2012年03月26日

最後から二番目の恋 第10話

『大人の未来だって輝いてる』

吉野千明(小泉今日子)は、長倉和平(中井貴一)とキスをした。
2階でメールをしていた典子(飯島直子)は、酔って大騒ぎしている
千明たちのようすを見に行こうとして、たまたまその光景を見てしまう。

あくる朝、目を覚ました千明は、和平が寝言で『ふゆみ』という女性の名前を
口にしたのを聞く。
 
自宅に戻り、真平(坂口憲二)や万理子(内田有紀)、えりな(白本彩奈)と
朝食をとった和平は、千明とのキスを思い出し、困惑していた。

するとそこに、典子が千明を引っ張ってやってくる。
「おはよう!酔っぱらいプリンセス。」と真平。
「ハハハ。何かすいません。私のプリンス!」と千明。
「コラ。」じゃれあう二人。

「千明座って!」と典子。
「何〜?」

「ごめんね。何かまた抱きついたりしなかった?兄貴。」と真平。
「・・・全然大丈夫!お互い酔っ払ってるからね。」と千明。
「酔っ払っちゃったから。すいません何か。」と和平。
「あら?万理子ちゃんは勉強中かな?」
「はい。ドラマの歴史について学んでおります。
 今はちょうどトレンディードラマについてのところであります。」
「ああ、あったね〜懐かしい。偉いじゃん」

「いいから千明!早く座ってよ。」と典子。
「だから何よ〜。」
「真平!」
「うん?」
「何かね、機嫌悪いの。朝から。」と千明。
「何だよ。」と和平
「何?」と真平。
「真平、ちょっとそこ座って。」
「俺?」
「うるせえな、お前。朝からキンキンキンキン。」
「あんたさ。」
「うん。」
「大丈夫なの?」
「うん?」
「千明と、どうなのよ?」
「どうなのよ?って、ねえ。」
「あの典姉、もう少し文法守って話さないと、」
「うるさい!」
「はい。」
「何かさ、恋人宣言したのはいいけどさ、ホントにちゃんと付き合ってんの?
 何かそんなふうに全然見えないんだけどさ。」
「何それ?大丈夫だよね?」と真平。
「どういう意味?」と千明。
「だから、エッチとかちゃんとしてんのかって聞いてんの!」
「おい!おいお前何・・えりなの前でやめろお前何だよそれ!」

「いまさら気ぃ使わないでください。」とえりな。
「気ぃ使うなっつったってね、親はね・・・」
「続けてください。」とえりな。

「どうなのよ、真平。」と典子。

「そういえば・・ないかな。ね?」
「そう・・だね。そうだね。」と千明。
「安心しちゃった、っていうかね。」
「うん、そうそう。何か、付き合ってからむしろ、何かプラトニックな
 関係になっちゃったみたい。ね!」
「そうそうそう。」
「その前はね!」

「何言ってんのよ。老夫婦じゃないんだからさ。
 そんなんじゃダメなんじゃないの!?」
「そんなこと言われてもね。」と真平。
「だいたい、何であなたが怒ってんの?」と千明。
「そうだよ。」
「え?」と典子。
「というか典姉があの家にいるからだという噂がちらほらと
 聞こえてきます。」と万理子。
「はあ?」
「そうだよ、そうだよね!」と真平、千明。
「いつまでそうしてるんだよお前。どうするつもりなんだよ。
 ご迷惑だろ、吉野さんにお前。」と和平。
「いや迷惑ってほどじゃないんですけど。」と千明。
「ほら迷惑じゃないって。」
「迷惑じゃないとも言ってませんけど。」
「あのそういうグレーな表現は典姉には避けたほうがいいかと思います。」
「そうでした。」
「あのね、ホントの恋人なら、誰がいようがどんな状況だろうが、
 する時はするの!」
「すいませんね。」と真平。

「お前さっきから何訳の分からないことばっかり言ってんだ!
 ピーピーピーピーピーピー!」
「訳分かんないのはそっちでしょうが!」
「何がだよ!」
「千明とチューしてたくせに偉そうなこと言わないでよ!」
「・・・」
「・・・」
「・・・あれ?・・あ、見てた?」と千明。
「いや・・・。」と和平。
「見てた。」と典子。
「あ、それでか。朝からちょっと機嫌悪いみたいなのね。」
「違うんだよ・・違うの。あれ・・あれはさ。」
「結構しっとりしたチューだった。」と典子。
「おい!何いってんだよお前!」と和平。
「そうなの?」と真平。
「違う違う違う違う!」と和平。
「違うよ。大丈夫、違う。
 ごめんごめんごめんごめん。ちょっと待ってね。」と千明。
「真平、違う、あのう、」と和平。
「ちょっと黙って!
 えっとね、私が説明しますと。
 何か、こちら、あのう・・勘違いなさってたみたいなんですよ。」
「か、勘違い?」と和平。
「そう。何か、奥様と私ね。勘違いしてたんですよね?」
「姉さんと!?」と真平。
「そ・・そうよ。勘違いしてたのよ。」と和平。
「何で分かんの?そんなこと。」と典子。
「だって、何度も名前言ってましたもん。寝言で。」
「名前・・名前を?」と和平。
「へ〜!」と真平。
「名前、名前!?」と和平。
「ふゆみ〜、ふゆみ〜、ふゆみ〜って。ちょっとふゆみ〜。」

