2012年03月28日

最後から二番目の恋 最終話

『まだ恋は終わらない〜最終回』

千明(小泉今日子)と和平(中井貴一)は、電車の中から、
真平(坂口憲二)と知美(佐津川愛美)が路上で口論しているのを目撃する。
千明と和平は、あっけにとられ…。
家へと向かう道。
「・・・どうですか?お仕事のほうは。万理、ご迷惑掛けてませんか?」
「いや、助かってます。これから撮影が始まるんですよ。」
「そうですか。それは楽しみだ。」
「ええ。でもこれからあのう、ロケの交渉だとか、いろいろ役所回ったりだとか。
 役所って何であんなに面倒くさいんだろ。
 何か、あっち行けっつって、こっち行けっつって、たらい回しに、」
「皆さんそう仰るんですがね、」
「はい。」
「役所は役所なりに大変なんですよ。
 撮影の場合はですよ、休みでも現場に立ち会わなきゃいけない。
 苦情も対応しなきゃならない。
 皆さんね、あのう、こう勝手にご通行の方止めたりとか
 こんな赤い棒持って車止めたりするじゃないですか。
 ねっ。あれものすごく渋滞になってものすごい数の苦情が
 くるわけですよ。
 しかもですよ。何時に終わるって申請してるのに
 絶対オーバーするじゃないですか。あれって、」

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「鎌倉ではやりませんから。」
「ああそりゃよかった。よかったです。」
「あのう。」
「はい?」
「そうやって突っ掛かってきても乗りませんからね、私。」
「え?突っ掛かってます?私。」
「もういいです。」
「これ普通の会話してるだけなんですけど。
 突っ掛かってるって思うってことは、あなたに負い目があるんですよ。」
「盛りますか?」
「えっ?」
「さらに乗っけますか?ポイント付けましょうか?
 突っ掛かりポイントカードでも作りましょうか?
 先に10点たまった方がSIRASでフルコース奢る、みたいな。」
「いいですよ。絶対あなたが奢る羽目になりますから。」
「何言ってんですか。あなたもう既に1ポイント入ってますからね。」
「これは突っ掛かるんじゃなくて素朴な質問なんですけどいいですかね。」
「はい。何すか?」
「あなたは怒るとどうしてそうヤンキー口調になるんですかね?」
「なってませんよ。」
「なってますよ!え?自覚ないんですか?
 何とかっつーの、何とかっすよって。
 あなたは長野県出身だって仰っていましたよね?」
「はい、そうですよ。」
「どう考えても嘘だ。・・・湘南のヤンキーの匂いがする。
 海辺でカツアゲとかしてたでしょ?夏場特に。」
「何すか?それ!」
「出た!何すか?それ!付けますよ、ヤンキーポイント。」
「アハハ。ヤンキーポイントって何だよそれ。
 何か、映画のタイトルみたいじゃない。」
「うわキタ!怖ぇ!」
「しかもその映画面白そうだしね。
 じゃああれですか?ヤンキーポイント溜まったら、
 一緒に峠でも攻めますか?
 征服しますか?神奈川を。」
「そんなことしませんよ。私、一般市民ですから。」
「・・・何で、こういう感じになっちゃうんですかね。」
「・・・ホントですよね。何かすいません。」
「いえ。あれですね、私、達あんまりこう、顔を、合わせない方が、
 いいんでしょうね。なるべく。
 何か私もそのお地蔵さんいたいな顔見ると、何か言いたくなっちゃう。」
「お地蔵さんって!」
「あ、すいません。」
「・・いや、まあ、そうかもしれませんね。」
「でしょ?お地蔵さんでしょ?」
「違いますよ。・・仏像顔とはよく言われますけど。
 まあ、顔を、あまり合わせないようにした方がいいのかもしれませんね。」
「そうですね。」
「ええ。」
「じゃ、またそのうち。」
「あ、お元気で。」
「お元気で〜。」
「ごきげんよう。」
「ごきげんよう。」
店の看板が倒れる。
「もう!」
「もう!ああもう!顔合わせちゃったじゃないですか。」

