2014年02月17日

明日、ママがいない 第5話

『超絶美少女のピアノパパはここにいる…』

ピアノへの情熱を抱き、いつも学校の音楽室でピアノを弾いているピア美(桜田ひより)。
ポスト(芦田愛菜)たちも、よくピア美の練習に付き合わされていた。

音楽室
「女っていつになっても見栄えが気になるもんよね〜。
 ママもそうだったし。」とピア美。
「蒸発したママ?」とポスト。
「そう。パパの会社が倒産したら、あっという間に私とパパを見捨てて出て行ったママ。」
「金の切れ目が縁の切れ目ってやつ?」
「最低の女。…まぁ私にも半分その血が流れてるんだけど。」
「半分最低か。」

音楽室のドアが開く。
「どっち?」女性が尋ねる。
「えっ?」
「ピアノが上手なほうは。」
「顔見れば分かりません?こっちは、和太鼓って感じでしょ?」とピア美。
「おばさん誰?」
「別に誰でもいいでしょ?さっき仕事終わりにピアノの音が聞こえたから。」
「あっ!給食のおばさんだ。」とピア美。
「まぁ、何でもいいから、間近で聴かせてくれる?」
「ギャラは?」とピア美。
「お前 給食のおばさんから金取んのかよ。」とポスト。
「冗談よ。何聴かせてほしい?」
「じゃあ…あなたには難しいかもしれないけど、ドビュッシーの『アラベスク第1番』なんてどう?」
「私のフレーズに難しいなんて文字はない。」
「言うね〜。」とポスト。

ピアノを弾くピア美。

「…で?〜ぶっちゃけうまいの?」とポスト。
「…」

その頃、パチ(五十嵐陽向)は、山口という夫婦の家へ。
尻込みするパチを、山口夫妻は温かく迎える。
しかし、コガモの家に戻ってきたパチは、なぜか元気がない。
ポストは、パチの様子が気にかかる。

コガモの家
「そういえばボンビ!ビッグニュースがあったんだ。」とピア美。
「ビッグニュース?」
「そう。ボンビが前に言ってたでしょ?日本のジョリピのこと。
 実は私、会っちゃったんだ。」
「そうそう。私も会った。」とドンキ。
「何で?」
「そこで、聞いちゃったの。」
「何を?」
「ジョリピ、子持ちししゃもじゃなかったよ!
 あのいつもいる子は姪っ子で、2人の子供じゃないんだって!」
「やるじゃん!…ってことは?」とポスト。
「日本のジョリピの子供になる可能性も、ゼロじゃないってこと!」
「あ〜ん!ジョリピ〜〜!」ピア美、ドンキ、ポストがボンビを真似する。
「だから?」
「だから?って…。あんたの大好きなジョリピの話だよ。もっと喜びなよ。」とピア美。
「ダメダメ。たとえジョリピに子供がいなくても、私達を養子にしてくれる確率なんて
 低いんだから。もっと現実 見ないと。」
「キャラ変?」とポスト。
「さぁ…。」
「大人の階段を上ったのね。」とオツボネ。

そこへ、佐々木がやってきた。
「ハァ…。おいお前!んっ、見てみろ。」
「この人達って…。」とドンキ。
「次にお前が行く家だ。」
「そんな!困ります!一度お断りしたお家です。」
「そんなことは知ってる!だがどうしても、もう一度お前をとあちらさんが言うんだ。」
「私を?」
「フン!とんだ物好きもいたもんだ。…どうすんだ?行くというなら学校にはうまく言っておく。」
「…行きます。」
「あぁ!?」
「行きます!お試し。」
「ならとっとと支度しろ。」

ドンキ(鈴木梨央)は、以前断った川島(松重豊)と美鈴(大塚寧々)夫婦の家へ
再び“お試し”に行くことに。
川島夫妻がもう一度自分を求めてくれていると思い、喜ぶドンキだったが…。

「これで満足か?」佐々木がポストに言う。
「ああ。」
「えっ?何?何?ポストドンキに譲ったってこと?」とピア美。
「別に。ドンキのお古は嫌だっただけ。」
「でもドンキ、ちょっと嬉しそうだったね。」とボンビ。
「…ったく!手間掛けさせやがって。これで決まんなかったらどうするつもりだ。」
「決まるよ。」
「ホントか?」
「さぁ…。」
「チッ。」

