その場の気持ち、言葉だけじゃ、終われなくなってしまうんだよね。」
「何か、寂しいね。」
「そうだね。恋愛って寂しいもんなんだよ、意外と。」

「千明は、どんな男の人に恋してきたわけ?」
「オッホホ。どストレートな質問ですね〜。」
「え?」
「それを語るにはさ、何ていうの?この場所とか、この時間とか、
 この飲み物とかが、もう全然、ふさわしくないっていう感じなんだよね。」
「そっか。」
「うん。」
「そういえば、お酒一緒にしっかり飲んだことなかったね。」
「ああ、そうだね。
 でも、飲んだら、引くかもね。」
「大丈夫だよ。そんなにすごいの?」
「うーん。まあ、基本的には、記憶を、なくすっていう感じ?」
「え?」
「いやいやいやいや。あのう、記憶をなくしてこそ酒、
 みたいなとこあるからさ。
 どんどん後半上がってっちゃうんだよね。」
「あー!そうなんだ。」
「そうそう。で、周りの人が困ってるのよ。
 で、それ困ってるなーって思うんだけど、
 もう見てるウチにだんだん気持よくなっちゃってさ。
 もっと困れよ。私のためにもっと困ってくれよ、みたいな
 そんな感じになっちゃう。」
「アハハハ。そうなんだ。」
「そうそう。あれ?真平はお酒は?」
「俺はそんなには飲まないかな。」
「ふーん。」
「うん。あ、実は、兄貴は結構酒強いよ。」
「おー、意外。」
「うん。」
「こりゃーあれですね。1回、潰しときますか?」

同じころ、和平も、部下の大橋知美(佐津川愛美)とデートしていた。
が、行く先々で父娘だと勘違いされてしまう和平たち。
知美は、とある洋服店で和平の服を選んだ。
知美は、和平が試着している間に店員さんに頼み、和平のことを
「彼氏さん」と呼ばせた。

和平は、知美が気を遣ってそう仕向けたことをすぐに察し、
父親に間違われたくらいで凹んだりしない、と苦笑する。
知美は、買った服に着替えた和平に、ツーショットの写メをとらせてほしい、
と言い出す。シャッターの瞬間、隙をついて和平の頬にキスをした知美は、
その写真をすぐさま母・秀子(美保純)に送った。
「この世で一番不思議なのは君たち親子の関係だよ。」
「えーっ。そうですかねー。」

江ノ島水族館
「ふふふ。そっか。初体験は看護師さんだったんだ。」
「うん。高1んとき。」
「ふーん。」
「半年に1回検査行っててさ。」
「うん。」
「優しくて、奇麗で、明るくて。
 その人がいたから、嫌な検査も我慢できたんだよね。」
「ふーん。」
「うん。ああ、でも、仕事帰りのその人を見掛けたんだ。
 駅にぽつんと座っててさ。何か、すごく寂しそうで、つらそうで。
 したら何か俺、なんとかしたいなって。
 こんな良い人が、こんな顔するのやだなって思ってさ。うん。
 したら、涙が止まんなくなっちゃって、俺。
 それで、その人に言ったんだ。
 何か僕にできることはありませんかって。」
「それが天使の初仕事だったんだ。」
「うん。」
「ふーん。」
「千明は?」
「うん?私の初体験?」
「うん。教えて。」
「いやいやいや。あまりに遠い昔のことで。」
「何何?」
「いや、だってあれだよ。
 あのさ、E.T.っていう映画を見に行った帰りだよ。」
「あー!あの、こういうやつでしょ?」
「そうそう。こういうやつ。」
「チャリンコ乗ってっちゃうやつでしょ?」
「そうそうそう。」
「ああ知ってる!」
「あれずいぶん子供だったでしょ?」
「あ、千明ここも。ねっ。」タバコを止める真平。
「あ、そうだった。ごめんごめん。この手が悪いんだな、この手が。」
「あれ!?あ!!
 こんにちは。触ってもいいですか?」
真っ白い大きな犬に掛けよる真平。
「でけえ!千明もおいでよ!」
「うん!・・・どっちかっていうと猫派なんだけどな。」

