2014年01月21日

明日、ママがいない 第1話

『愛を失った少女。捨てられたんじゃない 私が親を捨てたんだ』

母親の涼香(酒井美紀)が事件を起こして警察に逮捕されてしまったため、
一軒の児童養護施設に預けられることになった少女・真希(鈴木梨央)。

雷鳴が鳴り響く夜、真希は児童相談所職員の叶(木村文乃)から不気味な風貌の男・
佐々木(三上博史)に引き渡される。

「じゃあよろしく。」と叶。
「・・・え?」戸惑う真希。

佐々木に促され、真希は佐々木の車に乗り込む。

車の中
「はぁぁぁ。チッ。
 痴話喧嘩は、いつもこんな夜中だ。」舌打ちする佐々木。
「…」

佐々木は真希を“コガモの家”という名の施設に連れて行く。

佐々木が施設長を務めるコガモの家は、不穏な雰囲気を漂わせる場所。
「あの…私、帰ります。」
「どこに?」
「…」
佐々木が部屋の戸を開ける。

そこで真希は、3人の少女と出会う。
「泣いてる?」二段ベッドの上からピア美が顔を出す。
「きゃっ!」
「ね、泣いてる?」
「泣いてない。」
「あっそ。
 みんな最初は魔王にビビって泣いちゃうからさ。」
「魔王?」
「そう。」
部屋にはランドセル、時間割、そしてジョリー&ブラピの写真。
「ねえここどこ?」
「グループホーム。訳ありの子が連れて来られるところっていえば、
 わかりやすいかなぁ。」ボンビが鼻をかむ。
「汚いなぁ。」とピア美。
「私帰らなきゃ。ママが心配する。」
別の二段ベッド上段から、ヘアゴムを鳴らす音。
「でもあんたのママ彼氏のこと殺しちゃったんでしょ。ダメじゃん。」とピア美。
「こ、殺してない。」
「そうなの?でもドンキで殴ったって聞いたよ。」
「な、殴ったけど・・」死んでない。」
「そうなんだ!丈夫なんだね!ママの、彼氏。」とボンビ。
「大体、ママには無理だもん。
 泣き虫だし、1人じゃご飯も作れないし、オバケも嫌いだし、
 そんなママに人殺しなんて無理。」
「痴情のもつれっていうんでしょ?男と女の間って、何があるか分からないよね。」とボンビ。
「何でそんなこと知ってるの?」と真希。
「魔王がアイスドールと電話してんの聞いちゃった。」
「…アイスドール?」
「ところでさ、ドンキってどういう意味?」とピア美。
「知らないで言ってたの?」とボンビ。
「フッ。」二段ベッドでゴムを鳴らしていた少女が笑う。
「…」
少女はベッドから飛び降りると、真希の首根っこを掴み、彼女の匂いを嗅ぐ。
「鈍器はバットとか灰皿とか、そういう重たいもんのこと。
 要するにこいつのママは、重い物で男をぶっ叩いて捕まったってわけ。
 大したタマだよ。」とその少女。
「そんな言い方しないで!」
「ポスト。新人さんには、優しく、優しく。」とボンビ。
「ポストって、それ名前?」
「ここではみんなあだ名で呼ぶの。
 私はピアノがうまいからピア美。グランドピアノが似合うお嬢様ねってよく言われるの!」とピア美。
「誰も言わねえよ。」とポスト。
「で、私はボンビ。」
「ボンビ?」
「バンビみたいで、かわいいから!」
「違うでしょ!ただ家が貧乏で預けられただけでしょ。」とピア美。
「じゃあ、ポストは?」
「ポストは、赤ちゃんポストにいたんだって。」とボンビ。
「小包で〜す。」とピア美。
「…ごめん。」と真希。
「フッ。かわいそうだと思った?」
「…」
「かわいそうだって思うほうが、かわいそう。」
「で、あなたの名前は何にする?」とピア美。
「私はあだ名なんていい。すぐに帰るから。」
「え?」
「ママが警察から出てきたら帰るもん。だからすぐだよ。」
「分かってねえな。」とポスト。
「私の名前は真希。」
「真希?めんどくさ。もうドンキでいいよ。」とポスト。
「ハハハ!いいねドンキ!呼びやすいし、安っぽくて最高!」とピアノ。
「イヤ!そんなの絶対にイヤ!」

ドアをノックする音。
「え?あの男の人?」

部屋に入ってきたのは小さな男の子。
「どうしたの?」
「ちっち。」とパチ。
「え?」
「くっさ〜い!!」とボンビ。
「やだパチ、ウンチしてる!ハハハ。」とピア美。
「笑うな!…」と叱ったあとに笑い出すポスト。
パチが泣き出す。
「悪かったって。ほら、風呂で流すよ。手伝って。」
「え〜また!?」
「先に寝てな。」

みんな、それぞれの事情で実の親と暮らせなくなった子供たちだった。
子供たちは本当の名前を名乗らず、あだ名で呼び合っていた。
ピアノが上手なピア美(桜田ひより)。
家が貧しいボンビ(渡邉このみ)。
そして、ポストと呼ばれる少女(芦田愛菜)。

翌朝、朝食の時間に子供たちが食堂に集まる。
「ここでごはん?」と真希。
「そう。びっくりするほどおいしいよ。」とピア美。
「ロッカーのレシピ。」とポスト。
「ロッカー?」