川島家の前、車の中
「中に入ったら、まずきちんと頭を下げなさい。」と叶。
「えっ?」とドンキ。
「またお試しさせてくれるかどうかは、先方が決めることよ。」
「えっ?でも、もう一度私をって、言ってくれたんじゃ…。」
「聞いてないの?」
「…」
「川島ご夫妻は、あなたが泣くほど嫌なら無理強いはしないとおっしゃったのよ。
 私は今日、別の子を紹介する予定だった。」
「それって…誰を?」
「…」
「ポスト?」
「…」
「私を選んでくれたわけじゃなかったんですね。」
「相手の気持ちも考えなさい。子供を欲しがる人の気持ちも、デリケートなの。」
「それは…。」

パチを保育園に送るポストたち。
「じゃあね、パチ。」
「…」

「何かパチ、元気なくない?」とポスト。
「そう?」とピア美。
「またお試し先で何かあったかな。」
「親猫は心配が絶えないわね。」
「ミャ〜オ。」
「何よそれ!アハ!」

川島家
「はい。」美鈴が紅茶を出す。
「…ホントに、すいませんでした!
 あの時は私…どうかしてて。お2人を傷つけるなんて思ってなくて。
 ただ…。」
「…ただ?」と美鈴。
「怖かったんです。
 優しくされて、幸せだなって思って…でもそれが、怖かったんです。
 どうしていいか分からなくて。
 本当に、すいませんでした!
 でも、よかったらまた、一緒にいさせてください!」
頭を下げて必死に謝るドンキ。
「…頭を上げてくれ。」と川島。
「…」
「さぁ座って。」
「はい。」
「実は、美鈴のほうは君をどうしてもと言っていたんだ。
 なのに僕があんなふうに伝えてしまった。
 もう、諦めようなんて。
 僕らも、君達子供の目から見て…
 親にはなれないと思われたかと…寂しくなってしまって。」
「でも、そういうふうに言ってくれて、本当に嬉しい。
 だから言ったでしょ?」美鈴が笑う。
「分かったよ。俺が悪かった。」笑い合う夫妻。
「あの…もう1つだけお願いしてもいいですか?」とドンキ。
「何?」と美鈴。
「できるだけ、普通にしてほしいんです。」
「普通?」
「家族って…いいところだけじゃないと思うんです。
 きっと、嫌なことも、面倒くさいこともいっぱいあって、
 そういうところも、家族なのかなって思って。」
「…分かった。そうよね。
 私達も、どうしても気に入ってほしいって、焦っちゃってたのかもしれない。」と美鈴。
「そうだな。」
「私も普通にします。だから、お2人も。」
「あ〜!じゃあ後で、ごはんの準備 手伝ってくれる?」
「はい!」

その頃、ピア美は音楽の教師から、日本で一番有名なピアノコンクールの予選に
出場しないかと誘われる。
ピア美に演奏を聞かせてほしいと頼んだ女性は、音楽大学の教授・みどり(高橋ひとみ)だった。
そのコンクールの審査員を務めるみどりがピア美のピアノを気に入り、
コンクールに推薦してくれるのだという。
二人が給食のおばさんと思った女性は、音楽大学の教授だったのだ。

コガモの家
「ありがとう。」ドンキがポストに礼を言う。
「何が?」
「もう一度私に。」
「えっ?バレてんの?」

「ねぇ、ポスト!付き合って!」とピア美。
「何を?」
「いいから!」

全国大会に出場できる上位入賞を目標に、コンクールに向けて張り切るピア美。
彼女は毎晩、学校の音楽室に忍び込んで練習に励み、ポストも付き合わされる。

音楽室の前で見張りをするポスト。
「…でも、友達が頑張ってるっていいな。」

コガモの家
ポストの変わりにパチを寝かしつけるドンキ。
「…あれ?そういえばパチ、シャンプーは?」
ドンキの言葉にパチはにっこり笑うと、持っていた黄色い鳥のあめ細工を見せる。
「パチ…。」

