2014年03月03日

明日、ママがいない 第7話

『私のママでいい?』

ポスト(芦田愛菜)たちの担任教師が産休に入ることになり、新しい担任・
朝倉(吉沢悠)がやってきた。
「何か素敵じゃない?今度の先生。大人の魅力っていうか。」とピア美。
「ピア美は蓮くんじゃなかったの?」とボンビ。
「別腹でしょ。好きな人は1人じゃなきゃいけないの?そんなに息苦しい世の中なの?」
「でも先生指輪してるよ?結婚してるんじゃない?」とドンキ。
「あんた目ざといわね。」

公園のトイレ
「早くしろ!置いてくぞ!」とポスト。
おならの音。
「まだうんち出る〜。」とニッパチ。
「完全遅刻だよ…。」
オナラの音が続く。
ポストが上から覗いてみると…ニッパチ、オナラの音の真似をしていただけだった。
「まだうんち出る〜。」
「おい!お前幼稚園に行きたくないだけだろ。」
プ〜ッ。おならを真似た音。

授業中そっとクラスに潜り込むポストだったが、朝倉先生に見つかってしまう。
「君?」
「…すいません。ってあれ?」
「新しい担任の先生だよ。」
「そう。」
「遅刻かな? じゃあ、そのまま自己紹介してもらおうか。」
「ああ。」
「じゃあ、まずは名前から。」
「名前…?」
「実は、最近読めない名前が多くてね。
 間違えると親御さんに失礼だから、先に言ってもらったほうがありがたいんだ。」
「あっ…私の…名前は…。」
「ん?どうかした?」
「自分で言うのは照れるよね。DQNだし。」とピア美。
「でもかわいいのに。」とドンキ。
「僕も似合ってると思うけどな。」と蓮。
「う、うん。…私の名前は…」

帰り道
「やっぱりニッパチのせいで朝遅刻したんだ。」とピア美。
「人見知りっていうの?幼稚園行ったことないって言ってたから。」とポスト。
「そっか。不安だったんだね。」とドンキ。
「うん…。あれ?」

幼稚園、ニッパチは既にたくさんの友達に囲まれていた。

「カッコいい〜!」「すご〜い!」

「人見知りで不安って…。」
「全然平気そう!」

「あっ!」ニッパチがみんなに気づく。
「先生キレイ!チューしたい!」
「はぁ?」
「チューしたいチューしたいチューしたいチューしたい…!」
「キャ〜!」4人が逃げ出す。

コガモの家に、東條(城田優)夫妻が訪れる。

子供たちの部屋、鏡を手に取るピア美。
「何でお前が鏡見てるわけ?」
「だってボンビがジョリピが来たって。」
「はぁ?」
「ここにおいては自由競争でしょ?ねぇドンキ。そう思わない?」
「…まぁ、それはそうかもしれないけど…。」
「けどじゃなくて、行くわよ!ほら!」
「えっ?何で私?」
「引き立て役よ!何度言ったら分かるの?」
「ちょっとちょっ…。」

「あいつの幸せになりたいって貪欲さは、勉強になるな、ボンビ。」とポスト。
「…」
「どうした?心配すんなって。
 ピア美は指名されたいってだけで、さすがにジョリピのことは譲るよ。
 でも、願えばいつか夢が叶うって、ホントなんだな。
 行こう。引き立て役になってやるよ。
 こんな顔でもすればいいか?」
「…」

美しく裕福な東條夫妻に自分を選んでもらおうと張り切るコガモの家の子供たち。
しかし、東條夫妻が引き取りたいのは男の子だと知っているボンビ(渡邉このみ)は、沈んでいた。

子供たちと面会した東條夫妻だったが、子供を引き取る決断には至らず…。

東條夫妻を見送る佐々木。
「お眼鏡にかなう子はいなかったようですね。」
「あぁいえ。決してそういうわけでは。
 私達は、自分の子供を諦めたばかりなもので…。
 そういう意味で、逆に、親がいない子供達に、その寂しさに思いをはせてしまったわけで。」
「分かりやすく言うと、よほどこの子しかないと思わなければ、まだその気にはなれないと。」
「ホームへの援助はお約束します。後ほど手続きを。」
「その件については感謝します。」
「いえ。それでは。」