杖を突く音。佐々木がやってきた。
「ハァ〜。」大きなあくびのあと
「…よし!泣け。」
「…」
「どうした?芸の一つもできないのか?
 そんなことじゃ、もらい手はつかんぞ。
 いいか?ここにいるお前達は、ペットショップの犬と同じだ!
 ペットの幸せは飼い主で決まる。
 飼い主はペットをどうやって決める?
 かわいげで決める。
 時に心を癒やすようにかわいらしく笑い、時に庇護欲をそそるように泣く。
 初対面の大人をにらみ付けるようなペットなんざ、誰ももらっちゃくれない!
 犬だって、お手ぐらいの芸はできる。
 分かったら泣け。」
「…」
「泣いたヤツから食っていい。やれ!」
子供たちが鳴き真似をする。
「汚く泣くヤツがあるか!かわいげを見せろと言ったんだ。」
オツボネが声を上げて泣いてみせる。
「演歌か!
 おい、お前やってみろ。」
「…」戸惑う真希。
「聞こえないのか?」
「私、犬じゃありません。」
「フッ。じゃ、猫か。」
ポストが猫の鳴き真似をする。
「おい。見本見せてやれ。」
「いくらで?」とポスト。
「チッ。」
佐々木が杖を突く。
するとポストは涙をポロポロこぼし悲しそうに泣き始める。
「…よし!食え。」
「いただきます。」
「チッ。」

圧倒的な存在感を放つポストは、子供たちのリーダー的存在でもあった。
ポストは、真希がコガモの家に来た事情を知っていながら、気遣いのない言葉を投げかける。
そんなポストに、真希は反発するのだった。

そんな中、ポストを引き取りたいと希望する夫婦が現れる。
子供と里親の縁組みが決まるまでには、何度かその家庭で過ごしたりしながら
本当に家族になれるかどうか見極める“お試し”の期間があった。
ポストは、その夫婦の家で“お試し”として過ごすことに。
里親候補は、細貝(西村和彦)とその妻・晴美(櫻井淳子)。
細貝夫婦は裕福で、理想的な里親のようだった。

ポストを見送る子供たち。
「新しい家族を見つけた子からここを出て行くの。」とピア美。
「新しい家族?」と真希。
「里親とか養子とかそういうこと。」
「お試しっていうのは、子供が欲しいお家と、ホームの子供を引き合わせること。
 何事も、相性ってあるでしょ?」とボンビ。
「あれが、お試し?」と真希。
「そう。何回かお家に行って家族と過ごして、縁組するかどうか決めるの。
 理想のお家に行けるかどうかの正念場ね。
 このヘアスタイルどう?」とピア美。
「今イチ。」とボンビ。
「私達の目標は、いいお家にもらわれて、誰よりも幸せな生活をすること。
 究極の夢は…。」とピア美。
「ジョリピ〜!」とボンビ。
「そう!究極の夢は、アンジェリーナ・ジョリーと、ブラッド・ピットの養子になること!
 だってステキじゃない?あの家の子供になれたら誰よりも勝ち組だよ!
 美人なママと、カッコいいパパ。
 キレイな洋服を着て、お姫様みたいに暮らすの!」
「ジョリピ〜!」
「もちろんピアノも好きなだけ弾ける。
 きっと私のために新しいグランドピアノも買ってくれるわ。」
「ジョリピ〜!」
「そんな…だってホントのママは?」と真希。
「それとこれとは別の話。
 まぁ、今度のポストのお試し先も悪くないと思うわよ。
 だって見るからにお金持ちだもん。
 優しそうだし、生活にもピアノにも不自由はなさそう。
 それに引き換えダイフクはさ…。」
「ダイフク?」
「おかあさんが、大福を持って、この子をお願いしますって、連れて来たの。
 だから、ダ・イ・フ・ク。」とボンビ。
「いるのよ、同い年の男の子。
 本人は悪い子じゃないんだけど、運が悪いっていうか。」とピア美。
「あんな家にもらわれるのはイヤ!」とボンビ。
「どんなお家?」
「ラーメン屋。ものすごく小さくてきったないの!」とピア美。

そのラーメン屋。
店は小さいが客はいっぱい。夫婦で営むラーメン屋でダイフクは客に料理を出す手伝いをしていた。

コガモの家
「あんな家に当たったら地獄だよ。子供が欲しいんじゃなくてタダでこき使いたいだけ。」とピア美。
「ダイフク本当に行っちゃうのかな?」
「行くでしょ。お試しで何日もお泊まりしてるし。もう決まったも同然だよ。
 あ〜あ、かわいそう。このヘアスタイルどう?」
「今イチ。」
「…」考えこむ真希。

ラーメン屋
「確かに頂戴いたしました。
 児童相談所側の手続きは、以上で終了となります。
 あとは、先程の書類を、区役所へご提出ください。
 最後に1つだけ、注意事項があります。」と叶。
「何でしょう?」と妻。
「少しでも子供に、虐待行為があった場合、あなた達はブラックリストに載り、
 二度と里親になることはできません。」
「そんなひどいことするわけないじゃないですか。」
「どうでしょう?そう願います。」

「ごあいさつは?」と佐々木。
「…よろしくお願いします。」とダイフク。
「何だか、堅苦しいな。」と夫。
「そんなにかしこまらないで。私達のこと、お父さん、お母さんって呼んでね。」
「…はい!よろしくお願いします!」
戸惑いながらも、佐々木の視線に気づいたダイフクは健気な笑顔を浮かべてそう答えるが
その時テーブルにぶつかり食器を割ってしまい…。
「チッ。」佐々木がまた舌打ちする。

細貝夫妻の車から降りるポスト。
「今日はありがとうございました。」
フリフリドレスに着飾ったポストがお辞儀をする。
「あぁ、ちょっと待ってね。」と夫。
「は〜い。これ、お土産よ。」と妻。
「お土産?」
「大したものじゃないけどケーキ。さっきのレストランでショーケースを熱心に見てたでしょ?」
「そんな!もらえません!私そんなつもりじゃ…。」
「いいのよ!欲しいものがあったら言ってって言ってるでしょ?
 これは、私達の気持ち。」
「…ありがとうございます!大切に食べます。」
「それじゃあまたね。楽しかったよ。」
「はい!」
笑顔で車を見送るポスト。車が見えなくなると、すっと冷めた表情に変わる。