「ふゆみ!?」と和平。
「・・・え?」
「ふゆみって、誰?」と典子。
「え!?」
「知らない。」と真平。
「誰・・誰だろう?・・誰だ?」と和平。
「違うんですか!?
 じゃあ何それ!じゃあ何何何?何?」
「いや、ふゆみ、ふゆみ?」
「最低!どこの女よ!」と典子。
「いや、わかんない。いや、ホントに私、ふゆみって言ったんですか?」
「言いましたよー。何言ってんですか?
 だから私は、ああ、何かちょっとロマンチックな話だな〜と思ってたのに、
 急降下ですよ。じゃあ誰なんだ?ふゆみって。」と千明。
「いやいやいや、違う違う違う違う。」
「分かった!あれじゃない?
 この間の、キャバクラの。」
「何言ってんですか!違いますよ!」
「確かにキャバクラの女性にしては、少し地味な名前のような
 気もしますが。」と万理子。
「だよな。だ・・だよなとかそういう問題じゃないだろ。」と和平。
「白状しなさいよ。誰なのよ!
 知らない女の名前なんか呼ばないでしょう!?」と典子。
「ねえ!何かあったんじゃないの?」と真平。
「そんなこと言われたってさ・・・。」
「友達のれいちゃんのお母さん、ふゆみって名前だけど結構美人。」とえりな。
「それだ!」と誓い。
「それだ!じゃない。それだじゃない!決め付けないで。
 それだじゃない!」と和平。
「ま〜ったく、二股かけるわ、やった女の名前覚えてないわで最悪だね!」と典子。
「やった女の名前とかってお前、下品な言い方をするんじゃない!
 だ、大体な、何度も言うんだが、俺は二股はかけていない。
 かけていない!」
「そう?」と典子。
「そうだよ。」
「だって結局ず〜っとキープしてんじゃん。」
「いやだからそれはさ。」

「それはね、私も思うんですよ。」と千明。
「いや、何がですか?」
「結局、巻き込まれて困った困ったみたいな顔をしてるけど、
 全然こう結論を出さないのはですね、それが、嬉しいからですよね?
 モテてることが。」
「違う違う。それはあなたがだって・・・」
「違うって言い切れますか?
 いえ全然私はね、それが悪いとは言ってないですよ。
 だって大人だって、みんな寂しいんですから。
 そりゃあ、誰かに好意を持たれたら、そりゃ誰だって嬉しいですよ。
 違いますか?」
「・・・それはまあ・・そう言われてしまえばだって・・・
 まあ確かに、そういうところもある・・かもしれないですけど。」
「お、珍しく負けを認めた。」
「負けを認めたとかそういうことじゃないでしょう。」

「あのう。場がゴチャゴチャになったついでに整理をする意味でも
 言っておきますが。昨夜、もう一つ事件が起きまして。」と万理子。
「え!?何?」と典子。
「はい。私、千明さんに恋をしておりまして、告白いたしました。」
「はあ!?」
「告白したの!?」と真平。
「はい。そして千明さんに、ありがとうと言って受け止めていただきました。」
「マジ!?」
「わぁ。何かクール!」とえりな。
「よかったじゃん、万理!
 あ、じゃあ俺達は、三角関係?」
「三角というか二等辺三角形。」と万理子。
「え!?じゃあえっ?二等辺・・二等辺ってどんなの?」と典子。
「綺麗な、」と万理子。

「そんなことより、結局、ふゆみって、誰なんでしょうかね?」と千明。
「・・・いやだから。」と和平。
「誰?」
「誰なんだろう。誰?」

テレビ局
千明は、脚本家の栗山ハルカ(益若つばさ)と台本の打ち合わせをする
ことになっていた。
やってきたハルカは、スタッフルームにいた万理子を見つけるなり、
「かわいい!」と興奮する。
「なんかあれですね!
 子供の頃から大好きでずっと大切にしてたんだけど、
 可愛がりすぎてボロボロになっちゃって、お母さんには捨てろって
 言われるんだけど、捨てられない縫いぐるみみたい〜。カワイイ!」
「さすがハルカ先生。うまいこと言うよね。」と千明。
「マコちゃ〜ん、ちょっと待ってよマコちゃん。カワイイ!」

市役所 
勤務中、和平は、中年のふくよかな体型の女性から声をかけられる。
その女性こそ、和平のファーストキスの相手・ふゆみだった。
「・・・ふゆみ!?」

その後、スマホを使いこなせない田所を茶化す和平。
そんなやりとりを不満そうに見つめる大橋知美(佐津川愛美)。
 
和平は、知美とともに春祭りの打ち合わせに行く。
その帰り。
「田所さんとだって、あんなふうに言いたいことバンバン言えるのに、
 どうして私とは出来ないんですか!?」
「出来ないんですかって。田所のは全然違うじゃない。」
「この際ああいうのでもいいんです!
 田所さんよりは面白い返しをする自信があります!」
「自信があるって言われてもさ〜。」
「だってああいうのがしたいんですもん!!
 和平さんと千明さんみたいな、ああいうのがいいの!!」
「いいの!って子供じゃないんだから・・・。」
「私、今、母とケンカしてるんですよ!」
「そうなんだ。珍しいね。」
「ながくらで、和平さんと千明さんがケンカしてるのを見て、
 練習してみようって言って。
 お互いに、思ってることバンバン言い合ってみようって。
 そしたら何か、ホントに嫌な空気になっちゃって。
 お互い、え!?そんなこと思ってたの?みたいな
 嫌な感じになっちゃって。
 今、もう顔も見たくないんです。あなたのせいです!」
「あなたのせいって、それはごめんなさい。」
「何ですぐ謝るんですか!?
 千明さんとだったら今んとこ謝んないでしょ〜!!」
「・・・そうかな。怖ぇな、もう。」
「あれですかね。私がこう、可愛すぎて、キツイこと言えないんですかね。」
「そうかもしれないね。」
「だから違うでしょ!!今のも認めるところじゃないでしょ!
 つっこむところでしょ!!」
「あのさ、大橋さんさ。そんなに、鬼婆みたいに言うことないんじゃないの?
 いや別に僕達、漫才するわけじゃないでしょ?
 私こんなにボケてんのに、ツッコみなさいよ!みたいな。
 もっと強くツッコみなさいよ!って言われたってさ、
 それちょっと違うと思うんだよね。
 いや僕吉野さんとも打ち合わせをしてるわけじゃないし、ね。
 何かこう、話の流れで、何か、ああなってしまう・・・っていうかさ。
 口で説明するのすごい、いやこれ、難しいんだけどね。
 あのう、あ、あれ!年齢、的なことがあるかもしれない。
 彼女45じゃない。だから45に、」
「私が45の時和平さん70ですよ!
 あんなふうにポンポン喋れないでしょ〜!!」
「・・・そういうことじゃ・・ないんだよね。45・・・
 あ、ごめん。電話かかってきた。
 ・・・お母さんだけど。」
「・・・出たらどうですか!?」
「・・・デル。
 あ、もしもし。長倉でございます。
 はい。
 ・・・」

