2012年07月16日

リッチマン, プアウーマン 1

『資産250億の男と就職難民女の最低最悪の出会い』

禅寺
SAWAKI CHIHIROという人物を検索する日向徹。
該当する人物は見つからず。

日向徹(小栗旬)は、29歳にして時価総額3000億円とも言われるIT企業
「NEXT INNOVATION」を率いる注目の若手社長。
徹に可能性を感じた朝比奈恒介(井浦新)が会社設立を持ちかけて、
8年前に大学が開放した古い学生会館の一室から会社をスタート。
瞬く間に成功を収めた。

一方、澤木千尋(石原さとみ)は、東京大学理学部という学歴ながら
就職が決まらず面接に奔走する日々を送っていた。
「私、こうした方がいいよって言われたことはちゃんとやってきました!
 でも、就活って正解が分からない。
 どうすれば丸がもらえるんでしょう。」
大学の心理カウンセラーに相談する。

そんなある日、面接に向かう途中で、「NEXT INNOVATION」が入る高層ビルが目に止まった。
ハイセンスな職場と、そこで働くオシャレな人々。
就活用のスーツに履き古しのローヒール姿の自分とは何かが違う、とため息をもらす。

そのころ、日向は朝比奈と取締役の山上芳行(佐野史郎)を前に、
戸籍をインターネット上で管理するシステムを作る計画を明かした。
「国民一人ひとりに番号をつける共通番号制度がスタートするだろ。」
「ああ、3年後だっけ。」と朝比奈。
「でも、番号振るだけで問題は解決するか?
 年金の記録はなぜ消えた?
 管理がばらばらだからだ。
 整理されていない情報ほど無意味なものはない。
 それを僕らが、うまく使えるようにしてやるんだ。」
「会社の評価も上がるな。」と朝比奈。
「はぁ。作りたいものを作るだけだ。別に褒められたいわけじゃない。」
「実際何を作るんだよ。」と山上。
「・・・パーソナルファイルだ。
 一人に一つ、国が認めた個人ファイルをインターネット上で管理して、
 生まれてから死ぬまでの記録を一つにする。」
「そうすれば年金だ住民票だっていちいち役所に行かなくても済むのか。
 でも初期投資だけで会社の金が吹き飛ぶぞ。何で俺らが。」
「国が作るのを待ってたら僕らは不当に搾取されて不便な思いをしたまま死ぬぞ!
 ろくに年金ももらえずに。」
「お前は年金必要ないだろ。」
「パーソナルファイルは必要だ。
 年金はおろか、人が一人生きてるか死んでるかも国はちゃんと把握していない。
 そんなことが許されていいはずがない。」
「いやだからって、まともな企業はそんなハイリスクな事業には
 手を出さんよ。」
「あなたがいた会社だったらやらないだろうねぇ。
 でも、僕らはやるんだ。」
「・・・」
朝比奈が頷く。

朝比奈相手に愚痴る山上。
「確かに俺は固い会社で金勘定してましたよ。
 でもな、会社を潰したら元も子もないんだぞ。」
「金かかり過ぎですよね?」
「そうだよ。」
「でもちょっとワクワウしてるんですよ。
 やっとこういうでかい仕事に手を出せる会社になったんだなぁって。」
「上昇志向が強いねぇ。」
「約束を果たしますよ。」
「え?」
「あなたを引きぬくときに言ったでしょ?
 面白い仕事をさせてあげますよって。」
「しょうがねえな。乗りますか!
 ところでさ、日向って俺の名前覚えてるかな?」
「覚えてますよ。
 それとあいつは覚えないんじゃない。覚えられないんです。」
「覚えられない?」
「人の顔と名前が一度には覚えられない。
 心因性認識不全症候群っていう病気だそうですよ。」
「え?病気なの。」
「しかし・・・何で戸籍なんだろうな?」