東條夫婦が帰ろうとしたそのとき、一人の少年が現れる。
「おじさん!サッカーできる?」
「施設長、あの子は?」
「…」
「こんにちは!」
「こんにちは。サッカー好きなの?」
「はい!」
「今何歳?」
「9歳です。」
それは、髪を切って男の子の変装をしたボンビだった。

そんな中、ロッカー(三浦翔平)とスーパーに行ったポストは、買い物をする朝倉と出会う。
「あれ?先生!」
「あっ…君は…。」
「あぁ!いい。名前は呼ばないで。」
「お兄さん?」
「ホームの職員のロッカー。
 新しくうちらの担任になった、朝倉先生。」
「ロッカー…?」
ロッカーが会釈する。
「買い物は先生がするんだ?」
「妻はちょっとね。今は僕が家事担当なんだ。」
「奥さんは育児担当?大変だね。最近の男は家庭でも仕事振られて。」
「うちには、子供はいないよ。」
「じゃあ、奥さんがキャリアで給料格差あるとか?」
「いや…実はここのところ、妻の体調が芳しくなくてね。
 だから家にはまだ、梱包を解いてない引っ越しの段ボールが増えちゃって。」
「なら、私らが手伝いにでも行ってあげようか。」
「そんなこと頼めないよ。」
「別にバイト代出せとか言わないよ。」
「…そうだなぁ。でも、子供がいて賑やかになると、妻も元気になるかもしれない。」
「私ら暇だからいつでも呼んでよ。」
「ありがとう。」

スーパーの帰り道。
「ロッカー、もう喋れるんだからはじめましてぐらい言いなよ。」
「…」
「…ったく。あっ!ヤベっ。」
踏切内、落としたリンゴを拾うポスト。

朝倉家
「ただいま。起きて来て、大丈夫なのかい?」
「夢を…見たの。」と妻・瞳。
「夢?」
「あの子が帰って来る。」

ドンキ(鈴木梨央)は、オツボネ(大後寿々花)とともに香織(鈴木砂羽)に会いに行く。
「それで、話ってなぁに?」と香織。
「旦那さんとのことです。私達知ってるんです。」とドンキ。
「どういうこと?」
「コガモの家の施設長が、香織さんの、旦那さんなんじゃないかってこの子が…。」
「あっ…。ハハっ知ってるってそういうこと?ハハハハ…。
 あなたが、どうしてそんな勘違いしたのか分からないけど…。」
「勘違いじゃありません。」
「あの人は、警察官なのよ。」
「警察官?」
「警察庁のエリートだった。今頃はもっと出世して…。」
「ハハっ…もうほら言ったじゃん。魔王どっちかっていったら捕まる側でしょ?」
「あぁ、そろそろ時間なの。ごめんね。」
「車!」とドンキ。
「えっ?」
「気付いてませんか?お弁当屋さんの近くによく止まってる車。」
「…」

男の子のふりをしたボンビは東條家に通い、東條夫妻と楽しく過ごすようになる。
「おじさん、おばさん、今日はありがとう。」
「こちらこそ、どうもありがとう。とっても楽しかったよ。」
妻・マリアのフランス語。
「電子辞書だって。マリアも君と、もっといろいろ話がしたいみたい。」
「私…あっ、おいらもそう思ってた!」
「あっ、それから、悪いんだけどバンビちゃん呼んで来てもらってもいいかな?」
「バンビ…?あっ!ボンビ!」
「あの子のおかげで、君と出会えたんだ。ぜひお礼が言いたいんだけど。」
「えっ?それは…その…。」
「ん?」
「連れて来ます!大至急!」

ドタバタと廊下を走るボンビ。

「あ!?」と佐々木。

ボンビ、ポストとピア美に手伝ってもらい、急いで女の子に変身!
短く切った髪は帽子で隠した。

ドタバタドタバタ…。

「何だ!?」と佐々木。

「ハァハァ…。おまっ、お待たせしました。」
「どうしたの?風邪かい?」
「おいら…いえ、私にお構いなく。何か用ですか?」
「どうしてもお礼がしたくてね。この帽子を、君に。」
「これは…。」
「あっ。それと、言い忘れちゃったことがあるから、
 彼もう一回呼んで来てもらってもいいかな?」
「え〜!?」

