2014年02月03日

明日、ママがいない 第3話

『ウサギの赤い涙。親のいる子も寂しい?』

来年にはコガモの家を出ていかなければならない17歳のオツボネ(大後寿々花)は、
条件の合う里親候補がなかなか見つからず悩んでいた。

そんな中、年齢性別不問で子供を引き取りたいという里親候補が現れる。
条件はただ一つ、星座が射手座であることだけだった。
コガモの家で該当するのはポスト(芦田愛菜)とオツボネで、二人が里親候補の家へ
“お試し”で行くことに。

叶の車の中
「あの〜。私、ホントにお試しに行ってもいいんでしょうか?」とオツボネ。
「条件は満たしてるんでしょ?」
「条件っていっても星座って…。」とポスト。
「母親は占星術師で有名な星野とばりさんという方。」
「両親との相性を気にしてる…。」とポスト。
「行けば分かるわ。」
「ライバルってことね、ポスト。」
「ライバル?」
「私にはこれがラストチャンスかもしれない。
 もしここのお家の子になれなかったら私…。」
「あ〜!分かった分かった。いざという時は…なっ!」

学校の音楽室
ピア美がピアノを弾いていると蓮がやってきた。
「ピアノの音が聴こえたから、ここかなって。…1人?」
「う…うん。何?2人っきり?」
「そっかぁ…。あのさ…。」
「えっ?」
「僕のこと、どう思う?」
「…どうって。」
「やっぱり、世間知らずの…お坊ちゃんに、見えるかな?」
「えっ?」
「コガモの家のみんなって、何ていうか…自立してるっていうか…。
 そういう子達から見ると、あれなのかな?」
「そんなこと思わないよ。蓮くんは、すごく…甘いよ。」
「えっ?」
「いや、スイートっていうか何ていうか…。あ〜もう何言ってんの私。 」
「大丈夫?」
「…私も、1つ聞いていい?」
「何?」
「蓮くんのほうこそ、本気で相手にしたりしないよね?親のいない子なんて…。」
「そんなことない!君達のせいじゃないよ。」
「それって、同情?」
「違うよ。」
「…」

その頃、ボンビは学校のトイレでジョリピ〜の娘、レイカと遭遇。
手を洗ったボンビにレイカがハンカチを差し出す。
「そのハンカチは…。」
「え?」
「忘れられた…
 あなたの素敵なご両親が、玄関先まで追いかけて渡した…レースのハンカチ!」
「たかがハンカチで。」
「たかがハンカチ!?されどハンカチ!」
「どうしたの?」
「やめて!そのハンカチを汚さないで!」

トイレから飛び出したボンビは、レイカが父に友達には優しくするよう諭す姿を想像する。
「違うんです!あの子は悪くないんです!
 私です!期待なんてさせないで!優しくなんてしないで!
 あ〜!」
「あ〜!」
ボンビ、ピア美と衝突!
「私が悪いんです〜!」
「は?」

ドンキとパチが帰宅すると、佐々木がロッカーを探してた。
ロッカーが買い物に行ったと知ると、佐々木は二人を連れていつもの弁当屋に向かう。

吉田家
ポストとオツボネを出迎えたのは家政婦だけで、吉田夫妻の姿はなかった。
「はじめまして。コガモの家から来ました。」とドンキ。
「う…よろしくお願いします、奥様。」とオツボネ。
「私は、家政婦の三田村です。お荷物お持ちします。」
「あ…ありがとうございます。すいません。」
「お2人はこちらへ。ソファに掛けてお待ちください。」

弁当を買いに行かされたドンキとパチが、佐々木の車に戻る。
「お前ら食え。」
「は…はい。」
「いただきま〜す。」とパチ。
「おい!」
「はい?」
「何だ?あの男は。」
「さぁ?お客さんじゃないですか?」
「客とあんな楽しそうに喋るか?」
「と言われても…。」
「普通弁当を買ったらありがとうございましたで終わりだろ!違うか!?」
「それは…そうかもしれないです。あっ、もしかして、旦那さんかもしれないですね。」
「あぁ!?」
佐々木の声にパチが泣き出す。
「泣くな!」
「うわ〜ん!!」(泣き声)