東條家を覗きこんでいたボンビは、レイカに見つかってしまう。
「何してるの?」
「うわ…」焦るボンビ。
「何してるの?」
「えっ?あぁ…何か、いい匂いしてるな〜って。」
「一緒に食べて行く?」
「いや…ごはん残すと、怒られるから。」
「ふ〜ん。でも、おじさまとおばさま、喜ぶと思うな。」
「喜ぶ?」
「おじさまとおばさまのお家、ずっと赤ちゃんができないんだ。
 マリアおばさまの国ではね、子供が赤ちゃんを呼んで来るって信じられているの。」
「ふ〜ん。」
「そうだ!次の日曜日、私の代わりに、ここに来てくれない?」
「えっ!?」
「その日、ピアノのコンクールで行けないの。」
「でも…無理だよそんなの。」
「お願い!」
「ごめん!帰る。」
「えっ?」
「本当に…無理だから〜!!」

コガモの家
ロッカーと一緒に誕生日ケーキを作るポスト。

この日パチはまたお試しに出かけていく。
シャンプーのボトルは置いていった。

叶の住むマンション
「普通ならファッションリングとかつけて渡すもんだけど。
 ロッカー、貯金なんてないでしょ?」とポスト。
「…」
「でも大丈夫!ロッカーのケーキなら甘くてとろけるから!」

マンションの前でタクシーが停まる。
「今日は本当にありがとう。」
降りてきたのは、叶。車の中には男性がいた。

あなた達ここで何してるの?」と叶。
「知り合い?」タクシーから岩本(川村陽介)が降りてくる。
「コガモの家の児童です。」
「あぁ。…彼は?」
「彼もそうです。高校卒業後、職員として働いてます。」
「あぁ…そっか。」
「あの…。」とポスト。
「紹介するわね。こちらは…岩本さん。」
「彼氏…ですか?」
「ああ。さっき指輪を渡したんだ。」
「指輪!?」
「それは…。」
「まだ返事はもらってないけど。」
「…あの、いつもお世話になってる叶さんが、誕生日だって聞いてケーキを持って来たんです。
 これ、コガモの家のみんなからプレゼントです!
 行こう!ロッカー!」
ポストはロッカーが持っていたケーキの箱を叶に渡すと、
ロッカーの手を引き走り去る。

「…ごめん。気を利かせたつもりだったのに…
 まさかアイスドールに彼氏がいたなんて寒い展開…。」
「…」
ポストの脱げた靴を履かせるロッカー。
「ロッカー…。
 私が大人になるまで…待てる?」
その言葉にロッカーは微笑み…。

山口と一緒にあめを作るパチ。
「これ、幼稚園の子?」
パチが首を横に振る。
「コガモの家の子?」
「うん!」
「この子のこと好き?」
「うん!!」
「よし。じゃ、ハートを付けよう。ちょっと待っててね。」

お風呂に入りながら、シャンプーボトルを見つめるパチ。
そこへ潤子がやってきた。
「どう?」
「…」
「…無理に、本当のママを忘れなくていいのよ。
 私ができるだけあなたのママに近づくから。」
「…」
「かわいそうに…。
 始まりは偽者のママでも…いつか私が、あなたの本当のママになれたら…。」
そう言い涙ぐむ潤子。
「かわいそう。」その涙を拭うパチ。
「私も?…フフフ。」
笑い合う二人…。

夜の学校、ピア美とポストは警備員に見つかり急いで逃げ出す。

二人はコガモの家に戻るが、玄関は鍵がかかっていた。
ロッカーを呼ぼうと窓を叩くポスト。
「…私のパパ。」
ピア美が写真を見せる。
「エントリーした人は、ホームページに名前が載るみたい。
 パパ…見に来るかもしれないから。
 一応よ、一応!
 もし来たら、引き留めておいてほしいの。」
「…」

車の音。佐々木が戻ってきた。
「お前ら毎晩どこ行ってやがる?」
「バレてる。」とポスト。
「ピアノのレッスンで、音楽室に。」
「チッ。」佐々木が写真を奪う。
「あの…それ返してもらえませんか?」
写真を破り捨てる佐々木。
「おい!」
「忘れろ!向こうも忘れてる。」
「…」

コンクール当日、控室。
「はぁ…もう、みんな殺気立って嫌になっちゃう。」とピア美。
「お前平気なの?」とポスト。
「何が?あ〜もう、とりあえず顔なら、ぶっちぎりで優勝なのに。」
「ずぶと!」
「金賞か、せめて銀賞。そうじゃなきゃ、全国に行けない。
 何かね、すごい子がいるらしいの。」