ドタバタドタバタ…。

「何なんだ!?」と佐々木。

ドタバタドタバタ。

「何なんだ!!」

子供たちの部屋
「あ〜もう…世話焼けるんだから。」とピア美。
「まっ。乗りかかった船だから。」とポスト。
「…っていうか、女子だっていいじゃん。
 男子なんて、力仕事しかできないし、メンタル弱いしいいとこないって。
 …蓮きゅん抜かして。」
「あのなぁ…。」
「こんなことして、後で悲しくなるだけじゃないかな?いつかバレちゃうんだし…。」
「そんなことボンビだって分かってるよ。
 それでも一日でも長く、ジョリピのそばにいたいんだろ。」
「期間限定か…何か切ないね。」
「ああ…。」

ジョリピからもらった帽子をかぶり、ジョリピからもらった電子辞書で
一生懸命フランス語を学ぶボンビ…。

そんなボンビの様子に佐々木は舌打ちする。

朝倉家
「僕らの娘は…もういないんだよ。
 もう死んだ。死んだんだよ。」
朝倉の言葉に瞳は頭を抱えて苦しみ…。

コガモの家
風呂にはいる佐々木。脱衣所の人影に気づく。
「おい!俺のシャンプー切れてるぞ。
 買っといてくれ。ママのにおいがするやつな。」

脱衣所にいたドンキは佐々木の携帯を盗み見…。
調べたのは叶の電話番号…。

いつものように弁当屋の前に車を停める佐々木。
そこへ叶がやってきた。
「勝手なことをされては困ります。」
「何の話だ?」
「東條さんという方の件です。縁組候補と引き合わせる場合、必ず私を通していただかないと。」
「あいつの個人的な知り合いだ。」
「何かあった時、対応できないようでは困ると言っているんです。」
「…誰から聞いた?」
「関係ありません。」
「まぁ、見当はつくがな。
 こいつ(ロッカー)の事件の時、現場を見ていたにもかかわらず、
 肝心なことを言わなかった奴がいる。そいつだろ?
 こいつが男を殴ったのは、妊娠してる女を守ったからだ。
 あいつはなぜ、そのことを誰にも言わなかった?」
「ショックを受けて、覚えていなかっただけかも。」
「本当にそう思うか?」
「わざと、言わなかったと?」
「わざとじゃない。あえてだ。その違いが分かるか?」
「…自尊感情が欠落している…。
 親に愛されなかった子供の中には、自分が大切な存在だと、
 思いにくくなってしまうことも。」
「シーソーだ。
 他人を悪く思わせ、自己の評価を上げようとする。
 実際そこまで落ちてしまうのは、本人だということに気付いていない。
 世の中にはそんな腐った大人が溢れてる。」
「あの子が、コガモに来た時からですか?」
「分からん。」
「専門家にカウンセリングを。」
「闇だ…心の。」

香織は彼女が働く弁当屋の前に止まっている車に気付く。
そして、車の中にいた佐々木を見つけ…。

一方、ポストは、妻の面倒を見ている朝倉を手伝うため、ピア美(桜田ひより)を連れて
朝倉の家へ行く。
「何これ!全然片付いてない。」とピア美。
「申し訳ない。前にも言った通り、妻が体調を崩してしまって。
 僕も仕事があるから、部屋の片付けまで手が回んなくて。もう恥ずかしいよ。」
「奥さん何の病気なんですか?」
「近所付き合いでね。前のマンションは、うるさい人が多かったんだ。」
「いるいる!音がうるさいとか!自分のこと棚に上げて。」
「でも、引っ越しして、環境が変わったらだいぶ良くなったんだ。
 今日だってほら、君達が遊びに来てくれたし。」
「任せてください!盛り上げま〜す!」
「で、奥さんは?」とポスト。
「さっきまでいたんだけど、散歩にでも出掛けたかな?
 すぐに帰って来るよ。
 そうだ。ピザでも取ろっか?確かここにお客様用のカップが…。あれ?」
「…お茶待ってるより、片付け手伝ったほうが早そう。」
「あっでも…。」
「私らホームじゃ普通にやってるし。」とピア美。
「あんたやってた?」
「やってるじゃん!」
「あぁ!?」
「やる!?」
ふたりともファイティングポーズ!
「あ〜!じゃあ…お願いしようかな。」
「は〜い!」
「よし。」

