2013年11月03日

リーガルハイ 3

『顔か? 心か? どちらを選ぶ? 前代未聞の整形裁判』

早朝、ランニングする古美門研介(堺雅人)。
(ドキュメンタリー映画風/ナレーションBY服部さん)

「古美門研介の朝は早い
 生まれて初めて敗北を喫したことで、彼は生まれ変わろうとしている。」

そして黛真知子(新垣結衣)。

「私も付き合います!」

「黛真知子の朝も早い
 依頼者に死刑判決が下されてしまった弁護人の苦悩は、想像を絶する。」

「服部の朝はもっと早い。が、今は関係ない。
 2人にとって確かなことは。もう一度リングに上がり勝利を得ることでしか
 失ったものは取り戻せないということだ。
 彼らの瞳には確かに闘志の炎が燃えたぎっている。

「しゃ〜!」(映画ロッキー風!)

…いつの間にか古美門の姿は消えていて・・・。

古美門氏はヘロヘロ状態でタクシーの中。

拘置所の面会室
「どうして5km 走らなかったのよ横分け小僧。」と安藤貴和(小雪)。
「意味がないからだ。そして 人を新種の妖怪のように呼ぶな。」
「毎朝5km走る。それが私を弁護する条件だって言ったはずよ。」
「私は君のために引き受けてやるのだ。バカげた条件を課せられる筋合いはない。」
「セクシーな男に弁護してもらいたいの。」
「自堕落な生活で中性脂肪をため込んだ豚野郎なんて燃えない。」
「私はセクシーだ!日々鍛えていて体脂肪率は0.2%。
 脱いだらフェロモンで通りすがりの雌猫が失禁する。」
「貴和さん、この人にセクシーを求めるのは無理です。大目に見てあげてください。」
「あなたもよ。ブス過ぎる。」
「ブス?…私ブスって言われたことはあんまり…。」
「ブスよ。」
「ブスだって。」
「ブスに私を弁護する資格はないわ。メークのしかたぐらい覚えなさい、幼稚園児。」
「拘置所内ってメークOKでしたっけ?」
「所長に頼んだらいいって言ってたわよ。ねえ、ここ暑くない?」
刑務官が貴和のために仰ぎ始める。

「すでに拘置所内の男たちを手なずけているようですね。」
「もう脱獄できるんじゃないか?」
呆れ返る黛と古美門。

「果たしてリベンジを果たすことができるのであろうか
 それは、神のみぞ知るところなのでございます。」

「こんなナレーションあったかしら。」と黛。

古美門家、化粧に挑戦する黛だがおてもやん風な仕上がりに。
「アンパンマンショーにでも出るのか?」
「先生こそそんなことしてるとセクスィーになれませんよ。」
「くだらん。」

服部のため息。
「服部さん、まだ経営状態は厳しいですか?」
「何しろ、毎月の維持費がかさむもんですから。
 あっ。このままだとまだ一度も乗っていないヘリコプター、
 あれから手放すことになるかと。」
「それは手放しましょう即刻。」
「駄目だ!高所恐怖症を克服したら乗るんだ!
 黛君、本はといえば君という疫病神が私を底無し沼に引きずり込んだんだ。」
 何とかしたまえ!」
「じゃあ法テラスに行って仕事をもらってきます。」
「そんなどさ回りみたいなことやめろ。」
「じゃあどうすればいいんですか?」
「まあ、昨今どこの法律事務所も厳しいですからな。
 あっ、羽生先生の所もきっと…ご苦労なされてるかもしれません。」
「そういえば羽生君の事務所ってまだ行ってなかったですね。
 先生、どんな感じか見に行きません?」
「人の事務所を見に行ったところで面白くも何ともないね。」
「事務所の経営というのは軌道に乗るまでが大変なんです。
 古美門先生、アドバイスをして差し上げたら、お喜びになるかも。」
「フン!」

古美門、黛が羽生の事務所『NEXUS』に行ってみると、相談者で溢れていた。

「それにしても 大繁盛ね。法律事務所じゃないみたい。」と黛。
「誰もが気楽に入れるサロンのようにしたかったんです。法はみんなのものだからね。」と羽生。
「そのとおりね。」
「うちに来る気になりました?」
「…フフ。」笑ってごまかす黛。

事務所の壁には弁護士の写真とプロフィールが飾ってある。
「ジェーン。本田さんってジェーンだったんですか?」
「うん。両親は、ジェーン本田(ジェーン・フォンダ?)って呼ばせたかったみたい。」
「さすが、鳥取のヒッピー村の生まれですね。」

「羽生君、これは何だ?」と古美門。
「はっ?」
「君の紹介文に看過できない記述がある。」

『検事時代から才能を発揮し、当時無敗を誇った悪徳弁護士Kに
 見事な勝利を収め、一躍法曹界の寵児となる』

「これは磯貝先生が勝手に…。」
「この悪徳弁護士Kとは誰のことかな?」
「さあ。誰かな?」
「偶然私もKなんだがまさか私じゃないよね?」
「いや、あの…。」
「羽生君、私は君に負けたわけじゃない。」
「もちろんです。」
「そもそもまだ負けてない。最高裁が残ってる。そこで私は必ず勝つ!
 最後に勝つのはいつだって私なのだ!」
「Take it easy. 先生のおっしゃるとおりです。この一文はすぐに消します。
 Anyway, いいですか?
 古美門先生は今も最強の弁護士であることに変わりないし、
 前回の裁判も見事でしたよ。だから元気を出してください。We gotcha!」
「ウィ〜ガチャって何じゃ!なぜ若干上から目線で私を励ましとるんじゃ。
 ちょいちょい英語を織り交ぜ〜て。」
「帰国子女なんでつい…。」
「羽生君。うすうす感づいてはいたが確信したよ。
 君はまったく新しいタイプの私を心底怒らせる人種だ。
 この事務所もヘドが出るし、これ(ハイタッチ)はもう二度とやらない!」
「古美門先生、スマイル!ラブ&ピースでいこうよ。」と本田。
「相談に来られた皆さんが驚いてる。」と磯貝。
「ぺえぺえとがらくたと偽ヒッピーが集まった、低所得者しか相手にできない
 最下層事務所のくせに偉そうなことを抜かすな!
 ここはクソのような事務所だ!来てる連中全員くそだ!
 貧乏人の吹きだまりだ!
 何がサロンだ!
 裁判は戦争だ!
 虚偽宣伝で訴えてぶっつぶしてやるからな!
 覚悟しておけカスどもが!か〜〜〜ッ!!」