会社の酸素カプセルに入りながら、日向はまた『澤木千尋』を検索してみる。
=該当する人が1件見つかりました=
その結果に驚く日向。

就職が決まらずに焦る千尋は、友人が持っていた雑誌の
日向の記事に目を留め・・・。

千尋の部屋
千尋はNEXT INNOVATIONについて検索してみる。
するとそこへ、兄からの電話。
「もしもし。」
「お兄ちゃんやで。お前荷物届いちゅろう?」
「え・・」
「母ちゃんに電話くらいよこせや。」
「ごめん。」
「就活大変だが?」
「・・・」
「大丈夫大丈夫。将来困らんようにって、お前こつこつ勉強してきちゅうがやき。
 父ちゃんや母ちゃんや先生に言われた通り、偉い子やで。」
「・・・」
「どうしたが?おい?」
「それがダメやったんかも。」
「え?」
「あ、後で、かけ直すき。」
電話を切ったあと、千尋は兄から届いた小包を開けてみる。
故郷の特産品とともに、『おこづかい』と書かれたぽち袋。
中には3千円入っていた。涙をこぼす千尋。
「これを言うてほしかったんやな。」
兄に電話しようとしたとき、手がPCに触れ、日向のインタビュー動画が流れる。

『たった一人でも、世界は変えられる。
 不可能を可能へ。
 古い価値観を壊し、新しい常識へ。
 NEXT INNOVATIONが、世界に衝撃を与えよう。』

そのメッセージを見た千尋は・・・。

千尋は兄が送ってくれたお小遣いと自分のお金で新しいパンプスを購入。

日向は澤木千尋にメッセージを送ろうと試みる。

『澤木千尋さま、
 突然のメール失礼します。
 日向徹という名前に覚えはありませんか?
 あなたは、私の母親では』

荷物を手に母が去っていく姿を思い起こす日向。
メッセージを確認するが、澤木千尋からの返事はなかった。

禅寺
「毎度毎度、寝に来るのはやめてもらいたいな。」と住職の笛木。
「僕がうたた寝する場所は他でも探せるけど、
 あなたはこの参道のメンテナンスに掛かる費用をどこから捻出します?」
「はぁ・・・。またのお越しを。ハハハ。」
「じゃあ、また来ます!」
「ああ。」
「あ、そうだ。見つけたんです。母と同じ名前の人を。」
「え?」
「澤木千尋。検索してたらヒットして。
 年齢が分からないので、母ではないかもしれないけど。」
「・・・」
「こだわり過ぎですか?僕は、自分の生まれに。」
「いいえ。誰だって、自分のことは知りたいですよ。」
「ふっ。じゃあ。」

数日後、千尋は「NEXT INNOVATION」の会社説明会にやってくる。
学生で埋め尽くされた会場の最前列に千尋が座ると、ステージに日向が現れた。

「こんにちは。NEXT INNOVATIONの日向徹です。
 革新の話をしましょう。」

ステージに立つ日向を憧れの眼差しで見つめる千尋。

「革新という言葉を聞いて、まず何を思い浮かべますか?」

そんな日向を舞台袖から朝比奈が見守っていると、
朝比奈の妹の耀子(相武紗季)も様子を見に来る。
「何で前に出ないの?お兄ちゃん!」
「カリスマは、一人でいいんだ。」

「僕らは、閉塞した時代に生まれた運の悪い子供たちではない。
 今は不可能が可能になる。
 絶対と思われていた古い価値観を、たった一人の手で、
 それも一日で壊し変えることが出来る。
 20代で、100億、1000億を稼ぐ人間がざらにいる時代を誰が想像しましたか?
 君たちは、選ぶことが出来るんです。
 自分は不運だからといって、何もせずに指をくわえているだけの側になるか?
 それとも、自分が世界を変える側になるか?
 さあ、どっちを選ぶ?」