部屋の片づけを始めたポストは、子供部屋で眠っている朝倉の妻・瞳(安達祐実)を見かける。

「愛?」
目を覚ました瞳はポストに、亡くなったはずの娘の名前を呼びかけて…

「は〜い、お待たせ!冷蔵庫開けたらろくなものがないんだもの。
 せっかく来てもらったのにごめんなさいね。」明るくもてなす瞳。
「あっいえ。」とピア美。
「あっそうだ!サラダ作っちゃおうかな。ねぇねぇ、座ってて。
 ねぇ愛、ちょっと手伝ってくれない?」
瞳は夫を座らせ、ポストに呼びかける。
「…」
「愛。そこのジュースとコップお願いね。」
「…はい。」
「どうしたの?そのお行儀のいい返事。」
「あぁ…。」
「急にお友達連れて来たから、ママびっくりしちゃった。
 新しい学校でももうお友達ができたのね。」
「あ、ここは僕が。」
「どうしたの?あなたまで。」
「いいから、座ってて。」

「君達のおかげで、すっかり片付いたよありがとう。」
「いえ。」
「瞳も、久々に起き上がったから疲れただろ?今日は薬を飲んで休んだらどうだ?」
「私は大丈夫。」
「無理しないで。お願いだ。」
「フフっ。」

川島家の前
「少し待っていて。川島さんに話があるから。」と叶。
「はい。…あの!…何のお話を…。」とドンキ。
「こちらの事務上のことよ。」
「…」

川島家
「最近、彼女に何か変わった様子はありませんでしたか?」
「あっいえ…普段通り明るくていい子でしたけど。」と川島。
「何か、問題でも?」と美鈴。
「実は…彼女には心理カウンセリングを検討しています。
 しばらくこちらで様子を見させていただければと。
 お2人にご迷惑は掛けられませんので。」
「…実の親御さんのことですか?」と美鈴。
「それを専門家に。」
「そうですか…そういうことでしたら…。」と川島。
「…このまま、あの子と過ごさせてもらうことはできないでしょうか?」
「美鈴…。」
「このまんま、あの子と過ごしたいんです。」
「ですが川島さん…。」
「私は…子宮を患ってしまって、もう自分の子供は産めません。
 随分と、落ち込んだ時期もありました。
 そんな時に、主人が言ったんです。
 養子を考えてみないかって。
 私達に子供が望めないように、親の望めない子もいるかもしれない。
 それから…たくさん悩みました。
 主人とも、何度も何度も話し合って、そうしてお互いに…
 後でやっぱりやめようなんて、決して言ってはいけない。
 子供に対しても、少しでも後悔する気持ちがあるんならやめよう。
 ホントにそう何度も確認して、今に至ってるんです。」
「そう…そうして、素敵な子に巡り合いました
 笑顔のかわいらしい、素敵な子です。」と川島。
「もう…手放したくないんです。」と美鈴。
「私達が…あの子に会えなくなると…辛い。」
「もし、心にまだ傷が残っているんなら、それは私達が治します。
 両手に抱え切れないほどの包帯は用意してるつもりです」

その話を廊下で聞いていたドンキは声を殺して泣き崩れる。

「水沢さん?」と美鈴。
「すみません…何でもないです。」
「私達何か偉そうなことでも…。」
「そういうことじゃないんです。
 私も…あなた達みたいな方に、巡り合いたかったです。
 もっと…あの子くらい、小さな少女の時に。」

ボンビが東條とサッカーの練習をしていると、そこにハンとリュウがやってきた。

東條家
「ごめんね。マリアが出掛けていてね。どうぞ。」
「いただきま〜す!うめぇ〜!」
「お友達も呼んでいたんだね。」と東條。
「おいらは…。」とボンビ。
「おいらだって。」「まだ芝居ぶっこいてるよ。」

「どうぞ。汗かいたし後でみんなでお風呂入ろうか。」
「マジで?」「ジャグジー付き?」
「えっ?ああ。」
「イェ〜イ!最高!」「おい!脱ごうぜ。」
「あぁ…ちょっと。こんな所で。」と東條。
「お前も脱げよ!まっ無理だろうけど。」「胸ペタンだから、上脱いだだけじゃ分からないか。」
「おいら…。」
「どうしたんだい?大丈夫?
 君達!よく分からないけどこの子をいじめようっていうなら帰ってもらうよ。」
「違うんです…。」とボンビ。
「違う?」
「ごめんなさい。」
「えっ?」
「ごめんなさい!」
「あっ。ちょっと!」
ボンビは東條家を飛び出し…。

