2014年02月24日

明日、ママがいない 第6話

『物言わぬ青年へ。愛と魂の大演説を聞け』

コガモの家
廊下の雑巾がけをするドンキ(鈴木梨央)と、窓を拭くロッカー(三浦翔平)。
ロッカーは掃除用のスプレーで女の子の絵を描く。
「それ、私?」
ロッカーが頷く。
「フフフ…。でも私、こんなにかわいくないかな。
 ねぇ、私のいいところって何だろう?
 ピア美みたいに、スタイルいいわけじゃないし、
 ボンビみたいに、かわいげがあるわけじゃないし、
 ポストみたいに、強くもないし。
 ロッカーは、私達4人だったら誰がいい?」
首を傾げるロッカー。

そんな中、コガモの家に新しい男の子が入ってくる。
それを聞いたポスト(芦田愛菜)は、パチが帰ってきたと思い、その子を後ろから抱きしめる。
「パチ…。仕方ねえ奴だな〜。やっぱりまだ私がいないとダメか。
 でも大丈夫。お前はかわいいから。
 何だかんだお前の笑顔に、私も癒やされ…。」
男の子の顔を見たポスト。
「ない。」
「どうも〜!」と男の子。

「あとはよろしくお願いします。」と叶(木村文乃)。
「茶番か。」と佐々木(三上博史)。
「失礼しま〜す。」

廊下
「ロッカーは、お試しって行ったことある?
 私、やっぱりまだ怖いんだ。
 今のお試し先の人は、すっごくいい人なんだけど、
 でも、どうしたら気に入られるか分からなくて。」
ロッカーが窓ガラスに絵を描く。
「笑ってる?笑えってこと?」

夜、男の子がポストたちの部屋にやってきた。
「ちっち。」
女の子4人はそれぞれのベッドに潜り込み電気を消す。
「おいおい。」


「何で幼稚園の挨拶に私も行かなきゃならないわけ?遅刻しちゃうんだけど。」とポスト。
「このチビがどうしてもとな。学校には俺が送ってやる。」と佐々木。
「だけど…。」
「生存本能か、チビは一番強い奴に守ってもらいたいってことだ。」
「私、こんなにか弱いのに!」
「チッ。」
「チッ。パチ。」男の子が舌打ちを真似して自分をそう呼ぶ。
「いや、全然似てないから。」
「ニッパチ。」
「はぁ?2代目パチって言いたいのか?
 …2代目か。まぁそれならいいけど。
2代目パチは嬉しそうにポストの手を握りしめる。
「あったけ〜。」
「…お前中に中年のおじさんが入ってるだろう。」

音楽室
ピア美(桜田ひより)がピアノの練習をしていると、蓮がやってきた。
「蓮きゅん!」
「朝早くから、熱心だね。」
「先生も?どうしてここに?」
「これから『ティエナ』の全国大会まで、伯母さんに、個人レッスンをしてもらったらどうかと思って。」
「でもそれって…敵に塩を送るっていうか…。」
「僕は、家にピアノがあるしね。ハンディがあるから負けたって思われたくないじゃない。」

「全国大会に、同じ小学校から2人も出場するなんて、学校側も全面協力よ。
 あなた達は期待されてるの。
 芸術の高みは、人を楽しませ賛辞を得ることよ。」とみどり。
「はい。」
「あなたは、これから多くの人に求められる人間になる。
「求められる…。」
「ついて来られるかしら?私のレッスンは厳しいわよ。」
「はい!」

学校帰り、ボンビ(渡邉このみ)は東條家の前をウロウロ。
「君!」
東條がボンビに声をかける。

東條家
「この前はせっかく来てくれたのにろくなおもてなしもできなくて申し訳なかったね。」
「いえ。私こそ…変なこと言っちゃって…。」
「変なことなんかじゃないよ。」
「えっ?」
「コガモの家っていったかな?今度、君の家に行こうと思ってるんだ。」
「え〜!?」
「妻とも話し合ったんだけど、会ってみようと思って。子供達に。
 君の言っていた、幸せを探す子供達に。」
「それってまさか…。」
「えっ?」
「いつですか!?」
「あっ…。」
「何月何日何曜日、何時何分何秒ですか!?」