ポストとオツボネは吉田夫妻に挨拶するため、ある部屋へ連れて行かれる。
そこには2台のパソコンがあり、モニターに夫の正一郎と妻の弓枝がそれぞれ映っていた。
弓枝は有名な占星術師で、正一郎は国際弁護士。
二人とも仕事で忙しく各地を飛び回り、家に戻れないのだという。

二人の間にはアズサ(優希美青)という実の娘がいた。
アズサは足が不自由で車いすを使う少女。
吉田夫妻は、アズサの姉妹として話し相手になってくれる子供を探していたのだ。

家政婦の三田村がアズサを連れてくる。
「一人娘の、アズサだ。」と吉田。
「あなた達には姉妹として、この子の支えになってもらいたいの。」と弓枝。

「ご挨拶は?」と叶。
「はじめまして…。」とオツボネ。
ドンキが匂いをかぐ。

アズサと一緒に夕食をいただくポスト、オツボネ。
「あの〜…。」とオツボネ。
「食べたら すぐ帰って。」とアズサ。
「えっ?」
「遠くからわざわざ来たし、ごはんぐらい食べさせてあげようって思っただけだから。
 パパとママはああ言ってたけど、私は姉妹なんていらない。
 だからあなた達に用はないの。お疲れさま。」
「…じゃあまた明日。」
「いらないって言ってるでしょ!あなた達、どうしてうちの子になりたいの?」
「それは…。」
「お金目当て!?それなら無駄よ。」
「それって、どういう…。」
「何? 図星!?…はぁ。三田村さん!」
「最低限の生活費と、大学までの費用は、こちらで責任を持って負担いたしますが、
 それ以外、相続はもちろん贈与も、一切の援助もいたしません。
 里親から養子縁組となった場合も、そのような契約書にサインをしていただきます。」
「そりゃそうだな。実の娘がいるんだから。」とポスト。
「だけど、縁組をするっていうことはさ、実際の家族に…。」
「やっぱりお金なのね!ずうずうしい。
 大体どこの誰かも分かんないコと、どうやって家族になれっていうの?」
「いて座。」とドンキ。
「くっだらない!私はママと違って、星座も血液型も信じてない!」
「だけどほら…意外とばかにならない相性もあるっていうか…
 ねぇ、ポスト!私達もいて座同士姉妹みたいに…。」
アズサが食器を払いのける。
「あんたも更年期?」
「帰れ!!」
「…ポスト、帰ろ。」

コガモの家
「娘さん、いたの?」
「まぁね。私らよりちょい上。これがまた感じ悪いんだ。」とポスト。
「つまり、里子っていっても、体のいいお話相手だったってこと?」とドンキ。
「な〜んだ。じゃあ私さそりでよかった。そんなうまい話なんてないってことね。」とピア美。
「私もみずがめでよかった〜!」とボンビ。
「部屋と学費出してくれるって。私は気楽で構わないって思ったけどね。」とポスト。
「えっ!?あんたお泊まり行く気なの?」とピア美。

ドアをノックする音。
「ちっち〜。」パチがやってきた。
「来たか。おうし座。」
「モ〜。」


「いつまで飯食ってんだよ。」ポストがオツボネに言う。
「…」
「おい。」
「私お泊まりパス。」
「はぁ?」

「気持ち分かるよ。だって…普通の縁組とはちょっと違うもんね。」とドンキ。
「そうそう。まだ行くっていうあんたのほうがプライド低過ぎない?」とピア美。
「私もそう思う!パパママって、呼ぶに呼べないじゃない。」とボンビ。

「オツボネ。年齢不問なんてめったにないんじゃないか?」とポスト。
「…」
「なぁ。」
「…それにしたって条件悪いんじゃないかな。」
「高望みしてたらきりがないだろ?」
「…お金よ。」
「んっ?」
「お金が必要なの!」
「そりゃあ、少しは。」
「少しじゃダメなの!手術には、たくさんのお金が必要なの!」
「手術?」
「この目よ!!」
オツボネが眼帯を外す。真っ赤な左目…。
「この目を治してくれるお家に私は行きたいの。
 こんなんじゃ誰も私を愛してくれない。
 例えば誰かを好きになっても…
 私は恋だってできない。
 だから私は…。」
オツボネが泣き出す。