「先生の子供…踏切の事故で亡くなったんだって。」とピア美。
「踏切?」とポスト。
「何でポストのこと、愛なんて呼んだのかな?」
「私、写真の子と似てた?」
「ううん、別に。」
「…奥さん、子供部屋で寝てた。きっとその子のこと考えながら。」
「娘だって、思いたかったのかな?」

「きっと、そうなんだろうね。」と朝倉
「先生。」
「君達に会う前からも…娘が帰って来るなんて、まだ混乱してるようなことを…。
 …あの日、娘は、友達の脱げた靴を取りに…踏切に入ってって…。
 即死だった。
 ショックだった。
 でも、僕以上に妻が…。
 無理もない。一卵性親子っていうのかな?
 すごく仲のいい親子で、どこに行くのも一緒で。
 そんな2人の姿を見るのが…僕の幸せだった。
 思い出を消すために越したのに…。
 娘のにおいを消すのが怖いんだ。
 あの子の部屋だけ元通りに整えて…ふと…気配を感じたりして。
 すまない。教師が子供達の目の前で泣くなんて。
 瞳が、君と娘をどうして重ねたのか、僕にも分からない。
 あの子がいなくなった事実を、頭では分かっていても
 心では受け入れられなかったのかもしれない。
 はぁ〜。でも…君達には感謝してるんだ。
 久しぶりだったんだ!あんなに妻が…笑って。
 嬉しそうに…。」
「私達でよければ、いつだって…ねっ。」とピア美。
「ああ。ボンビやドンキも連れて来ようか。」
「あとニッパチも!」
「それはどう?」
二人はおならの音を真似し、笑い合う。

コガモの家
「川島ご夫妻は、もう少し様子を見させてほしいとそうおっしゃってくれました。」と叶。
「それで大丈夫か?」と佐々木。
「密に連絡を取り合います。」
「うん。」
「それから…これは私事ですが、1つご報告が。」
「何だ?」
「このたび、結婚する運びとなりました。」
「フッ。自分だけの、新しい居場所とやらが見つかったか?」
「この仕事も辞めることになります。」
「何だと?残された奴はどうする?
 養親は?里親は?」
「役所の所定の手続きに。」
「それじゃダメだ!子供達が自分で選ぶ、それができないじゃないか!」
「…」
「お前言ったよな?子供達の居場所は、子供達自身の手で見つけさせるんだって。
 小さい頃、優しい里親に引き取られたかった。
 お前俺と最初に会った時そう言ったよな?だから俺は…!」
「…」
「残された子供はどうすんだって、聞いてんだよ!
 この家を見ろ!まだまだいるぞ!これからだって。」
「私なりに精いっぱいやって来ました。」
「ふざけるな!
 片手間に優しくするだけなら、誰にだってできる。
 ずっとそばに置けるわけじゃない。
 だから時には突き放し、強い心を持たせて、送り出さないといけない!」
「…」
「しょせんお前もそういう人間か。
 本音は、自分さえよければいい。
 この、クソ偽善者が!」
怒って立ち去る佐々木。

「おかしいわ。
 さっきも…川島さんの家で、私は…。
 私…子供達の間でこう呼ばれてるんでしょ?
 アイスドールって。
 氷の人形がこんな涙なんか…。」
叶の悲しそうな背中にロッカーは…。

夕食の時間
「あれ?ボンビは?」とポスト。
「まだ帰ってないみたい。」とピア美。
「あいつが飯時に遅れるって…。」
「珍しいこともあるもんね。」とオツボネ。
「うん。」

「ばつが悪くて戻れないんじゃないかな?」とハン。
「ちんちんないってバレちゃったし。」とリュウ。
「ハハハ…。」「ハハハ…。」

「お前ら何言ってんの?」とポスト。
「あいつのウソ、僕らが暴いてやったんだよ。」
「あんた達何したの?」とピア美。
「だ〜か〜ら!フットサルを一緒にやって汗流しにお風呂に入ろうってことになったんだよ。」
「でもあいつ脱げないじゃん!だからさ…。」
「お前ら!!ボンビがどんな思いで、どんな気持ちで男の子のフリして…。」
「そんなの知らないよ。」
「そうだ。僕らを出し抜いてズルしたあいつが悪いんだ。」
「この野郎〜!」