「後な、カリスマは、変人でなきゃダメなんだ。」と朝比奈。

「よし、話をしよう。」
日向がステージを降りていく。
「君は?何をしにここに来た?」
「日向さんと、働きたくて。」と学生。
「入社した時点で目的達成だな。君は指をくわえて見てろ。
 うーん、君は?」
「NEXT INNOVATIONに入れば、何か新しいことができるから。」
「・・・プッ。ハハハハ。すごいな。ハハハハ。
 我が社には、何か新しいことがごろごろ落ちてるのか?
 落ちてない。
 その新しい何かを生み出せる人間に僕は給料を払うんだ。
 うーん。君は?」
「はい。」日向と目があい焦る千尋。
「今南庭を幾つもらってる?」
「え?・・・いえ、まだ。」
「この時期に一つもない?
 無名大学の学生かな?」
「東京大学理学部です。」
「・・・なるほど。日本一の大学でも内定がもらえない時代なんだな。
 それか、よほどの欠陥があるか。」
「・・・」
「この会場で内定が一つもない人は出ていってください。」
「え・・」と学生たち。
「わざわざこの時期に説明会をやるのはそのためです。
 8ヶ月間、君たちは様々な企業で精査されてきた。
 つまり今なら、他社が時間とコストを掛けて選び抜いた優秀な人材の中から
 我が社にふさわしい、即戦力に成り得る人間を選ぶことが出来る。
 だから・・・うちにエントリー出来るのは、そうだな。
 内定2社以上ある人。」
「え・・・」
「その2社を断ってでもうちに来たいという人だけ、残ってください。」
「・・・」

「これだよ。これが日向徹だ。」と朝比奈。
「こういう人だったんだ〜。」と燿子。
「ああ。俺が見込んだ、男だよ。」

「だったら採用条件にそう書いとけよ!」
文句を言いながら帰っていく学生たち。
「悪いね。今思いついたんだ。」
「ふざけんなよ!」

「東大理学部さんも、もういいよ。
 学歴と能力は比例しないと教えてくれてありがとう。」
「・・・」
「彼女は、日本の教育の失敗例だ。
 いや、犠牲者と言うべきかな。
 言われた通りに勉強してきたのに、どこからもいらないと言われる人間になってしまった。」
「・・・NEXT INNOVATION。
 2004年2月。個人サイトの拡大化を模索中だった日向徹が
 某王手通信事業会社社員だった朝比奈恒介に、会社設立を提案されて
 2004年6月創設。
 2007年1月。東証マザーズ上場。
 2010年。東証一部上場。
 2012年7月。現在の株式時価総額3,000億円。
 ちなみに左から、吉田一雄さん。チーフプログラマーの小川智志さん。
 細木理一さん。
 細木さんの今月の売上は15億5000万300、」
「もういい!分かった。
 君が無駄に記憶力がいいことはよ〜〜く分かった。」
「私は、御社のことは隅々まで調べてここに来ています。
 あなたの会社に本気で入りたいと思ったから。
 確かに内定はありません。でも、他の企業に選ばれなかったからといって、
 絶対にあなたの会社に必要のない人間かといったらそうじゃないと思います!
 エントリーシートに面白いことが書ければ優秀ですか?
 グループディスカッションでうまく空気が読める人は才能があると言えますか?
 コミュニケーション能力はもちろん必要だけど、
 じゃあそういうのが得意な人ばっかりでいいんですか?
 不器用だけどこつこつ努力できる人や、
 何考えてるかよくわからない変な人がちょっと交じってるから
 人間の集団でぶつかり合って、エネルギーが生まれたりするんじゃないんですか?」

「負け組の悪あがきだよ!」
「そうだ帰れ!」と学生たち。

「一人ひとりをちゃんと見てください。
 たとえ何万人エントリーしようと。」
「・・・うん。でも、何万人も見ていたら、君たちの就職は再来年になるぞ〜。」
会場からの笑い。
「しかし、その反骨心はいい。
 世界を変えた人間に共通するのは、反骨心だ。
 そのかみついてくる感じは悪くないな。
 理・学・部・さーん。」
「私の名前は、理学部さんではありません。
 ・・・澤木千尋です。」
「・・・はぁ・・・。君が、澤木千尋か。」
「何か?」
「いや。
 君の名前は覚えたよ。顔は忘れるかもしれないけどね。」
「・・・」