病院
真平は、主治医の門脇(高橋克明)のもとを訪れ、検査を受ける。
門脇は、検査の結果、問題はなかったことを真平に伝えた。
ほっとする真平。
「いやぁ、俺もほっとしたよ。」
「ありがとうございます!」
「何で急に検査受ける気になったの?」
「え?ああ、あのう。恋人が出来ましてね。」
「あら。」
「あ、先生。もしかしたらお先にって感じになっちゃうかも
 しれませんよ。」
「残念でした。」
「うん?」
「検査サボってる間に結婚したよん。」
「え!?マジで!?いやいや聞いてないし。」
「サボるから悪いんだよん。」
「あ、そっか。で、どんな人なんですか?」
「ずっとここにいた看護師の。」
「みゆきさん!?」
「うん。」
「えーーーっ!だってケンカばっかしてたじゃないっすか。」
「いやいやいや。結婚してもおんなじだけどね。」
「そうっすか。あ、おめでとうございます!」
「いやいやいや。」

テレビ局
「殺しときますか、この際。」とハルカ。
「え!?」と千明。
「だから殺しときますか。この際。この2番手の彼を。
 よし、殺すと。やっぱ泣きたいですからね、この辺りで。」
「やめとこうよ、そういうの。」
「えーっ。」
「私さ、好きじゃないんだ、そういうの。」
「盛り上がると思うんですけどね〜。
 そうしないと、なかなかメインの彼と結ばれないじゃないですか。
 ねえ、三井さん。」
「ああいや。千明さんの番組では、そういうの、ないんです。」と三井。
「えーーーっ。」
「人が死なないんですよ。」と武田。
「パターンだから?」とハルカ。
「そうじゃなくて、好きじゃないから。」と千明。
「人が死ぬのが?」
「うん。ドラマでさ、病気とか、死とかやろうとするとさ、
 それだけになっちゃうじゃん。」
「うーーん。」
「重い病気だとさ、誰だって辛く見えちゃうし、
 人の死はどうやったって、悲しくなっちゃうでしょ?」
「うん。」
「何か、それ以外に描きようがなくなっちゃうっていうかさ。
 もちろんあれだよ。そのう、死をテーマにしたドラマとか、
 そういうのって、過去にはいっぱい名作があるよ。
 でもさ私はさ、いろんな人の、いろんな気持ちをドラマにしたいわけ。
 だから恋愛ドラマを作ってるわけよ。
 恋愛って何かこう、おかしいでしょ?
 恥ずかしいしさ、みっともないしさ、人間っぽいでしょ?」
「うんうん。」
「悲しいけどさ、やっぱ何かちょっとおかしいみたいなさ。
 滑稽で切なかったりするでしょ。
 私はね、そういうのが好きなわけよ。
 だから、私のドラマでは、安易に人は殺さないの。」
「なるほど〜。」とハルカ。
「なるほどね。」と武田、飯田。
「何がなるほどよ。何年一緒にやってきてると思ってんの?」
「ハハハ。すいません。」

その話を聞いていた万理子の目から涙が流れた。

「あれ?どうしたの?」とハルカ。
「あらら。」と三井。
「マコちゃんどうしたの?泣いてるの?大丈夫?」とハルカ。
「あ・・ぬれてます。あ、何でだ?あ・・」
「お腹痛い?」と三井。
「お腹好きました。」
「お腹空いたって!何かちょっと!」
「すみません、あ、ハンカチ。ありがとうございます。」

千明は、そんな万理子のことを優しく見つめていた。

長倉家
「よし!明日のプラン完了!」
何やら楽しそうに作業する真平。
ノートには、千明のバースデーケーキのイラストが描かれていた。
その後、真平は万理子、和平に連絡する。
 