そんな折、思わぬ事態が起きた。
千明たちがデートシーンの撮影を予定していた神社から、
突然撮影を断られてしまったのだ。
必死に他の神社を探す千明たち。
「鎌倉はいかがでしょうか?
 恋人たちがデートをするのにふさわしいと思われる場所も
 ございますし。
 あっ。おまけに、うちの兄は、市役所の観光推進課 課長を
 しております。」と万理子(内田有紀)。
「あー!ありがとう!それだそれだ!」と三井。
「よかったです。」と万理子。
「鎌倉はないの。絶対にないの、鎌倉は。」と千明。
「私何か、余計なことを申したでしょうか!?
 申し訳ありません!どうしよう!
 どうしよう、こういう時は・・どうしたらいいんですか!?」
慌てふためく万理子。
「いやいや、大丈夫。大丈夫大丈夫。」
「辞めたくないんです、この仕事!!」
「分かってる分かってる分かってる。絶対辞めさせたりしないから。
 大丈夫!はい、落ち着いて。はい!どうどう。
 ・・・分かった。分かった分かった。じゃあ、もう、
 私がどうにかするから、みんなは他の準備とっとと始めて。」
「はい!!」
「・・・よっしゃ。天下取ってやるか!」

その頃、市役所。
「!?・・・ヤンキーの匂いがする。何でだろう?」と和平。

やむを得ず鎌倉市役所を訪れた千明は、和平に頭を下げて協力を要請した。
「無理なお願いだということは重々承知しております。
 決してご迷惑をお掛けしないように、細心の注意を、払わせていただきます。
 視聴者の皆さんがドラマを見て、あの場所に行ってみたいって
 思っていただけるような作品に、必ずします。
 どうか、お力をお貸しいただけないでしょうか。お願いします。」
「うん・・・やっぱり、八幡さまかな?一番いいのは、大橋さん。」
「そうですね。一番素敵だと思います。」と知美。
「田所お前さ、商工会議所の方へ挨拶行って。」
「はい。」
「まず村山さんに挨拶して、それから原さん。これ順番間違えんなよ。」
「はい。」
「みんなもさ、申請書とかもろもろすぐ動いて。」
「はい。」
「吉野さんは私と一緒に本丸へ。」
「あのう。」
「神社へ直接交渉です。行きましょう。」
「じゃあ・・・」
「協力させていただきます。観光推進課で。」
「ありがとうございます!」
「普通は、こういうご依頼は受けないんですけどね。
 鎌倉市民のご依頼とあらば、聞かざるを得ません。
 行きましょう。」
「はい!ありがとうございます!
 皆さんどうぞよろしくお願いいたします。失礼します。」

神社、ペンギン歩きの千明。
「大丈夫ですか?足。」と和平。
「あのう、ちょっと久しぶりに、正座をしちゃったんで。
 でも大丈夫です大丈夫です。」
「いやあの、ペンギンが歩いてるみたいになってますよ。」
「ええ、もう、感覚ないんで。もうホントにほっといてください、ちょっと。」
「話長かったですもんね。」
「そうですね。でも良かったです。ありがとうございます。」
「いえいえいえいえ。」
「あ、そうだ。ちょっと、1本電話、いいですか?」
「ああ、どうぞ。」
「報告してあげないとね。ちょっと待ってくださいね。」
「ペンギンって電話できんですか?」
「できるんですよ。」
「ひれだから出来ないのかと。」
「もしもし?三井さん?
 こっちばっちり!」

「良かったです!もし断ったら兄と刺し違える覚悟でした。」
万理子が電話に出る。

「ハハハ。うん。うん。ありがとう。ありがとう。
 分かった。じゃあ今から戻りますので。はーい。
 ありがとうございまsちあ。」
「これから又東京に戻るって大変ですね。」
「もう、仕事なんで。大丈夫です。」
「・・・」
「・・・」
「何か、突っ掛からないようにしようとすると、こう、無口になりますね。」
「そうですね。」
「あれ?今日、ヤンキーいないんですか?」
「あのう、仕事で、お願いに来てるんで、置いてきました。」
「ああそうですか。」
「はい。」
「置いてきちゃったんだ。」
「ハハハ。じゃあ私ここで。
 ホントに今日はどうもありがとうございました。
 撮影の際にはまたどうぞ、よろしくお願いいたします。」
「気をつけて。」
「はい。」
「ペンギンさん。」
「え?」
「江ノ島水族館、こっちですよ。送っていきましょうか?」
「大丈夫です。駅こっちですから!」
「ああそうですか。」
「はい。」
「え、ペンギンじゃないんですか?」
「ペンギンじゃありませんから!」

ロケ当日、千明たちは、和平や知美らの協力の下、撮影の準備を進めた。
そこには、ケータリングを担当する真平や手伝いにきた典子(飯島直子)、
えりな(白本彩奈)の姿もあった。

するとそこで、役者の到着が遅れるというトラブルが。
代役でのカメラテストをすることにした武田(坂本真)は、
その役を真平と知美に頼む。
が、ふたりはそこでもケンカを始めてしまう。