後日、日向は朝比奈から戸籍管理システムのプロジェクトを進める上での
第一関門は総務省だと聞く。
しかし、その事務次官・藤川真沙子(大地真央)は、日向が苦手とする女性だった。
そのとき、千尋が藤川と同じタイプだと思いついた日向は、千尋を呼びつける。

訳もわからずオフィスにやってきた千尋。
「いくら欲しい?」
「はい?」
「君の48時間は幾らで買える?」
「えーー!?」
「心配するな。そういう目的なら何も好き好んで君を呼んだりしない。」
「はい?」
「君は物をを覚えるのが得意だろう。」
「え?これは?」
「宿題だ。明日総務大臣主催の昼食会がある。
 僕らは新しいプロジェクトを軌道に乗せるために、総務省の女事務次官と
 うまく話を付けたい。
 面白いことに、君と彼女はすごくタイプが似ている。
 出身校が同じだし、宿題が大好きだ。
 君たちは多分、ものすごーく気が合うよ。
 僕はその仲間に入りたいとは思わないが。
 要するに、彼女に気に入られろ。」
「え?じゃ、あの、明日だけ?」
「あー!面接に呼ばれたと思ったか?アハハ。」
「・・・いいえ!!」

家に帰った千尋は分厚い資料を必死に覚えこむ。

日向の部屋、大きな冷蔵庫を運ぶ日向と朝比奈。
「相変わらず、何もない部屋だな。
 お前テーブル買うって言ってなかったか?」
「今、候補を2つに絞ったところなんだ。」
「6年間家具選んでるのかよ?不便だろ?」
「納得出来ないものをm選ぶくらいなら、不便を選ぶね。」
「その納得のいく冷蔵庫の位置を変えたいって。業者に頼めよ。金持ってんだから。」
「何度も頼んで、嫌われたんだ。」
「お前のこだわりを理解できるのは、俺だけってか?
 信頼されてるね〜俺は。
 しかし、俺もお前には乗せられやすいな。
 次のパーソナルファイルもそうだ。」
「このまま携帯ゲームだけの会社といわれて終わりたいか?」
「いや。絶対イヤだ!」
「昨日驚いたことに今日人はもう驚かない。
 それは、昨日までなかったものが、今日は当たり前になるってことだ。」
「で?次はそのパーソナルファイルで驚かすのか?」
「5年後、80のばあさんが、年金もらうのに家のパソコンをクリックするぞ。
 それはそれで何か、嬉しいだろ?」
「でも会社の金つぎ込んで完璧なシステム作ったって、
 法律が可決されなきゃ会社は倒産だ。
 俺達は株主に責められて路頭に迷う。」
「何だ。お前まで心配するのか?」
「いや、お前なら出来るだろう。」
「それは、僕を動かす魔法の言葉か。」
「え?」
「最初に壁に書いたろ?」

『Next innovation 
 今ここにない未来は自分で創る
 お前ならできる!!』

「俺にはできない。でも日向徹ならできる。
 そう思った時に使うんだ。お前なら、できる。」
微笑み合う二人。
「食事は?」
「あ、例の妹だ。悪い。あの、何か鍵忘れたとか言って。」
「あ、ああ。」

「こんばんは。朝比奈燿子です。」
「どうも。どうぞ。」
「あ・・」
「うん?」
「素敵なおたくですね。」
「あ、どうも。どうぞ。」
「はぁ・・まあ再会なんてこんなもんよ。」