「いいよね〜 あんたは。ねぇ、今回のお試し、すっごくいいお家なんでしょ?
 決まりそうなんでしょ?
 そのドレスも買ってもらったの?」とオツボネ。
「…」
「ねぇ知ってる?今日で正式にダイフクがここを出てったのよ。
 小さいラーメン屋だっていうけど、別にいいじゃないねぇ。
 もらわれないよりはず〜っといいよね。
 ねぇ!もう私17歳だよ?いつまでここにいるのかな?
 あとこの先何回もらわれて行く子を見るのかな?
 ねぇポスト、どうしよう!?
 私、不安で不安で仕方ないの。
 だから食べちゃうのよ。
 ねぇ、内緒にしてね?ねぇ…。
 ありがとう!ありがとポスト!」

「ロッカー、オツボネがまたキッチンあさってるよ。」
ポスト、ロッカーにご報告。

「違うのロッカー!私じゃないの!これはもう1人の私なの!!」

別室、ポストがパチにケーキを見せる。
「ほら、欲しい?」
「うん!」
「じゃあいつものやって。」
「歩こう♪歩こう♪わたしは元気〜♪」
パチの可愛らしいダンスと歌に、ポストは満面の笑み。
「ほら、食べな。」
「うん!ありがとう。」

「その服どうしたの?」真希がやってきた。
「私…キレイ?」ポストがおどけてみせる。
「お試しのお家から?」
「ああ。あんたにもあるよ。」
「そんなのいらないよ。」
「あっそ。」
「どうでもいいけど、散らかし過ぎ。」
片付け始める真希。シャンプーのボトルを手に取るとパチが怒る。
「んっ!」
「それに触るとパチ怒るよ。
 その匂いはママの匂いなんだってさ。
 それがないと眠れないの、その子。」
「…ごめんね。早くママに会えるといいね。」
「あっ!」パチがケーキを落とす。
「食うな!」
「…」
「落ちたもんなんて。私の分食いな。」
「うん!いただきま〜す。」
ポストはパチがケーキを食べる姿に目を細める。

朝、子供たちが学校へ出かけていく。
真希が部屋に一人でいると、佐々木がやってくる。
「おい。転入手続きが済んだ。来週から学校だ。準備しておけ。」
「ノックしてください。」
「チッ。」

佐々木がどこかへ出かけていくと、真希は一人、アパートに行ってみる。
「ママ?
 …まだ警察にいるのかな?」

『グループホーム
 コガモの家に
 います
 真希』
と書いたメモを残す。
そして真希は、母の香水を握りしめ…。

学校の帰り、公園のトイレで用を足したボンビ。
「はぁ〜。間に合った〜。
 …んっ?
 あっ!」

美しい外国人女性とイケメン男性・東條(城田優)発見!
ボンビにはそれが"ジョリピ〜"に見え、妄想炸裂!

音楽室、ピアノを引くピア美。
「その顔怖いから。」ポストが鏡を見せる。
「…」
「伴奏やんの?」
「何の?」
「合唱祭の伴奏。頼まれたんでしょ?」
「やらない。合唱祭なんてギャラも出ないし、やる意味ないもん。」
「フッ。それもそうか。」
「そうだよ!私はもっと大きな大会で、みんなが注目する前でピアノを弾くの。
 天才少女って新聞に名前が大きく載っちゃったりして!
 あ〜あ。早く私も縁組決まらないかな。
 いいお家にもらわれて、自分のピアノも買ってもらって、部屋は当然防音。
 一流の先生をマンツーマンでつけさせてもらって。
 そしたらきっとパパも…。」
「…かわい〜い!」
「ちょっと!鏡返せ!」
「アハハ…!」

「廊下は走らない!」と蓮。
「何だお前かよ。」とポスト。
「これ。」
「えっ! 交換日記!?」とピア美。
「いや、日直のノート。」
「あぁ…。」
蓮はポストを見つめ…そして立ち去る。

「蓮くん私のこと好きみたいなんだ。」とピア美。
「あっそ。」

幼稚園
「はい。」藤谷月姫がパチにクッキーを渡す。
「ありがとう。」
「あっ。」月姫がクッキーを落とす。
「落ちたのは食べちゃダメ!ダメ!
「ヤダ!」
月姫が後ろにひっくり返り、泣き出してしまう。

「月姫!どうしたの?誰にやられたの?よ〜しよしよし…。」

ポスト、ピア美がパチを迎えにやってくると、保育士が保護者に謝っていた。
「すみません。あの…以後気を付けますので。」と保育士。
「以後以後って、もう問題は起こってるんですよ!
 こんな乱暴なことして、万が一大けがでもしたら園の評判にもかかわりますよ?」
「すみません。」

「あの!パチがどうかしたんですか?」とピア美。
「おたくのホームの子がね、うちの月姫に暴力をふるったのよ!」
「暴力?」
「うちの子のおやつを奪い取ろうとしたの。
 家でちゃんと食べさせてもらってないからこういうことするのよね。
 ホント、これだから親のいない子は。」
「ちょっとおばさん!」
「な…何よ。」
文句を言おうとするピア美をポストが止め、
「ご迷惑をお掛けしました!」
と深く頭を下げる。

園を出る3人。
「ポスト何でよ!このままでいいの?ムカつかないの?」
ピア美にそう言われたポストはニヤリと笑い、停めてあった保護者たちの自転車をキック!
自転車がドミノ倒しとなっていく。
「これでいい?」
笑い合う二人。