「千明さん千明さん!
 真ちゃんと、あのお菊人形のような人の関係は、
 ドラマに例えると、何話あたりにありましたでしょうか?」と万理子。
「9話くらいかな。」
「見逃してました。」
「あらあら。」
「すいません。」
「もっとお勉強しようね。」

千明と和平はケンカしながら歩く真平と知美を微笑みながら見つめ・・・
「・・・フフフ。」千明が笑う。
「どうしました?」
「いうえいえいえ。」
「はい?」
「いや、あれですね。
 モテ期、終了って感じですね。お互いに。」
「・・・そう、ですね。」
「フフフ。」

その夜、カフェで真平と会う千明。
「お待たせ。」と真平。
「ごめんね、呼び出して。」
「ううん。」
「今日は、いろいろありがとね。」
「いやいや。千明こそ、お疲れ様でした。」
「ありがとうございます。」
「どうしたの?」
「うん。・・・あのさ。
 あのね、真平。」
「うん?」

仕事帰り、知美と一緒になる和平。
「お疲れさん。」
「お疲れ様でした。」
「終わった終わった。」
「あそこに出来た中華でも食べに行きますか?」
「あのさ。」
「はい?」
「・・・ちょっと、付き合ってくれる?」
「・・・はい。」

帰り道、知美はベンチに座り海を眺める真平に気づき、隣に座る。
「あ。」
「・・・」
「悪いけど、ケンカする気分じゃないんだよね。」
「私も。」
「・・・」
「・・・」

千明の家
「え!?マジで離婚すんの?あんた!」
「うん。明日ねー。」と典子。
「ちょっと。後悔とかしない!?
 いや別に、あんたの人生だからさ、私はどうでもいいんだけどさ。」
「うん。ありがとう。大丈夫。」
「な、何でそんなにあっさりしてんのよ?」
「うん?あー、どれにしようかなー。」
「ていうかさ、何で今お洒落をしようとしてるわけ?
 離婚の日って何かイベントとかあんだっけ?」
「あるわけないでしょ。市役所行って終わり。」
「ていうか、これはやめた方がいいね。」
「うん。」
「で?で?何で今、おしゃれをしようとしてるわけ?」
「その後よ。だからその後。」
「あのう、すいませんけど、分かるようにこう説明していただいて
 よろしいですか?」
「メールが来たのよ。会いませんかって。」
「ああ、例の!?」
「そう。で、会うことになったと。」
「ねえ、何かこうしんみりとさ、喪に服す、みたいな気持ちには
 ならないわけ?」
「また難しいことをー。
 あ、とにかくさ、明日の夜にね、バーで、会うことになったんだけど。」
「うん。」
「それがさ、二人共好きなカクテルが、ピニャコラーダ!分かる?」
「うん、分かるよ。でも懐かしいっていうか古臭い感じ。
 ねえ、」
「うん?」
「まさかさ、それを頼むのが目印なんてことはないよね?」
「そうなのよ!ウフフ。」
「うわ、だっさーい。ださー。」
「いいでしょ〜。ドラマのネタに使っていいよ。」
「いやいや、使えない使えない。古臭くて。」
「でね、ほら、明日、お互い初めてだからさ、友だちを連れていこうって
 ことになったわけ。」
「・・そうなんだ。へー。」逃げ出そうとする千明。
「お願いね!」
「いやいやいやいや。
 いつものように万理子ちゃん連れていけばいいじゃん。」
「あの子じゃ友達に見えないもん。」
「そうだけどさ。私さ、ほら、今ドラマの撮影始まったばっかりじゃん。
 プロデューサーなんだからさ、もう忙しくて忙しくて、
 明日もさ、何か、」
「明日は休みだって万理子が言ってた。」
「チッ。万理子め。チッチッ!」

長倉家
「はっ!かなりの、負のオーラを感じます。
 何でだ!?何でだ!?」と万理子。

「ただいま〜。」和平が帰宅。
「おかえりなさい。」
「えりなは?上?」
「あ、はい。」
「真平は?」
「さあ。」
「そうですか。よっこいしょ。イテエ。はぁ・・・。」
「何だか、お疲れのご様子ですね。」
「ああ。
 万理は、慣れない仕事で、疲れないの?」
「はい。私は、全く疲れ知らずなわけで。
 何故ならば、20年以上もエネルギーを溜め込んでいたものですから。」
「なるほどねー。羨ましいよ。」
「はい、おかげさまで。」
「へへ。」
和平はサクラガイを集めた瓶に触れ・・・。