「ホントに すいませんでした。」
黛はみんなに謝り、古美門を追う。

「怒らせちゃったな…。」と羽生。

そこへ、熊井ほのか(美波)という女性が現れた。

タクシーの中
「恩を仇で返すとはこのことだな!」と古美門。
「やっぱり行くことにしようかな。」と黛。
「何の話だ?」
「高校の同窓会です。今日これから。」
「同窓会だと?事務所の苦境をほったらかして過去を美化してお互い慰め合うだけの
 何の発展性もない集会に出るというのか?」
「仕事に結び付くかもしれないからですよ。」
「CDを地元のスナックで手売りするようになったら終わりだよ。
 だいたい君は空気が読めないうざい嫌われ者で友達なんか一人もいなかったんだろうが。
 おかめ。」
「いましたよ!私はいつも輪の中心でした。」

黛は仕事に結びつくかもしれないと高校の同窓会に出席。
輪の中心ではなく、一人で気を使いまくり。
疲れきっていると、熊井健悟(塚地武雅)が声を掛けてきた。

「やあ。」
「えっと…先生でしたっけ?」
「2年のときに同じクラスだった熊井健悟。」
「…同級生?」
「当時から老け顔だったからね。みんなからおっさんって呼ばれてた。」
「あっ、おっさん!おっさんだ!」
「ストレートなあだ名って記憶に残るよね。」
「うんうんうん。」
「まあでも、ようやく年齢が見た目に追い付いてきたって感じだよ。」
「まだ若干追い付いてない気もするけど。今は何を?」
「ああ。帝日物産で営業。」
「エリート商社マンじゃない。」
「僕ね、黛さんのこと、好きだったんだ。」
「やだ何急に。冗談でしょ、私なんか。」
「そりゃ確かに君は、空気が読めなくて、うざくて、みんなから嫌われてた。」
「そうだったんだ。」
「でも見た目は良かった。」
「そう?」
「え〜っとね…え〜。9点7点9点10点、9点5点8点7点9点10点。
 合計83点は、伊藤まゆ、鈴木春奈に次いで3位だ。」
「何そのノート。」
「僕が、高校時代に付けてた全女子の点数表。」
ノートに怒って席を立つ黛。
「あっあっちょっ…ちょっと待って!」
「あのね、女性の容姿を採点するなんて、場合によってはセクハラに当たるのよ。」
「分かってるよ。でも聞いてくれ、黛さん。君に打ち明けたいことがあるんだ。」
「私、今恋愛とかしてる場合じゃないんで、ごめんなさい。」
「そうじゃない!僕は結婚したんだ。2年前に。」
「うわ、すっごい奇麗な人!」
「僕もそう思ってたよ。黛さん、古美門先生を紹介してほしい。」
「えっ?」

熊井は営業先の受付にいたほのかに一目惚れをしたらしい。
「それはまさに、僕が長年追い求めていた、100点満点の女性、
 ミス・パーフェクトでした。
 僕はなりふり構わずアタックしました。
 何度でも何度でも。」

何度かの交際申し込みの後…

「そして、ついに。」

ほのかが花束を受け取ってくれた。
二人は結婚。

「幸せそのものでした。真実を…知るまでは。」

熊井の会社にほのかと同じ高校出身の社員がいて、卒業アルバムを見せられたのだ。

古美門法律事務所
「同姓同名の別人…」と服部。
「あるいは高校卒業後に大規模な顔面リフォームが施されたかのどちらかでしょうね。」と古美門。
「後者だったんです。熊井健悟一生の不覚。
 作り物を見抜く目には自信があったはずなのに。」と熊井。
「医療技術の進歩は目覚ましいものがありますからな。」
「しかし元がひど過ぎる。つかまされましたね〜。」と古美門。
「今離婚調停中ですが、ふざけたことに向こうが応じない。裁判しかありません。」
「ちょっと待って。何で離婚ってことになるの?」と黛。
「当然だろ。整形だったんだから。」
「それが理由?他に、例えば奥さんが浮気を…。」
「してない。」
「妻としての役目を…。」
「それは果たしてくれてた。」
「…裁判では法定離婚事由っていうのがあって、整形してたっていうのは
 離婚事由として認められないと思う。」
「顔を偽ってたんだぞ。これ以上ひどい裏切りがあるか!」
「顔にこだわり過ぎじゃない?そもそも熊井君だって人のこと言えたような…。」
「そんなことは分かってるよ!だから奇麗な人がいいんだよ!
 不細工ほど、面食いなんだ!」
「奥さんがかわいそうよ!」
「かわいそうなのは僕だろ!」
「まあまあまあ、熊井さん。あなたのお気持ちはよ〜く分かります。
 私ならあっという間に離婚とお望みの慰謝料を獲得して差し上げますが!
 私は離婚訴訟はやりません。くだらな過ぎて気を失いそうになるからです。」
「そこを何とか…。」
「う〜ん。」
「どれくらい?」
「3,000万なら考えてもいい。」
「それはちょっと…。」
「そうよ。お金の無駄よ。裁判なんてやめよう。」と黛。
「マンション売るしかないか。」
「何でやるの?」