「何の音?」と保護者たち。

「ヤバ!逃げろ!」

「自転車倒されてる!こら〜!バカ野郎!」

「ハハハ…!」
パチを背負って走るポスト。

「ねぇ、聞いてる?」
「えっ?あぁうん大変だったね。」
「まぁね。でもスッキリしたけど。あのババア過保護過ぎてちょっと頭おかしいんだよ。
 知ってる?娘の名前、月の姫って書いてかぐやって読むらしいよ。
 DQNだよDQN!
 あ〜あ。ホームの子ってだけでバカにされんの、ホンット耐えられない!
 あ〜んジョリピ〜!早く私を迎えに来てぇ!
 …ってやっぱりこんな人いないよね。」とピア美。
公園で会ったジョリピ〜を思い浮かべるボンビ。
「ジョ…。」
「ジョ?」
「ジョリピ〜…。」

リビング
「新しい里親候補だ。見ておけ。」と佐々木。
書類を奪い合う子供たち。

「ねぇ見ないの?」とボンビ。
「私はいい。」と真希。
「どうして?」
「ママが迎えに来るから。」

「チッ。」佐々木の舌打ち。

「フッ。」ポストが鼻で笑う。
「どうして笑ったの?」と真希。
「別に。幸せだなぁと思って。」
「どういう意味?」
「まだ期待してんだママに。迎えなんて来ないよ。期待するだけ無駄。」
「来るよ!ママは私がいなきゃダメなの!」
「フフっ。どうだか。」
「ママを知らないくせに。」
「鈍器で殺人未遂ってことは知ってる。」
「私のママじゃなくて。」
「んっ?」
「…名前が、ポストだもんね。ママを知らなくて当然だよね。
 親の顔も見たことないんでしょ!」
「…」
「だからそんなこと言えるんだよ!」
「…」
「ホントはうらやましいんじゃないの?だからいじわるなこと言うんでしょ?
 あんたには想像するママもいないんだから!!
 …ポストのくせに。」
「…この〜!」
ポストは持っていたグラスを床に叩きつけ、真希に掴みかかる。
「やめて!やめてよ!」
真希を押し倒しクッションで叩くポスト。

「やれ〜やっちゃえ〜!」とハン、リュウ。
「やっておしまいやっておしまい!」とオツボネ。

真希は必死に手を伸ばし、テーブルの上の花瓶をつかむ。
「ほら鈍器。」とポスト。
「…」

「やっちゃえやっちゃえ!」
「そこだ!やっちゃえやっちゃえ…!」

「何やってんだ!!」佐々木の怒鳴り声。
「…」
「先に手出したのはどっちだ?」
ポストが手を挙げると、佐々木はポストの頬を叩く。
「いいか?よく聞け。
 お前達は、デカいみそが付いてんだ。
 親から捨てられた子供。それだけで十分、色眼鏡で見られる。
 世間はかわいそうと思ってくれるかもしれない。
 でもそれは、一時的な同情。無関係だから抱ける感傷だ!
 子供をかわいそうと思ってる自分に、酔ってるだけだ!
 みそ付きのお前らが、誰かに手挙げてみろ。
 あっという間に手のひら返しで、これだから親のいない子は!となる。
 そうなったら最後…お前らの人生詰むぞ!
 …先に手出したら負けだ。
 チッ。」
「フッ。」佐々木を睨むポスト。

風呂場、両手に水の入ったバケツを持たされ立たされるポスト。
ロッカーが風呂に入ってくる。
「…あいつ、ポストのくせにだってさ。
 でもさ、私よりあんたのほうが悲惨じゃない?
 ロッカーなんて、冬は寒いし夏暑いし。
 私、コインロッカーより赤ちゃんポストでまだよかったかな。
 …どっちも大して変わんないね。
 確かに、私達に思い出せるママの顔がない。
 …ママの顔が。」
「…」
「…言ってみただけ。」

部屋に戻った真希は、母親の香水の匂いを嗅ぎ…。

そんな中、ダイフクが岡持ちを持ったまま施設に戻ってきた。

「ポスト大変!」ピア美とボンビが風呂場にやってくる。
「どうした?」
「ダイフクがラーメン屋から逃げて来ちゃった。
 ポストも来なよ魔王のヤツもポストの罰のことなんて忘れてるよ。」

「誰が戻っていいと言った?
 仕事でヘマして、逃げて来たってわけか。
 どの道ここはもう、お前とは関係ない。
 迷惑だ。出て行け!」と佐々木。
「…」
「出てけ!!」

そこへ、叶と、ラーメン屋夫妻が駆けつける。
「あ〜よかった!ここにいた!」と妻。
「すいません。目を離した隙に。」と夫。
「こちらこそ、しつけがなってなくて申し訳ない。」と佐々木。
「そんなに汚れて…。けがは?やけどしてない?
 出前のラーメンをひっくり返すくらいよくあることよ。
 気にしないで。さぁ、帰りましょう。」
「…」
「どうしたの?まだ、何かあるの?」

「言いなさい。言わなきゃ分からない。」と叶。
「ダイフクは気が弱くて言えないんだよ。最初からイヤだったなんて。」とピア美。
「小っちゃくて汚いラーメン屋には、誰も行きたく。」とボンビ。
「黙ってろ!!」と佐々木。

「…呼べなくて…。」とダイフク。
「えっ?」
「お父さんお母さんって…呼べなくて。どうしても…。」
「…そっか。…そうよね。急に、お父さんお母さんって呼べなんて言われても無理よね。
 …無神経でごめんなさいね。
 おじさんおばさんって呼んでくれればいいから。呼び方なんてどうでもいい。
 …でもね、ゆっくりでいいから、何年かかってもいいから、
 あなたと家族になれたらいいなと思ってる。
 …もう一度、家に来てくれる?」
泣きながら歩み寄るダイフク。
「よかった…無事でホントによかった。」
妻はダイフクを抱きしめ、夫はダイフクの頭を優しく撫でる。
「ごめんなさい…。」