典子は、広行(浅野和之)と一緒に離婚届を提出した後、
携帯サイトで知り合った男と会いに行く。

無理矢理駆り出された千明は、典子と一緒にとあるバーを訪れた。
するとそこにやってきたのは、和平と広行だった。
「典子!」
「何やってんのよこんな所で!」
「っていうかこんばんは。」と千明。
「ああ、こんばんは。
 お前こそ何やってんだよこんなところで!」と和平。
「ほっといてよ。」
「ほっといてって何だお前、、その言い草。」と和平。
「さあ。」と広行。
「いいんですか?ここで。」と和平。
「ええ。」
「ご注文は?」と店員。
「ピニャコラーダ。」と典子、広行。
「承知しました。」
「は!!・・・えーーー!!」

ふたりは、千明たちと別れ、自宅へと帰って行く。
 
残された千明と和平は、ふたりで飲んでいた。
「何やってんだ。バカホントに。」と和平。
「ホントバカ。フフフ。
 でもまあ、私もね、何か、人のこと言ってられないっていうか。
 全然一緒なんですよ。」
「えっ?」
「あのう、真平君から、何か聞いてます?」
「いや、何も。」
「そうですか。」
「うん?」
「あのう・・・真平君と、お別れしたんです。 
 私から、い、言いました。」
「え・・そうなんですか。」
「はい。すいません。真平君を、傷つけてしまいました。」
「いやいや、そんな。」
「私ね、あのう・・鎌倉に来た時、ちょっと色々、弱ってまして。
 先がもう全然見えなくなってたっていうか。
 ああ、このままずっと一人で生きていくのかなーとか。
 恋愛はもう、ないんだろうな、とか。
 不安だったし、寂しかったんですよ、ね。
 そんな時に、目の前に、天使が現れて。
 あの時の私には、すごくこう、都合が、良かったんですよ。うん。
 で、その天使がある日、私の恋人になってくれるって、言ってくれました。
 びっくりしたけど、すごく嬉しかったんです。
 ああ、私もまだまだ捨てたもんじゃないなって思えたし。
 頑張ろうって、思いました。
 真平君は、すごく優しくていい子で、一緒にいて本当に楽しかったんです。
 だからずっと、このまんまでもいいかなって思ってたんですけど・・・
 気づいちゃったんですよね・・・自分のズルさに。
 うわー、私って卑怯だなーって、思っちゃいました。」
「どういうことですか?」
「多分、キープしてたんですよね。
 そのう、真平君っていう、素敵な恋人がいるという状況を、
 キープしてたんですよね。
 これを逃したら、もう、恋愛はないなって思ってたから。
 最低ですよね。ホントに最低なんですよ。
 この間、真平君と知美ちゃんが一緒にいるのを見てて、
 うわー、きったねえな、自分って、
 もう嫌になっちゃったんです。」
「真平、何て言ってました?」
「・・・失恋させてくれて、ありがとうって、言ってくれました。
 失恋も恋愛のうちだよねって。」
「・・・そうですか。」
「天使ですよね、あいつは。本物の。」
「ええ。・・・ああ、参ったな。」
「何ですか?」
「・・・実は私もね、あの二人を見てて、全く同じ事を考えていました。
 俺って小さいなーって。
 で、知美ちゃんときちんと話をしました。
 もう、二人で会ったりするのはやめようって。
 まあ私達の場合はね、付き合ってたわけじゃないからあれですけど。
 あなたの、おっしゃるとおりです。
 困った困ったみたいな顔をしてはっきりさせなかったのは、
 やっぱり嬉しかったんだと思います。
 だってあんなに若くて可愛い子と付き合えるなんて、
 50のおっさんからしたら夢みたいなことじゃないですか。」
「でしょうね。」
「それに、何だかんだいって一緒にいると、楽しかった。」
「ほ〜。」
「まあ刺激になったっていうか。
 ああいう子といる時間ってこう、未知の時間っていうか
 世界っていうかね。
 そういうところにいる自分がちょっと面白かったし。」
「うん。」
「どうなるのかなっていう気持ちもありました。」
「彼女は、何て?」
「フッ。怒られました。
 好きでいることを、断られるのはおかしいと思います。
 自分の気持ちは、自分で決めますって。」
「いいですね、知美ちゃん。フフ。」
「フッ。仰るとおりでした。
 いい年して、ホントに、分かってないんですよね、全く。
 年を増すごとに、どんどん分からなくなってる。
 特に女性とか、恋とか。
 分かってたつもりでいたことが、どんどん分からなくなる。
 でもね、分かったふりはしていたい。
 分かったようなことは言いたい。」
「フフフ。」
「これが、大人になったってことなんですかね?
 ホントに情けない。情けない。」
「情けない。」
「フフフ。」
「ダメなおじさんとダメなおばさんですね、私達。」
「ホントに。」
「いい年して、年下に甘えて傷つけて。
 最低ですよ、私達。」
「最低です。」
「最低。
 あー、もうこれで、真平君の朝ご飯も食べられなくなっちゃいました。」
「いや、いいじゃないですか。食べにいらっしゃれば。」
「行けるわけないでしょ。」
「だって隣なんですから。」
「行けませんよ。」
「そうですか?」
「そうですよ。そんなずうずうしい。」
「これは、えっと、ペ・・ペラ?ペラ?」
「ピニャコラーダ。」
「ピニャ・・ピニャコラーダ、を、もう一つ。」
「はい。」と店員。
「何か、いかがですか?」和平が千明に聞く。
「あ、じゃあ私、テキーラ頂いていいですか?」
「承知しました。」と店員。
「テキーラ!?」と和平。