「やめなさいポスト!先に手出したらダメだって。」とオツボネ。

この時ロッカーは、ドンキが不敵な笑みを浮かべていることに気づき…。

ボンビは空き地の土管の中にいた。
「やっぱりここだったか。」
ポストが焼き芋を差し入れする。
「ん。」
「ありがとう。…聞いた?」
「ハンとリュウからな。ぶっ飛ばしてやろうかと思ったけど、オツボネに止められた。」
「あの2人は悪くないよ。悪いのは、ウソをついた私。」
「ボンビはいつもそう言うね。悪いのは私。」
「だって、実際そうだもん。」
「かもしれないけど、時々は誰かのせいにしちゃってもいいんじゃない?
 甘えるっていうかさ。」
「ポストもしないじゃない。」
「えっ?」
「ポストも、誰かのせいにしないでしょ。甘えたりも。」
「私はかわいげがないあまのじゃくなだけ。ボンビみたいないい子じゃない。」
「そうかなぁ。」
「そうさ。」
「…あのね、ポスト。私、ウソがバレて、パニックになって、今までぼんやりしてて、
 まだ、泣いてなかったの。」
「そっか…。」
「悪いけど、ちょっと…泣いてもいいかな?」
「ああ。もちろんさ。」
ボンビが泣き出す。
「これが、最後にするから。一緒に付き合ってくれる?」
「よし!世界中に聞かせてやるか。」

「せ〜の…。」
「ジョリピ〜!」「ジョリピ〜!」

コガモの家
「どこへ行く?」
ドンキとピア美の前に佐々木が立ちはだかる。背後にはハンとリュウ。
「ボンビを捜しに。」
「芝居はよせ。」
「えっ?」
「友達思いの芝居はよせと言った。
 こいつらに、東條家とあいつの話を告げ口したのは、お前だそうだな。」
「私は…。」
「なぜだ?なぜそんなことをする?
 同じ部屋で、あいつの気持ちは痛いほど分かっていたはずだ。」
「…どうせすぐバレちゃうじゃないですか。」
「ドンキ…?」
「ボンビはウソをついてたわけだし、毎日毎日、どんどんどんどん
 ウソを重ねて行くだけじゃないですか。
 それって本人は辛いだろうし、ジョリピだって…
 東條のご夫妻だって、時間がたつほどショックを受けるじゃないですか。
 そういうこと考えたら、ボンビのしてることだってやっぱり自分勝手じゃないですか!」
「ウソだ。お前はウソをついてる。
 自分の周りで、誰かが幸せになるのが嫌なんだ。
 妬ましいんだ。
 自分より不幸な子を見て、安心したいと思ってる。」
「違う…ウソじゃない…。」
「だがなぜだ!?お前は川島夫妻にかわいがられてる。
 うまく行ってるなのになぜだ?」
「私…ウソなんてついてない!」
後ずさりをしていたドンキは階段から転げ落ちてしまう。
「ドンキ?」
「痛って〜…痛った…。」
「大丈夫!?あっ!ドンキ!!」
ドンキは施設を飛び出し…。

ドンキが向かった場所は、香織が勤める弁当屋。
「あら!どうしたの?あなた。ケガまでして!
 どうしたの?ねぇ何があったの!?」
ドンキは香織の前で悲しそうに泣き始め…。

コガモの家
「あっ!ボンビ。」とピア美。
「やっぱいつもの土管にいたよ。」とポスト。
「よかった〜。…じゃない。今度はドンキがいなくなったの!」
「えっ?」

コガモの家の前
「見つかった?」叶がやってきた。
「…」
「何かあったんですか?」
「チッ。」
「交番にも一応連絡を。」

そこへ、香織がドンキを連れてやってくる。
「香織さん。」とオツボネ。

「どうして、お前がここに?」
「…」
「どうしてここを知ったんだと聞いてるんだ。」
「あの…最初に、知り合ったのは私なんです。
 香織さんに助けてもらって。
 それで…ドンキがお弁当屋さんの人だって気付いて。」とオツボネ。