「妹初めてだったよな?」
「ああ。」
「こいつ放浪癖あってさ。
 なあ燿子。しばらくどこ行ってたんだ?ロスか?」
「料理人はどこでも生きていけんのよ。
 すっごい冷蔵庫!それ業務用でしょ?」
「何喜んでんだよ。普通買わないぞ。そんなの。」
「これ差し入れ。」
「ああ、どうも。」
「会社の1階にレストランあるでしょ?今度そこで働くことになって。」
「ああ。何か新しくなるっつったよな?」
「そこのチーフに抜擢だってさ。西海岸で有名になって、オーナーからぜひ
 うちの店にって。いつの間にそんな偉くなったんだ?」
「別に偉くないって。まだまだこれから。」
燿子の差し入れを匂いを嗅ぎながら冷蔵庫にしまう日向。
「ワイン入れようか?」と燿子。
「あ。サンキュー。」
「うん。」
「・・・まだ好き嫌い多い?」
「え?」
「あ、ほら。アsプリメントばっか。
 お兄ちゃん。きょうだい価格にするから通ってよ?
 少しはお金落としてもらわないと。」
「はいはい。貢献しますよ。」
「うーん!」
「あ、でも、日向は何度か会わないと駄目だからね。」
「え?」
「人の顔と名前が覚えられないんだ。」
「そうなの?」
「大丈夫。覚えた!」

翌日、持ち前の記憶力で資料を暗記した千尋。
「完璧です!偏差値75をなめないでください!!」
「指示された仕事のその先までできて完璧というんだ。」
「・・・」
「僕達が求めてるのは、洗練された出来る女だ。
 自分の姿を見てみろ。」
「・・・」
「どっから見ても、内定ゼロの就活生だ。」

日向は千尋を高級ブランドショップに連れていく。
「とにかく賢く美しく、センスよく見えればいい。
 いや、待てよ・・・。
 僕はものすごーく不可能に近い要求をしているか?」

何着も試着し、何件も店を回り・・・

日向が見立てた高級ブランドのスーツに身を包み、
日向、朝比奈とともに総務大臣主催の昼食会に参加する。
緊張で倒れそうな千尋に、
「お前ならできる。」と日向。
「・・・はい!」

「俺の決め台詞だろ!」と朝比奈。
「バレた?」

日向は千尋を藤川に紹介する。
「藤川事務次官。先日の作業部会の資料拝見しました。
 内閣府の世論調査も興味深いと思います。
 これから判断されることは、一人一人に番号が与えられることについては、
 国民はもうさほど嫌悪感を抱いていないということです。
 83%は、個人情報が悪用されるのではないか、その一点を不安視しています。
 ならば、セキュリティーを万全にすれば、世論は味方に付けられます。
 後は、技術の問題ということですよね?」
「やっと話の通じる人が来てくれましたね。」と藤川。
「技術でいえば、澤木の開発したシステムは、細やかで使い勝手もいいし、
 セキュリティーも強い。
 皆さんもいずれ、彼女のシステムに惚れますよ。」

「最近はやはり、女性が頼りになりますね。」と総務大臣。
「総務大臣。労働力半減の日本を救うのは、女性ですもの。」と藤川。
「うん。」
「とにかく、セキュリティーが課題ですね。
 やはり経産省のバックアップがないと。
 すいません、局長を呼んでください。」
「はい。」
職員が局長を呼びに行く。
「もう何度か話されてるとは思いますけど。」と藤川。
だがその人物の名前が浮かばず、焦る日向。
朝比奈が助け舟を出そうと席を立つ。
その前に助け舟を出したのは千尋だった。
「情報振興事業部 統括局長 コモンキャリアの窓口の、山脇勝さん。
 1週間前の経産省との会合でお会いしています。」

「一企業が、国家事業に手を出すとは勇気がありますね。」と山脇。
「いや、山脇さんにご理解いただけないと、我々も出る幕がありません。」
握手を交わす二人。

「あの子意外に使えるかもな。」朝比奈がつぶやく。

「澤木さんとはうまくやれそうな気がするわ。
 じゃあ、来週の説明会で。」と藤川。
「はい。お伺いします。
 クラウドが導入されたら、年金記録が消えるなんてバカらしいことも
 なくなりますね!」と千尋。
藤川の顔が曇った。
「それ、私にも責任があるの。」
「・・・」
「社会保険庁にいたのよ。」
「・・・」
「1億2千万人分の煩雑な記録を正確に、管理するのは難しい。
 でも、私達がそれをシンプルにしてみせます。
 私達の技術は、人々の生活を、劇的によくすることも出来るんですよ。」と日向。
「そうしたら、私の罪悪感も消えるかしら?」
「・・・」