その頃和平は、秀子に呼び出されていた。
「どうなさったんですか?」と和平。
「いえ・・・。」
「あ、あ、あのう。知美さんと何か、あのう、
 言い合いになったとか。ケンカしたとか、それですか?」
「あ、いえ。知美は関係ないんです。
 あの、今日お話することは、知美は知らないことですから、はい。」
「ああ、そうなんですか。はい。」
「長倉さん。」
「はい。はい。」
「・・・どうしよう。」
「いや、どうしようって。あのう、ちょっといいですか?」
「はい。」
「その今からお話になろうとしてることっていうのは、
 あのう、私は直接何か関係あることですかね?」
「いえ、そうじゃないんで。それは違います。はい。」
「ああ、良かった。」
「安心してください。」
「ハハ。」
「長倉さん、あのう。」
「ええ。」
「私・・・好きな人が出来ました。」
「・・・そうなんですか!」
「いや、何て言うんですかね、あのう。
 私ずっと、くすぶってたわけですよ。
 それであのう、長倉さんに、あのう、恋愛っぽいことしたいな、
 なんて言って、お願いして、お会いするようになって。」
「ええ、まあ。そんな感じですか。」
「そうするとですね。」
「ええ。」
「何ていうんですかね。あのう、何でしょう。
 オーラ?」
「え?」
「恋愛の現役の、オーラみたいなのが体からこう、出るんですね。
 パって。」
「で、出ますか?」
「でも、もともとあのう、ポテンシャルは低い方じゃないんですけど〜。
 あのう、それであのう、何かみんなに最近、何か奇麗になったね、
 なんて、言われるようになっちゃって!
 それで、前からね、危険な香りがするっていうか、
 そういう感じの人が、あのう、ちょっといいなと思う人がいて。
 あ、年下なんですけど。」
「ほう。」
「韓流スターみたいで、ちょっといいなと思ってた人に、 あのう・・・
 告白されちゃったんですよ、もう。」
「うわぁ!」
「どうしようなんて!あのう。」
「ちょっと、ちょっと声が大きい。」
「迷ってないんですけど!アハハ!」
「良かったですね。良かったです。」
「はい。本当にありがとうございます。
 長倉さんのおかげです。」
「いえいえ、そんな。お礼言われるようなこと何もしてないですけど。」
「あ、あのう。」
「いえ、あのう。」
「彼の、写真見ます?」
「いえいえ、僕は大丈夫です。」
「いや、すごく見てほしいんだもん。ほら、これ。ね!
 やーん。素敵でしょ?ホントに。」
「ああ。アハハハ。」
「ありがとうございます!」
「いや、まだ何も言ってないんですけど。」
「ありがとうございました。」
「いや。」
「ほんとに長倉さんには何か私・・・
 あの、踏み台にしちゃったみたいで、申し訳ないなと
 思ってるんですけど。」
「踏み台?いやいや、別にあのう、いえ、お役に立てればね。
 踏み台とかってんじゃなくて、何か、
 お役にた、立てたんだったら良かったなと思います。
 私もほっとしましたよ。」
「ほっとした?」
「そうです。いやいやいや、変な意味じゃないですよ。」
「あ、ええ。ホントにありがとうございます。」
「いえ、とんでもないです。」
「引き続き、知美の方も、よろしくお願いします。
 あ!やだ私の息子になっちゃったりして。 
 アハハハハ!」
「・・・」

帰り道
「踏み台って何だよ。踏み台って。」
一人つぶやきながら帰宅する和平。
千明の家をしばし見つめ・・・。

そんな和平を万理子が見ていた。
「何でしょう。今のお兄ちゃんは。
 ひょっとしたら、千明さんのドラマのような展開?
 そうなると真ちゃんは・・・!
 ついでに紛れ込ませてしまえば私は・・・!
 あ、どうもならないか、もともと。」

和平が典子に連れられて出てきた。
「一人で行きたくないのよ〜!」と典子。
「押すな!お前押すなって!」
「おい、万理子!俺と替われ!」

「まあ、これは私には関係のない方の展開でしょうか。」

同じころ、千明は、友人の荒木啓子(森口博子)、水野祥子(渡辺真起子)と
食事をしていた。
「で何?帰るの?小豆島。」と千明。
「まあ一応ね。あんた忙しいんだから帰ってこなくていいから、
 でも一応言っとくけどお父さん来週手術、みたいなね。」と祥子。
「逆にそれって嫌だって言えないよね。」と啓子。
「で、帰ったら帰ったでさ、ああ大丈夫大丈夫、もう年寄りだけでも
 大丈夫だから、みたいな、でもちょっと寂しそうって、
 それって作戦でしょ?」
「ちょっと被害妄想入ってんじゃないの?今。」と啓子。
「そうかもしれなけど。確かにさ、罪悪感はあるわけよ。」
「フフフ。でも私も全然帰ってないな〜。
 うちは元気だからいいんだけどさ。」と千明。
「それはそうとさ。生命保険の受取人ってさ、親?」と啓子。
「親。だって他にいないじゃん。」と千明。
「でもさ、親だってさ、受け取っても複雑だよね。」と啓子。
「親がさ、先に、死ぬ可能性が高いわけでしょ?寿命的に。
 そしたらどうなるんだろう、それ。」と千明。
「寄付でもしちゃう?どっか。」と啓子。
「いやいやいや。ああ、じゃあさ。
 お互いを受取人にして、私が死んだら二人が、好きな事に
 使うっていうのはどう?」
「それいいね!面白い!」と啓子。
「いいじゃん。でもちょっとスリリングだね、それね。」と祥子。
「うん。そう。」
「あ、でもさ、最後に残った一人は、どうなるわけ?」と啓子。
「・・・だ、だから、どうなんの?」と千明。

従業員たちが、ハッピーバースデイを歌いながらケーキを運んでいく。
「タンティアウグリー アーテー♪」
「23歳おめでとう!」

「実はさ。」と千明。
「うん?」
「私今、自分のところに来ると思って、ドキドキしちゃったんだけど。」
「えーっ。」
「やんないわよ、そんなサプライズ。」
「だよね!」
「この年になって。」
「だよね。」
「しっかし23だって。半分だよ、半分。」
「半分か〜。」
「ねえ。でもああいう若い時はさ、サプライズが嬉しかったけど
 今全然嬉しくないよね。」と千明。
「去年さ、職場でサプライズやられちゃってさ。」と祥子。
「うわーっキツイ!」
「私なんか職場でサプライズなんかやったら殺すって言ってあるからね。」と千明。
「うわぁ。怖い!」
「殺されちゃう。」
「だってやじゃん〜。」
「とは言いつつも、一日早いんですが。」と啓子。
「あらっ。」と千明。
「イヒヒ。おめでとう!」と啓子。
「何かすいません〜。」
「私も、はい。」と祥子。
「何かすいません〜。」
「いいえ。」
「タンティアウグリー アーテー♪」
「アーテー!」
「グラッツェ グラッツェ!」