展望台
猫を抱き上げる和平。
「いいなぁ。お前は自由でさ。」
「私のお父さん。」
「うん?」
「お父さん。自分の会社潰れて、ちょっと借金とかも作っちゃって。
 そのまま体壊しちゃって、で、亡くなっちゃったんですよ。」
「・・・そうだったんだ。」
「はい。母はそこから一人で私を育ててくれました。
 お金も返して、働きながら栄養士の資格取って。
 だから私、絶対潰れないと思って、市役所に就職したんです。
 友達からは地味だとかいろいろ言われたんですけどね〜。
 まあ実際ホントに地味ですけど。」
「ハハハ。まあね。」
「ずっと母と二人で生きてきたし、仕事忙しくて、あんまり一緒の
 時間ないから、とにかく何でも話そうって約束したんですよ。
 何かそれが今でも癖になっちゃってて。
 母に離さないと気持ち悪いっていうか。
 ・・・あ、何か、暗い話になっちゃいましたね。 
 すいません。」ジュースを渡す知美。
「ありがとう。そんなことないよ。」
「のほのんと生きてきた、何も考えてない女の子だって
 思ったでしょ?」
「うん。嘘。素敵な親子じゃない。」
「ありがとうございます。
 その素敵な親子と、三角関係なわけですよ。ツンツン。」
「そういうとこまったく分かんない。分かんねえなぁ。」
「私って、ファザコンなんですかねぇ。」
「それは分かんないけど、別に悪いことじゃないと思うよ。」
「そうですか?」
「うん。」
「そうですよね!じゃあ和平さんも、ロリコンになってください!と」
ジュースを吹き出す和平。

海岸
犬と戯れる真平。
「絵になるねぇ、真平は。
 あ!サクラガイ発見!カワイイ。」
「千明。」
「うん?」
「何かあった?」
「ほら見て。サクラガイ。」
「お!見せて。奇麗じゃん。」
「あ、そういえばさ。」
「うん。」
「お兄さんサクラガイ集めてるよね。」
「うん。姉さんが死んでからだから、もう8年かな。」
「ふーん。」
「うん。あ、ここにもあった。」
「ふーーん。」

朝、コンビニ帰りの千明は、海岸でサクラガイを探す和平に気づく。
「おはようございます!」
「おはようございます。早いですね。」
「ええ、ちょっとコンビニまでこれを買いに。」
「禁煙ですか?」
「ええ。何か、タバコとかあんまり好きじゃないかなと思って。」
「ああ、真平のために。」
「はあ。」
「ハハハ。まあ確かにあいつ、自然派みたいなとこありますからね。
 カフェの料理なんかも、素材にこだわってて。私にはわかりませんけど。」
「ふふふ。なるほど。
 ああ・・・真平君から聞いてしまいました。」
「何をです?」
「奥様が集めてらしたんですね。サクラガイ。」
「・・・ええ。」
「いやあ、何か、そういうのロマンチックでいいなぁと思って。ふふ。」
「毎朝、ここでサクラガイを拾って、大事そうに、集めてました。
 でも、何で集めてたのか分かんないんですよ。
 何か理由はあったらしいんですけど、言わないまま亡くなってしまったんで。」
「・・・」
「だからこうやって集めてても、仕方ないんですけどね。」
「・・・」
「ああ、何かすいません。」
「いえいえ。」
「禁煙、頑張ってください。」
「はい。」
「続かなさそうですけど。」
「続きますよ、ちゃんと。」
「賭けますか?持って、1日ですね。」
「1日って失礼な。ああいいですよ、賭けても。
 鎌倉で一番高いところってどこでしょうね?」
「大平山の頂上だと思います。結構ね、あれ上まで登ると
 運動になりますよ。」
「おじさんってホントつまんないこと言うんだよな。
 分かってますよね?レストランとかそういう話ですよ。」
「ああ、もう勘弁してくださいよ、こっちはしがない公務員なんですから。
 あなたみたいにね、」
「ええ。」
「バブルの残りがが漂ってるような人とは違ってね、
 つつましやかに生きてるわけですよ。」
「バブルの残り香って何すか?それ。」
「うわ、くっさ!」
「人を時代遅れみたいに言わないでくださいよ!」
「バブルのにおい!臭い!」
「時代遅れっていたらあなたの方がずっと時代遅れの雰囲気
 持ってるじゃないですか。
 だってこれ、昭和30年代のにおいがしますよね?うわー。」
「さ、30年代の生まれですけど何か?」
「あのう、もっと遡ると平安時代のにおいまでしてくるんですけど。」
「平安時代のにおいの意味が分からないです。」