川島家
排水口の修理をするロッカー。
「わざわざよかったのに。」と川島美鈴(大塚寧々)。
「ああ。その彼だって迷惑じゃなかったのかい?」と川島(松重豊)。
「コガモの家の職員のお兄さんなんです。
 困ってるって言ったら手伝ってくれることになって。」とドンキ。
「そう。」
「すっごく優しいお兄さんで仲良くて、他の子もいるのに私のこと笑顔の似合う
 一番いい子だって言ってくれて。」
「そうなんだね〜。」と川島。
「でもね、本当のこと言うと、助かる。」と美鈴。
「いや〜私もこういうのからっきしでね〜。ハハハ…。」
笑い合う3人を、ロッカーは優しい表情で見守る。

その帰り道
「ありがとうロッカー!わざわざごめんね。
 でも…助かったって感謝してたよね。
 2人とも喜んでたよね。
 そういうのが積み重なって行ったら私は…いらないなんて言われないよね。
 いらないなんて、言えないよね…。」
ロッカーがもめている若い夫婦に気づく。
妻は夫に殴られそうになり、おびえていた。
その様子を見たロッカーは豹変し…男に殴りかかってしまう。
その様子を目の当たりにしたドンキは…。

この時の鈴木梨央ちゃんの表情!
ロッカーの暴力に驚き、そして暴力をふるうロッカーを軽蔑するような表情に
すーっと変わっていくのが素晴らしかった!


警察
「黙秘しています。ロッカーの場合、その表現が当てはまるのか、分かりませんが。」と叶。
「一緒にいたのか?」と佐々木。
「この子もショックを受けてしまったみたいで。まさか彼がこんなこと…。
 何か理由があったんじゃ…。
 いえ、理由なんかどうでもいいわね。暴力は最低。」
「私も、そう思います。」とドンキ。
「…こいつを、送ってやってくれ。」
「分かりました。」

コガモの家
「お腹すいた〜。」「腹へった〜。」
「ロッカーまだ〜?」
「魔王もドンキも帰って来ないし。」

「仕方ないわね!ではここで私が腕をふるって…。」オツボネが立ち上がるが、
「オツボネは、座ってて。」
「私だってね、最近は香織さんに…。」

「ドンキ?」
「どこ行ってたの〜?」
「…」
「何かあった?」とポスト。
「…」
「おい、どうした?」
「ロッカーが…警察に捕まった。」
「…どうして?」とオツボネ。
「殴ったの。…人を…何度も何度も。」
「そんな…誰を?」とポスト。
泣き出すドンキ。
「怖かった…その人死んじゃうんじゃないかって思って…。」

警察署
取調室に入った佐々木は、黙秘するロッカーを見つめて舌打ちをする。

コガモの家、女の子たちの部屋
「何かショック。」とピア美。
「うん。」
「ロッカー、何考えてるか分からないとこもあったけど、
 優しいし暴力とかはしないと思ってたのに。」
「人は見掛けによらない。」とボンビ。
「やめろ。ロッカーのことはお前らもよく知ってるだろ。」とポスト。
「でも…。」
「何か理由があったんだ。」
「相手の人は何もして来てないのに、突然殴りかかったんでしょ?」とピア美。
「うん。何か虫の居所が悪かったのかな。」
「何それ。明らかにロッカーが悪いじゃん。」
「先に手ぇ出すのはダメ。だよね?ポスト。」とボンビ。
「それは…。」
「私達は、色眼鏡で見られやすい。だからイメージが大事なの。
 怖いってレッテルを貼られたらおしまい。誰も味方なんてしてくれない。」とピア美。
「うん。そうだね。」とボンビ。
「迷惑だよ。私はこれから多くの人に求められる人間になるっていうのに。」
「えっ?えっ何て?」
「とにかく、こういうのって一人がやっちゃうと、みんなひとくくりにそういうふうに見られるってこと。
 コガモの子はみんな乱暴じゃないかって。」
「それって、ジョリピにも?」
「嫌な噂は早いよ?あることないこと。」
「マズいよ!よりによってこんな時に…。」

「お前らいいかげんにしろよ!ロッカーはそんな奴じゃない。絶対に。」とポスト。
「知らない顔も…あるんじゃないかな。」とドンキ。
「何だって?」
「普段は表に出ない、残酷な…。」
「聞きたくないよそんなこと。」
「…」