そんな時、熊井の携帯に着信。
ほのかの代理人からと言う熊井から電話を代わった黛は驚く。
その相手は羽生だった。

「君が代理人なのか?」と古美門。
「古美門先生。」
「この世界の厳しさを君に思い知らせてやろう。」
「やるんですか?」と黛。
「熊井さん先ほどの金額払えますね?」
「分割なら何とか…。」
「首を洗って待っていろ!
 さあ、整形詐欺女をずったずったのけちょんけちょんにしましょう!」
「ありがとうございます!」

「羽生君、古美門先生が出てきたらめちゃくちゃになるわ。」と黛。
「ほのかさんは離婚も裁判も望んでない。」と羽生。
「この案件は私と羽生君とでうまく収めよう。」

羽生の事務所
「古美門先生は?」と熊井。
「ちょっと別件が入っちゃって、今日は私が。」と黛。

「お待たせしました。」
羽生とほのかがやってきた。

古美門家
「今日はやけに空気が澄んでると思ったらバカが二酸化炭素を排出して
 いないからだったようですね。服部さん、無断欠勤でしょうか?」
「いえ。熊井さんと、羽生先生の事務所に向かわれました。
 が、古美門先生には言わないでほしいとそう言われました。」
「言っちゃってますね。」
「言わないでほしいと言われたときには、言ってほしいという乙女心。
 私はそう解釈しました。」
「違うと思いますがありがとうございます。」

羽生の事務所
「離婚のみならず、慰謝料800万円の請求というのは、あまりに非常識じゃないかな。」と羽生。
「熊井さんはほのかさんにだまされたと感じています。
 結婚生活2年2カ月の間に、ほのかさんのために費やした金額と、
 精神的苦痛に対する慰謝料の総額となってるんですが…
 熊井さん、この点は譲歩できませんか?」と黛。
「…できません。」
「ほのかさんの、お気持ちは?」
「…」
「ほのかさん?」
「…毎日、花束を持ってくる彼に、最初は気味が悪いと思ってました。
 面倒だから、一度だけ食事ぐらいはと思って…。」
「だけど、彼のことが好きになっていった。
 熊井さんとの結婚生活は、どうでしたか?」と羽生。
「人生で一番、幸せでした。」
「今もお気持ちは?」
「変わってません。好きです。大好きです。」
「この2年2カ月、2人でつくったたくさんの思い出は、整形をしていた、
 ただそれだけのことで崩れ去ってしまうものでしょうか?
 サウジアラビアの ことわざにこういうのがあります。
 『砂嵐の後の夜空は奇麗』
 もう一度、本当に大事なものを見詰め直してみてはどうでしょう。
 争いからは何も生まれませんよ。」
「…」
「私もそれがいいと思う。」と黛。
「…」
「では取りあえず、裁判は回避しましょうね。」と羽生。

「遅れて申し訳ありません。」古美門登場!

「げっ。」

「連絡の行き違いがあったもんですから。話し合いはどうなりましたか?」
「いい感じに和解の方向で。」と羽生。
「熊井さん、あなたの望みは離婚と慰謝料の獲得ではなかったんですか?」
「はあ…。」
「気を付けなさい。相手の弁護士は何でもかんでもいい感じに丸め込む天才です。
 しかし離婚訴訟にいい感じの結末はあり得ません。
 きっちり清算し新たな人生を歩みだすか、惨めに泣き寝入りするかどちらかです。」
「泣き寝入りは嫌です。」
「ほのかさんには、速やかな離婚と慰謝料の支払いを請求いたします。
 同意していただけないのならば仕方ありません。
 法廷でお会いしましょう。
 では。ハッハッハッハッハッ。」
古美門、羽生弁護士紹介の一部分を黒く塗り消し、羽生の写真にいたずら書き。
「ア〜ハッハッハッハッ。」

古美門家
「ぶち壊すことないじゃないですか!」と黛。
「依頼人が離婚を望んでるんだぞ。敵と内通して和解を画策するなどもっての外だ。」
「離婚しなくて済むならその方がお互い幸せでしょう。」
「他人の幸せを君が勝手に決めるな。」
「先生は自分の利益のためにやってるだけです。
 こんな裁判勝てっこない。いいえ勝っていいわけない!」
「絶対絶対絶対勝っちゃうもんね。バ〜カ!」

「はい、お茶をどうぞ。」と服部。

羽生の事務所
「そういうわけで裁判になります。相手は最強の敵です。」
「よし、私が出よう。勝てばこれ以上ない宣伝になる。」と磯貝。
「私もサポートするわ。この際うちの総力を挙げて古美門事務所を倒しちゃおうよ。」と本田。
「時代は変わったんだってことを教えてやるか。」と磯貝。
「大丈夫。僕の事務所に来た以上、誰一人不幸にはしません。」

法廷
「実に美しい方です。熊井さんにとってさぞ自慢の奥さんだったことでしょう。
 だがしかしその実態は…
 二重埋没法目頭切開鼻のシリコンインプラントほお削りえら削り顎削り、
 豊胸ヒアルロン酸注入、脂肪吸引エトセトラエトセトラ。
 何から何まで人工物だったんです。
 本来の姿はこちら!ニン。
 あえて言いましょう。彼女の正体は、まごうことなき不細工だったのです。」

「異議あり!不適切な…。」と磯貝。

「不適切な表現だとおっしゃるなら言い換えます。
 容姿が醜い方だった。」

「異議あり!」と本田。

「言い換えます。顔面が残念な方だった。」

「異議あり!」と磯貝、本田。

「フェースがファニーでアグリー。」

「異議あり!」と黛。

「お前は味方だろ。
 言葉狩りをしてごまかすのはやめましょう。
 皆さんだってホントは不細工を差別しているはずだ。」
「心外ですね。」と磯貝。
「企業の面接において能力が同等であれば見た目のいい方が採用されます。
 能力が多少劣っても、いいえ相当劣っていても美人であれば採用される可能性は高い。」
「そんな企業は時代遅れであり、糾弾されるべきだ!」
「磯貝先生、これは何ですか?」
「うちの事務所のウェブサイトです。」
「写真が出ています。羽生先生が大きく映っている。
 次いで本田先生。
 磯貝先生、あなたの写真がどこにも見当たりません。
 最も実績のあるあなたの写真がなぜないんですか?」
「それは…。」
「イメージ戦略にさえないおっさんの写真がマイナスだからです。
 見た目が重要だとあなたの事務所が言っているんです。
 お宅は時代遅れで糾弾されるべき事務所ということになりますが。」
「私の写真もそのうち載せます。修整に時間がかかって…だっ!」
「整形はじゅうぶん離婚事由になり得るのです。」