その頃、万理子(内田有紀)は・・・
「千明さま〜〜〜。」
千明とキスした夢を見てしまい、動揺する。
「な・・・なんという夢を見てしまったのだろうか、私は!!
 ・・・これって、世に言うところの、恋?」

いままではお互いに考えていることがわかった真平も、
最近は万理子のことがわからないらしい。
「何かさ、最近、わからなくね?お互いのこと。」
「はあ・・恋に関しては、わからないものなのでしょうか。」
「うん。・・え!?万理、恋してんの!?」
「え!?」
「え!?」
万理子、しゃっくりが止まらない!

カジュアルな服装で出社してきた千明に、社員たちはびっくり!
「何黙ってんの?何か言いなよ。
 ホント黙ってるとか勘弁してくれる?
 何よ飯田?」
「あ、すいません。・・何か素敵です。」
「ありがとうございます。イメチェンしてみました。」
「あのう、確認お願いします。」と武田。
「"年の分だけ孤独が増える"
 なんだ?この宣伝コピーは。
 "45歳の独身女ですが、何か?"
 ハハハハ。何か問題あるんですかね?45歳の、あ、違った!
 違った違った違った。別にあっちになんか用なんかなかった。」
イライラしながら喫煙室に行こうとして、慌てて戻る千明。
「やめたんですか!?たばこ。」と三井。
「うん、まあね。何ていうのかな。時代の流れっていうのかなー。」
「・・・」
「・・・ああ、そうですよ。男のためにですよ。
 別にやめろなんて言われてないのに自主的にですよ!」
「いつからですか?」と三井。
「昨日の夜からですけど何か問題でもありますか?」
「ちょっと。」
「何よ〜。」

「この番組のADとしてプロデューサーにお願いがあります。
 絶対に聞いていただきます。」
「だから何ですか〜?」
「ドラマが終わるまでは、タバコをやめないでください。
 みんなのためです。」
「はあ?」
「お願いします。どうかお願いします。
 どうかたばこを吸ってください。」
「やめてやめてやめて。」
「みんなの平和のためですから!」
「だめだめだめ!」

知美や田所勉(松尾諭)とともに外国人観光客向けの案内用看板を
設置していた和平は、散歩中の一条(織本順吉)と遭遇する。
その際、一条は、和平と出会ったキャバクラの話を持ち出す。
怒った知美は、さっそくその話を秀子にメールした。
 
和平は、知美たちとともに、ファミレスで打ち合わせがてら
昼食をとることにする。
するとそこにファミレスの制服を着た典子(飯島直子)の姿があった。
さらに、店内には男子とデート中のえりな(白本彩奈)の姿が。
和平は言葉を失った。
 
千明は、友人の荒木啓子(森口博子)、水野祥子(渡辺真起子)と
回転ずし店でランチ。
「やっぱ食べるなら美味しい物食べないとね〜!
 何でもいいとかホントあり得ないんだけど。」と千明。
「うん。」
「あんた、お茶とか飲んでんの?
 すいませーん。生3つ!」

愛犬が入院中で寂しいを連発する祥子。
「尾崎放哉っていう、歌人?詩人?が昔いたんだよね。
 その人の句でさ、こういうのがあんのよ。
 "咳をしても・・一人"」
「・・・何か、コメントのしようがないね。」と千明。
「凍えちゃうね。」と啓子。
「・・・」
「・・・」
「あ、また来た。」と啓子。
「何?」「うん?」
「あれ、あの3種盛りのお皿。」
イクラ、ネギトロ、ウニの軍艦巻き3種盛。
「さっきからずっと回ってんだよね。
 なんか売れ残っちゃってるというかさ。
 切ないんだよね〜。
 後からい気のいいのがどんどんどんどん入ってきて。
 照明当たり過ぎちゃってもう、くったくたになってんのよ。
 干からびちゃって。
 あれじゃ選んでもらえないよね、もう。」
「だからやめなって。あれに自分を投影するのはさ。」と千明。
「そうなんだけどさ。何か。」
「すいませーん。ずっと回ってて誰も手に取らなかったお皿って
 どうするんですか?」祥子が店員に聞いてみる。
「もちろん、捨てますよ。
 もう売り物になんないし、出せないでしょう。」
「売り物になんないとか言うな。」と千明。
「は?」
「うん?いえいえ、こっちの話。おいしいですね!」