そこへ、蓮がやってくる。
「蓮きゅん!」
「バレちゃったか。」
「バレちゃったかって?」
「男子がピアノなんて、恥ずかしくて。
 学校では言ってなかったんだけど…親がスパルタなんだよね。
 今日も伯母さんの推薦で、仕方なく。」
「推薦って…まさか…。」
「五十嵐みどりっていう音大の先生、知ってる?」
「伯母さんなんだ。」とポスト。
「じゃ、噂のすご腕って…。」
「金賞取ったら、少しは見直してもらえるかな?」蓮がポストに言う。
「少しはな。」

「あんたら!絶対取らせないから!」燃えるピア美!

その頃、オツボネは香織のアパートを訪ねていた。
「あら。また来たのね。ウフフ…。」

コンサート会場
ポストは、会場にピア美の父親が来ていないかと探そうと席を立つ。
「おい、どこへ行く?」と佐々木。
「ちっち。」
「…」

ボンビは東條家へ。
「あの〜。」
「あっ、君…レイカのお友達だよね?
 話は聞いてるよ。でも…ごめん。今はゆっくり話してる時間がないんだ。」
車に乗り込む東條。
「どうしたんですか?」助手席に乗り込むボンビ
「マリアが…。あっ、妻が、離婚届を置いて出て行った。」
「え〜!!捜しましょう!一緒に!」
「えっ?」
「早く!」

二人はマリアを発見。
「マリア!どうしてこんなことを?」
マリアはフランス語で何か話す。
「もう、病院には行きたくない。…そうか。不妊治療が、辛かったんだね。
 …僕は、数%でもほんの少しでも可能性があるならと思って。
 でも…君をそんなに追い詰めていたなんて…デリカシーに欠けていた。
 …諦めよう。子供を諦めよう。
 今のまま、僕達は2人で幸せだ。
 君がいればいい。ただ、君さえいてくれたら。」
マリアがボンビに気づく。
「あぁ。この子はレイカのお友達だよ。」
フランス語。
「妻が、君のことかわいらしいねって言ってるよ。」
「…自分の子供じゃなきゃ、ダメですか?」
「えっ?」
「あなた達に子供ができないように、親ができない子もいっぱいいるんです。
 本物のジョリピが、何をしてるか知ってますか?
 2人は、世界の恵まれない子を養子にして、幸せにしています。
 幸せじゃない子なんて、日本にだっていっぱいいるんです。
 パパや、ママに、守ってもらえない子も…。
 捨てられた子だって。
 それでも幸せになりたくて、みんな…みんな…。
 そういう子のことも、知っていてください。」
ボンビはそう言うとその場を去り…。

香織のアパート、一緒に料理をする二人。
「痛〜い!痛〜い。」
玉ねぎに泣くオツボネ。
「フフフ…。」
「あ〜痛いよ〜…。あ〜…。んっ?」
香織はオツボネに菜箸を噛ませる。
「フフ。それで涙が出なくなるわよ。」
「何で?」
「そうすると、唾が出るでしょ?涙になる成分が、唾液になって、泣かなくて済むの。
 ちょっとしたコツよ。」
「あ〜。
 あの…。これからも料理、教えていただけますか?
 コガモの家にも、ロッカーっていう、料理ができる人がいるんですけど…
 他の子に、からかわれちゃうから。」
「料理はいいわよ。作ってる時は何にも考えなくていいから。
 …何にも。
 言ったでしょ赤ちゃんがお腹にいたって。
 主人と2人で、名前も考えて。
 服とか、オムツとか靴下まで…いろいろ赤ちゃんグッズを買っちゃって。
 あの人に…血のつながった家族をつくってあげたかったの。
 孤独で、仕事ひと筋で、周りを信用しない人だったから。
 きっと子供がいれば、人を抱き締めるぬくもりを知ってもらえるって…そう思った。
 …でもね、突然…赤ちゃんが危険な状態になって…
 母体を選ぶか、子供を選ぶか…選択を迫られることになったの。
 私は主人に頼んだ。
 たとえ私はどうなってもいいから、赤ちゃんだけは助けてって
 それだけはお願いって何度も頼んだ。
 …意識を失った時、あぁ、私の人生は、この子の命と引き換えに終わるんだって思って…
 幸せだった。
 でも…彼は…私の命を選んだ。」
「それは…あなたを、助けるためですよね?」
「そうよ。…でも、あの子を殺した。」
「殺したなんて…。きっと、ご主人も、すごく悩んだんだと思います。」
「そう、分かってる。分かってるんだけどどうしようもないの。
 そんなことになって、夫婦はいたわり合って生きて行くこともあるかもしれない。
 でも私には…それができなかった。
 あの人を憎むことしか…私にはできなくて…。
 ひどい言葉を…投げつけたこともあった。」
「ご主人は?」
「ただ…寂しそうに笑っていたわ。
 やがてそれも限界が来て…
 私自身、自己嫌悪に襲われて…
 もう…そばにはいられないほど。
 …あの人を見ると…私の中の…赤ちゃんを思い出して…
 辛くて…。本気で死にたくなっちゃうから。」
泣き出す香織。
「…気の毒です。あなたも…ご主人も。」
オツボネは香織の手を握り、一緒に涙する…。