その様子に叶が、子供たちが拍手を送る。

「貧しくても、愛があれば幸せになれる。
 いや、この際私には愛だってなくてもいい。」とオツボネ。
「はい撤収。」子供たちは自分の部屋に戻っていく。

「チッ。煩わせやがって。バカなヤツだ。」と佐々木。
「そうですか?」と真希。
「くだらん理由で逃げ出して、犬のくせに尻尾の振り方も知らない。
 そんな犬は、いつ捨てられても文句は言えない。」
「私は…気持ち分かります。
 だって、お母さんじゃない、全然知らない人を、お母さんって呼んだら…
 ホントのママがかわいそう。
 私のママは、一人しかいないのに。」
「フン。チッ。」
「ママを裏切るなんて…できない。」
「フン!忘れんな。先に裏切られたのは、お前らだ。」
「…」
ロッカーがくしゃみをする。

子供部屋
「ポスト。土曜日からお泊まりだっけ?」とボンビ。
「そう。」
「次に決まるのはやっぱポストか?」
「やっぱりこんなの絶対間違ってる。
 だって、あの子が迎えに来てほしかったのは、本当のお母さんだよね?
 偽者のお母さんじゃない。」と真希。
「そりゃあ、本当のお母さんが来てくれればいいけど。」とボンビ。
「でしょ?勝手な都合で、何回かしか会ってない人と家族になるなんて変だよ。
 無理して好かれる努力をして、我慢して。それってホントに家族なの?
 お母さんって…きっとそんなんじゃない。
 私を産んでくれて…ギュってしてくれて、いっぱい名前を呼んでくれて。
 みんな平気な顔で新しい親を探して、そんなの絶対おかしいよ!」
においを嗅ぐ音。ポストがベッドから降りてきた。
「…何よ。またやる気なの?」と真希。
「…。」
ポストは真希を無視し、部屋の戸を開ける。
「ちっち。」パチがシャンプーのボトルを抱えて立っていた。

ロッカーが弁当を買いに行く。
「あっ、いらっしゃいませ。
 …はい。日替わり弁当2つですね。少々お待ちください。」と店員(鈴木砂羽)。

駐車場
「新しい里親候補は以上です。何かご質問は?」と叶。
「…」書類を受け取る佐々木。
「おっしゃりたいことがあれば、どうぞ。」
「直接こんなプロフィルを渡すやりとりなんて、規則違反だよな。」
「ご心配なく。」
「あんたがクビになると、俺が困る。貴重な情報源が断たれるからな。」
「あなたのためにやっているわけではありません。
 私は、親が子供を選ぶ現在の制度に疑問を抱いてるだけです。
 子供にも、親を選ぶ権利があるはずです。」
「つまり?」
「あの子達には、自分だけの帰る場所が必要なんです。」
「…場所ね。必要なのは人じゃなく、場所か。」
「人に執着するのは…悲劇しか生みませんから。」
「フンっ。何だ?男で痛い目でも見たか?」
「…」
「図星か。」
「私は痛みなんて感じない。」
「…」

車に戻った佐々木。助手席ではロッカーが買ってきた弁当を食べている。
佐々木は弁当屋の店員を見つめ…。
 
細貝家
晴美と一緒に料理をするポスト。
「わぁ、キレイ。」
「でもいいのよ、座ってて。」
「いえ、手伝います。」
「あっ。そう言ってくれるとうれしいわ。
 こんなふうに娘と一緒にごはんの支度をするのが夢だったの。」
「私もです!」
「主人も喜ぶわ。あなたが手伝って作ってくれたなんて知ったら。」
「ウフフ。」

その頃、コガモの家に涼香がやってくる。
「真希?真〜希。真希!」
「ママ!!」

「真希〜!久しぶり〜!」
「ママ。」
「ねぇ真希、元気だった?」
「うん。」
「あ〜よかった!真希。」
「ママ〜。」

細貝家
「は〜い、出来上がり。ウフフ。」
「あの、おトイレ借りてもいいですか?」
「借りるだなんて。もうすぐあなたのお家になるんだから。
 場所は分かるわよね?」
「はい。」

トイレに行こうとしたポストは、少し戸の開いた部屋の前を通る。
部屋の中を覗くと、何十体もの人形が飾ってあり…。

「あら。てっきりトイレに行ったと思ったのに…。」と晴美。
「あっ…あの…。」
「これはあの人の趣味なの。私がプレゼントしたお人形もあるのよ。
 でも、最近あんまり喜んでくれなくって…。
 だけど…あなたをひと目見た瞬間に分かったの。
 あの人が求めていたのがこれだって!」
「人形…。」
「あ〜かわいい。絶対にあの人が気に入ると思ったわ。
 だから今日だって早く私の所に帰って来てくれる。
 若い愛人の家になんて行ったりしない。」
「愛人…。」
「ありがとう。私のかわいいお人形さん。:
「私…お人形じゃないんで。」
「でも大丈夫。お人形よりかわいいから自信を持って。」
「ハハ…ですよね…。」
「でも…確かにこの髪はもっと切ったほうがいいわね。
 そのほうがドレスに似合う。」
「うう…あっ!」
「キレイにしてあげまちゅからね〜。」
ハサミで髪を切る音。
「髪は女の命だっつうの!!」
ポスト、キレる!!