「来たよきたきた。きたきたきた。」
3種盛りを見つめる3人。

手前の男性がその3種盛りを手に取るが、連れの男性が
「カッピカピじゃん。おいしくないよこんなの。やめときなよ。」
と言い、3種盛りはレーンに戻される。

3人の女性の前を通り過ぎていく3種盛り。

「お疲れ。」
従業員が皿を手に取る。

「あーーーっ!!ちょっちょっちょ!!」

仕事を終えて帰宅した和平は、家の前でえりなが件の男子と
キスしているところを目撃する。
和平は、精一杯、理解ある父親を演じようと努めるが、
さすがにショックは隠せない。
 
するとそこに、大橋母娘が食事をしにやってくる。
『ナガクラ』の営業は終わっていたが、ふたりを迎え入れる真平。
 
同じころ、帰宅した千明は、典子と食事の準備を進めていた。
典子は、今度はメル友募集サイトを始めたことを報告し、
千明を呆れさせる。
「てか、ちょっと雑じゃない?これ。切り方。あんた主婦でしょ。」
「主婦は雑なのよ〜。丁寧なのは主婦じゃなくてシェフ。アハハハ!」
「おばさんのギャグって親父ギャグよりたちが悪い。最低〜。」
「そう?」
「そうよ。」
「結構人気あんのよ。」
「あー、何かさ。」
「うん?」
「作る気しなくない?」
「・・・そうだね!」
「うん!」
「OK!」
料理する気力を失ったふたりは、長倉家へと押し掛けた。
真平はそんな二人を招き入れる。

「な〜んかいつもご馳走になっちゃってすいません。」と千明。
「いえ。」と和平。
「次のSIRASは絶対渡しがおごりますからね!」
「あれ?もしかしてSIRASって。あ、こちらと?」と秀子。
「・・え、ええ。いや、まあ何つうか、あの、ちょっと勝負しまして。
 私負けて。」
「私勝っちゃったんです。」と千明。
「それで行ったっていう。」
「たまたま行った感じ。」
「SIRASって私・・・聞いてませんけど!」と知美。
「いや言ってないもん別に。」と和平。
「だからたまたまなんですよ。」と千明。
「そうなの?そういうことなの?
 あ、そういうことなんですね、お二人。」と秀子。

「違います!絶対違います!」と千明。
「勘弁してくださいよ。」と和平。
「いやちょっと待ってください。勘弁して下さいって何ですか?」と千明。
「いや、まあまあ、いいじゃないですか。」と和平。
「よくないでしょ!だって50のおっさんに勘弁してくださいなんて言われて。 
 冗談じゃないです。」
「またいきます?その話。」
「は?」
「40と50の話、またいきます?いきたいですか?」
「いきません!いきませんけど!
 私ホントにこういう人圏外なんで気にしないで下さい。」
「圏外!?こっちのセリフ・・」

「え?じゃあ私はどうなるんですか?」と知美。
「どうなるんですかって言われても、好みなんてほら、
 人それぞれじゃない?
 私にとって50はあり得ないって話で。」と千明。
「あのう、私53なんですけど。
 今いいですね?それは。」と秀子。
「あ・・そうですね。なんかごめんなさい。」
「いえ、いいんです。謝られても53は53ですから。」
「あれですね。結構あれな感じの方ですね。
 あのう、お似合いですね。」と千明。
「え?あれって何ですか?
 めんどくさいってことですか?」と秀子。
「ん、いや・・いやいやいやいや。」
「えー。母がお似合いって、じゃあ私はどうなんですか!?」

「ア・・ハハハ。だからもう、ほら。
 50のおっさんが二股なんかかけるからこういうことに。」
「二股なんかかけてませんよ。
 45のおばはんがけしかけるからでしょ。」
「はあ!?何言ってんすか?」
「別に何も言ってませんよ。」
「何!?」
「あなたがね、」