吉田家のインターホンを鳴らすポスト。
「あなた…。」とアズサ。
「来たよ。」
「はぁ〜。」

アズサの車いすを押し散歩に連れていくポスト。
「あの眼帯のコは逃げたのね。」
「逃げたわけじゃない。」
「でも結局はお金ってことでしょ?
 そんなのいらない。家族になりたい…ぐらいのきれいごとでも言ったら
 ボーナスぐらい出してあげたのに。キャ!ちょっと!危ないでしょ!」
「ああ、ごめん。」

橋の上の蓮を見つめるピア美、ボンビ。
「そう。蓮くんはなぜかここでしばらく夕日を眺めてから行くの。」
「チャンスじゃない?」
「ダメ。やっぱり無理。」
「告るって言ったの、ピア美じゃん。」
「告白じゃない。両思いを、確認するのよ。」
「じゃ、早く確認して来なよ。」
「…よし。」

「夕日きれいね。」
「…」
「あなたは塾の帰りに、何を思ってるのかここに来る。
 きっと、私と一緒のことを思ってる。」
「一緒のこと?」
「私は、あなたを。あなたは、私を。」
「…ごめん。」
「えっ?」
「確かに僕は、ここで、1人の女の子を、思い出してる。」
「だからそれって…。」
「…ごめんね。」
「…」

車いすを押すポスト。
「ねぇ。」とアズサ。
「ポストでいい。みんなそう呼ぶ。」
「分かった。」
「こっちも聞いていいのか…分かんないけど…。」
「この脚?…着地に失敗しちゃったの。2年前、体操部で、平均台から。」
「痛て。」
「フフっ。早く治さなくちゃ、とは思ってるの。パパとママにも…心配かけてるから。
 たとえパソコン越しでも…それでも…。」
「…ウソ。」
「えっ?」
「わざと心配させてる。」
「…まさか。」
「なのにこんな話し相手なんてくっつけられて、それで終わり。
 だから私達に最初にキレて…。」
「何を言っているの?」
「本当にキレたかったのは、パパやママ。」
「…違う…違うわ!」
「違わない。」
下り坂、ポストが車いすを放す。
「ポストやめて!止めて!」
「立てよ!」
「イヤ!誰か!」
「ホントは立てるんだろ?クララ。」
「イヤ!止めて〜!」
「立て〜!!」
「キャ〜!!」

コガモの家、号泣するピア美。
「ピア美…。」とボンビ。
「笑いなさいよ!」
「ハハハ…!私のことも、笑って。」
「えっ?」
「ジョリピ。」
「は?」
「みんなには内緒だけど、日本のジョリピ、見つけちゃった。
 私ね、そこのお家の子になりたいって、ずっと妄想してた。」
「妄想って?」
「素敵なパパとママ。真っ赤なバラと白いパンジー!子犬の横には…私。」
「それで?」
「…いたの。」
「何が?」
「…子供が。私達と、同級生。」
「何それ?ハハっ!」
「ハハハ…!」
二人は笑いながら号泣!

台所
「なぜここにいる?」佐々木がオツボネに尋ねる。
「…」
「なぜ今日行かなかったかと聞いてるんだよ!」
「あのお家は…私の夢を叶えてくれません。」
「夢だ?」
「お金が…。」
「金!?」
「私…お金が、必要なんです。だから…。」
「ぶざけるな!!
 雨露しのげる家がある。学費も出してくれる。
 そのありがたみも分かんないのか!?
 金だと?お前年はいくつだ?来年の春には出てくんだろう?」
「…」
「あと3人だ…あと3人で108人になる。
 なのにどいつもこいつも贅沢ぬかしやがって。
 俺は早くあの女に…。」
「あの女って?」
「あっ。」とドンキ。
「余計なこと言うな。」
「…」
「失せろ。里親でなく金なんぞを求めるお前の居場所はここにはない。
 出てけ!!」

吉田家
「すぐにコガモの家に連絡します。今回のお話はなかったことに。」と三田村。
「待って。」
「旦那様、奥様にお話ししても同じことになります、お嬢様。」
「私は大丈夫だから。少し2人にしてくれる?」
「ですが…。」
「お願い。」