それからしばらくの間、千明は、いままでのように長倉家に行くこともなく、
自宅と職場の往復を続けていた。

千明は、友人の啓子(森口博子)と祥子(渡辺真起子)にも、
真平と別れたことを打ち明けた。
「そっか。終わったか、恋が。」と啓子。
「へい。お騒がせしました。」
「で、どうしてんの?最近は。」と祥子。
「うん。居候の典子さんも無事に家に戻ったし、
 仕事忙しいし、一人で生きてますよ、ちゃんと。」
「へ〜。」
「でもまあ、楽しませていただきましたよ、ここんとこ。」と祥子。
「そうだよね!何かさ、ホント楽しかったよね。
 いいラブコメだったよ。」と啓子。
「何よ、ラブコメって。結構真剣にやってたんですけど。」
「何言ってんの?ドラマのプロデューサーが。
 真剣なのを見て笑うのがコメディーでしょう。」と啓子。
「まあ、そうだけど。
 まあ、じゃあ、楽しんで、いただけたなら、良かったです。」
「ま、45のラブコメなんて、楽しんでくれるのは少数派だろうけどね。」
「そうだね。若い子はさ、興味ないっていうか、痛いのひと言で
 終わりだよね、きっと。」
「うん。」
「まあね。私達も若いころはさ、40代とか50代の恋愛とか
 勘弁してくださいよって思ってたよね。」と千明。
「まあね。」と祥子。
「すいませんでしたって過去に言いたいよね、戻って。」と千明。
「アハハ・・・ふぅ・・。」
「ふぅ・・。」
「・・・じゃ、まあ、本来の、私たちの会話に戻りましょうか。」と祥子。
「そうですね。はい、そうしましょう。」と千明。
「そうだね。」と啓子。
「で、何?何にする?」と千明。
「あ、そうだ。あれ。」と啓子。
「何?何かあった?」
「墓どうする?お墓。」
「墓問題ね。」
「これ大きいよ。」
「確かにおっきい。」
「ほら。」
「墓問題は大事大事。」
「こういうの見つけたんだ。」と啓子。
「こんなのあんの!?」

そんなある日、千明のもとに真平がやってきた。
「ちーあき!」
「え!?」
「元カレ参上!」
「アハハ。おはよう。」
「うん、あ、元カレだからチューとかはしないよ。」
「分かってるよ。」
「ねえ、ちょっとちょっとちょっと。早く早く早く!」
「何?」
「ちょっとちょっと。」
「何よ〜。」
「あのさ。」
「うん。」

真平は千明を長倉家恒例のピクニックに誘った。
「何かすごいとこだね〜!」と千明。
「毎年さ、この時季にみんなで来るんだよね。
 姉さんがさ、好きだったんだよね、ここ。」と典子。
和平は柵の上にサクラガイの入った瓶を置く。

「ねえねえ、何で最近さ、どうあんってんの?って聞かないの?
 私のこと。」と典子。
「まあ、そんなに興味がないんだよね。」
「すいませんね、ホントに。」と広行。
「ホントですよね。」
「何でよ〜。みんな誰も聞いてくんないんだよね〜。」
「いいですよ。じゃあ言いたかったら言えば?」
「え!?え、聞きたいの?ねえ。
 もうやぁね。だってね、もうなんかさ、すっごい仲良しでね。
 どうしようって感じなんだよね〜!」
「どうしよう!」と広行。
「おっちゃん!アハハハハ。」
「アハハハハハ。」
「・・・バカじゃないの?」

「翔君も大変だね。」とえりな。
「やってらんねえよ、ホント。
 うちの親マジでバカだろ。えりなはすげえよな。」
「まあね。ダメな大人達の中にいるとさ、大人になるか、
 グレるか、どっちかなんだ。」
「なるほどね。」
「うん。」
「金髪にすっかな。」
「そっちですか。」