コンサート会場
「随分と長い、ちっちだったな。」
佐々木は戻ってきたポストのポケットからピア美の父親の写真を見つける。
「あっ。」
「はぁ〜…。チッ。お前はバカか。
 教壇の教師は、後ろで悪さするガキは丸分かりなんだ。
 客席にいれば、ステージに立つガキにも見つかる。」
「それって…。」
「んん。」

ピア美の演奏が始まる。

そんな中、ポストは客席の一番後ろでピア美を見つめる男性に気づく。
それは…ピア美の父親だった。

「パパ。…あんたピア美のパパだろ?」
「ピア美?…君は?」
「預かってたんだ。もしかしたらパパが来るかもしれないって。」
「コガモの家の子か。」
「待ってて。演奏が終わったらピア美をここに連れて来るから。」
「悪いけど会うことできないよ。」
「…どうして?会いたいんでしょ?話したいんでしょ?だからこんな所まで…。」
「…」
「何でだよ?ピア美はあんたのために、あんたと会いたくてこうやってピアノだって。」

「もうよせ!」佐々木がやってきた。
「人がいいのか、能力がないだけか、二代目を継いだ会社が倒産し、女房は蒸発。
 多額の借金を背負って、自己破産。
 その男は、娘どころか、自分が生きてくのも精いっぱいだ。」
「お金の問題じゃない!」とポスト。
「金の問題だ!」
「違う!親子で一緒にいれば…!」
「6畳ひと間に閉じ込めて、生活のために働きに出す。
 それをホントに、あいつが望むと思うか!?」
「望むよ!ピア美はパパと一緒ならどんなことだって。」
「だが親は違う!」
「…」
「娘を、そんな環境に…放り込みたくはない。」

「親から見ても…あの子に才能があることは、小さな時から分かってた。
 あの子は…私に残された最後の宝石なんだ!
 それを…曇らせたくはない。
 せめて…遠くからでいい。あの子の輝きを見つめていたい。
 邪魔を…したくないんだ。」涙ながらにそう語るピア美の父。

「邪魔?」

ピア美の父親は一礼し、会場を後にする。

「ホントにそれでいいの?
 チクショ〜。ホントにそれで…。」

コガモの家
「ピア美すごいじゃん!」
「すご〜い!」
「でも1番じゃないんだね。」とボンビ。
「今日は蓮くんに譲っただけ。」
「ホントに〜?」「ホントに〜?」とボンビ、ドンキ。
「ちょっと!」

「これって?」
「ピア美のパパ。」とポスト。
「ハンサムでしょ?私、パパ似の美人なんだ。」
「自分で言うかね。」
「自分でも言う。」
「でも、何でポストが持ってるの?」とドンキ。
「もしかして、今日の会場に来てないかなって…。」とピア美。
「…いなかったよ。あんたのパパ。」
「よく捜したの?ちゃんと捜したの?」
「捜したよ。っていうか客席にいたらあんただって気付くだろ?」
「そうだよね…。ごめん。でも…何か、近くで守られてる気がしたんだ。」
「…気のせいさ。捜したけどいなかったんだ。」
「そっか…。」