日向の機転で窮地をしのいだが、千尋はその後、日向から激しく叱責される。
「君はこの事業を潰す気か!?
 あの女事務次官に取り行っていい気になったか!
 それとも本当に出来る女になったつもりでいたのか!
 君が言われたことしかできない理由がよ〜く分かった!
 その頭で考えて何か行動するとろくなことが起きないからだ!
 だから言われたことだけやってきたんだろう!
 君は、君はとても自分のことをよ〜く分かってる!
 ただ、うちには必要のない人間だ。」
あまりに猛烈な怒りに触れ千尋は思わず涙をこぼすが、
それを無視して日向は立ち去った。

その後、朝比奈が来て「君はよくやった」と千尋をねぎらうと、
食事に行こうと車に乗せた。

ちょうどそこへ、千尋に言い過ぎたと思い直した日向が車で戻ってきた。
しかし、千尋と朝比奈の様子を見て、引き返していく。

朝比奈の車の中
「何がいいかなぁ?何でもいいよ。」と朝比奈。
「何でも?」
「うん。今日の功労者だからね。ねぎらわないと。
 あ、でもその前に。」
「はい。」
「一つ聞いてもいいかな。」
「はい。」
「君は誰なんだ?」
「・・・え?」
「君は澤木千尋じゃない。」
「・・・」
朝比奈は車を停め、封筒から書類を取り出す。
興信所に千尋のことを調べさせていたのだ。
「偽名だね。本名は・・・」
「いいじゃないですか、名前なんて。
 どうせあの人は覚えないんだし。」
「日向か?日向に近づくためか?」
「・・・」
「澤木千尋とは誰なんだ?
 なぜ日向はその名前にこだわる?
 君はなぜ、その名前を知ってるんだ。」
「・・・」

その頃、日向は、千尋が助手席に残した就活用のローヒールを拾い上げると、
後部座席に放り投げた。そして、苛立ったように車を発進させ…。



ラストの仕掛けにびっくりした!澤木千尋は偽名だった!!
レビューのため二度目の視聴、友人と一緒の時のシーンでもバイト先でも
"千尋"の名前は一度も呼ばれていなかった!


澤木千尋は記憶力抜群の東大生。
バイト先の居酒屋でも注文をスラスラ暗記。
だけどビールこぼしてアタフタアタフタ(笑)
グループディスカッションでも発言出来ない。
暗記力抜群でカワイイのに内定取れないのは、この要領の悪さのせい?

田舎から荷物を送ってくれた優しい兄に
「父ちゃんや母ちゃんや先生に言われた通り、偉い子やで。」
と言われた千尋。
「それがダメだったのかも。」と答えていました。
千尋は目標に向かってまっすぐ突き進むことはできても
自分で考えて行動を起こすことが苦手のようです。


そして、人の名前と顔が覚えられない日向。
心因性認識不全症候群。
心因性ってことはその原因が取り除かれれば治るのかな。
母親の捨てられたことが影響しているのか?

澤木千尋という名前へのこだわりは、生き別れの母親の名前だから。
「パーソナルファイルは必要だ。
 年金はおろか、人が一人生きてるか死んでるかも国はちゃんと把握していない。
 そんなことが許されていいはずがない。」
自分の生まれについてこだわり続ける日向。
母の名前を検索しているうちに、パーソナルファイルというものを思いついたのか。

その後、日向はまた"澤木千尋"をネット検索。
今回、検索結果が表れました。

同じ頃、千尋は日向のインタビュー記事を目にします。
この表情・・・千尋は日向を知っている?
千尋と日向はどこかで会っているのかもしれない。初対面なのかもしれない。
どちらにも取れる表情でした。