フットサルのコート
「どうして古美門先生の所にいたいんですか?」と羽生。
「言ったでしょ。貴和さんの事件でリベンジしないといけないからよ。」と黛。
「事務所を移っても代理人を続けることはできますよ。」
「…」
「好きなの?」
「はあ?バカ言わないでよ!
 あの人かチンパンジーか選べと言われたら迷わずチンパンジーを選びます!」
「じゃあ、どうして?」
「…能力は、あの人が一番だと思うから。
 学んで盗んで、食らい付いて、いつか倒すって決めたの。」
「…じゃあ、僕があの人を倒したら?」
「…」
「僕が自分の力で古美門先生を倒したら、僕に食らい付いてくれる?」
「…」
「本気だよ。君が欲しいんだ。」
「なっ… 何言ってんだか。」
黛、サッカーボールをキック!羽生の顔面に直撃!
「Ouch!」
「あ〜。あっごめん!大丈夫?ちょっと起きてみて。起きて起きて。」
「Oh my God!」鼻血!
「上見て上見て。上…。
 やっぱ下向いて出しちゃおうかね。」

法廷
「私は小さいころから、極度の面食いです。
 自分の容姿に、コンプレックスがあった、反動だと思います。
 ろくに遊びもせず、必死に勉強して、一流といわれる大学に入り、
 一流といわれる会社に就職しました。
 全ては美人と結婚するためです。」
「熊井さん。ほのかさんが整形手術を受けていることは知らされていましたか?」と黛。
「いいえ。」
「もし知っていたら、結婚はしましたか?」
「いいえ。」
「容姿端麗な方と結婚したい。
 その一心で青春を勉強に捧げてきた熊井さんの長年にわたる努力は、
 水泡に帰してしまいました。
 熊井さんにとっては大変なショックだったということをご理解願いたいです。
 以上です。」

「磯貝先生。」
「… ちょっと急に喉の調子が…。」

磯貝の代わりに羽生が発言する。
「熊井さん、あなたが見た目の美しさを重視していることは分かりました。
 でもなぜ人工の美じゃ駄目なんでしょうか?
 あなたはほのかさんの美貌を愛して結婚された。
 そして幸せだったはずです。
 整形だったからって何が問題なんですか?」
「…整形は、駄目です。」
「美容整形をして気持ちも明るくなり人生も前向きになれたという方がたくさんいます。
 僕はすてきなことだと思いますよ。」
「私は、親からもらった体に、傷を付けるのには抵抗があります。
 本来の自分を好きになるよう努力するべきです。」
「原宿美容クリニックへの通院歴がありますね。」
「えっ?」
「このクリニックは、いわゆる薄毛治療の専門医院で、植毛技術に定評があります。
 熊井さん、通院目的は?」

「異議あり!本件とは無関係です。」と黛。

「却下します。原告は答えてください。」
「…植毛です。」
「親からもらった体に傷を付けるのは抵抗があるんじゃなかったんですか?
 本来の自分を好きになるべきでは?」
「植毛と整形は違います。植毛はもともとあったものを復元することです。
 原状回復です。」

「その点について、私から再度主尋問をいたします。
 熊井さんが整形を認められない決定的な理由があります。
 そうですね? 熊井さん。」と古美門。
「…生まれてくる子供が…絶対不細工です。」
「熊井さんはお子さんを得ることを望んでいます。
 そのために、子づくりにも励んでいらっしゃいました。
 ただし、ご自分が幼少期より不細工なために様々なハンディがあったという思いから
 子供には同じ苦労をさせたくない。
 何としても美形に生まれてほしい。
 だからほのかさんを選んだんです。
 しかし、ほのかさんの本当の姿は、熊井さんに負けず劣らずの不細工!
 DNAは整形できないのです。」

「親が美形じゃないからって子も美形じゃないとは限らないわ。」と本田。
「なぜそう言い切れるんです?」

「勝手に発言しないように。」

「両親が美男美女でどっちに転んでもいいよねという夫婦から生まれた子供が意外と
 残念というケースを私は幾つも知ってる。」
「そのケースなら私も 幾つも知っています。
 しかし両親が不細工で生まれた子供が超美形というケースを1つでも知っていますか?」
「…」
「美男美女の両親からでさえ美形が生まれる確率は決して高くはないのです。
 ましてや不細工同士であれば美形が生まれる確率はほぼ皆無でしょう!
 実際にシミュレーションをしてみました。黛君。」

「生まれてくる子供の顔予想パターンです。
 パターンA、目、鼻、口、共に父親似だった場合。
 パターンB、目、鼻が父親。口が母親。
 パターンC、父親、母親、父親。
 母、父、父。母、母、父。 母、母、母!
 全てのケースを試しましたがご覧のとおりものの見事に不細工でした!
 この2人から生まれてくる子供は不細工決定です!」

「『みにくいアヒルの子』という話もあるでしょう。
 生まれてきたときに醜くても成長するに従って美しくなるという奇跡もあるはずだ!」と磯貝。
「『みにくいアヒルの子』はもともと親がハクチョウだったんだ。
 しょせん親の遺伝には逆らえないという元も子もない話なんです!」
「そうだったのか?」
「事実、熊井さんのご両親は共に不細工だそうです。」
「おじいちゃんおばあちゃんも不細工。
 ひいおじいちゃんひいおばあちゃんも。
 実家の仏間に飾ってある写真は全て不細工。
 法事で集まる親戚は全員不細工!」と熊井。
「まさに呪われし不細工の一族!
 だからこそ、何としてでも美人の血を入れて、不細工の血脈を断ち、
 不細工スパイラルから脱却しようとしていたんです!」