朝、ロッカーが佐々木と一緒に戻ってくる。
「ロッカー。ロッカー!」ポストとオツボネが出迎える。
「心配すんな。何とか示談になりそうだ。」と佐々木。
「はぁ〜良かった。」とオツボネ。
「ロッカー。みんなお腹すかしてるから早く朝飯作ってよ。」とポスト。
「…」

「いってきま〜す。」
子供たちはロッカーを無視し出かけていく。
「お前ら朝飯は?えっちょっと…。おいどうしたんだよ。」
「私達、ロッカーがごはん作るならいらない。」とピア美。
「はぁ?」
「腹へった〜。」と二ッパチ。
「さっきお菓子食べたでしょ?行こ!」とボンビ。

「…あいつらちょっと動揺してるだけで…。」とポスト。
「うん!」とオツボネ。

「チッ。」

夕方、買い物の帰り道。
「夕飯は腕によりをかけよう。
 そしたらあいつらもコロっとだよ。
 コロっとコロッケカラっと空揚げ!
 コロっとコロッケカラっと空揚げ!」
ポストはロッカーを元気づけようと明るく歌う。

コガモの家
「顔色が悪いな。フン。昨日は眠れなかったか?」と佐々木。
「…本当なんですか?ロッカーが…自分から手を出した。」と叶。
「ああ。状況説明を聞く限りではな。」
「…暴力は最低です。でも…それでも、何か、彼がそうしなければならない理由が…
 あると思っていました。彼を信じたかったのに。
 …これじゃあ一緒じゃないですか。」
「よせ!」佐々木はドアの向こうの人の気配に気づき止めようとする。
「夫をその手であやめた、彼の母親と!!」
「黙れ!!」
ドアの向こうにいたボンビが走り去る。
「…すみません。私…。」
「チッ。」

夕飯を食べるポストとオツボネ。
「おいしいよ!ロッカー。」とオツボネ。
「…ったく。仕方ねえな。あいつら、いつまで我慢できるかな?」

ポストはピア美たちに夕食を持っていく。ドアは鍵がかかっていた。
「…寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!ロッカー特製オムライス!
 付け合わせにはコロコロコロッケカラカラ空揚げ!」
「いらないから!」ピア美の声。
「意地張るなって。お腹すいてるだろ?」
「いらない!」
「そんなつれないこと言わないで。ピア美さん。」
「ポストはロッカーの本性を知らないからそんなことできるんだよ」
「本性?」
「ロッカーが、何でコガモの家に預けられたか知ってる?
 今回と一緒!警察沙汰になったんだよ!
「警察沙汰?」
「一緒じゃない。だって…殺人事件だから。」とドンキ。
「殺人?」
「ロッカーのママが…。ロッカーのパパを…。」とピア美。
「フフっ。まさか。」
「…」
「なぁ、ひと口でいいから食ってくれよ良い出来なんだよ。
 これ食ったらさ…。」
「いらないって言ってるでしょ!!」
部屋から出てきたピア美はポストが持つトレーをひっくり返してしまう。

「…いいよ。私が全部食うから。」

ロッカーはガラスクリーナーで窓ガラスに何かを書く。

女の子たちの部屋
「さすがに…やり過ぎたかな?」とピア美。
「食べもの…粗末にしちゃったね。」とボンビ。
「謝りに行く?」とオツボネ。
「行こう行こう!」とボンビ。
「ドンキも行く?」とピア美。
「…」

子供たちが台所へやってくると、ロッカーとポストが窓ガラスの前に立っていた。
そこに書いてある文字は…
『ぼくがころした』

翌朝、静まり返る食卓。
「どうした?お前ら。何で食べない?」と佐々木。
「もう嫌。こんなの耐えられない。」
ピア美が、子供たちが部屋を飛び出す。
「おい!」

車を運転する佐々木。助手席にはポスト。
「もう…10年も前になるか。あいつはコガモの最初の子供だからな。
 最悪の父親だった。
 夜泣きがうるさいと、真夏のコインロッカーに、あいつを置き去りにした。
 半狂乱で捜し出した母親の元に、あいつは戻った。
 父親は、DVや詐欺、恐喝、その他の罪で捕まり、
 その間2人は、つつましく暮らしていた。
 だがある日、そのろくでなしは戻って来た。
 クズの父親は、まるで更生などされていない。
 わが物顔で家に居座り、2人を支配した。暴力で。」
「じゃあ、ホントにロッカーがパパを…。」
「何だと?あいつがそう言ってたのか?」
「…窓にそう書いた。」
「いや、違う。」
「えっ?」
「実際にはその後で、母親が父親のことを…。
 当時の捜査で裏も取れてる。間違いない。」
「だったらロッカーは…。」
「…そうか。あいつそう勘違いして…
 母親が自分の代わりに罪をかぶったと…
 それでそのことを、母親との約束だと思って…。」
「しゃべらなくなった。」