でも偶然通りがかった「NEXT INNOVATION」という会社については知らなかった様子。

千尋が日向の会社について検索してみると、日向のメッセージ。
『たった一人でも、世界は変えられる。
 不可能を可能へ。
 古い価値観を壊し、新しい常識へ。
 NEXT INNOVATIONが、世界に衝撃を与えよう。』

会社説明会。
「私は、御社のことは隅々まで調べてここに来ています。」
この時、日向の母の存在を知り澤木千尋と名乗ったのか、
それとも、日向の写真を見た時点で気づいたのか。
エントリーシートにも偽名で提出しているんですよね・・・。
日向が澤木千尋という名前にこだわっていると知ったから?
何が何でも日向の会社に就職したくて?


千尋と日向は兄妹と考えてみた。
千尋は預けられた新しい家族に迷惑かけないよう必死に勉強を頑張った、
とは考えられる。
でも二人が兄妹設定だと恋に落ちる流れに無理が生じてしまうか。


無駄に記憶力が良い澤木千尋。
人の名前と顔が覚えられない日向。

二人が組めば最強のコンビとなりそう。
でもまだまだそこに行き着くまでの道のりは長そうです。



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気になる点
・千尋は日向のことを知っていたのか。それとも会社を調べて興味を持ったのか。
・千尋が澤木千尋の存在を知ったのはいつ?
・フェイスブックもどきに登録したのは千尋なのか?それとも本物の澤木千尋なのか?


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キャスト
日向 徹 : 小栗旬
澤木千尋 : 石原さとみ

朝比奈 耀子 : 相武紗季
朝比奈 恒介 : 井浦新

安岡 倫哉 : 浅利陽介
小川 聡史 : 中村靖日
宮前 朋華 : 八木のぞみ
立石 リサ : 舞川あいく
山下 芳行 : 佐野史郎

小野 遥香 : 野村麻純
久我 友樹 : 古川雄輝

乃木 勇太 : 丸山智己
笛木 匡正 : 中原丈雄

スタッフ
脚本 : 安達奈緒子
プロデュース : 増本淳、関口大輔
演出 : 西浦正記、田中亮
音楽 : 林ゆうき
制作 : フジテレビドラマ制作センター


小栗旬さんの主な出演作品



石原さとみさんの主な出演作品





この記事へのコメント
ちーずさんのレビュー待ってました
2度視聴したとか・・・
一番最初に石原さとみさんが大学の講堂でスマホを『就職活動用に買っちゃった』というシーンの前に、女友達が石原さとみに『はるか、はるか、ともっちも一緒』って言ってませんでしたか?
でもその女友達の役名が『はるか』なんで、もしかしたら石原さとみさんが手を振る はるかに呼びかけたのでしょうか?
ちーずさんはどう思いますか?
Posted by レンズマメ at 2012年07月16日 23:37
レンズマメさん、こんばんは。

「ハルカ!ハルカ!」
「久我っちも一緒」
友人の役名が遙香なので、最初のは石原さとみさんのセリフかな?と思いました。

第2話の冒頭のおさらいシーン、字幕では千尋のセリフの前に(M)とありました。
でもその後のセリフでは(千尋)と表示されていました。

字幕ですが、千尋のセリフは緑色。
日向は黄色。
朝比奈は水色。
ちゃんと色分けされているんですよ。
千尋の本当の名前のイニシャルがMだとすると、みどり、だったり?
Posted by ちーず at 2012年07月17日 00:00
ちーずさんありがとうございました
やっぱり私の勘違いだったんですね
字幕を見るなんて手があるとは思いませんでした
ありがとうございました

このドラマ今クール一番面白そうな気がします。
ARATAの動きも気になりますよね

千尋が日向の顔を雑誌で最初に見た時の表情が気になりました。
多分日向と過去に接点があるんだろうなと思いました
ナゾが解明されて行くのが楽しみです
Posted by レンズマメ at 2012年07月17日 22:34
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