「あなた方は女性を何だと思ってるんですか!結婚は子供を産むためだけのものですか?」と羽生。
「いけないんですか?
 ただ好きで一緒にいたいから結婚する。
 金のために結婚する。
 老後の介護をしてもらうため。性行為の相手を確保するため。
 美形の子供を得るために結婚するのも本人の自由です。
 被告はその権利を踏みにじったのです。」
「…」

「何じゃこの裁判。」と黛。

古美門家
「議論が不謹慎過ぎますよ。」と黛。
「どこが不謹慎なんだ?」と古美門。
「人の美醜をあれこれ言うのは不謹慎です。もっと内面に目を向けるべきです。」
「外見より内面で選んだ方が立派なのか?」
「そりゃ、人間の価値は心の美しさですから。」
「君はどういう男性が好みだ?」
「私は、お金に汚くなくて口数が少ない人が好きです。」
「私は顔と足首とおっぱいで決める!
 服部さんはどうですか?」
「たたずまいですかな。ハハハ。」
「俺はバカっぽい子が好きだなあ。」と蘭丸。
「いつからいたの?」
「ちょっと仕事頼まれてさ。
 でも頭のいい子も捨てがたいし、あとやっぱ明るくて活発な子がいいよね。
 おしとやかなお姉さんもいいし。」
「何でもいいんじゃない。」
「そうだね。」
「心が奇麗、優しいスポーツができる、頭がいい、高学歴、高収入背が高い、
 バカっぽい、口数が少ない、おっぱいが大きい、たたずまい。
 何を基準にして人を好きになるかは個人の自由でありそこに優劣はない。
 熊井健悟の場合は顔が奇麗かどうかなのだ。
 どんなに性格が悪くても顔が奇麗な人がいい。立派なポリシーだ。
 それを不謹慎だという君たちの方がゆがんでいる。」
「…」

羽生のジム遺書
「では、分が悪いんですか?」とほのか。
「どうかな。何せ古美門っちがめちゃくちゃな裁判にしちゃってるんで。」と本田。
「ほのかさんの本人尋問が、勝負でしょうね。」と羽生。
「はあ。」

法廷、被告本人尋問
「なぜ整形手術を受けようと?」と羽生。
「小学校のころから、あだ名がブスでした。子供ってストレートですよね。」とほのか。
「僕はとってもキュートだと思うけどな。」
「そう思ってくれる人はごくまれです。
 人は見掛けじゃない。大事なのは中身だ。
 ずっとそう言われて育ってきたけど嘘だと思ってました。
 みんな見掛けで判断している。だから整形したんです。」
「あなたの人生は変わりましたか?」
「はい。全然決まらなかった就職先もすぐに決まりましたし、
 男性からモテるようになりました。」
「なぜ、結婚相手に熊井さんを選んだんでしょう?」
「悲しい映画を見るとすぐに泣いちゃうし、仕事がうまくいくととても喜んで、
 ああ、心がキレイな人なんだな…。そう思ったら、すごく好きになっちゃって。
 大事なのは見た目じゃなくて心の美しさなんだ。
 そしたら、見た目ばっかり気にしてた自分がとても情けなくなって。」
「それで?」
「これからは、私も心を磨こう。
 妻として、人間として、もっと立派になろう。
 そう思って努力してきました。
 いつか、整形だって打ち明けても、関係ないよって言ってもらえるように。」
「今のこの状況をどう思いますか?」
「自分の努力が足りなかったと思ってます。
 もし、もう一度やり直すチャンスがもらえたら、もっといい奥さんになりたいです。」

「きっとなれます。」と黛。

「人間の価値は、容姿ではない。
 職業でもないしお金持ちかどうかでもない。
 心です。
 それは理想だというかもしれませんが、法は理想と共にあるべきです。
 原告の請求は認められるべきではないと考えます。
 以上です。」

「ほのかさん。熊井さんが美形の子供が欲しくてあなたと結婚したことは知っていましたよね?」と古美門。
「はい。」
「では整形であると伝えなかったのは、詐欺だとは思いませんか?」
「詐欺っていうふうには…。」
「結婚とは契約です。重要事項を隠して契約を結んだならばそれは詐欺です。」

「異議あり!」と本田。

「法は 理想と共にあるべき。
 寝言は眠ってるときだけにしてもらいたい。
 法は現実と共にあらねばならない。
 現実に即していない法など無意味です。
 人間の価値は心。羽生先生はそうおっしゃる。
 しかしその一方で、整形を認めるべきだとも言われた。
 これは矛盾しています。
 人間の価値が心ならば、整形などする必要がないからです。
 化粧、ダイエットも、おしゃれさえ認めてはいけない。
 大事なのは心なんですから。
 現実は違うじゃありませんか。
 皆さん、善人ぶるのはやめましょう。
 整形だっていいじゃないか。
 口ではそう言いながら、心の中では眉をひそめ陰口をたたき合っている。
 違いますか?
 なぜ彼だけが非難されるんです?
 彼は決して差別主義者ではありません。
 皆さんよりほんの少し、正直なだけです。
 社会通念上も紛れもなくほのかさんは熊井さんをだましたんです。」
「悪かったと思ってます。
 でも…言いだせなかった。
 言ったら…彼が離れていってしまう気がして…。」
ほのかが咳き込む。
「ほのかさん!」と黛。
「裁判長、休憩をお願いします。」と本田。

羽生の事務所に黛が訪れる。
「ほのかさんなら大丈夫。ちょっと気分が悪くなっただけだから。」と羽生。
「ホントは?」
「…」
「羽生君。」
「ほのかさんから言わないでほしいって言われてる。」
「…妊娠してるのね。」
「守秘義務があるから。」
「熊井さんにも関わる重大なことじゃない。」
「本人が知られたくないって言ってるんだ。僕からは何も言えない。」
「…」