東條家
「いただきま〜す。」とボンビ。
「おいしいかい?」
「はい!」
東條の妻がフランス語で何か話す。
「あっ。コガモの家には、どんな子供がいるのかな?って聞いてるんだよ。」
「はぁ。」
「真剣に考えると、僕達も楽しみではあるんだけど、不安もあるんだ。」
「そんなもんですか。」
フランス語。
「やんちゃでも、無邪気で明るい子はいるかな?って聞いてる。」
「いますいます!思いっ切りいます!」
「そっか!じゃあ、僕の夢もかなうね。息子と一緒にサッカーをするっていう。」
「…息子?」
「うん。僕は長男だから、理想にかなう子供がいたら養子縁組をして、  
 東條の名前を継いでもらいたいんだ。」

佐々木とポストはロッカーの母親に会いに行く。
ロッカーの母親は独房のベッドの上にいた。
「がんがあちこちに転移してるらしい。
 強い麻酔で、痛みを消している。」
「それって…。」
「あいつには伝えてある。」
「違うだろ!他に伝えることがあるじゃないか。」
「…そうだな。」
「このままじゃ誤解したまんまだよ。
 ロッカーは自分がやったって、ずっと誤解したまま生きて行かなくちゃいけないじゃないか!」
「俺が今さら言ったところであいつは…。」
「ねぇ、お願いだよママ。ロッカーのママ!
 あんたの口から言ってやってよ。ロッカーは無実だって言ってよ!」
「よせ!」
「お願い!起きてよ!」
「よせ!」
「お願い!おい!」

スーパーで買い物をするオツボネとドンキ。
「私も手伝うよ。」
「ホント?じゃあね、え〜と、大根を1本、1本お願い。」
「あの人…。」ドンキがお弁当屋の女性に気づく。
「あっ。香織さんだ。」とオツボネ。
「えっ?知り合いなの?」
「うん。香織さん!」

「あら〜!こんにちは。」
「こんにちは。」
「お買い物?」
「これ、作ろうと思うんです…。」

香織のアパート
「よし。たくさん作ったから、帰ったら温め直してね。」
「これ持って帰ったら、みんな私のこと見直すわね。
 香織さんってね、お弁当屋さんで働いてるらしいし、料理も絶品なんだよ。」とオツボネ。
「褒めたって何にも出ないわよ。」
「お弁当屋さん…やっぱり…。」とドンキ。
「でもまさか、こんなふうに、かわいい子達と料理できるなんて想像もしてなかったわ。
 どこかで…遠ざけていたような気がするの。子供を。」
「どうしてですか?」とドンキ。
「…自分の子供を亡くしてしまったから。お腹にいる時に。」
「お腹にいる時?」

ドンキは佐々木の言葉を思い出す。
「俺は…あの女の子供を殺した。」

「無事生まれていたら、あなたくらいだったかしら。
 …男の子だった。」

コガモの家の庭
「調べたわ。あなたの子供の頃の環境。
 ひどい父親。
 慢性的な母へのDV。」叶がロッカーに言う。
「…」
「やっぱり、何も答えてはくれないのね。」
「…」

「DV?…まさか、手を上げたのは…。」と叶。

そこへ一本の電話が入る。
「ロッカー!今すぐ母親の所へ向かって。」
「…」

警察病院に駆けつけるロッカー。
「ロッカー。」病室の前にポストがいた。

「意識が戻った。だが…時間はない。」と佐々木。

「あぁ…。」母親が泣く。
「…」
母親の手を握りしめるロッカー。
「違うのよ…。あなたは…誤解してるの。
 あなたじゃない。
 そうですよね?刑事さん。」

ロッカーの母親を逮捕したのは・・・佐々木だった!