その頃、喫茶店。 
帰宅した和平は、典子に引っ張られて、広行(浅野和之)との
話し合いの場に同席させられる。
「で?何?」と典子。
「悪いな、急に。」と広行。
「別に。大丈夫だけど。」
「すいません、お兄さん。」
「いいえ。」
「ちゃんと話をしたほうがいいんだろうなって思ってさ。
 ね、和平さん。」
「遅すぎるぐらいですよ。」
「すいません。」
「何の話?」と典子。
「何の話って・・・。」と和平。
「あ、うん。いろいろ、済まなかった。
 申し訳ない。」
「別に謝ってもらってもね。」
「いやホント、申し訳ない。」
「帰ってこいとかそういうんだったらお断りだからね、私。」
「お前さ、話を区切るなよ。ちゃんと聞きなさい。
 広行さんがせっかく頭下げてんだから。」と和平。
「帰ってきて欲しいとか、全然、そういうんじゃないんだ。」
「は!?」と和平。
「あっそう。」と典子。
「うん?」と和平。
「そっちか。
 ・・・いいよ。別れよう。」と典子。
「おい、お前何言ってんだよ。」と和平。
「翔は、自分で決めるって言ってる。」
「何!?もう話してるわけ?
 最低!はぁ・・・。
 そうですか、分かりました。もういいです!」
「ちょっとお前、落ち着きなさい。落ち着きなさい。」
「私今本気で好きな人いるから。」
「何言い出すんだよ、お前。」
「うるさいな!ちょっと黙っててよ!」
「うるさいなとは何んだ!お前が来てくれって言うから
 一緒に来たんだろうが!お前な、大体な、」
「ちょっと、黙っててもらっていいですかね。」と広行。
「はあ!?何ですか!?
 え?じゃあ私がいないほうがいいんですね?
 スムーズに話が進むんですね?
 じゃあ私、帰りますよ。」
立ち上がる和平を抑えつける二人。
「痛い・・いって!」
「そうなんだ〜。いるんだ、好きな人。」と広行。
「いるわよ。何うれしそうな顔して。」
「別に、君が憎いわけじゃないからさ。
 君が幸せなら、嬉しいよ。」
「何よそれ。綺麗事言わないでよ。冗談じゃない。」
「何でだよ。」
「悪いけど、私はそうは思わないから。
 別れた人の幸せなんてこれっぽっちも願いません!」
「何だよそれ。もうそういうのはさ、」
「そういうのは何よ!」
「・・・まあ、いいよ。」
「・・・地獄に落ちろって感じだよ。
 後悔するわよ〜。その年で、一人になっちゃってさ。
 じじいのくせに。
 私といた時より不幸になることを強く望みます、私は!」
「・・・この流れで、ちょっと言い難いんだけど、
 実は俺も、好きな人が出来たんだ。これがさ、」
「何だそれ!!」と和平、典子。
「な・・何だよ!?自分だって今好きな人がいるって
 言っただろうが!」
「自分のはいいけど相手のは許せないのよ!
 それが!!女房ってもんなのよ!」
「ちょっと静かに・・・」と和平。
「そんなことも分かんないのか!このバカ男!!」
怒った典子は、席を立ってしまう。

「ねえ。」と広行。
「ねえって。ねえって何ですか?
 わかりませんよ、僕には。分からない。分かりたくもない!」
「そうだよね。」
「後悔しないんですか!?」と和平。
「しますよきっと。絶対します、後悔。」
「だったら。」
「楽しい想い出もありましたしね。後悔します。」
「じゃあ何であなた・・・」
「したいんですよ、後悔。
 何にもないより、その方がいいんだ。」
「・・・」
 
家の前
「まだか〜千明。」と典子。
「そうだな。・・・大丈夫か?」と和平。
「全然。」
「・・・」
「明日、楽しみだね。」
「うん。」
「・・・お兄ちゃん。」
和平の胸で泣く典子。
「あー、ヨシヨシヨシ。典子ヨシヨシヨシ。」
「何だよもう!
 やっぱお兄ちゃんじゃないや。
 おやすみ。」
「暖かくして寝ろ。」
「うん。」

「ただいま。」と和平。
「おかえり。どうだった?典姉。」と真平。
「分からなーい。
 問題は、解決の方向には向いていないとうか。
 最悪かもな。」
「あらら。」
「最悪だと見せかけて、実はフェイクという場合もありますので
 要注意です。」と万理子。
「何だよそれ。」
「あ、すみません。ドラマについてここの所勉強しているものですから。」
「人生はな、テレビドラマのようにはいかないんだよ。」
「ああ、一見深みのあるお言葉。」
「一見とは何だ?一見とは。」
「こりゃ失敬。」
「へへ。」
ケーキの準備をしながら笑う真平。