古美門の事務所
「どうしてあいつ黙ってたんだろう。」と熊井。
「仮にそのことを武器に裁判に勝ったとしても、あなたの心をつなぎ留めたことにはならない。
 だからではないんでしょうかね。」と服部。
「バカなやつだな。」
「黛君、君は相変わらず余計な情報ばかり持ってくるね。
 こんなことをなぜ伝える必要がある?」
「すでに新たな命が宿ってるんです。伝えないわけにはいきません。」
「熊井さん、知らないことにすればいいんです。
 向こうも知らせる気はないんですから。
 どうせあなたの望まない不細工な子供ですよ。さっさと片を付けましょう。」
「そっ…そうですよね。」
「服部さん、私は外で飲んでくることにします。」
「お一人で?いってらっしゃいませ。」

「熊井君、古美門先生がどう言おうが関係ない。あなたが決めることよ。」
「…」
「どんな容姿だろうとわが子はカワイイはず。そうでしょ?」
「…」

バー
蘭丸が古美門に死霊を渡す。
「…一番高いカクテルを。」と古美門。

羽生の事務所
「話し合いの場を設けてくださり、感謝します。
 今回ご提案したいことは、裁判を取り下げ、和解に向けて…。」と黛。

「遅れて申し訳ありません。どうもうちは連絡がうまくいかないようでして。
 ねえ黛君。
 さて、和解に合意するということは、ほのかさんがこちらの提案を全面的に
 受け入れてくださったということですね?」古美門登場!
「あの…。」と黛、羽生。
「違うんです。古美門先生、実は…。」と熊井。
「あっ、ほのかさん。あそこはいい店ですね。品揃えも豊富で。
 あなたの行きつけのバー。
 このところ毎晩のように通っているそうじゃありませんか。
 片隅で1人グラスを傾けながら物思いにふける美女。実に絵になります。
 頼むのは決まってウオツカのマティーニ。かなりお強いようだ。」
「何の話をしてんだ。」と磯貝。
「バーで酒を飲んでたらいけないの?」と本田。
「いいえ。 酒を飲んではいけないのは未成年と、あとは…
 妊婦くらいのものでしょうかね。」
「…」
「羽生君、私のもとで学んだだけのことはある。なかなか卑劣な手を使うじゃないか。
 だがだますなら徹底するべきだ。」
「まさか…。」と黛。
「そのまさかだ。
 こんなぺえぺえにまんまと利用されるとはぽんこつここに極まれりだな黛先生。
 熊井さん、ほのかさんは妊娠など していません。」
「羽生君!」と黛。
「僕は、妊娠してるなんて一言も言ってませんよ。」
「そう思わせるように誘導したじゃない!こんな嘘ひど過ぎる…。
 女性にとって神聖なものなのよ!」

「私です!提案したのは私なんです。
 ネットの掲示板で、匿名で相談の書き込みをしたら、親身になって答えてくれる
 主婦の方がいて。妊娠してるって嘘ついて相手の反応を見たらどうかって…。」
「赤の他人の無責任なアドバイスに従う方もどうかしてるがそんなお粗末な作戦に協力する
 弁護士も弁護士だ。」
「こうでもしないと不幸な結末にしかならない。
 これ以上争うべきじゃないんです。
 だまし通そうなんて初めから思ってませんでした。
 どうせバレる嘘です。打ち明けて謝るつもりだったんです。
 ただ、僕もほのかさんも、熊井さんの心を知りたかった。
 ほのかさんが妊娠してると聞いたとき、何を思ったか。
 もし、不細工な子供ができてしまって、厄介だと思ったのならもう何も言うことはない。
 離婚した方がいい。
 でも、もしほんの少しでも喜びや、宿った子に対する愛しさ、慈しみを感じたのなら、
 まだやり直せるかもしれない。
 どうですか?熊井さん。あなたの本当の気持ちを聞かせてください。」
「言ってやりなさい。不細工な子供ができてなくてほっとしたと。」
「あなたは黙っていてください。」
「これまでもこうやってだまされ続けてきたんです。
 またまんまとだまされるところでしたね。」
「黙っててくれ!これ以上傷つけ合わせて何の意味があるんですか!」
「曖昧にすることに何の意味がある?
 奇麗な言葉を並べて許し合ったところで現実は何一つ変わらないんだよ。
 われわれにできることは徹底的にぶつかり合わせ人生にけりをつけさせてやることだけだ。」

「…熊井さん、あなたの気持ちは?」と黛。
「…子供が、できてなくて…ほっとしました。離婚したいです。」
「ほのかさんは?」
「…応じます。」

「ほのかさん。」と羽生。
「…私だって、整形なんかしたくなかったわよ。
 親や親戚とは何となく疎遠になったし、中学や高校の同窓会にだって出られない。
 ブスはね、ブスなりに、生まれ持った自分の顔が好きなの。
 でも好きになれないように周りがするんだもん。
 仕方ないじゃない!
 …仕方ないのよ。こんな世の中じゃ。
 慰謝料ももちろん払います。
 整形していた…不細工だった私が悪いんですから。」
「ではそのように手続きをいたします。」
「よろしくお願いします。それでは…私はこれで。」
「ほのかさん、あなたの人生を捧げるに値する男性は、他にもいくらでもいますよ。
 決してこんなのではなく。」と古美門。
「…ごめんね。だまして。」