「あなたじゃない。私がこの手で…。」

事実を知ったロッカーは動揺し、病室を飛び出す。

「ロッカー?ロッカー!」とポスト。
「誤解したままのほうが…よかったという話か。」と佐々木。
「どうして?」
「自分をかばって…刑に服した、優しい母親だと思って…。」
「…」

ロッカーが助けた女性を訪ねる叶。
「これは私の想像にすぎません。
 ですが、あなたはあの時、ご主人に手を上げられそうになったのではないですか?」
「…」
「暴力を愛情と混同するのはやめなさい!」
「私…どうすればいいんですか?」
「逃げなさい。」
「えっ?」
「このままでは不幸になる。その子を守りたいのなら。」
「赤ちゃん…。」
「今すぐ。地の果てまで逃げなさい!」

ロッカーは公園のブランコにた。雨が降ってきた。
「ロッカー風邪ひくよ。」とポスト。
「…あぁ…笑ってよ…。笑って…くれよ。」
「…」
「うわぁぁぁぁ!!」
叫び続けるロッカーを、ポストはただ見つめることしか出来ず…。

「許して…神様…。
 ロッカーはまた勘違いしようとしてる。
 ママはその言葉の後、こう呟いたと思わない?
 神様、どうか私の息子をお守りください。
 独りぼっちになってしまう、私の息子をお守りください。
 ねぇロッカー。ママはやっぱりあんたをかばったんだよ。
 自分の人生を投げ捨てて…。
 ロッカー、あんたを自由にするために。」
「…」
「戻ろう、もう一度。」
「…」

佐々木がコガモの家に戻ると、ピア美がロッカーのかばんを渡す。
「何だ?」
「ロッカーの荷物です。」とピア美。
「荷造りして、ここを出て行ってもらいたいんです。」とドンキ。
「何だと!?…それは、お前達全員の考えか?」
「あっ、私は…止めたんですけど…。」とオツボネ。
「はぁ…。全員…枕を取りに行け。」
「えっ?」
「いいから行け!!」

「そこに、輪になって座れ。
 あいつが父親を…というのは…あいつ自身の誤解だ。」
「だったら?」
「母親だ。
 あいつは母親が、自分をかばって捕まった、そう思っていただけだ。」
「そうだったんだ。」とオツボネ。
「でもだから何?ロッカーがこの前暴力をふるったっていうのは事実だし、
 世間からそういう目で見られるかもしれないことは変わりないじゃない。」とピア美。
「私もそう思う。」とボンビ。
「あぁ…。持ってる枕を…その胸に抱きなさい。」

警察病院、亡くなった母親に語りかけるロッカー。
「お母さん…。ごめんね…。ありがとう…。」
ロッカーは母親の手を握りしめ…。

コガモの家
「お前達は、何に怯えている。
 お前達は、世間から白い目で見られたくない、そういうふうに怯えているのか?
 だからそうなる原因になるかもしれないあいつを排除する。そういうことなんだな?
 だがそれは、表面的な考え方じゃないのか?
 もう一度、この状況を胸に入れて、考えることをしなさい。
 お前達自身が知るあいつは、本当にそうなのか?
 乱暴者で、ひどい人間か?
 そんなふうにお前達は、あいつから一度でもそういう行為や圧力を受けたことがあんのか?」
子供たちが首を横に振る。
「ならばなぜかばおうとしない!
 世の中がそういう目で見るならば、世の中に向けて、あいつはそんな人間じゃないって、
 なぜ闘おうとしない!?
 あなた達はあの人のことを知らないんだって、一人一人目を見て伝えようと、
 そう闘おうと、なぜ思わない!
 臭い物にふたをして、自分とは関係ない。それで終わらせるつもりか?
 …大人なら分かる。
 大人の中には、価値観が固定され、自分が受け入れられないものを全て否定し、
 自分が正しいと、声を荒げて攻撃して来る者もいる。
 それは…胸に、クッションを持たないからだ。
 分かるか?そんな大人になったらおしまいだぞ。
 話し合いすらできないモンスターになる。
 だがお前達は子供だ。まだ間に合うんだ。
 一度心に受け止めるクッションを、情緒を持ちなさい。
 この世界には、残念だが、目を背けたくなるようなひどい事件や、
 つらい出来事が実際に起こる。
 だがそれを、自分とは関係ない、かかわりたくないと、シャッターを閉めてはいけない。
 歯を食いしばって、一度心に受け止め、何がひどいのか、何が悲しいのか、
 なぜこんなことになってしまうのか、そう考えることが必要なんだ。
 お前達はかわいそうか?本当にそうか?
 両親がいても、毎日のように言い争いをしてる、その氷のような世界にいる子供達はどうだ?
 両親がそろってるくせにと、冷たく突き放すのか?
 もっとつらい子もたくさんいる。
 誰かに話したくても、言えない子だっている。
 それでもお前達は、世界で自分が一番かわいそうだと思いたいのか?」
「違う…。違うよ。」とオツボネ。
「そうだ。違うだろ?うんざりだろ?
 上から目線で、かわいそうだなんて思われることに。
 何が分かるってんだ。冗談じゃない!
 かわいそうだと思う奴こそがかわいそうなんだ。
 つまらん偽善者になるな。
 つまらん大人になるな。
 つまらん人間になるな。
 お前達が、つらい境遇にあるというのなら、その分、ひとの痛みが分かるんじゃないのか?
 寂しい時、そばに寄り添ってほしい。
 自分がそうしてほしいことをなぜしようとしない!」