「ごめんなさい!」ケガをさせてしまったことを謝るポスト。
「いて座は思い込みが強い。ママが言うに。」
「…」
「ポストの言ったこと、半分は当たってる。
 治療して、この脚は本当は治ってる。
 でも、半年ぐらいかな。リハビリをわざとサボったの。
 きっと私、怖かったんだ。
 治ったら、またパパとママが私から離れて行くんじゃないかって。
 変な暗示を、自分にかけちゃった。
 そしたら、私の脚…本当に動かなくなっちゃった。
 バカみたいでしょ。」
「…」
「私の幸せって…何だろうね。
 私はただ、パパとママに帰って来てほしいだけなのに。
 帰って来て、抱き締めてくれたら…それだけでいいのに。
 この家は広いけど…私の居場所は…ないんだよ。
 どこにも…。」泣き出すアズサ。
ポストはアズサの足に優しく触れる。
「温かいよ。」
「…」
「動くよまだ。きっと動く。」

ゲームセンター
うさぎのきぐるみを着てプリクラを撮るオツボネ。
その後、彼女が向かった先は…母篤子が経営する小さなスナック。

夜の公園、アズサに歩く練習をさせるポスt。
「キャッ。」砂場に転ぶアズサ。
「もう一回。」
「もう無理よ!」
「もう一回。」
「…ずいぶんスパルタなハイジね。」アズサが笑う。

スナック篤子
母に店に出るよう言われたオツボネ、客に手相を見ると言われて手を握られ、
「やめて!!」
ビール瓶の割れる音。オツボネは二階に駆け上がり…。

アズサの部屋
「誰かと一緒に寝るなんて、久しぶり。」とアズサ。
「そう。」
「ポストは?」
「パチっていう小っちゃい子が、いつも私の布団に潜り込んで来る。」
「そっか。じゃあ寂しくないね。」
「私は生まれた時から一人だから、寂しいってよく分からない。」
「…今日は、ポストがパチって子の気持ちになったら?」
「フフ…。」
「何?」
「何か照れる。」
「ハハハ…。私達、こうしてると本当に姉妹みたいじゃない?」
「…」
「こうしてると、家族みたい。」
「ウサギ。」
「あれ?ポストの場所に、いつもあのコがいるんだ。」
「そう。」
「ウサギって、どうして目が赤いんだろう?」
「泣いてばかりいるからかな?」

部屋で悲しそうに泣くオツボネ…。

コガモの家
「あの!」
風呂に入る佐々木に声をかけるドンキ。
「何だ。」
「オツボネ、帰って来ませんでした。」
「だから何だ!居場所の見当はついてる。どうせ母親のとこだろう。」
「ママがいるんですか!?」
「母親でいるより、女でいることのほうが好きな女だ。
 フッ。お前のママと同じだ。」
「そんな…。だったらなおさら、オツボネを迎えに行ってください。」
「チッ。男好きの母親を持つと苦労が絶えないな。」
「オツボネを迎えに行ってください!傷つけられちゃう前に。」
「フッ。あいつが傷つくたまか。ガキのくせに金、金言いやがって。」
「誤解だと思います。」
「誤解?」
「オツボネのお金のこと…。
 私でも、ピア美でもボンビでも、もしかしたらポストでも、オツボネの立場なら…。」
「立場っていうのは何だよ?」
「…目のことです。眼帯の下の…。」
「…チッ。仕方ないだろう!」
「仕方なくないです!…女の子だから。」
「…はぁ〜。」

そこへロッカーがやってきた。
ドンキの肩を叩くと、脱衣所に置いてある佐々木の携帯を手に取り…。
叶の連絡先をドンキに見せ、頷く。

公園で特訓するポストとアズサ。
「今日はこのへんにしようか。」とポスト。
「もう一回。」
「えっ?」
「やぎ座は頑固だから。」
「ママが言うに?」
「フフ。」

「ポスト〜!」ピア美、ボンビ、パチがやってきた。
「何してんだよ。」
「だってパチがポストに会いたいって言うから、電車乗り継いで。」
「だからってわざわざこんな所まで。」
「コガモに居づらいのよ。魔王がイライラしてさ、パチすっかりおびえちゃって。」
「何かあったの?」
「オツボネが勝手にお試しやめたから、怒鳴りつけて追い出しちゃったの。
 昨日は帰って来なかった。」

「キャ〜!」アズサの悲鳴。
パチがカエルのおもちゃをアズサに見せていた。
「あっ。」
「カ…カエル?」
「あっ!」
「あっ!」
アズサが立った!!