コガモの家の留守電にメッセージが吹き込まれる。
「ケーキ、ありがとう、ロッカー。
 ひと言、あなたに謝りたくて。
 わざわざ、高卒で職員になったなんて言い方をして…。
 …彼エリートで、学歴とかそういうのをよりどころにしているところがあって。
 それで、変にあなたのことを勘繰られたくなくて。
 …彼と結婚したら、この仕事も辞めて…家庭に入ることになると思う。
 彼がそれを望んでるし。
 やっと自分の居場所が持てる。
 ずっとその場所にいられるの。
 きっと、彼に守ってもらえる。
 守る…。
 でも…私は一体…何を守ってもらうんだろう。
 私に守るものなんて…あるのかな?
 ねぇロッカー。私達に守るものは…。」

翌朝
「おはよう!」「おはよう!」

「いただきま〜す。」

「ロッカー、パチの分ないじゃん。」とポスト。
「…」

「あいつの分は…もう必要ない。」と佐々木。
「…!!」

「パチ!パチ!」
ポストが慌てて部屋に行くと、パチは荷造りをしていた。
「パチ、縁組決まったの。あめ細工のお家。お泊まりも済んで…。」とドンキ。
「みんな知ってたのかよ。…私だけ?」
「言えなかったんだよ…。」とピア美。
「ポストが、ショックを受けちゃうと思って。」とボンビ。
「ショック?」
「パチも…。だから…ポストには…。」とドンキ。
「パチ…。」
「無理やりじゃないよ。
 パチが自分で行きたいって…決めたの。」とドンキ。
「祝福、してあげようよ。」とボンビ。
「祝福?」
「こう言っちゃ何だけど、パチはポストのシャンプーボトルじゃないんだから。」とピア美。

泣きながらパチを抱きしめるポスト。
「…いい、パパなの?」
「うん。」泣きながら答えるパチ。
「いい、ママなの?」
「うん。」
「そう…。
 男のくせに泣くなよ。」
いつものようにパチのほっぺを軽くつまむポスト。
パチも同じように泣いているポストのほっぺをつまむ。
「私はいいんだ。女だから。
 …おめでとう。パチ!」
二人はぎゅっと抱きしめ合い…。

子供たちのやりとりを、佐々木は優しいほほ笑みを浮かべて聞いていて…。
佐々木の手には、彼の姿のあめ細工。

「行くわよ。」と叶。
「じゃあね。」「じゃあね。」
「お行きなさい。」とオツボネ。
「バイバイ。」「バイバイ。」「元気でね。」「幸せになってね。」「バイバイ。」

車の中、寂しそうなパチに叶が声をかける。
「窓の外を見て。
 いるわよ。つかの間だったけど、あなたの小さなママが。」
「…ポスト〜!」

ポストとロッカーが立っていた。

「ポスト〜!ポスト〜!」

「これ私かよ?」
ポストの手にはポスト+大きなハートがついたあめ細工。

「ポスト〜〜!ポスト〜〜!」

「似てねえ〜〜〜!!」


ポストとパチのハグと涙につられた〜。パチ、可愛すぎる〜。天使すぎる〜!!
パチが幸せになるためのお別れ…
切なかったけど、二人が最後とびっきりの笑顔だったことに救われました。
でももうパチに会えないことが寂しい。予告に小さな男の子がいたけどパチじゃなかった…。


パチには、あめ工房を営む山口夫妻。
ドンキには、子に恵まれなかった川島夫妻。
ボンビには、東條夫妻。
オツボネには、香織さん。
ピア美には、お父さん。
みんなそれぞれ自分の居場所を見つけたようです。
その幸せがずっと続きますように…。

そして、佐々木には、元妻の香織さん。
叶には…婚約者?じゃなくてロッカー?