「どうして警察を辞めたの?仕事が生きがいだったじゃない。」
「…それ以上に、お前が大切だと気付いたからだ。
 それは…ずっと前から、気付いていた。」
「…そうよね。お腹の子より、私を優先したんだもの。」
「どういう…?」と叶。
「当時、この人の子供を妊娠した時、お医者様に、私の体は出産には耐えられないって言われたの。
 私はこの人に頼んだ。
 赤ちゃんの命を諦めることなんてできない。
 どちらかを選ばなきゃならないなら、迷わず、この子の命を助けてほしいって。
 その2日後、ひどい出血をして、意識が遠のいて…
 次に、目が覚めた時…赤ちゃんはいなかった。
 どこにも…。」
「やめろ!!…ここで…そんな話はするな。」
「そうね。不思議。こんな話、今まで誰にもできなかった。
 話せるようになったのは、ここの子供達のおかげ。
 それでやっと少し楽になったの。
 …この施設を始めたのは、贖罪のため?」
「108人…。
 俺の煩悩の数だけ、親を求める子供に、新しい親を見つける。
 それが俺の…贖罪だ。」

「ぼんのう?」とピア美。

「そうして、その時、もう一度お前の前に姿を現して…。」
「フッ。自己満足ね。そんなことしたって、私達の赤ちゃんは戻らない!」
「だが…他に…。」

「待ってください。
 自己満足で、これほどのことはできません。
 始まりはどんな形でもいい。
 これほど多くの子供を、新しい家族の元に送り出し、自分だけの場所をつくってあげる。
 そんなことをする人は、他にいません。」と叶。

「…そんな子供思いの人が、じゃあどうしてこの子を傷つけたの?
 女の子の顔にこんな傷をつけて。」

「私…ウソなんか、ついてません。」とドンキ。

「どういうこと?」とポスト。
「うん…。」とピア美。

「あなたに子供を預かる資格があるとは思えない。
 何も変わっていない。何も…。」
「…」
香織はドンキを抱きしめ、そして立ち去る。
「ま…待ってくれ!」
「…」

翌日、ポストは一人、朝倉家に向かう。
ドアをノックしようとすると、部屋の中から皿の割れる音が聞こえてきた。

「離して!そんなのウソよ!離して…!」
「ウソじゃない!聞くんだ!
 この間来たのは、僕のクラスの子だ。
 愛じゃない。もう愛は帰って来ないんだよ!」
「…何言ってるの?あの子は塾に行ってるだけよ。
 もうすぐ帰って来る。どうしてそんなこと言うのよ!」
「見なさい!!…愛の遺影だ。
 あの写真は、一番愛らしいって君自身が選んだんじゃないか!」
「…いないの?」
「…ああ。」
「愛は…もういないの?
 もう会えないの?
 もうママって呼んでくれないの!?」
「瞳…今辛いかもしれないけど前を向こう。
 僕が君を支える。ずっと支えるから。
 瞳…。」
「行かなくちゃ。
 あの子きっと寂しがってる。
 愛の声が聞こえるの。ママに会いたいって。
 早く行かないと…はぐれちゃうでしょ?」
瞳の手には包丁!
「やめろ!!」

玄関の戸が開く音。
「愛…。帰って来た!
 おかえりなさい愛。」

「ただいまママ。」ポストはそう答え…。


子を亡くした親。親に捨てられた子供。
それぞれの傷は深く、どれだけ時間が過ぎても忘れることなどできず、
周りの愛情に癒やされることもなく…。

大切な人を失ったからこそ分かり合える。
お互い癒しあえるような家族が増えていくといい…。
傷ついた子供たち、大人たちの姿にそう思いました。

シンデレラボーイになったボンビ、でもやはり、魔法はすぐに解けてしまいました。
意地悪をしたのは…ドンキだった!

ドンキがロッカーの暴力を見た時の表情、ロッカーの豹変に驚きと戸惑い、
そして、そこかららスーッと冷たい表情に変わっていくのが印象的でした。
そのシーンがこのようにつながっていたとは!