コガモの家
「おい!どこ行ったんだ!?おい!チッ。またか。」
「出掛けたみたいですけど。ロッカー。」とドンキ。
「飯の準備もしないでどこ行きやがったんだ。
 お前、俺のケータイどこにあるか知らないか?」
「さぁ。」
「チッ。はぁ〜。」
「108人。」
「…何だよ。」
「この前言ってた、108人って…。」
「お前知らないのか?人間の煩悩の数だ、108ってのは。」
「それが、あの女の人と何か…。」
「あぁ?」
「お弁当屋さんの、女の人と、何か、関係あるんですよね?」
「…俺は…あの女の子供を、殺した。」
「…」
「ハッ!」

スナック
「うん。あの子ね、来たよ。」と篤子。
「やはり…来たということは今は?」と叶。
「ここにはいない。」
「というと?」
「あんたさ、児童相談所の人だったよね?
 偉そうにしてっけど、ちゃんと仕事してくれなきゃ困るよ。
 何であの子が家に戻って来るわけ?」
「それは…。」
「手のかかる食いぶち増やすわけにいかないよ。だから働いてもらう。」
「彼女は未成年です。」
「化粧すりゃごまかせるよ。」
「彼女に何を?」

吉田家
「パパママ、見て?」
アズサはパソコンの前、立ってみせる。
「アズサ!」
「アズサちゃん!」

家政婦の三田村がポストに電話だと呼びに来る。
「もしもし。」
「ポスト。」
「オツボネ!?あんた、出てったってホント?今どこ?」
「私ね、今、ママの所にいるの。」
「…ママ?」
「うん。私、魔王を怒らせちゃって…。」
「それは聞いてる。お試しのことで追い出されたって。」
「追い出されたんじゃない。自分から出て来たの。パワハラっていうか…。
 よく考えたら、よく今まであんな所にいたなぁって。」
「だってそれは…。」
「それでね、ちょっとどうなのかなって思って、ママの所に帰って来たんだけど、
 そしたらママ、すっごく優しく迎えてくれて、
 今までいろいろあったけど…ごめんねって。
 不安だったけど、会いに来てよかった。
 やっぱり一番はホントの親だよ。
 何だかんだお腹痛めて産んでくれたんだから。」
「…」
「ポスト?」
「やめろよ。」
「えっ?」
「他の奴なら、そうよかったねって信じると思う。
 でも私はコガモにいる子がそんなこと言ったら、絶対信じない。
 オツボネだってそうだろ?
 そんな都合良くめでたしめでたしになるんだったら…最初から手放したりしない。」
「そうだよね。ポストにウソついてもバレちゃうか。」
「どこにいるの?オツボネ。」
「…」
彼女はラブホテルの一室にいた。

一方、父と母にパソコン越しに語りかけるアズサ。
「これからは歩けるように練習するつもり。少しずつ、一歩一歩。」
「本当によかった。」と父。
「あなた。」
「そうだな。
 言い出しづらいことがあったんだけど、前向きになってくれた今のアズサなら
 大丈夫だ。」
「えっ?」
「生活のことは心配いらないわ。何ひとつ変わりはないの。」と弓枝。
「アズサ。私達は…離婚することになった。」
「…」

ラブホテル
「何か疲れちゃった。
 いつかは出て行かなくちゃいけない場所にいて…
 また次の居場所を探し続けるのに…とっても疲れて…。」
「みんなそうだよ。オツボネだけじゃない。
 私達は同じだ。
 やめろよ。先輩なんだから、年上なんだから、そんな弱音、聞きたくないよ。」
「ごめん。そうだよね。…年上か。…オツボネだもんね。」
「おねえちゃんだよ。」
「…」
「私達、本当の姉妹みたいじゃないか。
 本当の家族みたい。」
「…」
「ねぇ、おねえちゃん返事してよ!」
「…ありがとうポスト。そんなふうに言ってくれて。
 ホントに…ホントにありがとう。」