コガモの家
「へぇ〜。ステキな所ねぇ。」
「え〜、どこが?」
「アットホームな感じがするっていうか。」
「アットホーム?でもね施設の人がすっごく怖いんだよ。」
「真希が元気そうでよかった〜。いろいろごめんね。」
「ホントだよ!すっごく心配したんだから。ちょっと待ってね。今荷物持って来るから。」
「荷物はいいわ。」
「えっ?」

細貝家
「待ってよ〜。何が気に入らないの?
 ドレス?それならお着替えしましょう。」
「あんたが着ればいいじゃん!」
「似合うと思う?」
首を横に振るポスト。
「イ〜〜!」

コガモの家
「えっ?」
「そうなの。ママね、結婚しようと思って。」
「それって…あの人と?どうして?あんなに怒ってたのに。」
「あの人ね、やっぱり私のことが好きって言ってくれたの。 
 あんなことがあったのに、それでも私が好きって。フフ!
 真希のパパは、奥さんと別れるっていう約束を守ってくれなかった。
 ママを選んでくれなかった。
 でも、タクヤは違う。そんな人初めてなの。
 ママもあの人と一緒にいたい!ねぇ、分かってくれる?」
「…うん。分かった。」
「アハっ!真希ならそう言ってくれると思ったわ!アハハハ。」
「みんなで、楽しく暮らそう。」
「それはダメ。」
「…えっ?」
「真希は、きっとここにいるほうが幸せになれる。」
「…ママ?何言ってるの?」
「連れ子に手を挙げるニュース、よくあるでしょう。
 ママね、そんなタクヤも、真希も見たくないの。」
「大丈夫だよ!私いい子にしてる。あの人とも仲良くできるよ。
 ねぇママと一緒がいい!だから…。」
「真希。…私、あの人を愛してるの。」
「…愛?」
「…真希、ごめんね。真希が大きくなって、好きな人ができたら、
 きっとママの気持ちが分かると思うの。
 ねっ!フフ。
 ここは、お友達がたくさんいそうで楽しそうね〜!」
「…」

細貝家
トイレの鍵を掛け閉じこもるポスト。
「あなたも私をばかにするの?あの女と一緒に!
 若ければ何でも許されると思ってんの!?」と晴美。

「ただいま〜!」細貝が帰宅する。
「…あっ、あなた。おかえりなさい。
 今ね、私達かくれんぼしてるの。いろいろ捜したんだけど、多分ここにいると思って。」
「そうか。ハハハ。もう〜いいかい?
 合鍵があるんだよ〜!」
ドアの鍵が開けられ…。

コガモの家
「このたびは…妻がご迷惑を。」と細貝。
「いえ。」と佐々木。
「うちは、子供ができませんで…。
 夫婦関係がうまく行かず…妻は情緒不安定になっていたんです。
 かわいい子供がいればと思いお願いしたんですが…安易でした。
 私達には…子供を引き取る資格がなかった。
 大変申し訳ないんですが、今回の話は、なかったことにしていただきたい。」
「フン。」

「本当に、申し訳ないことをしたね。」佐々木がポストに謝る。
「自分だけいい顔しやがって。
 この人!う〜わ〜き〜し〜て〜ま〜〜す!!」

「チッ。」

「えっ?外何ごと?」とピア美、ボンビ。
「別に。」とポスト。
「あぁ!おかえりポスト。ちょうどよかった。洗濯物ある?
 一緒に洗っといてあげる。」と真希。
「別に…ないけど…。」
「そう?後からでもいいから言ってね。」
鼻歌を歌いながら立ち去る真希。

「何だ? あれ。」
「さぁ。ずっとここにいることになったからポストに媚び売ってんじゃない?」とピア美。
「ずっと?」
「あんたの予想通り。」
「えっ?」
「あの子やっぱりママに捨てられちゃった。」
「…」

洗濯、夕食の準備、明るく手伝う真希を、ポストは髪ゴムをパチパチならしながら
見つめていて…。
ポストはコートを着ると、真希の手を引き外に出ていく。

「人間の煩悩は…108つあるらしい。
 あと…何人だ。
 あと何人で108人になる。
 あと何人で俺は自由になれる…。
 そしたら…俺は…。」
佐々木がポストに問いかけるようにつぶやく。

「離して。離して!ねぇ離してってば。
 急に何なの?」
「失恋したらしいじゃん。」
「…ママが幸せなら、私はそれでいい。」
「いつまで。いつまでママに片思いしてる。」
「…」
「あんた、私に親の顔も見たことないくせにって…言ったよな。
 でも見てないのはあんたじゃん。
 血のつながりに頼ってすがって、都合の悪い顔は見ないふり。
 どんなにいい子にしたってママは戻らない!」
「そんなこと…あんたに言われなくても…。」
真希のにおいを嗅ぐポスト。
「今日って生ごみの日だっけ?」
「…」
「1月18日。今日…あんたがママに捨てられた日だ。」
「…違う!」
「そう。違う。今日を…あんたが親を捨てた日にするんだ。」
ポストはそう言い歩き出す。真希はその後を追いかけ…。

その様子を窓から見ていた佐々木たち。
「チッ。今日は、友引か。」

「失恋は自分からふらないと後を引く。
 私だって、目の前に親がいたら自分から捨ててやりたい。
 でも…捨てる親なんていない。
 だから私は…名前を捨てた。」とポスト。
「えっ?」
「唯一、親が残したのがそれだったから。
 私と一緒に名前を書いた紙が入ってた。
 1枚ペラっと。」
「…」
「親からもらった名前なんて…もういらない。」
「…あのね。ママがあいつを殴った時、私いたの。
 ママすっごい顔してた。
 見たことない鬼みたいな顔で、灰皿振り回して、
 あいつを追い掛け回して、髪なんかグシャグシャで。
 こんなのママじゃないって思った。
 でも…あれがホントのママだったのかな。
 優しいママは…嘘だったのかな。」
「全部が嘘じゃないと思う。
 でも大人ってのは変わるんだよ。
 あんたが見たのはママじゃなくて…女の顔だ。」
「女…。」
「フッ。なんてね。」ポストは舌を出して笑う。

真希が住むアパートの前。
部屋からは、タクヤと涼香の楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
「私…やっぱり…。」
真希はそうつぶやき振り返ると、ポストは真希の母親の香水を持っていた。
真希は目を閉じ、その匂いを嗅ぎ…
「…さようなら。」
部屋の窓に投げつける。