「何か二人、ムカつきます。」と知美。

「何でむかつくのよ。たまたま、たまたま、」と和平。
「いやいやいや、まったく違います。あり得ないから。」と千明。
「あり得ないでしょ?」

「ホントになんか、やな感じ?」と秀子。

「あり得ないから!ホントに!」と千明。
「まったくあり得ないです!」と和平。

「すいません。すいませんね。
 あの、千明は、俺の彼女なんです。」と真平。
「そういうことなですよ!」と和平。
「そうそうそう!!」と千明。
「えーっ!?そうなんですか!?」と知美、秀子。
「はい。」と真平、千明。
「弟の彼女ですよ。」
「なんだ!だったらそれを早く言ってくださいよ!」と秀子。
「今言おうと思ったんです!今言ったんです!」と和平。
「じゃーじゃーじゃーじゃー!
 私が和平さんと結婚したら、妹になっちゃうかもしれませんね!」
「ハハハ。それは面白いね。」と千明。
「ねー!」
「いや、渡しの場合はそういう面白い状況は生まれませんね。
 53だから。ハービバノンノン。なんちゃって。」と秀子。
「え??」と真平。
「アハハ。あれ?あれ?万理子ちゃんいないね?」と千明。
「ああ、なんかね、また部屋に。」
「こもっちゃったの?」
「そういえば、さっきも変だったよね。」と典子。
「あの、あれだろ。変すぎてちょっと普通だったろ。」

典子の携帯にメールが届く。
「来た!!」
「お前まだそんなことやってんのか!?バカ!」と和平。
「うるさいわねー。全然説得力ないわよ。
 自分はどうなのよ?」と典子。
「何がだよ。」
「何ですか?それ。」と秀子。
「これ?出会い系。」
「すっごい!」
「いい加減にしろ!典子!」
「自分だってさ、キャバクラとか行ってんだから同じようなもんでしょ。」
「いやいや、お兄さんがキャバクラに行ったのは、」と千明。
「あのな、いいか?お前の旦那に無理やり連れていかれたんだ、キャバクラに。」
「はあ!?何それ。ちょっとどういうこと!?」
「どういうことって。こっちが聞きたいよ。
 お前んちどうなってんだよ!?」
「いや、無理やりっていってもですね、大の大人だから本当に自分は
 行きたくないと思ったら。」と秀子。
「そうだよね。ホントに行きたくなかったら断れるよね。」と知美。
「いやいや、いろんな状況が、」
「そうよ、ねーー!!」と典子、秀子、知美。
「何でお前が同調するんだよ。」
「うちの旦那のせいにしないでくれる?」
「そうじゃない。俺が一人で飲んでたら、お前の旦那がへべれけになっていて、
 俺の手を持って、無理やりキャバクラに連れてったんだよ。」
「お兄ちゃんが誘ったんでしょ。」
「何で俺が誘う!?俺はキャバクラなんか絶対行かねえよ!」

「分かった。分かった。私分かりましたよ。」と千明。
「何ですか?」と和平。
「今日は、この調子で、みんなでわーっとがーっと、ぎゃーっと、
 お酒とか飲んじゃいません?」
「何だ?わーっとぎゃーっと。」
「じゃあじゃあじゃあ、今日はカフェながくらの、おごりで〜〜す!」と真平。
「きゃーーー!!」