「結局あれだね。俺達二人とも、千明に振られたって感じ?
 悲しいぐらい双子っていうか。」と真平。
「いえいえ私はまだ可能性はゼロではありません。」
「ああ、そっか。」

「真平。それ取って。」と典子。
「うん?はいはいはい。はいどうぞ。」
「はーい。よいしょ。」

「真ちゃん?」と万理子。
「うん?」
「最近感じるんですが。」
「何を?」
「真ちゃんは、死なない気がします。」
「・・・マジ?」
「はい。恐ろしく、非科学的第六感ではありますが。」
「フフ。やったね!」
「やりました。あ、持ってきます。」
「お願いします。」
「はい。イタタ。」

「千明さん!千明さん、マシュマロです!」
「ありがとありがと。」
「あのう、本人絶対言わないと思いますけど。」
「ええ。」と和平。
「こいつなかなか頑張ってるんですよ。もううちの立派な戦力です。」
「そうですか。すげえな万理、良かったな。」
「テ、ヘヘヘ、と言いますか、何といいますか、
 これをもう、焼いて、いただきたい。」
「何だよそれ。あれ照れてるんですよ、一応あれで。」
「何かね、万理子ちゃん見てると涙出てくるんですよ。」
「え?」
「こう、初めて、仕事を覚える楽しさ。
 評価される嬉しさ。
 今日よりも成長してる、明日を感じますね。」
「そうですか。」
「年取ると、段々伸び代がなくなってきますからね。」
「ハハハ。そうですね。」
「ね。」
「・・・でもあなたはすごいですね。」
「何がですか?」
「男前だ。」
「男前って・・・」
「いやいやいや、怒らないでくださいよ。そういう、そういう 
 変な意味じゃないんですよ。」
「何ですか?」
「いや、人間っておmともとね、男も女もなかったのを、
 神様がこう、2つに分けたわけですよ。男と女に。
 この話知ってます?」
「聞いたことありますね。」
「ですからね、本来、夫婦じゃなくてもいいんですけど、
 男と女っていうのは、ペアにならないと、一人前じゃないっていうか。
 そうならないと、社会をうまく生きていけないんですよ、きっと。」
「うーん。うん。」
「でもね、そうもいかない人もいるわけじゃないですか。
 まあ、私とかね。」
「私とかね。」
「そうそう、そうそうそう。
 例えばですよ。」
「はい。」
「女の人が、一人で生きてるとする。
 すると、自然にですよ。知らず知らずに、男の能力が
 身についてくるわけですよ。
 自然にね。そうしないと生きていけないから。
 自分の中に男と女をつくる。」
「ああ、ああ、ああ。それで、私はどんどんおじさん化
 してるわけですね。」
「だからあなたがおじさん化するのも、男前になるのも、
 しょうがないんですよ。」
「はあー。」

「ならば、お兄ちゃんはどんどんおばさんになっていってる
 わけですね。」と万理子。
「え?」
「これ頂きます。」
「聞こえてたのかよお前。」
「確かに。確かにおばさんっぽい!」と千明。
「どこがですか。」
「全然おばさんっぽいでしょう。」
「何がです?」
「言うこととかさ、いろいろさ。」
「全然違いますよ。」
「おばさんっぽいですよ。」

「どうしたの?誰がおばさんだって?」と典子。
「お前だよ。」と和平。
「何言ってんの?」
「いやいやいや。この人。この人。
 何かさ、どんどんこの人が、おばさん化してるっていう話。」と千明。
「アハハ。分かる分かる。口うるさいおばさんね!」
「うるさい!うるさい!違うでしょ!そういう話じゃないでしょ?」と和平。
「そういう話でしょ?」と千明。
「違いますよ。何言ってんですか。」
「もうあれじゃない?」と典子。
「うん?」
「おじさんとおばさんで、ぴったりなんじゃないの?」
「・・・」
「・・・あ、何を急に言っとるのだね?君は。」と千明。
「何言ってんのよ!失礼よ!あなた言うことが!」と和平。
「バッカじゃないの!」と典子。
「うるさい!バツイチ!」と千明。
「いき遅れ!」と典子。