「キャ〜!何!?」
「おい、誰だ!?」

「逃げよう!」
「やったやった〜!やった〜!
 やった〜!
 やった〜!やった〜!
 やった〜!
 …」
はしゃいでいた真希が立ち止まり…号泣する。

「ポスト〜!」ピア美、ボンビがやってきた。

「ママ〜!ヤダよ〜!何で?ママ〜!
 ママ〜!ママ〜〜!!」

「…ザマ〜みろ。」とポスト。
「え…」
「こんなことなんてしても何ひとつ意味なんてない。
 あんたの言う通り、私には思い浮かべるママの顔なんてない。
 でもこれでどうだい?あんたも私と一緒だ。
 思い出してもムカつくだけだから、二度と思い出せなくなる。」
「ひどいよ…。」

「何言ってるの!?ポストはそんな子じゃないよ!」とボンビ。
「そうだよ!ポストいつも言ってるじゃん!私達は幸せだって。
 他の子は自分で親を選べないけど、私達は選ぶことができる。
 だから幸せだって…。」とピア美。

「お前らは余計なこと言うな!!
 …悲しさを吹き飛ばすには怒るんだよ!
 それは私でも誰でもいいんだ。
 ママからこんなひどい仕打ち受けて…
 ふざけんな!って。バカ野郎〜!って…。
 チクショ〜…絶対 幸せになってやる!!って。
 でも…その幸せって何!?
 本当のママが自分を愛してくれる…それ以上の幸せって何なんだよ!?」

「…」

「私達…誰も知らなかった。
 昨日も今日もいたママが…明日にはいなくなるなんて。
 突然いなくなるなんて。
 明日…ママが…いなく…。」

「…」

4人がコガモの家に帰ると、佐々木は仁王立ちして待っていた。
杖を突く音
「今何時だと思ってる。」
「ですよね。」

浴室、バケツを持って立たされる4人。
「帰りのバス賃忘れたっていうか。」とポスト。
「チッ。」
「それを突き詰めるとお小遣いが少ないっていうか。」とボンビ。
「チッ。」
「これ持たされると、ピアノが弾けなくなるっていうか。」とピア美。
「チッ。」
「みんな、私のために付き合ってくれたんです。」と真希。
「チッ。チッチッチッチッ。」
佐々木が出ていく。

「フフッ。フフ…。:真希が笑い出す。
「何?」とピア美。
「いや。」
「んっ?」とボンビ。
「何か、ママはいなくなっちゃったけど、友達はできたんだなって思って。」
「うわっ!かゆ!あんたマジかゆいんだけど。」とポスト。
「私の名前はあんたじゃないし。」と真希。
「はいはい、真希ちゃんね。」とピア美。
「…ドンキだよ。」
「えっ?」
「私の名前は、今日からドンキ。」
「もう〜限界!」とボンビ。
「そういえばポスト、気になってたんだけど…。」と真希、改めドンキ。
「んっ?」
「ポストのホントの名前って…。」
「ハハハ!」ピア美が笑い出す。
「何? 知ってんの?」
「知ってる知ってる。」
「言うんじゃない。」とポスト。
「ホント限界!」とボンビ。
「それがね、結構ウケるよ。」
ピア美がドンキに耳打ちする。
「えっ?マジで?」
「うん。似合わないよね〜。か〜わいい。」
「それって、つまり、いわゆる…。」とドンキ。
「げ〜ん〜か〜い〜〜!」とボンビ。
バケツを投げ出す3人。
「DQN!」
「…」
ポストは舌を出し…。


レビューを迷いましたが、取り敢えず1話をUP。


まず、魔王こと佐々木は、正しいか間違っているかは置いておいて、
彼なりに施設の子供たちの幸せを願ってはいるようです。
そういう考え方に至ったのも何か事情がありそう。


「どうした?芸の一つもできないのか?
 そんなことじゃ、もらい手はつかんぞ。
 いいか?ここにいるお前達は、ペットショップの犬と同じだ!
 ペットの幸せは飼い主で決まる。
 飼い主はペットをどうやって決める?
 かわいげで決める。
 時に心を癒やすようにかわいらしく笑い、時に庇護欲をそそるように泣く。
 初対面の大人をにらみ付けるようなペットなんざ、誰ももらっちゃくれない!
 犬だって、お手ぐらいの芸はできる。
 分かったら泣け。」

このセリフに『キャンディキャンディ』のアニーを思い出した。
キャンディはアニーのために悪い子を演じ、アニーはいい子アピールをし、
引き取られたんですよね。

注文通りに大粒の涙をこぼして泣くポスト。女優だ〜。
演じている芦田愛菜ちゃん、すごい!


「人間の煩悩は…108つあるらしい。
 あと…何人だ。
 あと何人で108人になる。
 あと何人で俺は自由になれる…。
 そしたら…俺は…。」

このセリフから考えると、108の煩悩、108人の子供を救うことで
罪を償おうとしているのでしょうか?


また、子供たちにアイスドールと呼ばれる水沢叶のバックグラウンドも気になるところ。



ポスト、ピア美、ボンビ、ロッカー、オツボネ、パチ。
子供たちのあだ名にも驚きました。
真希が自分のあだ名をドンキと決めたように、他の子達もあだ名を決めたのかな?
少なくても名前ではなくあだ名で呼ぶよう決めたのは自分たちなのでしょうね。


赤ちゃんポストに捨てられていたからポストというあだ名の少女。
芦田愛菜ちゃん、『Mother』では郵便ポストを赤ちゃんポストじゃないかって、
ぴょこぴょこジャンプして探していたのに…。
ポストは鼻が利くのか?
ませたことを言ったあとに控えめに舌を出して笑う仕草がカワイイ。

ロッカーよりもまし、とポストに言われたロッカーは傷ついたのかな。
それとも、似たようなものとわかっていたのかな。

そのポストはまだ小さいのに冷静に物事を分析する大人のよう。
一番小さなパチの世話もしっかり見ています。
芦田愛菜ちゃんがスターマン』で愛くるしい演技を見せてくれた俊役の五十嵐陽向君を
おんぶして走っているシーンにはなんだか切なくなってしまった。
パチっていうあだ名はパチンコから来ているのかな…。

オツボネを演じていたのは大後寿々花さん!全然気づかなかった〜!