警察病院
「ずっと彼のそばにいたの?」と叶。
「ああ。」とポスト。
「どうして彼を信じたの?一度も疑わずに。」
「だって、ロッカーはロッカーだから。」
「…」

コガモの家
「お前達が心にクッションを持てないというのなら、これから、たとえどんな条件のいい
 里親が現れても、実の親がもう一度迎えに来たとしても、俺はこの家からお前達を出さんぞ!
 絶対に出さん!
 …はぁ。
 これはあいつのノートだ。お前達一人一人のことが書いてある。
 アレルギーのこと、
 何が好物で、何が嫌いか。
 大切にしているものは何か。
 誕生日はいつか。
 そして、どんな子供か。
 一人一人手に取って。それを読みなさい。
 それでもあいつを追い出したいと思うなら。それで構わない。
 あいつは黙って…出てくだろう。
 はぁ…。
 いいか。最後もう一度言うぞ。
 一度、心に受け止めるクッションを、その胸に持ちなさい。
 世界に存在する、あらゆる汚れや、醜さから目を背けず、一度受け止めてみなさい。
 それができる人間は、一方で、この世界の美しさ、いとおしさを知ることができるだろう。
 お前達は傷つけられたんじゃない。
 磨かれたんだ。」
佐々木が去ると、子供たちは泣きながらロッカーのノートを読み…。

母親を見送るロッカー。
ポストは涙するロッカーと手をつなぐ。
そして叶も、ロッカーの手を握りしめ…。

叶の車で戻ってきたロッカーを子供たちが出迎える。
「ロッカー…ごめんなさい。」とピア美。
「ごめんなさい。」と子供たち。
ロッカーはピア美の頭を優しくポンポンと撫で、クビを横に振る。
「ロッカー…。ごめんなさい!」
「ごめんなさい!」
ロッカーの穏やかな笑顔。

ポストは意味ありげに佐々木を見つめる。それに気づき舌打ちする佐々木。

「ドンキ…?」
ポストは部屋の中からロッカーたちを見つめるドンキに気づき…。



母を助けようと父親を階段から突き落としてしまったロッカー。
「逃げて。あなたは、何も言わなくていい。」
でも父親は生きていて、母親は子供を守ろうと包丁で刺し…
「許して…神様。」と泣き崩れる。

ロッカーはその真実を知らぬまま、母親は自分を庇って逮捕されたと思い、
母親の言いつけ通り何も言わず、しゃべることをやめてしまっていたんだ…。

真実を聞いた時、ロッカーが何であんなに動揺したんだろう。
「許して…神様」をどう誤解したんだかよくわからなかったです。

佐々木は元刑事さんだったんですね〜。そして、ロッカーの母親を逮捕していた。

佐々木@金八先生の言葉が胸に響きました。三上博史さん、さすが!
「一度、心に受け止めるクッションを、その胸に持ちなさい。
 世界に存在する、あらゆる汚れや、醜さから目を背けず、一度受け止めてみなさい。
 それができる人間は、一方で、この世界の美しさ、いとおしさを知ることができるだろう。
 お前達は傷つけられたんじゃない。
 磨かれたんだ。」

オープニングの子供が母親の手を握りしめるシーン。
ロッカーはその手を見つけました。もしかしたら二ッパチも?