「ハハハ。いき遅れ。
 いやいや、でも今日はホントに、ありがとうございます。
 こんなね、家族の特別なときに呼んでいただいて。」
「いやいや、そんな、大層なもんじゃないです。
 でも、いいじゃないっすか。」
「うん?」
「元カレの家族と、普通に付き合って、
 一緒に食事をしたり。
 あなたらしいですよ。
 ファンキーじゃないですか。」
「ありがとうございます。」
「私の知ってる範囲でそんなことが出来るのは、
 あなたぐらいですよ。」
「今のは、あれですよね。トゲがありましたよね。」
「全然。」
「突っ掛かってきましたよね。」
「全然、突っ掛かってないですよ。普通な会話です。」
「今のは突っ掛かってきたでしょ。」
「いやいや、会話を楽しんでる、」
「突っ掛かりポイント1ポイント入りましたよ、今のは。」
「いやそんな突っ掛かりポイントなんて入んないですよ。」
「入りますよ。」

「ねえねえ。ねえねえねえ!」と真平。
「え?」
「二人も食べようよ。ね!」
「ああ、今行く。
 おなか減りましたもんね。」
「そう、ですね。」
「この続きは、後ほど。」
「それではまた後ほど。
「ごきげんよう。」

「早く早く早く!食べよう食べよう。
 千明もおおいで!」と典子。

「乾杯!」
「おいしいね。」
「おなか減った〜!」
「うまいね。」
「ねえ、カワイイでしょ?」
「何だよお前。やめろ!」
「おいしいね!」
「パン食べなよパン。」
「食べるよお前。」
「チキンサンドチキンサンド。」
「サーモンサンド。」
「はいフォークってくれるけどナイフなんだけど。」

『まだ恋は終わらない』の台本を読む万理子。

「うちの家内が大好きだったね、フラダンス。」
「あらー奥さん?」
「うちの女房はね、ハワイも好きだった。」

「寂しくない大人なんていない。
 人生が、いつか終わってしまうことに、
 大人は気づいているから。
 その終わりは、誰とも分かち合えないから。
 だから、楽しい時には、思いっきり笑いたい。
 悲しいときにも、思いっきり泣きたい。
 どちらも、大切な時間だから。」


カフェナガクラを手伝う知美。
「何で客で来た私が手伝わなきゃなんないのよ?」
「いいじゃん手伝ってくれたって。」
「何かね、もっと普通にこう、感謝の言葉とかないわけ?」
「え?あ、そっか。
 今日は、手伝ってくれて、ありがとう。」
「・・・どういたしまして。」
「嘘だよ金太郎!」
「はぁ!?ムカつく!このクマ!ヒゲクマ!!」

ベランダでタバコを吸う典子。
そこへ、翔、夫が帰宅。
「ただいま。」
「ちょっと。ただいまぐらい言いなさいよ!」
「え?言ったよ?」
「え!?・・あ、言ったか。」

「寂しくない大人なんていない。
 だからこそ、寂しさを埋めるために恋をするのはやめよう。
 恋がなくたって、素敵な人生は絶対にあるはずだ。」


カラオケを楽しむ千明、啓子、祥子。

「月並みな言葉だけど、前を向こう。
 ちゃんと生きてることが、一番大事なんだ。
 そう、思う。
 人生って、自分の未来に恋することなのかもしれない。
 自分の未来に恋していれば、きっと、楽しく生きていける。
 46歳、独身。
 人生への、まだ恋は終わらない。
 
 もし、これから誰かと恋をするとしたら、
 それを最後の恋だと思うのはやめよう。
 次の恋は、最後から二番目の恋だ。
 その方が、人生は、ファンキーだ。」


ある夜、千明が改札で定期を捜していると、和平がやってくる。
「お疲れ様です。」と和平。
「お疲れ様でーす。」
「・・・あなた何度おんなじ事やってんですか?」
「は?」
「もうあなたがその、こうやってパスを捜している後ろ姿、
 もう目に焼き付いてますよ、私。
 よくいるじゃないですか。券売機の前に長〜い列ができてんのに、
 自分の番になってやっとこう、財布開けてですよ、小銭数えて。
 わー、20円足りないわって言ってるおばさん。
 あれと一緒ですよ。カード社会に順応してない。
 今度買ってあげ、・・・ポケットに入って!だっさい。
 ホントに。まずここから捜しません?」
「うるっさいな、細かいことグチグチグチグチグチグチ。」
「細かいってよく言う。」
「そうやってね、ぎちぎちぎちぎち理屈ばっかり言う男?特におっさん。
 もういざという時まったく対応できないんですよね。
 ホントに全然役に立たない。」
「はあ?ハハハ。」
「大体ね、何でいつもこうやって私に突っ掛かってくるんですか?
 それってもしかして私のこと好きだからとかですか?」
「はあ!?何言ってんですか?」
「違うんですか?」
「違います!」
「じゃあ嫌いなんですか?」
「・・・いや、別に、嫌いじゃないですよ。」
「私は結構好きですけどね。」
「・・・え?」
「・・・え?」
「・・・何でそういうことをですよ、さらっと言うんですか?
 しかもこんな場所で!そういうもんじゃないでしょう!?」
「別にいいでしょ、何だって。」
「よかない。なっ!?
 何だってっつったな。今!」
「どうだっていいでしょ、だって。」
「そんな大切なこと何だってっつったな。」
「言いましたよ。」
「そんなこと、」
「だったらあなたが先に言えばよかったでしょ。」
「私だたて言おうと思ってましたよ!」
「何うじうじうじうじしてんの?」
「うじうじうじうじ、」
「男らしくないなぁ。」
「男らしくないって言ったか?」
「言いましたよ。」
「またその話いきますか?」
「ああいきますか?」
「いきますか?」
「いや、私はいきません。一人でどうぞ。」
「一人は嫌です。」
「私だって一人は嫌ですよ。」
「じゃあ二人でいきましょうよ。」