「熊井さん全面勝利です。おめでとうございます!」と古美門。
「はあ…。」
「これからは天然の美女探しに思う存分精を出してください。」
「ええ。」

フットサルのコート
「悪かったと思ってるよ。
 でも、あんな手でも使わないとあの人には勝てない。
 古美門先生が途中でぶち壊さなければ、一番いい着地点に2人を導けたはずだ。
 僕は決めたんだ。
 古美門先生がどんなことをしてでも勝つのがポリシーなら、
 僕はどんな手を使ってでも、みんなが幸せになる道を探す。」と羽生。
「悪いけど、まだまだあの人には及ばないと思うわ。
 今回だって、初めからあの人の手のひらの上だったんじゃないかな。
 ほのかさん、ネットの掲示板で主婦に相談に乗ってもらってたって言ってたけど、
 どうかな?」と黛。
「…」

古美門家
「乾杯!」
「いや〜見事な勝利でございました。」と服部。
「ありがとうございます。蘭丸君も今回はご苦労だった。」
「いつもに比べりゃちょろいっすよ。
 まあ主婦らしい文章を考えるのには少し苦労しましたけどね。」

『夫婦ってブリ大根みたいなもの』
『ブリが主役のようで実は大根が主役』

「蘭丸君、これ服部さんのアドバイスだろ?」
「バレちゃいました?」
「ハハ。お恥ずかしい。」

フットサルのコート
「それに、何が幸せかなんて私たちが決められることじゃないのかも。
 あの2人にしてもね。」と黛。
「…」
「あと移籍の件。もう誘わないで。」
「…」

熊井家
きれいな女性たちを家に招き、料理を振る舞う熊井は
キッチンの引き出しからほのかのノートを見つける。

『カルシウムで集中力アップ』
『健悟さんのプレゼンがうまくいきますように』
『記念日の今日は、健悟さんの大好きなまつたけご飯』
『初めて食べた時の健悟さんの笑顔をもう1回見たいな』
『新婚旅行で食べたファジータ』
『本場の味をほのか風に』
『妊娠にいいビタミンEをたっぷりと!!』
『2人の赤ちゃんが早く欲しい』
『久しぶりのお休みでゆっくりとお料理。
 健悟さんと食べると何を食べても美味しい。
 いつもそばにいてくれてありがとう。』

熊井の瞳から涙が溢れ・・・。

後日、熊井はほのかのアパートを訪れる。
「あのさ…。800万は…辞退しようかなと思って。」
「そう…助かる。」
「それで…。色々、考えたんだけど…。
 もし…よければ、もう一度僕と…。」

「お待たせほのか。どなた?」ほのかの部屋から男が出てきた。
「前の夫。」
「あ〜植毛の!僕なら全然整形なんか気にしないけどな。」
「健悟さん、あなたのおかげで目が覚めた。
 私、不細工な人の方が心が奇麗なんだって思い込んでたんだと思う。
 私も外見で判断してたのよ。
 顔も心も不細工な人もいるし、顔も心も奇麗な人だっているのに。」
「…」
「教えてくれたのはあなたよ。ありがとう。
 これから2人でベッド見に行くの。じゃあね。」

拘置所の面会室
「気が付いたよ。君が大きな勘違いをしていることに。」
「勘違い?」
「君は私の外見を見てセクシーではないと言った。
 だがそれは大きな間違いだ。大事なのは、内面だ。
 今日も裁判で見事な一勝を挙げたのだがその手法は実にセクシーなものだった。
 今日だけじゃない。この前もその前もいつもだ。
 傍聴席はいつも女性ファンで争奪戦になる。
 つまり私はすでに、誰よりもセクシーなのだ。
 というわけで条件はクリアだ。
 こちらの質問に答えてもらおう。」
「幼稚園児が、ブスのままよ。」
「…」

古美門家、厚化粧の黛。
「妖怪人間ベラみたいになってきてるぞ。
 もう整形しろ!」
「ああ 駄目駄目!あの下地を丁寧に作りませんと、色が奇麗にのりません。」と服部。
「ひょっとして服部さん、コスメティシャンのご経験が?」
「あああの… 実は。」
「やってもらえやってもらえ!」
「それでは、腕によりをかけまして。お座りください。」
「はい。」
「参りますよ。」
「はい。」
「いよっ。」

拘置所の面会室
黛の姿に無言で立ち去る貴和。
「…私もこれは違うと思ってました。」と黛。
「京都で化粧師をやっていたらしい。」と古美門。


服部さん!!
黛ちゃん、この1シーンのためだけの、この衣装!


今回の依頼者の熊井さん。妻は整形美女だった!
自分自身が不細工だったからこその熊井の考え。
親からもらった体に傷をつけることに抵抗を感じる。
そのままの自分を受け入れるべき。
だけど植毛は原状回復だからOK!
「実家の仏間に飾ってある写真は全て不細工。
 法事で集まる親戚は全員不細工!」
呪われし不細工の一族!不細工スパイラルから脱却!
そして、生まれてくる子供のことを考えて。

外見の魅力と内面の魅力。
「何を基準にして人を好きになるかは個人の自由でありそこに優劣はない。」
確かに、古美門先生の言う通り。

そして、熊井の妻・ほのかの主張。
「人は見掛けじゃない。大事なのは中身だ。
 ずっとそう言われて育ってきたけど嘘だと思ってました。
 みんな見掛けで判断している。
 だから整形したんです。」

そんなほのかが、熊井の内面の美しさに惚れた。
見た目ばかり気にしていた自分を反省することができた。

「人間の価値は、容姿ではない。
 職業でもないしお金持ちかどうかでもない。
 心です。
 それは理想だというかもしれませんが、法は理想と共にあるべきです。」

という考えの羽生に対し、

「法は 理想と共にあるべき。寝言は眠ってるときだけにしてもらいたい。
 法は現実と共にあらねばならない。
 現実に即していない法など無意味です。
 人間の価値は心。羽生先生は そうおっしゃる。
 しかしその一方で整形を認めるべきだとも言われた。
 これは矛盾しています。
 人間の価値が心ならば整形などする必要がないからです。
 化粧、ダイエットもおしゃれさえ認めてはいけない。
 大事なのは心なんですから。
 現実は違うじゃありませんか。
 皆さん善人ぶるのはやめましょう。
 整形だっていいじゃないか。
 口ではそう言いながら心の中では眉をひそめ陰口をたたき合っている。
 違いますか?
 なぜ彼だけが非難されるんです?
 彼は決して差別主義者ではありません。
 皆さんよりほんの少し正直なだけです。
 社会通念上も紛れもなく。
 ほのかさんは熊井さんをだましたんです。悪かったと思ってます。
 でも言いだせなかった。
 言ったら彼が離れていってしまう気がして…。」