部屋のドアノブの音。

「もしもし?オツボネ?オツボネ!?
 ウサタン!!
 もしもし?返事して!おい!」

「…ロッカー…。ロッカー…。」
やってきたのは、ロッカーだった。
オツボネはロッカーの胸で泣き出す。

スナック
「彼女はあなたの指定したホテルで、無事保護しました。」
「あっそ。」
「と同時に、あなたのことは児童虐待で警察に通報します。」
「バカだねぇ。男なんて行かしゃあしないよ。」
「行かせない?」
「ビビらせてやろうと思ったんだよ。
 どうせ途中で逃げ出すと思ってたのに、ホントに行くなんて。バカな子。」
「それほどまでに、居場所がなかったんです。捨てられた子には。」
「捨てたなんて人聞きが悪い。引き裂かれたんだよ。
 もう飲まないでって、お酒を止められてね。
 争ってるうちにビール瓶が割れて…その破片があの子の目に…。
 まっ、連れてってもらって引き裂かれてホッとしてた。
 あの子の目見てると…罪悪感っていうの?それがね…。」
「…」
「何?」
「あなたは、母親になる機会を、2度逸した。
 1度目は、自分の手で、あの子を傷つけてしまった時。
 2度目は今回。
 ごめんなさいと謝って、彼女を抱き締めてあげられなかった。」
「…」
「3度目はありません。」
「…」

コガモの家に帰るポスト。
「晩飯…もうないよなぁ…。」

コガモの家
「フン。どいつもこいつもこんな残しやがって。」
そこへオツボネが帰ってきた。
「飯は?」
「…」

「おぉ、食え。」

「いただきます。」
「うん。」
泣きながらカレーを食べるオツボネ。
「うまいか?」
「味分かんない…。」
「チッ。はぁ…。」

コガモの家の前
「手伝わせちゃったわね。…これはお礼。」
叶がロッカーにキスをする。

「マジで?」
それを見てしまったポストは…。

子供部屋
「気を付けて。」とドンキ。
「んっ?」
「パチが寝てるから。」
パチの寝顔を見つめるポスト。
「随分遅かったね。」
「おかげで変なもの見ちゃったし。」
「えっ?」
「変でもないか。」
「どう?お試し。」
「実の親がいても、寂しいと思う奴はいるんだな。」
「オツボネも、そうだったみたい。」
「うん。…何が幸せなんだか、分からなくなるよ。」
「私…やっぱりもう一度お試しに行こうかな?」
「どうした?急に。」
「何が幸せだか、分からないから。」
「マネすんなよ。」
「フフフ…。」

翌日、ポストを車で送る佐々木。
「うまくやってるようだな。」
「私は食って寝るとこさえあればいい。」
「フッ。ならとっとと契約しろ。お前が行きゃ、あと2人になる。」
「あぁ?」
「こっちの話だ。」

吉田家の前に救急車が停まっていた。
「何があった?」

運ばれていくアズサの両膝が血に染まっていた。
「アズサ!」
「ポスト…。」
「何があった!?」
「花瓶…。」
「誰にやられた!?」
「自分で。」
「…どうして!?」
「パパとママ…離婚するの。」

「チッ。」

「歩けるようになっても…意味なんてなかった。」

アズサを乗せ救急車が走りだす。
その後を必死に追うポスト。
「チクショー!チクショー!!…チクショ〜〜〜!!!」


ウサギのぬいぐるみを抱っこしているオツボネ。
彼女の最初のあだ名は、ウサタン。
あれは、母親のプレゼントなのでしょうか?