『また、いつかどこかで・・・』



終わってしまった・・・。
男らしさについてまた和平に語らせるのか、と思わせて、
最後は「一人は嫌」「じゃあ二人で」って、
素敵な終わり方でした。

ペンギン千明が可愛かった〜!
それを茶化す和平もカワイイ。

カメラテスト中にケンカする真平と知美。
そんな二人を見守るような眼差しの和平と千明。
若い二人と大人な二人。
やっぱりお似合いなのはこの組み合わせ。

その後、カフェで話す千明と和平。
和平の話を聞く知美。
真剣に話しあう二人の姿。音声は無し。
この演出が素敵でした。

自分のズルさを和平に打ち明ける千明。
真平という素敵な恋人がいるという状況をキープしていた。
これを逃したらもう恋愛はない、つまり、最後の恋、
最後のチャンスだと思っていた。

好きな人に別れを告げられた若者たちの答えも立派でした。

真平は、
「失恋させてくれて、ありがとう。」
知美は、
「好きでいることを、断られるのはおかしいと思います。
 自分の気持ちは、自分で決めますって。」

男でも、女でも、若くても、年を重ねていても、
みんな一生懸命生きている。みんなそれぞれ輝いている。

真平と別れてから、千明は長倉家から離れました。
一人で朝食。
駅改札で一人で切符を探す。
家の電球を自分で取り替える。
賑やかな声が聞こえてくる長倉家を来にしつつ会社に向かう。
夜、暗い家に帰っていく。
静かな家で持ち帰った仕事をし、そのままソファーで眠ってしまう。
今までとっても賑やかだった分、その静けさが寂しく感じた。
普通の、女性の一人暮らしのシーンに涙が出そうになりました。

ピクニックのシーンも素敵だった。
えりなちゃんと翔君。
千明と典子、そこに広行。
万理子と真平。
万理子と千明、そして千明と和平。
こうやって最後にメインの登場人物全員集めて、
それぞれ会話させる、という手法も素敵。
この登場人物みんな、長所も短所もひっくるめて大好きでした。
特に、内田有紀さんなんてしばらく万理子にしか思えないかも。
本当に寂しい。

「真ちゃんは死なない気がします」という万理子のセリフ、
私もそんな気がしてきた!

この時のフラダンスネタは・・・公式の動画にあった
飯島直子さんのサプライズパーティーから来てるんだろうな〜。
 
公式HPでクランクアップの動画を見て、飯島直子さん、内田有紀さんの涙、
皆さんのコメントに、胸が熱くなりました。
本当に良い現場だったんだな〜。
また同じキャスト、スタッフで作る作品を見てみたいです。



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公式HP

【キャスト】

吉野千明
  小泉今日子
長倉和平
  中井貴一
長倉真平
  坂口憲二
長倉万理子
  内田有紀
AP三井さん
  久保田磨希
田所勉
  松尾諭
大橋知美
  佐津川愛美
武田誠
  坂本真
長倉えりな
  白本彩奈
一条さん
  織本順吉
水野祥子
  渡辺真起子
荒木啓子
  森口博子
水谷広行
  浅野和之
水谷典子
  飯島直子


【スタッフ】

脚本
  岡田惠和
音楽
  平沢敦士
主題歌
  浜崎あゆみ「how beautiful you are」(avex trax)
プロデュース
  若松央樹
  浅野澄美(FCC)
演出
  宮本理江子
  谷村政樹
  並木道子
制作
  フジテレビドラマ制作センター


小泉今日子さんの主な出演作品



中井貴一さんの主な出演作品





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