ロッカーは男のDVから女性を守ろうとした。
そしてドンキはわざとでなく、あえて真実を大人たちに伝えなかった。
他人を悪く思わせ、自己の評価を上げようとする。
ドンキの心の闇は母親の身勝手が作ったもの。
彼女を癒やすのは、川島夫妻なのか、本当の母親なのか…。

子供たちの本当の名前、うまく引っ張りますね〜!
DQNネーム。教師も読めず実際苦労しているんだろうな〜。
ポストの本当の名前、気になります。

そのポストは瞳のことをママと呼びました。
ポストは人の気持ちを考えることができる優しい子。
愛ちゃんの代わりではなく、瞳がポストを必要としてくれるようになるといいな。




公式HP


主題歌 - コトリンゴ「誰か私を」(commmons)
B00HS9Z36C誰か私を
コトリンゴ
commmons 2014-03-05

by G-Tools



B00HFA3VNG明日、ママがいない オリジナルサウンドトラック
音楽:羽毛田丈史
バップ 2014-02-26

by G-Tools



気になるセリフ
第1話
「どうした?芸の一つもできないのか?
 そんなことじゃ、もらい手はつかんぞ。
 いいか?ここにいるお前達は、ペットショップの犬と同じだ!
 ペットの幸せは飼い主で決まる。
 飼い主はペットをどうやって決める?
 かわいげで決める。
 時に心を癒やすようにかわいらしく笑い、時に庇護欲をそそるように泣く。
 初対面の大人をにらみ付けるようなペットなんざ、誰ももらっちゃくれない!
 犬だって、お手ぐらいの芸はできる。
 分かったら泣け。」(佐々木)

「いいか?よく聞け。
 お前達は、デカいみそが付いてんだ。
 親から捨てられた子供。それだけで十分、色眼鏡で見られる。
 世間はかわいそうと思ってくれるかもしれない。
 でもそれは、一時的な同情。無関係だから抱ける感傷だ!
 子供をかわいそうと思ってる自分に、酔ってるだけだ!
 みそ付きのお前らが、誰かに手挙げてみろ。
 あっという間に手のひら返しで、これだから親のいない子は!となる。
 そうなったら最後…お前らの人生詰むぞ!
 …先に手出したら負けだ。」(佐々木)

「くだらん理由で逃げ出して、犬のくせに尻尾の振り方も知らない。
 そんな犬は、いつ捨てられても文句は言えない。」(佐々木)

「私は、親が子供を選ぶ現在の制度に疑問を抱いてるだけです。
 子供にも、親を選ぶ権利があるはずです。
 あの子達には、自分だけの帰る場所が必要なんです。」(叶)
「…場所ね。必要なのは人じゃなく、場所か。」(佐々木)
「人に執着するのは…悲劇しか生みませんから。」(叶)

「人間の煩悩は…108つあるらしい。
 あと…何人だ。
 あと何人で108人になる。
 あと何人で俺は自由になれる…。
 そしたら…俺は…。」(佐々木)


キャスト
ポスト(9)(芦田愛菜)
ドンキ / 真希(9)(鈴木梨央)
ピア美(9)(桜田ひより)
ボンビ(9)(渡邉このみ)

オツボネ(17)(大後寿々花)
ロッカー(三浦翔平)

パチ(五十嵐陽向)
ハン(阪本光希)
リュウ(阪本颯希)

笹塚 蓮(藤本哉汰)

涼香(酒井美紀)

東條祐樹(28)(城田優)
東條の妻(Mailys Robin)
レイミ()

謎の女性(40)(鈴木砂羽)

アイスドール/水沢叶(25)(木村文乃)
ドンキと同じ年の頃、「お試し」を経験している。

魔王/佐々木友則(48)(三上博史)

第1話
加藤一郎(店長松本)
加藤久子(池津祥子)
細貝(西村和彦)
細貝晴美(櫻井淳子)

第2話
安田美智子(江口のりこ)
安田裕(長谷川朝晴)
川島(松重豊)
川島美鈴(大塚寧々)


第3話
吉田アズサ(優希美青)
吉田弓枝(澤田育子)
吉田正一郎(吉野容臣)
三田村(犬山イヌコ)

オツボネの母親(西尾まり)

第4話
ボンビの伯母(遠山景織子)
酒井祥子(林田麻里)
酒井大輔(杉田吉平)

第5話
山口(松林慎司)
山口潤子(高橋かおり)

岩本(川村陽介)

五十嵐みどり(高橋ひとみ)

ピア美の父(別所哲也)

スタッフ
脚本監修: 
 野島伸司
脚本: 
 松田沙也
演出: 
 猪股隆一
 鈴木勇馬
 長沼誠
チーフプロデューサー :
 伊藤響
プロデューサー:
 福井雄太
 難波利昭


芦田愛菜ちゃんの主な出演作品



三上博史さんの主な出演作品





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