「おー、さすがに。」と和平。
「うん?」
「気合が入っておりますな。」
「まあね。
 あ、ケーキは俺が用意すっから、兄貴はろうそく頼むよ。」
「ろうそく頼むよって、使いっ走りじゃないか。」
「まあいいじゃん。お願い。」
「まあ、ろうそくは俺に任しとけ。」
「ありがとう。」
「ねええりな。何か吉野さんにプレゼント考えた?
 ちょっと考えて。こういうのいいんじゃないかと思うんだけど。
 ねえねえ、ちょっと聞いて。
 あのう、千明さんの顔を描いてみたんですけど、
 もらっていただけませんか?って、どう?」
「うわ!だっさ!」
「何?ださい?」
「うわ!寒い!」
「寒いの寒いの!
 おー寒い!寒い大変だ!体をあっためなければ!」
「調子に乗りすぎです。やめてよもう!」
「イテ。イッテ。痛いよそんな。
 ゴーンなんてやんないでよ。」

「ねえ見て。こんな感じでいいかな?」
えりなが作った飾り物を真平に見せる。
「お!いいじゃん。上手上手!」
「もう千明さんうちの家族になっちゃえばいいのにね。」
「・・・そうだね。ありがとう。
 千明喜ぶぜ、これ!」
「ウフフ。」

スーパーで買い物していた知美が真平に気づく。
「あっ。」
「あ!」
「どうも。」
「・・・何?飼うかどうか迷ってるの?カリッコリー。」
「カリッコリー?」
「知らないの?
 これは、カリフラワーの仲間で、味はちょっとブロッコリーに近いかな。
 あのね、グラタンにするとね、」
「私、結構保守的なんで。」
「あー。珍しいのとか嫌いなんだ。子供だね。」
「はあ!?私が言ってる保守的っていうのはね、男性像についての保守的です。」
「はあ?」
「男がね、食べ物のことでぐだぐだぐだぐだ言うの、嫌いなの!
 黙って出されたもん食べろっつうの!
 男と野菜の話なんかしたくないわけ!」
「何だよそれ!人が親切に教えてあげてんのにさ。
 大体さ、文句言われないで食べられるようなもの作れんの?
 自信がないからそういうこと言ってんじゃないの?」
「はあ!?私の料理食べたこともないくせに、何言ってるわけ!?
 大体何なの?むさ苦しい!クマみたいだね!
 クマって呼んでもいいですか?」
「クマ!?」
「クマ〜クマクマクマ!」
「ふざけんなよ!この座敷わらし!」
「あったまきた!」
「座敷わらし〜!」

仕事を終えたちあきと万理子。
「うーん、疲れたねぇ。」
「いいえ。私は全然。」
「そうなの?」
「はい。楽しいですし、あと長いこと体力を温存してたからでしょうか?」
「ああ、すり減ってないタイヤみたいなもんだね。」
「はい!いくらでも走れます。」
「私のはもうつるっつる。」
ゲートを抜ける時の警報音。
「は・・・ピッ!?」

長倉家では、千明の誕生日パーティーの準備中。
「今テレビ局出たって。」と真平。
「良かったじゃん。早くてね。」と典子。
「おー、典姉すげーじゃん。」
「ちょっと手伝ってよ。」
「うん。」

「持ってっつってんじゃん。」と和平。
「自分で出来るでしょ。できることは人に頼まないの。」とえりな。
「自分でできるけどもっとチャッチャやりたいじゃん。ほら。
 こっちだけ長くなっちゃった。」
「もー、分かりました。」

「じゃ〜ね〜おつかれ〜。」と千明。
「じゃ〜ね〜じゃないんです、千明さん、ちょっとちょっと。
 うちにちょっと寄っていきませんか?」
「何何?」
「あのですね、ちょっと待ってください。」
「え?」
「危ない、ちょっと千明さん。千明さん、ちょっと。
 危ないついでにこちらを、ちょっとお願いいたします。」
「いい、いい。」

目隠しをされ、半ば強引に長倉家に連れて行かれる千明。
「だから何よ〜。」
「あのう、千明さん。一歩上がっていただけますか?」
「何も見えないんですけど。」
「さらに一歩。」
「何も見えないんだけど。」
「よくぞここまで来てくださいました。
 千明さん、ここでちょっと。このまま待っていてください。」
「何よ〜だから。」
「千明さん、あのう、目隠し取っていただいても構いません。」
「いいのね?」
「はい。そこで取ってください。」
「いいのね?」
目隠しを外すと・・・

「誕生日おめでとう!」
「おめでとう!!」

「ちょっと。何これ。もうやめてよ、やだ・・。」
「千明、おめでとう!」真平が花束を渡し、キスをする。
「ありがとう。」

「46歳の誕生日、おめでとうございます!」と和平。
「あのう、そんなに大きな声で具体的に46歳のって言わなくても
 いいと思うんですけど。」
「何ですか?」
「別にケンカする気はないですけど。
 そんな大きな声で言わなくてもいいんじゃないんですか?」
「こういうことはね、大きい声で言ったほうがいいんです。」
「あ、そうですか。」

「うちはさ、誕生日だけは盛大にやるんだよね。
 親、早くに死んじゃったからさ。
 他のうちに負けないようにってお兄ちゃんが。」と典子。
「それに俺のこともあるからさ。
 ほら、また1年無事に年を取れましたって意味で。」と真平。
「うん。でもさ、私も46だからこういうの恥ずかしいっていうか。」
「まあまあ。座って座って。」
「避けて生きてきたっていうか。」
「今日は、主役ですから。はい、どうぞ。」