ドンキだけがロッカーを、暴力を許せていないようで心配。それとも佐々木に対して?



公式HP


主題歌 - コトリンゴ「誰か私を」(commmons)
B00HS9Z36C誰か私を
コトリンゴ
commmons 2014-03-05

by G-Tools



B00HFA3VNG明日、ママがいない オリジナルサウンドトラック
音楽:羽毛田丈史
バップ 2014-02-26

by G-Tools



気になるセリフ
第1話
「どうした?芸の一つもできないのか?
 そんなことじゃ、もらい手はつかんぞ。
 いいか?ここにいるお前達は、ペットショップの犬と同じだ!
 ペットの幸せは飼い主で決まる。
 飼い主はペットをどうやって決める?
 かわいげで決める。
 時に心を癒やすようにかわいらしく笑い、時に庇護欲をそそるように泣く。
 初対面の大人をにらみ付けるようなペットなんざ、誰ももらっちゃくれない!
 犬だって、お手ぐらいの芸はできる。
 分かったら泣け。」(佐々木)

「いいか?よく聞け。
 お前達は、デカいみそが付いてんだ。
 親から捨てられた子供。それだけで十分、色眼鏡で見られる。
 世間はかわいそうと思ってくれるかもしれない。
 でもそれは、一時的な同情。無関係だから抱ける感傷だ!
 子供をかわいそうと思ってる自分に、酔ってるだけだ!
 みそ付きのお前らが、誰かに手挙げてみろ。
 あっという間に手のひら返しで、これだから親のいない子は!となる。
 そうなったら最後…お前らの人生詰むぞ!
 …先に手出したら負けだ。」(佐々木)

「くだらん理由で逃げ出して、犬のくせに尻尾の振り方も知らない。
 そんな犬は、いつ捨てられても文句は言えない。」(佐々木)

「私は、親が子供を選ぶ現在の制度に疑問を抱いてるだけです。
 子供にも、親を選ぶ権利があるはずです。
 あの子達には、自分だけの帰る場所が必要なんです。」(叶)
「…場所ね。必要なのは人じゃなく、場所か。」(佐々木)
「人に執着するのは…悲劇しか生みませんから。」(叶)

「人間の煩悩は…108つあるらしい。
 あと…何人だ。
 あと何人で108人になる。
 あと何人で俺は自由になれる…。
 そしたら…俺は…。」(佐々木)


キャスト
ポスト(9)(芦田愛菜)
ドンキ / 真希(9)(鈴木梨央)
ピア美(9)(桜田ひより)
ボンビ(9)(渡邉このみ)

オツボネ(17)(大後寿々花)
ロッカー(三浦翔平)

パチ(五十嵐陽向)
ハン(阪本光希)
リュウ(阪本颯希)

笹塚 蓮(藤本哉汰)

涼香(酒井美紀)

東條祐樹(28)(城田優)
東條の妻(Mailys Robin)
レイミ()

謎の女性(40)(鈴木砂羽)

アイスドール/水沢叶(25)(木村文乃)
ドンキと同じ年の頃、「お試し」を経験している。

魔王/佐々木友則(48)(三上博史)

第1話
加藤一郎(店長松本)
加藤久子(池津祥子)
細貝(西村和彦)
細貝晴美(櫻井淳子)

第2話
安田美智子(江口のりこ)
安田裕(長谷川朝晴)
川島(松重豊)
川島美鈴(大塚寧々)


第3話
吉田アズサ(優希美青)
吉田弓枝(澤田育子)
吉田正一郎(吉野容臣)
三田村(犬山イヌコ)

オツボネの母親(西尾まり)

第4話
ボンビの伯母(遠山景織子)
酒井祥子(林田麻里)
酒井大輔(杉田吉平)

第5話
山口(松林慎司)
山口潤子(高橋かおり)

岩本(川村陽介)

五十嵐みどり(高橋ひとみ)

ピア美の父(別所哲也)

スタッフ
脚本監修: 
 野島伸司
脚本: 
 松田沙也
演出: 
 猪股隆一
 鈴木勇馬
 長沼誠
チーフプロデューサー :
 伊藤響
プロデューサー:
 福井雄太
 難波利昭


芦田愛菜ちゃんの主な出演作品



三上博史さんの主な出演作品





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