ピア美ちゃんは本当にピアノが上手。
頑張っているのは、ただ好きなだけでなく、お父さんに関連があるようです。

ボンビちゃんのジョリピ〜!な妄想、可愛かった。
アンジェリーナ・ジョリーさんとブラッド・ピットさんもドラマにこのように
名前が出てくることを知ったらびっくりされるかも!?

空のシャンプーボトルがママの匂い。
パチ…せつなすぎる。あだ名はパチンコから来てるのか?



そして、新たに施設に預けられたのが、真希。
恋人を灰皿で殴った母親を、
「ママには無理だもん。泣き虫だし、1人じゃご飯も作れないし、オバケも嫌いだし、
 そんなママに人殺しなんて無理。」
と必死に庇う。

母親に捨てられ、悲しみを隠し、わざと明るく振る舞う真希が悲しかった。
そんな真希に、ポストは本当の母親から目をそらしていると。
事実を突きつけ、今日は母親に捨てられた日ではなく母親を捨てた日だと…。
真希の背中を押し、事実を認めさせ、決別させ、
悔しくて悲しくて号泣する真希に、怒りの盾になろうとし…。
ポストちゃん、まだあなただって幼い子供なのに…。
母親の知らないポストが、母親を失った真希のために
あんなふうに涙を流すなんて…。



施設の子供たちと里親さんとのお試し期間。

ラーメン屋の夫婦は店の手伝いをさせるために引き取ったのか?と思ったら
実は優しい人だった。(そのまま変わらないと信じたい)


優しく裕福で理想的な夫婦だと思った細貝家、夫は不倫、妻は心を病んでいた。

本当の幸せはぱっと見ただけじゃわからない。
子供たちに取っての本当の幸せ…。第1話から考えさせられました。

様々な理由で親と一緒に暮らせなくなった子供たち。
オープニング映像の、母親から放された小さな手。
その手は何を求め、何をつかむ?
どんな幸せを見つける?


いろいろな意見がありますが、私は最後までどう描かれるのか見守っていきたいです。


公式HP


主題歌 - コトリンゴ「誰か私を」(commmons)
B00HS9Z36C誰か私を
コトリンゴ
commmons 2014-03-05

by G-Tools



B00HFA3VNG明日、ママがいない オリジナルサウンドトラック
音楽:羽毛田丈史
バップ 2014-02-26

by G-Tools



気になるセリフ
第1話
「どうした?芸の一つもできないのか?
 そんなことじゃ、もらい手はつかんぞ。
 いいか?ここにいるお前達は、ペットショップの犬と同じだ!
 ペットの幸せは飼い主で決まる。
 飼い主はペットをどうやって決める?
 かわいげで決める。
 時に心を癒やすようにかわいらしく笑い、時に庇護欲をそそるように泣く。
 初対面の大人をにらみ付けるようなペットなんざ、誰ももらっちゃくれない!
 犬だって、お手ぐらいの芸はできる。
 分かったら泣け。」(佐々木)

「いいか?よく聞け。
 お前達は、デカいみそが付いてんだ。
 親から捨てられた子供。それだけで十分、色眼鏡で見られる。
 世間はかわいそうと思ってくれるかもしれない。
 でもそれは、一時的な同情。無関係だから抱ける感傷だ!
 子供をかわいそうと思ってる自分に、酔ってるだけだ!
 みそ付きのお前らが、誰かに手挙げてみろ。
 あっという間に手のひら返しで、これだから親のいない子は!となる。
 そうなったら最後…お前らの人生詰むぞ!
 …先に手出したら負けだ。」(佐々木)

「くだらん理由で逃げ出して、犬のくせに尻尾の振り方も知らない。
 そんな犬は、いつ捨てられても文句は言えない。」(佐々木)

「私は、親が子供を選ぶ現在の制度に疑問を抱いてるだけです。
 子供にも、親を選ぶ権利があるはずです。
 あの子達には、自分だけの帰る場所が必要なんです。」(叶)
「…場所ね。必要なのは人じゃなく、場所か。」(佐々木)
「人に執着するのは…悲劇しか生みませんから。」(叶)

「人間の煩悩は…108つあるらしい。
 あと…何人だ。
 あと何人で108人になる。
 あと何人で俺は自由になれる…。
 そしたら…俺は…。」(佐々木)


キャスト
ポスト(9)(芦田愛菜)
ドンキ / 真希(9)(鈴木梨央)
ピア美(9)(桜田ひより)
ボンビ(9)(渡邉このみ)

オツボネ(17)(大後寿々花)
ロッカー(三浦翔平)

パチ(五十嵐陽向)
ハン(阪本光希)
リュウ(阪本颯希)

笹塚 蓮(藤本哉汰)

涼香(酒井美紀)

東條祐樹(28)(城田優)
東條の妻(Mailys Robin)

謎の女性(40)(鈴木砂羽)

アイスドール/水沢叶(25)(木村文乃)

魔王/佐々木友則(48)(三上博史)


スタッフ
脚本監修: 
 野島伸司
脚本: 
 松田沙也
演出: 
 猪股隆一
 鈴木勇馬
 長沼誠
チーフプロデューサー :
 伊藤響
プロデューサー:
 福井雄太
 難波利昭


芦田愛菜ちゃんの主な出演作品



三上博史さんの主な出演作品





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