「お待たせをいたしました。
 真平特製、バースデーケーキです。」
「あのう、ろうそく、ちゃんと46本あるんですね。」と千明。
「ええ。これあのう、私の担当なんですけどね。
 あれでしょ?下のケーキが見えないでしょ。
 どこ食べたらいいんだろ、みたいな感じになっちゃって。」
「何か今、あのう、太いの4本と細いの6本とか、
 何か数字で46とか、カワイイのあるじゃないですか。」
「ありましたありました。」
「何でこんなに46本も?
 悪意を感じてしまうんですけど。」
「えっ?何でですか?」
「何でですかって・・。
 何かこんなふうに、お祝いしていただいてるところ申し訳ないんですけど、
 女心ってあるじゃないですか。
 年を取るたびにろうそくが増えていく感じ?
 ちょっと凹むわけですよ。
 23とかだと奇麗にすっきりいいバランスで並ぶじゃないですか。
 46だとこのざまですよ。
 何かもっとこう、デリカシーのあることっていうか。
 デリカシーのないこの並び方・・」
「いや、それって、おかしいですよ。」
「は?」
「何で恥ずかしいんですか?」
「何でってだから、言ってんじゃないですか。」
「誕生日には、お祝いすることが2つあるんです。」
「は?」
「1つはもちろん、あなたがこの世に誕生してきたこと。
 もう一つは、今あなたが元気で生きてること。
 だから、もうそんなあの、
 お誕生日やるようなめでたい年じゃないんですとか、
 誕生日が来るのが嫌なんですって言う人がいますけど、
 あれ絶対におかしいんです。
 むしろ逆で、年を取れば取るほど、めでたいことなんです。
 素晴らしいことなんです。
 23歳の誕生日より、46歳の誕生日の方が、倍。いや、それ以上に、
 素晴らしいことで、めでたいことだって思いません?」
「・・・」
「胸張ってくださいよ。あなたらしくもない。
 大体、このろうそくの数は、これまであなたが、頑張ってきた証なんです。
 あなたこんなに沢山頑張ってきたんですよ。
 それを10年を太い1本でなんて、そんな大雑把なことは出来ません。
 それが、長倉家の誕生日です。」
「・・・何か悔しいけど。」
「はい?」
「悔しいけど、今日のところは、負けを認めますよ。」
「フフフ。そうですか。」
「何で笑ってんですか!」

「早く消そう。」とえりな。
「ヤベッ。溶けてるよ。」と真平。
「短くなっちゃって!」と和平。
「ヤバイ!ちあき早く消して。」
「一人じゃ無理だからみんなでみんなで。」と千明。
「みんなでみんなで。」と真平。
「せーの!」
フーッ。
「おめでとう!!」
「46だ!文句あるか!」
「イエーーイ!!」
「51の誕生日のとき、楽しみにしててくださいね。
 私が、ろうそく用意しますから。51本きっちり。」と千明。
「お願いします。」
「はい。」
「アハハハハ。」
「食べれるかな?これ。」と真平。
「どろどろじゃん。溶けちゃってるよ!」と典子。
「ろうそく。ろうそくう取って。」と千明。
「載っかっちゃってる、ろうが。」と真平。
「ろうそく取れば。」と千明。
「後から載せれば良かった。」と真平。
「ほらほら、そんな、ほら。」と千明。
「焦げてる!焦げてるじゃん。」と典子。

誕生日を祝ってもらった千明は、真平と一緒に後片付けをする。
「こうやって、本人が片付けるっていうのもまたね。」と千明。
「そう。我が家のルール。」と真平。
「へへへ。面白いよね。」
「兄貴が決めたんだ、全部。」
「ホント。はい。」
「千明。」
「うん?」
「改めて、おめでとう。」
「ありがとう。近年稀に見る、素敵なお誕生日でした。
 何かさ。」
「うん。」
「真平が言いだしっぺなんだって?万理子ちゃんが言ってた。」
「彼氏ですから。」
「ああ、そうですね!ありがとう!
 洗っちゃうね。」
「うん。・・でも良かった。」
「うん?」
「いいよね、誕生日って。」
「そうなんだね〜。私なんかさ、こういう感覚忘れてたかも。」
「あのさ。」
「うん。」
「何か、ごめんね。」
「何が?」
「俺・・ダメだよね、彼氏として。」
「何言ってんの?」
「ずっと、天使やってたってこともあんのかもしれないけど、
 何かさ、考え過ぎちゃうんだよね、俺。
 兄貴と千明みたいに、もっとこう言い合えればいいんだけどさ。
 硬いっていうか、ぎこちないっていうか。
 何かこう、ちょっと、しっくりこないんだよね。
 千明もさ、俺に気を使ってるとこあるでしょ。
 俺を傷つけない、みたいなさ。」
「いやいやいやいや。」
「それって、やっぱり病気のことがあるから?」
「え・・・」
「大丈夫大丈夫。正直に言って。」
「うん。そういうふうに、考えないようにはしてるけど・・
 うーん。まったくないとは言えないかなって感じかな。」
「そっか。そうだよね。
 俺さ。」
「うん。」
「検査行ったんだ。」
「嘘!?」
「問題なし。」
「本当!?」
「ああ。最初に千明に言おうと思ってさ。
 まだ誰にも言ってないよ。」
「ホント!?ありがとう!
 うわぁ!良かった良かった!良かったね〜!」
真平の頭をなで、抱きしめる千明。
「何何?ありがと。」
「良かった〜!」
「良かったよ〜!」
 