ウサギの赤い目とオツボネの赤い目。
ウサギの眼が赤いのは泣いてばかりいるから。
オツボネの願いは、赤い目を治すこと。

お金持ちのアズサの願いは、歩けるようになることではなく、
パパとママにそばにいてもらうこと。
立派な家、財力、両親が揃っていて、一見幸せそうに見えるアズサ。
両親の気持ちが自分には向いていないと気付き、歩く意味を、希望を失ってしまった。

子供の幸せってなんだろう。
親がいても、愛情がなければ意味がない。
お金だってある程度必要。
みんな、幸せを見つけられるのかな。


ピア美、蓮君に失恋。
ボンビ、ジョリピ〜に失恋。

佐々木はお弁当屋の女性に恋をしているのでしょうか?
明らかに、ヤキモチを焼いています。
彼女の子供を殺したと言っていたけれど、不注意での事故?
その罪滅ぼしのために、108人の子供を幸せにしようとしている?
もしかしたら元夫?



公式HP


主題歌 - コトリンゴ「誰か私を」(commmons)
B00HS9Z36C誰か私を
コトリンゴ
commmons 2014-03-05

by G-Tools



B00HFA3VNG明日、ママがいない オリジナルサウンドトラック
音楽:羽毛田丈史
バップ 2014-02-26

by G-Tools



気になるセリフ
第1話
「どうした?芸の一つもできないのか?
 そんなことじゃ、もらい手はつかんぞ。
 いいか?ここにいるお前達は、ペットショップの犬と同じだ!
 ペットの幸せは飼い主で決まる。
 飼い主はペットをどうやって決める?
 かわいげで決める。
 時に心を癒やすようにかわいらしく笑い、時に庇護欲をそそるように泣く。
 初対面の大人をにらみ付けるようなペットなんざ、誰ももらっちゃくれない!
 犬だって、お手ぐらいの芸はできる。
 分かったら泣け。」(佐々木)

「いいか?よく聞け。
 お前達は、デカいみそが付いてんだ。
 親から捨てられた子供。それだけで十分、色眼鏡で見られる。
 世間はかわいそうと思ってくれるかもしれない。
 でもそれは、一時的な同情。無関係だから抱ける感傷だ!
 子供をかわいそうと思ってる自分に、酔ってるだけだ!
 みそ付きのお前らが、誰かに手挙げてみろ。
 あっという間に手のひら返しで、これだから親のいない子は!となる。
 そうなったら最後…お前らの人生詰むぞ!
 …先に手出したら負けだ。」(佐々木)

「くだらん理由で逃げ出して、犬のくせに尻尾の振り方も知らない。
 そんな犬は、いつ捨てられても文句は言えない。」(佐々木)

「私は、親が子供を選ぶ現在の制度に疑問を抱いてるだけです。
 子供にも、親を選ぶ権利があるはずです。
 あの子達には、自分だけの帰る場所が必要なんです。」(叶)
「…場所ね。必要なのは人じゃなく、場所か。」(佐々木)
「人に執着するのは…悲劇しか生みませんから。」(叶)

「人間の煩悩は…108つあるらしい。
 あと…何人だ。
 あと何人で108人になる。
 あと何人で俺は自由になれる…。
 そしたら…俺は…。」(佐々木)


キャスト
ポスト(9)(芦田愛菜)
ドンキ / 真希(9)(鈴木梨央)
ピア美(9)(桜田ひより)
ボンビ(9)(渡邉このみ)

オツボネ(17)(大後寿々花)
ロッカー(三浦翔平)

パチ(五十嵐陽向)
ハン(阪本光希)
リュウ(阪本颯希)

笹塚 蓮(藤本哉汰)

涼香(酒井美紀)

東條祐樹(28)(城田優)
東條の妻(Mailys Robin)
レイミ()

謎の女性(40)(鈴木砂羽)

アイスドール/水沢叶(25)(木村文乃)
ドンキと同じ年の頃、「お試し」を経験している。

魔王/佐々木友則(48)(三上博史)

第1話
加藤一郎(店長松本)
加藤久子(池津祥子)
細貝(西村和彦)
細貝晴美(櫻井淳子)

第2話
安田美智子(江口のりこ)
安田裕(長谷川朝晴)
川島(松重豊)
川島美鈴(大塚寧々)

スタッフ
脚本監修: 
 野島伸司
脚本: 
 松田沙也
演出: 
 猪股隆一
 鈴木勇馬
 長沼誠
チーフプロデューサー :
 伊藤響
プロデューサー:
 福井雄太
 難波利昭


芦田愛菜ちゃんの主な出演作品



三上博史さんの主な出演作品





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