古美門が暴く、羽生の矛盾。
羽生の意見を心癒される思いで聞いていて、
古美門先生の意見にはっとさせられる。

「曖昧にすることに何の意味がある?
 奇麗な言葉を並べて許し合ったところで現実は何一つ変わらないんだよ。
 われわれにできることは徹底的にぶつかり合わせ人生にけりをつけさせてやることだけだ。
 熊井さんあなたの気持ちは?」

そして、二人が出した答えは、離婚。

「ほのかさん、あなたの人生を捧げるに値する男性は、他にもいくらでもいますよ。
 決してこんなのではなく。」

古美門のこの言葉は本心から出たものなんだろうな。
熊井を弁護しながらも、こんな裁判くだらないと思いながらも、
ほのかの生き方を尊重していた。

そしてその言葉通り、
「健悟さん、あなたのおかげで目が覚めた。
 私、不細工な人の方が心が奇麗なんだって思い込んでたんだと思う。
 私も外見で判断してたのよ。
 顔も心も不細工な人もいるし顔も心も奇麗な人だっているのに。
 教えてくれたのはあなたよ。ありがとう。
 これから2人でベッド見に行くの。じゃあね。」

素晴らしい脚本!
整形から、結婚する理由まで掘り下げられていて、今回も面白かったです。



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服部さんの過去
・スイスのホテルで料理長(第1話)
・書の嗜み
・計算が早い
・楽譜も書ける(昔フォークソングをかじっていた)
・バンコクで屋台
・家庭菜園
・モンゴル相撲
・芸能通
・醤油づくり
・演劇
・ワンダーフォーゲル
・王家の谷で発掘調査

・整体師
・京都で化粧師

羽生のことわざ:カナダ、オーストラリア、サウジアラビア。
第1話『水は飲めるが燃えはしない。石油は燃えるが飲めはしない。』(サウジ)
第2話『暑いときは 日陰を見つけろ』(サウジ)
第3話『砂嵐の後の夜空は奇麗』(サウジ)


気になるセリフ
第1話
「正義がまかり通らない世の中になったらこの国の司法は
 終わりではありませんか?」(黛)
「教えてあげよう。正義は金で買える。」(古美門)

第2話
「俺はお前をこの世界から葬ると決めたんだ。
 そのためなら、地位も名誉も喜んで捨てる。
 刺し違えてもお前を地獄に引きずり込む。
 必ずな。
 それが俺の贖罪だ。」(三木)

第3話
「榎戸がバリバリのストーカーの変態野郎だったとしても、
 あらゆる手段を使って無罪にしろ。それが君の仕事だ。」(古美門)
「私はそうは思いません。
 私たちの仕事は、あくまで適正な判決に導くことです。」(黛)

第4話
「あなただけ特別」
「神でもない我々に、そんなこと分かるはずもない。
 正義は特撮ヒーロー物と『少年ジャンプ』の中にしかないものと思え。
 自らの依頼人の利益のためだけに全力を尽くして戦う。
 我々弁護士に出来るのはそれだけであり、それ以上のことをするべきでもない。」(古美門)
「やはり古美門先生を倒すのは、三木先生でなければ無理ですよ。」と沢地。
「ここに来た、自分自身の目的が、はっきりわかったんです。
 あなたを、倒すためです。」と黛。

第6話
「勝利のみが全てではない。
 私が理想とする弁護士像を圭子さんに見た気がします。
 一緒に、行かせてください。」(黛)
「一人でグリーン・ゲーブルズにでも行ってなさい!」(圭子)
「圭子さんのようになりたいんです。
 そして、古美門先生に、いつか勝てるようになりたいんです。」
「・・・あなたは私のようには一生なれない。」
「・・・」
「なる必要もない。
 せいぜい古美門の下で滑った転んだやってなさい。
 そうすればいつか、あいつを倒せるかも。」
「え?」
「彼に勝てるのは私ではないってことよ。」

第7話
「分かってないね。最も手強い敵は三木なんかじゃない。
 自分の土俵で戦える人間だよ。」(古美門→黛)

第8話
「12歳の子が母親と断絶しようとしている。
 内心どれほどの苦悩を抱え、血を吐く思いをしているか君に分かるか?
 二度と薄っぺらい言葉を吐くな。」(古美門→黛)

「私が彼を採用したのも、あなたのご子息であれば育ててみたいと思ったからです。
 ・・・しかし、その結果、どんな悲劇を招いたかは・・・申しません。」
 古美門研介という法律家は、あなたが生み、私が完成させた化け物です。
 私たちは共犯なのです。
 ご子息を、葬りましょう。」(三木)



【キャスト】
古美門 研介 - 堺雅人
黛 真知子 - 新垣結衣
服部 - 里見浩太朗
加賀 蘭丸 - 田口淳之介(KAT-TUN)

三木 長一郎 - 生瀬勝久
沢地 君江 - 小池栄子
井出 孝雄 - 矢野聖人

羽生 晴樹 - 岡田将生
本田 ジェーン - 黒木華
磯貝 邦光 - 古舘寛治

安藤貴和 − 小雪

【スタッフ】
企画
 成河広明
 加藤達也
プロデュース
 稲田秀樹
 成河広明
 山崎淳子
脚本
 古沢良太
音楽
 林ゆうき
演出
 石川淳一
 城宝秀則
制作
 フジテレビ
制作著作
 共同テレビ


堺雅人さんの主な出演作品



新垣結衣さんの主な出演作品



里見浩太朗さんの主な出演作品




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