安田の妻はパチからシャンプーボトルを無理やり奪おうとした。
山口夫妻はパチが自分から手放すのを待った。
『北風と太陽』みたいだな、と思いました。
ただ安田の妻だって、愛情の示し方が間違っていただけなんですけれどね。
本当は、子供の気持ちが変わるのをじっと待つべきだった。

「家族って…いいところだけじゃないと思うんです。
 きっと、嫌なことも、面倒くさいこともいっぱいあって、
 そういうところも、家族なのかなって思って。」

ドンキが言っていたように、いいところも、悪いところも含めて、
焦らずに、ゆっくりと、時間を掛けて家族になってく。
その時間がとても大切なんだと思いました。


公式HP


主題歌 - コトリンゴ「誰か私を」(commmons)
B00HS9Z36C誰か私を
コトリンゴ
commmons 2014-03-05

by G-Tools



B00HFA3VNG明日、ママがいない オリジナルサウンドトラック
音楽:羽毛田丈史
バップ 2014-02-26

by G-Tools



気になるセリフ
第1話
「どうした?芸の一つもできないのか?
 そんなことじゃ、もらい手はつかんぞ。
 いいか?ここにいるお前達は、ペットショップの犬と同じだ!
 ペットの幸せは飼い主で決まる。
 飼い主はペットをどうやって決める?
 かわいげで決める。
 時に心を癒やすようにかわいらしく笑い、時に庇護欲をそそるように泣く。
 初対面の大人をにらみ付けるようなペットなんざ、誰ももらっちゃくれない!
 犬だって、お手ぐらいの芸はできる。
 分かったら泣け。」(佐々木)

「いいか?よく聞け。
 お前達は、デカいみそが付いてんだ。
 親から捨てられた子供。それだけで十分、色眼鏡で見られる。
 世間はかわいそうと思ってくれるかもしれない。
 でもそれは、一時的な同情。無関係だから抱ける感傷だ!
 子供をかわいそうと思ってる自分に、酔ってるだけだ!
 みそ付きのお前らが、誰かに手挙げてみろ。
 あっという間に手のひら返しで、これだから親のいない子は!となる。
 そうなったら最後…お前らの人生詰むぞ!
 …先に手出したら負けだ。」(佐々木)

「くだらん理由で逃げ出して、犬のくせに尻尾の振り方も知らない。
 そんな犬は、いつ捨てられても文句は言えない。」(佐々木)

「私は、親が子供を選ぶ現在の制度に疑問を抱いてるだけです。
 子供にも、親を選ぶ権利があるはずです。
 あの子達には、自分だけの帰る場所が必要なんです。」(叶)
「…場所ね。必要なのは人じゃなく、場所か。」(佐々木)
「人に執着するのは…悲劇しか生みませんから。」(叶)

「人間の煩悩は…108つあるらしい。
 あと…何人だ。
 あと何人で108人になる。
 あと何人で俺は自由になれる…。
 そしたら…俺は…。」(佐々木)


キャスト
ポスト(9)(芦田愛菜)
ドンキ / 真希(9)(鈴木梨央)
ピア美(9)(桜田ひより)
ボンビ(9)(渡邉このみ)

オツボネ(17)(大後寿々花)
ロッカー(三浦翔平)

パチ(五十嵐陽向)
ハン(阪本光希)
リュウ(阪本颯希)

笹塚 蓮(藤本哉汰)

涼香(酒井美紀)

東條祐樹(28)(城田優)
東條の妻(Mailys Robin)
レイミ()

謎の女性(40)(鈴木砂羽)

アイスドール/水沢叶(25)(木村文乃)
ドンキと同じ年の頃、「お試し」を経験している。

魔王/佐々木友則(48)(三上博史)

第1話
加藤一郎(店長松本)
加藤久子(池津祥子)
細貝(西村和彦)
細貝晴美(櫻井淳子)

第2話
安田美智子(江口のりこ)
安田裕(長谷川朝晴)
川島(松重豊)
川島美鈴(大塚寧々)


第3話
吉田アズサ(優希美青)
吉田弓枝(澤田育子)
吉田正一郎(吉野容臣)
三田村(犬山イヌコ)

オツボネの母親(西尾まり)

第4話
ボンビの伯母(遠山景織子)
酒井祥子(林田麻里)
酒井大輔(杉田吉平)

第5話
山口(松林慎司)
山口潤子(高橋かおり)

岩本(川村陽介)

五十嵐みどり(高橋ひとみ)

ピア美の父(別所哲也)

スタッフ
脚本監修: 
 野島伸司
脚本: 
 松田沙也
演出: 
 猪股隆一
 鈴木勇馬
 長沼誠
チーフプロデューサー :
 伊藤響
プロデューサー:
 福井雄太
 難波利昭


芦田愛菜ちゃんの主な出演作品



三上博史さんの主な出演作品





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