万理子の部屋
「さーすが千明さま。ほれぼれいたします。」

1階
「乾杯ー!」
「今日は潰しますからね、絶対に。」と千明。
「何言ってんですか。私はね、ウォッカでロシア人を潰した男ですよ。」と和平。
「私なんかテキーラでメキシコ人13人倒したことありますけど。」と千明。
「すごい!」「カッコイイ!」
「・・・私ね、こういうの嫌いなんですよ。
 何かいろいろ問題があるときね、パっと飲んで忘れてしまおうなんて。
 これ何の問題の解決にもならないじゃないですか。意味ないですよ。」
「バッカじゃないの?お酒飲むのに意味なんかなくていいんですよ。
 何言っちゃってんの?それめんどくさいね。
 いちいち意味だ意味だとか言ってさ。
 いいじゃないですかね。盛り上がってますよね。」
「はーい!楽しいです。」と秀子。
「いやいや、よくないですよ。何であんたが決めるんですか?」
「すいませんね。このうちの長男の方がもう、
 うじうじうじうじしてるので、勝手に決めちゃいました。」
「ギャーギャーしてる隣人よりはましですよ。」
「どうでもいいんですけど、これ脱いでもらっていいですかね。」
「何で?」
「若干かぶっちゃってるんですよね。」
千明も和平も青いチェックのシャツ。
「こっちのセリフでしょ。あなた何ですか?この格好。
 それとね、今日髪の毛が真っ直ぐになっちゃってるじゃないですか。
 あ!あれだ。真平に合わせて若作りして頑張ってらっしゃるわけだ。
 ご苦労様ですね。」
「別に若く見せたくてこういう格好してるわけじゃありません。」
「あの、アンチエイジングってあるじゃないですか。」
「はい。」
「なんかあの、年取りたくない、若くなりたいみたいなやつ。」
「はい。」
「あれみっともないですからね、ホントに。」
「何言ってんですか?私なんか、4,5年前からアンチ・アンチエイジング
 精神で生きてます。」
「めんどくせえ言い方だな。あのね、50には50の、60には60の、
 男も女もカッコ良さがあるわけですよ。」
「そうですよ。しわがあっちゃいけねえのかよって話ですよ。」
「そうそうそうそうそう!」
「そんなの年取りゃ当たり前だっつうの!
 いい年のとり方して、しわがあってもいいっていう話ですよ!」
「そうそう!50過ぎてね、カワイイ!なんて言ってるバカ女がいるわけですよ。」
「みんな若く見えりゃいいのかよって話ですよね!」
「そう。だから結局はね、いいしわを刻めっていうことでしょ。」
「うんうん!」
「だからね、そういう中途半端な大人がいるから、」
「はいはい。」
「若い子たちが大人になりたくないって思うわけですよ。」
「ほんっとそうですね!今の若い子たち可哀想ですよ。」
「でしょ。ホントに僕はかわいそうだと思う。」
「大人が大人にちゃんとなんなきゃダメなんですよね!」
「ダメだっていうこと!」
「・・・」
「・・・」
「あれ?」
「・・・」
「だから私はあれですよ。若く見られたくてこういう格好してる
 わけじゃありませんから。恋人のためですから。」
「あら〜またずいぶん、しおらしい。」
「なんか、意外と、尽くすタイプなんですの、私。」
「・・・え?ごめんなさい。聞いてませんでした。
 何ておっしゃいました?」
「意外と、尽くすタイプなんです、私!」
「えっ?だ、誰が?」
「私ですよ、私!」
「あ、あなた。」
「はあ。」
「そうですか。じゃああれですか?あの、引っ張ってってくれる人が
 好きみたいなやつですか?」
「だったらどうなんですか?」
「あれ嘘ですからね、嘘。」
「は?」
「だってね、引っ張ってってくれるってことはですよ、」
「ええ。」
「道の前を歩いて、連れてってくれる人が好きっていうやつですよね。」
「だったらいけないんですか?」
「いけなくないですよ。
 じゃあどんな道でもいいんですね?」
「・・・いや、どんな道ってわけじゃないですよ。」
「でしょ?そういうことをね、言う女子に限って必ずそうなんですよ。
 いいですか?
 こっちこっち、俺についてこいって言うと、
 ちょっと待ってよ。この道は嫌なの。
 この道嫌なのか?じゃ、こっち。
 この道も嫌なの。
 じゃあこの道お願いします。
 この道連れてって。
 もう道限定ですからね。
 そんな都合の良い話ってありますか?」
「分かってないよな〜。」
「何がですか?何が?」
「いいですか?」
「ええ。」
「じゃあ女がこの道に決めました。
 男はどうしますか?」
「は?」
「くっだらない、ちっちゃい、こんなちっちゃいプライドとかに
 しがみついてる男は、それを聞きますかって話ですよ。」
「はい聞きます。」
「聞きませんよ。バカじゃないの?」
「何がバカじゃないのって。」
「だから可哀想だと思って、形だけでも、男が先に歩いてるように
 見せてあげてるんですよ、女は。」
「あなたは何も分かってない!
 何上から目線で言ってるんですか?」
「あなたの方が。」
「男もね、男もそんなことは百も承知ですよ。」
「男全然分かってない。」
「いや、分かって、」

「はい!」と秀子。
「・・・」
「あのう、・・・特に意見はありませんでした。」と秀子。
「何言ってんの?おかあさん。」
「だって、入ってみたかったんだもん。」
「アハハハハ!!」
「・・・」

秀子と知美が帰っていく。
「あー。私もあんなふうに男の人とケンカしてみたいな。」と秀子。
「アハハ。そうだね。楽しそうだったね。
 私も今度和平さんに挑んでみようかな。」
「あ、私も!」
「いいねいいね!」