あくる日、散歩をしていた真平は、自転車のチェーンを直す知美に気づく。
「あ・・」
「あ!・・結構です!」
「まだ何も言ってないだろ!」
「・・・」
「・・・」

千明と和平は電車で偶然一緒になる。
「これはこれは。46歳の吉野さん、どうも。」
「これはこれは。50歳の長倉さん。先日はどうもありがとうございました。」
「どういたしまして。
 いかがですか?46歳のご気分は。」
「そうきますか?やりますか?今日も。」
「いえいえ。電車の中なので。」
「そうですよね。」
「フフフ。」
「何ですか?」
「いやいや。私達、こう顔を合わせると、言い合いになるじゃないですか。」
「そうですね。」
「部下の大橋知美が、そういう言い合いがしたいって言うんですよ。
 何なにですかね?あれ。ムカついて言い合ってるだけなのに。」
「ホントですよね。」
「ええ。」
「でも、真平君も、同じ事言ってました。」
「そうですか。」
「はい。でも、こんな感じで一緒にいたら、疲れちゃいますよね。」
「体重、20キロぐらい落ちるでしょうね。」
「エネルギー使いますもんね。」
「ええ。ダイエットにはいいでしょうけど。」
「ねえ。」
「エヘヘヘヘ。」
「・・・何か、あれですね。私少し、控えますね。
 こういう何て言うんでしょうね。
 すいませんね、いつも。」
「いやいや、あの、私も控えます。調子に乗ってました。
 ええ、反省します、少し。」
「そうですね。」
「・・・あっ。」
「うん?あっ。」
ふたりは、路上で口論している真平と知美の姿を電車の中から目撃し…
「・・・ファンキー、ですねぇ。」と声を揃える。


酔っぱらい千明&和平のキス。キスのあとの大笑い。
朝、ソファーで目を覚ますと隣には和平。
キスしちゃったんだ、と思い出す千明の表情と、
和平の寝言、「ふゆみ・・」を聞いた時の千明の表情。
和平の心には亡くなった妻がいる。
千明はそう思い、微笑んだのでしょう。

その後、長倉家での会話。
真平と千明の関係。
千明と和平のキス。
和平の寝言。
万理子の千明への告白。
朝っぱらから濃い内容の話題が次から次へと。
そんな中、千明が一番気になるのは、ふゆみが誰なのか、のようでした。
この時点で、いや、キスをした時点で、千明は自分の本当の気持ちに
気づいていたのかな。

「私のドラマでは安易に人は殺さないの。」
これは脚本家・岡田恵和さんの想いでもあるのでしょうか。
この時万理子の瞳からは涙が。
両親の死、兄の病気。死という言葉にいつも怯えている。
そんな万理子も、仕事や仲間を見つけることが出来ました。

千明が今作っているドラマのタイトルが『まだ恋は終わらない』。
貴一さん、今日子さん出演、岡田恵和さん脚本の1995年のドラマ
『まだ恋は始まらない』を意識したタイトルだ〜!

サプライズパーティーは絶対に嫌だと言っていた千明ですが、
長倉家のサプライズパーティーに泣かされることに。
和平の言葉が素敵過ぎた。

「誕生日には、お祝いすることが2つあるんです。 
 1つはもちろん、あなたがこの世に誕生してきたこと。
 もう一つは、今あなたが元気で生きてること。
 だから、もうそんなあの、
 お誕生日やるようなめでたい年じゃないんですとか、
 誕生日が来るのが嫌なんですって言う人がいますけど、
 あれ絶対におかしいんです。
 むしろ逆で、年を取れば取るほど、めでたいことなんです。
 素晴らしいことなんです。
 23歳の誕生日より、46歳の誕生日の方が、倍。いや、それ以上に、
 素晴らしいことで、めでたいことだって思いません?
 胸張ってくださいよ。あなたらしくもない。
 大体、このろうそくの数は、これまであなたが、頑張ってきた証なんです。
 あなたこんなに沢山頑張ってきたんですよ。
 それを10年を太い1本でなんて、そんな大雑把なことは出来ません。
 それが、長倉家の誕生日です。」

年を重ねるごとに、誕生日を迎える嬉しさが薄れていた。
でも次の誕生日は長倉式誕生日でお祝いしよう!と思いました。


自分を思ってくれている人をキープしている、と典子に指摘された和平。
その時千明は
「結局、巻き込まれて困った困ったみたいな顔をしてるけど、
 全然こう結論を出さないのはですね、それが嬉しいからですよね?」
と意見しました。
これは次週に続きます。


ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking



最後から二番目の恋 Blu-ray BOX
最後から二番目の恋 Blu-ray BOX
ポニーキャニオン 2012-07-18
売り上げランキング : 729


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



最後から二番目の恋 ノベライズ
最後から二番目の恋
最後から二番目の恋脚本/岡田 惠和 ノベライズ/蒔田 陽平

扶桑社 2012-03-23
売り上げランキング : 1149


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



2012年1月クールフジテレビ系木10ドラマ オリジナルサウンドトラック
2012年1月クールフジテレビ系木10ドラマ オリジナルサウンドトラック平沢敦士

ポニーキャニオン 2012-02-29
売り上げランキング : 10902


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


公式HP

【キャスト】

吉野千明
  小泉今日子
長倉和平
  中井貴一
長倉真平
  坂口憲二
長倉万理子
  内田有紀
AP三井さん
  久保田磨希
田所勉
  松尾諭
大橋知美
  佐津川愛美
武田誠
  坂本真
長倉えりな
  白本彩奈
一条さん
  織本順吉
水野祥子
  渡辺真起子
荒木啓子
  森口博子
水谷広行
  浅野和之
水谷典子
  飯島直子


【スタッフ】

脚本
  岡田惠和
音楽
  平沢敦士
主題歌
  浜崎あゆみ「how beautiful you are」(avex trax)
プロデュース
  若松央樹
  浅野澄美(FCC)
演出
  宮本理江子
  谷村政樹
  並木道子
制作
  フジテレビドラマ制作センター


小泉今日子さんの主な出演作品



中井貴一さんの主な出演作品





この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。