千明と和平は、大橋母娘が帰った後もガンガン飲み続ける。
「あ、エヘヘヘヘ。あらららら!
 タバコ吸っちゃってるじゃないですか。」
「え?嘘〜。」
「嘘って。」
「たばこ吸っちゃった!」
「あなた、真平のためにやめたんじゃないんですか?」
「アハハハハ。吸っちゃった。」
「吸っちゃった。」
「コラ!コラ!」大笑いしながら自分の手を叩く千明。
「私のあれですね。勝ちですね。
 どうも。ども。ちょっとあっち行って。
 ごちそうさまです。どこ行きましょうか。どこ行きます?」
「いいですよ。もう何でも別におごりますよ。
 どうせ私なんかさ、バブルの残りかすみたいな女ですからね。」
「残りカスって何ですか?」
「何でよ。あんたが言ったんでしょ。バブルの残りかす。」
「私が言ってんのは、」
「うん。」
「残りがが漂ってる。」
「アハハハ。残り香か。」
「くせ!くっせえ!」
「臭くないから。」
「バブル臭え!」
「臭え!昭和30年臭え!」
「ガハハハ!」
「昭和、平安臭え!」

「前から言いたかったんですけど、
 あんたね、何か言う時ね、ああいうね、勝ち誇った顔するの
 やめてもらっていいですか?」
「私だってね、あのね、勝ちたくて勝ったわけじゃない。」
「勝ってないし〜。」
「あのね、勝ち誇った顔ってこんな顔。」
「ハハハ。つまんねえ!」
「つまんねえって!」
「つまんねえ!」
笑いが止まらない二人。
そしてそのまま仲良くソファーで眠ってしまう。 

朝、目が覚めた真平は、そんな二人の姿に
「あれまっ。しょうがねーな、二人共。」と微笑む。

二階から降りてきた万理子は、眠っている千明に近づき、
至近距離で寝顔を見つめていた。
千明は、そんな万理子を無意識に抱きよせてキスしてしまう。
万理子はもちろん、偶然その光景を目撃してしまった真平も呆然となり…。



犬好きな真平。
猫派な千明。
猫好きな和平。

あまり酒を飲まない真平。
記憶を失くすほど飲む千明。
酒に強い和平。

カフェで真平が千明にチュっとキス。
展望台で知美が和平の頬にチュ。

万理子の夢の中での千明とのキス。
えりなとボーイフレンドのキス。
ヨッパライ千明と万理子のキス!

知美が和平に選んだ水色のシャツ。
真平に合わせて選んだ千明の水色のシャツ。

真平と一緒にいるときの千明もカワイイんだけど、
千明らしさに欠けるっていうか、自分を抑えている感じ。
和平と一緒にいる時は自分を全て包み隠さずに出し切ってる感じ。

今日も万理子は可愛かった!
ソファーにバタッ!ってマンガみたいな展開もカワイイ!

回転寿司でお茶を飲んでいた祥子さん。
愛犬が病院で「寂しくて体が痛くなってくる感じ」って言ってたけど
彼女自身が病気ってわけじゃないですよね。

和平と千明、二人のシーンは、パズルがぴったり合う感じ。
『男女七人夏物語』のさんまさんと大竹しのぶさんを思い出しちゃう。

和平がサクラガイを集めているのは、真平のためではなく、
亡くなった妻のためでした。
亡妻はなぜサクラガイを集めていたのかな。
それに気づくのは千明だったりして。





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【キャスト】

吉野千明
  小泉今日子
長倉和平
  中井貴一
長倉真平
  坂口憲二
長倉万理子
  内田有紀
AP三井さん
  久保田磨希
田所勉
  松尾諭
大橋知美
  佐津川愛美
武田誠
  坂本真
長倉えりな
  白本彩奈
一条さん
  織本順吉
水野祥子
  渡辺真起子
荒木啓子
  森口博子
水谷広行
  浅野和之
水谷典子
  飯島直子


【スタッフ】

脚本
  岡田惠和
音楽
  平沢敦士
主題歌
  浜崎あゆみ「how beautiful you are」(avex trax)
プロデュース
  若松央樹
  浅野澄美(FCC)
演出
  宮本理江子
  谷村政樹
  並木道子
制作
  フジテレビドラマ制作センター


小泉今日子さんの主な出演作品



中井貴一さんの主な出演作品





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